PHPを使ってできることとは？得意分野を知ってWeb開発に生かそう！

PHPには、WebサイトやWebアプリケーションを開発するための機能が豊富に備えられています。Webサイト開発のソフトウェアとして有名なWordPressもPHPで記述されています。そのため、PHPの学習をすることで、WordPressをより使いこなせるようになります。

この記事ではPHPの特徴、PHPで実現できることなどについて詳しく解説します。

PHPとは？プログラミング言語の特徴は?

PHPは、Webページを制作するための機能を多く備えているプログラミング言語です。

一般的に、Webページを制作する際は、HTMLを用いて記述します。中でもブログやECサイト、Webアプリケーションの多くは、HTMLとPHPの両方を用いて作られていることが多いです。

PHPは「PHP : Hypertext Preprocessor」の頭文字を表しています。Preprocessor（プリプロセッサ）とは、ソフトウェアに引き渡すデータの整形などの準備処理を行うソフトウェアのことです。PHPはHTMLのためのプリプロセッサで、HTMLに埋め込む形で記述します。フレームワークも非常に充実しており、Webページ制作でよく使うような機能は、自分でプログラミングしなくても、公開されているライブラリを使用すれば簡単に実装できます。

そして、PHPの構文はシンプルで、非常に学習しやすいことも大きな特徴のひとつです。参考書の種類も豊富な上、インターネットにも多くの情報が掲載されており、プログラミング初心者でも気軽に学習を始めることが可能です。

代表的なプログラミング言語であるC言語やJavaと近い構文が採用されているため、すでにC言語やJavaを学習済みであれば、より簡単にPHPを習得できます。逆に「将来的にC言語やJavaの学習をしたい」という方は、先にPHPを学習することで、C言語やJavaを理解しやすくなるでしょう。

また、PHPは多くのレンタルサーバではじめから利用可能です。そのため、自分で開発環境を構築する必要がないことからも、プログラミング初心者に適している言語だといえるでしょう。

　

PHPでできることとは？

PHPには、Webアプリケーションを開発するための機能が豊富に備えられています。

また、Webページを制作する代表的なソフトウェアにWordPressがありますが、このWordPressもPHPで開発されています。

基本的な機能を使うだけであれば、プログラミングの知識がなくても、WordPressでWebページを制作することは可能です。しかし、少し凝ったWebページを作りたい場合は、HTMLやPHPで書かれたソースコードを編集するスキルが必要になってきます。

次に、実際にPHPを使用するとどのようなWebサイトを作成できるのか、具体例をご紹介します。

PHPでできること①ECサイト

ECサイト（EC＝electronic commerce：電子商取引）とは、商品やサービスを販売するWebサイトのことです。オンライン書店や音楽のネット配信サイト、ショッピングサイトなどがECサイトにあたります。

一般的にECサイトには、以下のような機能が必要です。

• 会員情報の登録、変更、削除
• ログイン、ログアウト
• 決済処理
• 商品の在庫や売り上げの管理
• 商品の予約、購入、ショッピングカート

ECサイトの制作に必要な機能の多くは、PHPで簡単に実装でき、実際にPHPで開発されたECサイトは数多くあります。

ただし、WordPressを自力でカスタマイズしたり、凝ったものを作成したりする場合、難易度は上がります。

PHPでできること②SNS

SNS（Social networking service）とは、インターネットを通じて、コミュニティの意思疎通や情報発信をサポートするサービスやサイトのことです。

TwitterやFacebook、LINE、Instagram、TikTok、Skype等、さまざまなSNSが開発、公開されています。

SNSの開発には、以下のような機能を実装する必要があります。

• ユーザーの登録や削除、プロフィールの変更など
• ログイン、ログアウト
• 投稿などの情報発信といったコンテンツの作成、変更、削除など
• 友達登録やグループの作成
• 個人やグループのチャット、メッセージの送受信

