サブドメインとは?取得方法から活用例、独自ドメインとの使い分け方

サブドメインとは?取得方法から活用例、独自ドメインとの使い分け方

サブドメインは独自ドメインを細分化したもので、例えば、独自ドメインを本社とするとサブドメインは各部門を表しています。GoogleやYahoo!なども検索画面があるトップページは独自ドメインを使用していますが、メールやニュースなどの機能ごとにサブドメインを持っています。サブドメインはどのようにして取得するのでしょうか?

今回は、フリーランスSEの筆者が、サブドメインについてご紹介します。

サブドメインと独自ドメインの違いや使い分け方などに加えて、サブドメインはSEOの視点からはどのような効果があるのか?についても解説しています。

サブドメインについて充実の内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

サブドメインとは?作り方は?

サブドメインとは、本体の独自ドメイン(ルートドメイン)を複数に分割するために任意で設定するドメイン名のことです。ひとつのドメインを複数のサブドメインで区切ることで、それぞれの用途やサービスごとのWebサイトを構築することが可能になります。例えば、製品サイトとショッピングサイトを、サブドメインを使って分割したり、あるいは本番環境と同様の開発環境を構築したりするといった活用方法があります。

サブドメインの見分け方

サブドメインは、独自ドメインの文字列の直前に、違う文字列を挿入します。例えば、独自ドメインが「◯◯◯.com」なら、サブドメインは「aaa.◯◯◯.com」「bbb.◯◯◯.com」となります。この「aaa」「bbb」がサブドメインです。

サブドメインの作り方

サブドメインを取得するためには、独自ドメインを取得する必要があります。

まずは、ドメインを運用するための、サブドメインに対応しているレンタルサーバを用意しましょう。サブドメインの設定方法は、レンタルサーバによって異なります。ドメインのDNSゾーンレコードを直接編集できる場合は、そのDNSゾーンレコードに任意のサブドメイン名を登録することで、設定することができます。もしくは、レンタルサーバが提供する設定画面などを使用して、サブドメインを作成できる場合もあります。サブドメインの名前は好きに決められるので、Webサイトの内容を表すような名前をつけましょう。作成できるサブドメインの上限数は、レンタルサーバや契約するプランによっても違いがありますので、お使いのレンタルサーバで詳細を確認してください。

サブドメインの設定がサーバに反映されるまでには、最大で72時間程度かかります。その間は、Web環境によってサブドメインに作成したWebサイトが閲覧できないこともあります。

サブドメイン設定

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サブドメインとサブディレクトリ、SEO上有利なのは?

独自ドメインを分野別に区切るには、サブドメインの他に、サブディレクトリという方法もあります。では、サブドメインとサブディレクトリは、どう違うのでしょうか?

 「サブドメイン」と「サブディレクトリ」の違い

サブドメインとサブディレクトリは、どちらも独自ドメインを区切って使うためのものです。サブドメインは独立したWebサイトを作成しますが、サブディレクトリはメインサイトの下層ページとほぼ同じように扱われます。独立したWebサイトではないので、サーバの管理は不要で、どのレンタルサーバでも使用することができます。

サブディレクトリは、独自ドメインのURLの後に「/(スラッシュ)」で区切ることで作成されます。独自ドメインが「◯◯◯.com」なら、「◯◯◯.com/aaa/」「◯◯◯.com/bbb/」などがサブディレクトリを表しており、どれもメインサイトのコンテンツの1つです。独自ドメインを解約すると、サブドメインもサブディレクトリも消えてしまうので注意しましょう。

どちらがSEO対策に有利?

サブドメインとサブディレクトリで、検索エンジン最適化(SEO)に適しているのはどちらでしょうか?

Googleは、どちらを選んだ場合でも検索結果の順位評価にほとんど影響がないとしています。しかし、新規ページの評価などに差が出る場合があるので、そのあたりをきちんと理解しておきましょう。

サブドメインとサブディレクトリの大きな違いは、サブディレクトリがメインサイトの評価を引き継ぐという点です。サブディレクトリを作成することで、メインサイトのコンテンツを増強することができます。メインサイトのGoogle評価が高い場合、新規に作成したサブディレクトリのページもその評価を直接引き継ぎます。しかし、逆にサブディレクトリのコンテンツの品質が低ければ、本体のメインサイトにも悪影響を与えるというデメリットもあります。サブドメインの場合も、メインのルートドメインの評価が反映される場合がありますが、サブディレクトリほどではありません。

