【初心者向け】 基本のLinuxコマンド一覧!操作別に紹介

Linuxを操作するには、Linuxコマンドの知識が必要です。この記事では覚えるべき基本的なLinuxコマンドや便利なショートカットキー、Linuxのディレクトリ構造を紹介します。Linuxの使い方を学びたい初心者の方はぜひ参考にしてください。

Linuxとは

Linuxとは、OS(オペレーティングシステム)の一種です。Linuxはパソコンなどのハードウェアと、アプリなどのソフトウェアを仲介する役割を担います。Windowsなどのマウスで操作するGUI方式のOSとは異なり、Linuxはコマンドで操作するCUI方式のOSです。そのため、Linuxを操作するにはLinuxコマンドを覚え、キーボードから入力する必要があります。

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覚えるべき基本のLinuxコマンド一覧

Linuxコマンドを利用すると、ディレクトリやファイルの操作、ユーザ管理操作などが可能です。ここでは、覚えるべき基本のLinuxコマンドを表にまとめて紹介します。

ディレクトリ・ファイル操作

コマンド 操作の説明 利用できるオプション
cd 指定したディレクトリへ移動します -P 移動先がシンボリックリンクの場合に、物理ディレクトリに移動します
-L 移動先がシンボリックリンク以外の場合に、論理ディレクトリに移動します
ls 対象ディレクトリの情報を表示します -1 対象ディレクトリを縦にソートして表示します
-a 全てのディレクトリを表示します
-F 表示する情報を追加します
-full-time タイムスタンプを詳細に表示します
-h 読みやすい単位に変換して表示します
-help ヘルプの情報を表示します
-i 対象ファイルのi-node番号を表示します
-k ディレクトリのサイズをキロバイト単位に変換して表示します
-l ファイルの詳細情報を表示します
-m ファイル名をカンマで区切って表示します
-R 対象ディレクトリの中身を再帰的に表示します
-r 対象ディレクトリを逆の順番で表示します
-S 対象ディレクトリをサイズの大きい順に並べ替えます
-t 対象ディレクトリを更新時間の早い順に並べ替えます
-X 対象ディレクトリを拡張子ごとにまとめて表示します
pwd 現在アクセスしているディレクトリを表示します -P 物理ディレクトリとしてのディレクトリ名を表示します
-L 論理ディレクトリとしてのディレクトリ名を表示します
mkdir 新しいフォルダを作成します -p フォルダと共に親ディレクトリを作成します
-m フォルダ作成時にパーミッション設定も行います
-v フォルダ作成の経過を表示します
cp 対象のファイルをコピーします -b 上書きするファイルのバックアップを作成します
-f 対象ファイルを強制的に上書きします
-i 対象ファイルの上書きをする前に確認メッセージを表示します
-n コピー先にファイルが存在している場合に上書きするかどうかを指定します
-S バックアップファイルを作成する際、所定の文字を末尾に追加します
-v ファイルコピーで実行した内容を表示します
touch ファイルを新規作成、またはタイムスタンプを変更します -a 対象ファイルに最後にアクセスした日時を書き換えます
-c 指定したファイル名のファイルが存在しなくても新規作成を行わないように指定します
-d 文字列による指定で、タイムスタンプを書き換えます
-h シンボリックに設定されたタイムスタンプを書き換えます
-m 対象ファイルを最後に更新した日時を書き換えます
-r 指定したファイルと同じタイムスタンプに書き換えます
-t 指定した日時へタイムスタンプを書き換えます
rmdir 中身にデータが入っていないフォルダを削除します なし
rm 指定したファイルを削除します -d 空のディレクトリを削除します
-f 削除対象のファイルが存在しない場合に警告メッセージを表示せずに削除します
-i ファイルを削除する前に確認メッセージを表示します
-r ディレクトリを指定した場合に、中身のデータまで削除します
-v 削除行う際の詳細情報を表示します
mkdir ディレクトリを新規作成します -p 親ディレクトリも共に作成します
-mパーミッションの設定も行います
-v ディレクトリ作成の詳細情報を表示します
mv ファイルの移動や名称変更などを行います -b バックアップを作成した上で、ファイルの上書きや削除を行います
-f 警告メッセージを表示せずにファイルを上書きします
-I 警告メッセージを表示した上でファイルを上書きします
-n すでに同名のファイルやディレクトリがある場合はファイルの移動を行わないように指定します
-v ファイル移動の詳細情報を表示します
clear 端末の画面に表示された内容を消去し、綺麗な状態にします なし
cat テキストファイルの内容を表示します -A 非表示の文字まで全て表示します
-b 空白の行以外に行番号を表示します
-e TAB以外の全ての非表示文字を表示します
-E テキストの行末部分に$を追加して表示します
-n 全ての行に行番号を表示します
-s 空白の行を1行にまとめて表示します
-t テキストに含まれる非表示文字を表示します
-v TABと改行、改ページ以外の非表示文字を表示します
chmod 指定したファイルやフォルダの権限を変更します -c コマンドを実行し、内容に変更があった場合にその結果を表示します
-f 権限変更に失敗した場合のエラーメッセージを表示させないように指定します
-R フォルダ内の複数の対象データについて権限の変更を行います
-v 権限変更の詳細情報を表示します
chown 指定したファイルやフォルダの所有者情報を変更します -r ディレクトリにデータが含まれる場合、まとめて所有者を変更します
tar 複数ファイルを圧縮して一つにまとめる、または圧縮されたファイルの展開を行います -A アーカイブにtarアーカイブの情報を追加します
-c 新たにアーカイブを作成します
-d ファイルシステムとアーカイブの内容を比較します
-r アーカイブの末尾に対象ファイルを追加します
-t アーカイブの一覧で表示します
-u アーカイブに含まれるファイルを更新します
-x アーカイブに含まれるファイルを取り出します
find 対象ファイルを検索します -amin 指定した時間(分単位)以前にアクセスされたファイルを検索します
-anewer 指定したファイルへの最終アクセス日時より後にアクセスされたファイルを検索します
-atime 指定した日付以前にアクセスされたファイルを検索します
-H シンボリックリンクを指定して検索を行います
-L 全てのシンボリックリンクを対象に検索を行います
-mmin 指定した時間(分)以前に更新されたファイルを検索します
-mtime 指定した日付以前に更新されたファイルを検索します
-name ファイル名を指定して検索します
-newer 指定したファイルが最後に更新された後に更新されたファイルを検索します
-P シンボリックリンクを対象に検索を行います
-path パスを指定して検索を行います
-size サイズを指定して検索を行います
-type ファイルタイプを指定して検索を行います
locate ファイル名やディレクトリ名を指定してファイルを検索します なし
history これまでに実行したコマンドの履歴を表示します なし
ln ファイルやフォルダに対してリンクを作成します -s シンボリックリンクを作成します
man コマンドの使い方に関するマニュアルを表示します -k キーワードを指定してマニュアルの内容を検索します
apropos キーワードを指定してコマンドを検索します -C 所定の設定ファイルを対象に検索を行います
-d デバッグに関する情報を表示します
-l 結果を折り返して表示します
-L 検索時に使用する言語を指定します
-M manファイル上の検索パスを用いて検索を行います
-r 検索時のキーワードに正規表現を使用します
-s 所定の番号の章を対象に検索を行います
-v 詳しい警告メッセージを表示します
-w 検索時にワイルドカードを使用します