SNSは非常に簡単に実装でき、PHPの初学者でもそれなりのSNSを制作できます。しかし、ECサイトと同様に、凝ったものを作りたい場合は難易度が上がります。

PHPでできること③お問い合わせフォーム

多くの企業のホームページなどにはお問い合わせフォームがあります。Webサイト上の間違った情報の報告や、商品購入を検討している方からの質問など、さまざまな状況でホームページの管理者に問い合わせをしたいときに役立ちます。

お問い合わせフォームには、以下のような機能が必要です。

• 送信者のメールアドレス、名前など情報の入力
• メッセージの送信

お問い合わせフォームは、多くのサイトに実装されており、Webサイトを構築する一般的な部品です。そのため、多くの制作者が作り方を公開している上、作成のための基本的な部品がライブラリに備わっていますので、簡単に実装することができます。

1から自分で構築する場合は少し難易度が上がりますので、初心者の方はシンプルなメールフォームを使用するのがおすすめです。

PHPでできること④予約システム

宿泊施設や劇場、映画館、レストランにとって、インターネットで予約システムを作っておくのは非常に有益です。24時間自動で対応してくれる上、空席・空室の状況を顧客に公開できるため、多くの顧客を迎えられるようになります。

電話で問い合わせるのは心理的なハードルが高いため、予約をインターネット上だけで完結できるのは、利用者にとっても便利です。

こういった予約システムも、PHPで作成することができます。予約システムの実装には、以下の機能が必要です。

• 空席、空室状況をデータベースから取得して表示
• 予約のための情報を入力
• 入力された情報をデータベースに反映

PHPを用いて自力で予約フォームを作成するなら、データベースの構築やセキュリティに関する知識が必要です。ユーザーの個人情報保護を考慮して実装しなくてはならないため、注意しましょう。

WordPressを使用するなら、予約システムを構築するプラグインが多数公開されていますので、それらを使えば簡単に実装できます。

　

PHPで実現できないことや向いていないこととは？

Webページを作成するのが目標であれば、PHPは学習しておくべきプログラミング言語です。しかし、作りたいものがWeb系でないのであれば、必ずしもPHPである必要はありません。例えば、複雑なシステムの開発は、PHPにはあまり向いていません。適さない言語での開発は効率が悪いですから、作りたいものに合った言語を選びましょう。

また、処理速度が遅いため、大量のデータ計算のような、負荷がかかる作業は不向きです。

Webサイトの作成でも、動的なコンテンツはPHPやJavaScriptで作りますが、静的なデザインはCSSで作成する場合が多いです。PHPのメリットを生かしたいのであれば、今回ご紹介したECサイトやSNSなどの作成をするとよいでしょう。

　

PHPの学習方法を紹介！

PHPの学習方法は大きく、 以下の3種類に分けられます。

• オンライン学習システム
• プログラミングスクール
• 独学

オンライン学習システムは、自分のペースで学習を進められるため、わからない部分に時間をかけたり、すでに知っている部分をスキップしたりできます。しっかり理解できるまで反復できるため、初心者に適しています。あらかじめ要点がまとめられており、効率のよい学習カリキュラムが組まれているのも魅力です。現役プログラマーの講師から学べるプログラムもあります。

独学の場合は時間がかかり、苦労する可能性もありますが、しっかりやり込めば相応の実力がつきます。PHPはインターネットにも多くの情報が掲載されており、書籍も出版されていますので、自分が使いやすいものを選んで勉強できます。ただし、PHPの知識だけでなく、データベースやCookieやSessionの基礎知識といった周辺情報も同時に学ぶ必要がありますので、勉強する順番も検討する必要があるでしょう。

プログラミングスクールは、疑問があったらその場で講師に質問できるのが大きな利点です。また、周囲にPHPを学ぶ人がいる環境に身を置けるため、モチベーションを維持しやすいこともメリットのひとつです。しかし、オンライン学習システムや独学と異なり、費用が比較的高額になります。

　

「プログラミング言語を学ぶ」と聞くと、初心者の方にとっては難しく感じるかもしれません。しかし、今回ご紹介したPHPは、わかりやすくシンプルな上、多くの学習法から自分に合ったものを選んで学ぶことができます。WebサイトやWebアプリケーションの作成を考えている方は、ぜひPHPを学んでみてはいかがでしょうか？