サブドメインも、サブディレクトリも、ドメインの運用コストという面では差がありません。ただし、サブドメインの場合、アクセス解析の設定や、SSL証明書など、個別に対応が必要になる場合があるので注意しましょう。

なお、サブドメインでSSLを利用する場合、ドメイン名にワイルドカードを含めることによって複数のサブドメインをひとつのSSL証明書でカバーできるようになります。その場合、一部の古いブラウザや携帯電話などでは対応していないものもありますので、サブドメインでのサイト運用を始めるにあたっては、事前にしっかりと確認しておきましょう。

サブドメインの使い分け方

どういう意図でWebサイトを運営するのか、コンテンツが本来のWebサイトとどのくらい関連性があるのかなどを考え、サブドメインとサブディレクトリのどちらを使うかを決めましょう。

・サブドメインを使用する場合

  • メインサイトのコンテンツとはテーマがはっきり異なるとき
  • メインサイトのコンテンツとデータを別に管理したいとき
  • 異なるテーマのサイトを複数作りたいとき

・サブディレクトリを使用する場合

  • メインサイトのコンテンツと関連したコンテンツを作るとき
  • メインサイトのコンテンツの1つとしたほうが、ユーザーにわかりやすいとき
  • メインサイトのコンテンツも一緒に増強させたいとき

サブドメインの活用例

Yahoo!JAPAN、楽天、Googleなど、サブドメインをうまく活用して複数のサービスを運用している例はたくさんあります。

例えばYahoo!JAPANの場合、独自ドメインは「検索サイト」「ポータルサイト」に使われていますが、Yahoo!JAPANの一部である「Yahoo!メール」「Yahoo!ニュース」「Yahoo!ショッピング」などは、それぞれ独自の機能を持ち、サブドメインで運用されています。それぞれのコンテンツごとに機能が異なり、サイトとしての役割やターゲットも異なるので、別サイトとして独立させているのです。

Webサイト作成

独自ドメインとサブドメインの使い分け方

新規でWebサイトを作るときは、ドメインも新しいものを取得する人が多いと思います。

最近はドメインの価格も下がり、ほとんどのサーバでマルチドメインを使用できるので、独自ドメインでのWebサイト作成も手頃な価格になっています。では、あえてサブドメインでWebサイトを作成するには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

独自ドメイン

独自ドメインは、元からあるWebサイトの評価を受け継ぐことはできません。

そのため、独自ドメインのWebサイトが評価されるためには、ある程度の質と量をそろえたコンテンツが必要です。新しいWebサイトを長期的に運用し、これからコンテンツが増えることが予想される場合やドメイン名を長く維持したい場合は、独自ドメインがおすすめです。

また、異なる分野のWebサイトを複数作り、それぞれをブランディングしたい場合も独自ドメインを使いましょう。

基本的にWebサイトの数だけドメインを取得するにはコストもかかり、サーバもそれぞれ設定・管理する必要がありますので、費用と手間がかかります。

サブドメイン

独自ドメインに比べ、サブドメインはメインサイトと同じ製作者であることがわかり、ゆるやかなつながりを持つ補助的なコンテンツといえます。

サブディレクトリほど完全に一体化はしていませんが、メインサイトとは別のサーバに置くことで、サーバの負荷を分散させることができます。

サブドメインは、1つの独自ドメインからいくつものWebサイトを運営できるので、コストがかかりません。また、独自ドメインの評価を引き継げるので、本体のWebサイトが評価されていれば、最初からある程度の評価も受けることができます。しかし、メインサイトがペナルティを受けた場合、サブドメインのほうも同時にペナルティを受ける可能性があります。

ペナルティ

サブドメイン以外の方法が最適な場合も

新しくWebサイトを作るときは、「独自ドメイン」「サブドメイン」「サブディレクトリ」の3つの方法があります。

内容がまったく異なるサイトを作るときには独自ドメインのほうが自然ですが、コストを考えるとサブドメインやサブディレクトリで作成するのが手軽でおすすめです。どの方法もそれぞれの向き不向きがあります。SEOの観点では、どちらを選んだ場合でもGoogleの順位評価はほぼ影響がないとされていますが、メインのドメインの評価を引き継ぐ度合いとしては違いがあります。

どういうWebサイトを作りたいのか、内容的にはどのくらい関連しているのか、そしてWebサイトが完成したときにはどのくらいのボリュームになっているのかなどを総合的に考えて、ドメイン運用の方向性を決めましょう。