例えば、lsのコマンドを入力した場合の実行例は次の通りです。

「dev1 dev2 dev3」という表示結果の部分は、実際のファイル名やフォルダの構造によって異なります。

また、ディレクトリを移動するcdコマンドの実行例は次の通りです。

この例は、「user」というディレクトリから「dev2」というディレクトリへの移動を表します。

ユーザ管理操作

コマンド 操作の説明 利用できるオプション
chfn ユーザに関する情報設定を行います -f ユーザ名を設定します
-h 自宅の電話番号を設定します
-o オプションを設定します
-p 電話番号を設定します
-r 部屋番号を設定します
deluser 指定したユーザを削除します -r メールスープおよびホームディレクトリも削除します
groupadd 新たなグループを作成します -f すでにグループが存在している場合は処理を中止します
-g グループIDを指定して作成を行います
-o グループID同一なグループが存在していても作成を行います
-p暗号化されたパスワードを指定します
-r システムアカウントを作成します
groupdel 既存のグループを削除します -r 対象グループがプライマリグループであっても削除します
-R chrootで起点となるディレクトリを削除します
id 現在のユーザやグループのID情報を表示します なし
su ユーザを切り替えます – 環境を引き継ぐことなく切り替えを行います
useradd
/adduser
新たなユーザの作成 -b ホームディクトリとなるディレクトリを作成します
-d ユーザのホームディレクトリとなるディレクトリを作成します
-m ホームディレクトリを作成します(ホームディレクトリがない場合のみ)
-M ホームディレクトリを作成せずにユーザ を作成します

システム管理操作

コマンド 操作の説明 利用できるオプション
finger ユーザに関する情報を表示します -l シェルやホームディレクトリ、ログイン名、ユーザ名、メールを表示します
-m フルネームと比較せずに検索を行います
-s ログイン時間やアイドル時間、ログイン名、ユーザ名、端末名、オフィス、オフィスの電話番号を表示します
free 空き容量と使用容量を表示します -b バイト単位で容量を表示します
-g GB単位で容量を表示します
-h 読みやすい単位で容量を表示します
-k KB単位で容量を表示します
-m MB単位で容量を表示します
last ログインに関する履歴情報を表示します -a ホスト名を末尾に表示します
-d リモートログインを行う際に、ログイン元IPアドレスをホスト名で表示します
-i リモートログインを行う際に、ログイン元IPアドレスを表示します
-R ホストネームの情報を非表示にします
-t 所定の日時以前について情報を表示します
-x ランレベルの変更とシステムシャットダウンに関する記録を表示します

ネットワーク関連操作

コマンド 操作の説明 利用できるオプション
ftp ファイルのFTP転送を行います -d デバックモードをオンにします
-e コマンド実行履歴とコマンド編集をオフにします
-g ファイル名を展開せずに転送を行います
-i 確認メッセージを表示せずに転送を行います
-n 自動ログインができないようにします
-p ftpクライアントをパッシブモードで立ち上げます
-v ファイル転送の状況を表示します
ssh sshでログインを行います -1 SSHv1だけを使用します
-2 SSHv2だけを使用します
-4 IPv4接続だけを使用します
-6 IPv6接続だけを使用します
-A 認証エージェントの転送を行います
-a 認証エージェントを転送しないように指定します
-c 暗号化の方法を指定します
-C 全ての通信を圧縮します
-E 所定のファイルにエラー情報を書き込みます
-f sshのバックグラウンド化してコマンドを実行します
-F 設定に使用するファイルを指定します
-i 公開鍵を指定して接続します
-K GSSAPI認証を認める
-k GSSAPI認証を認めない
-l ユーザ名を指定して接続します
-o パラメータを指定する
-p ポート番号を指定して接続します
-q 診断情報やエラーを表示しない
-v デバッグ情報を表示します
-X X11ポートフォワーディングをオンにします
-x X11ポートフォワーディングをオフにします
-Y 信頼されたX11転送をオンにします
route ルーティングの設定や表示を行う -4 IPv4に関する情報を表示または操作します
-6 IPv6に関する情報を表示または操作します
-A アドレスファミリーを指定します
-C キャッシュの操作や表示を行います
-e netstatのフォーマットを使用してテーブルを表示します
-ee 1行に情報まとめて表示します
-F カーネル管理下のテーブルを操作または表示します
-n 名前解決をオフにします

テキスト処理操作

コマンド 操作の説明 利用できるオプション
cut 文字を切り出して表示します -d 区切り文字を指定します
-f データの番号を指定して表示します
diff ファイル間の差分を表示します なし
grep ファイル内に含まれる文字列を検索します -F 固定の文字列を検索します
-G 検索に正規表現を使用します
-i 小文字・大文字の区別なく検索します
head ファイル内容を先頭から10行まで表示します -n 行数を指定して表示します
less ファイル内容をスクロール操作で表示します なし
lv ファイル内容をページごとに表示、または多国語や文字コードの変換を行います なし
more ファイルの内容をページごとに表示します -num 行数を指定します
vi テキストエディタの起動や編集を行います -:q viエディタを終了します
-:q! viエディタの強制的に終了します
-:w 上書き保存します
-dd 1行全体を削除します
-i 編集モードへ切り替えます
-p コピーしたテキストを貼り付けます
-x 1文字分削除します
-yy 1行全体をコピーします

その他

コマンド 操作の説明 利用できるオプション
which 指定したコマンドのパスを表示します -i エイリアスが一致したものを表示します
-a 実行ファイルを全て表示します
who ユーザに関する情報を表示します -m 現在ログインしているユーザに関する情報を表示します
-q ログイン可能なユーザの数と各ユーザのログイン名を表示します
type コマンドの型に関する情報を表示します -t キーワードとファンクション、エイリアス、ビルトイン、ファイルの情報を表示します -f シェル関数を除いた情報を表示します
-a 全てのコマンドを表示します
-P ディスク上のファイル名を表示します
whatis コマンドの検索と説明の表示を行います -c 情報を表示する設定ファイルの指定します
-d デバッグに関する情報を表示します
-l 検索された情報を折り返して表示します
-L 検索に使用する言語を指定します
-M パスを指定してmanファイルを検索します
-r 正規表現を使用して検索を行います
-s 章を指定して検索を行います
-v 詳しいエラーメッセージを表示します
-w ワイルドカードを使用して検索を行います
cal カレンダーを表示させます -y 今年の分のカレンダーを表示します
-s 週の始まりを日曜日に指定します
-m 週の始まりを月曜日に指定します
-j 1月1日から起算した年間の通算日を表示します
-3 先月と今月、来月の3か月分のカレンダーを表示します
-1 今月のカレンダーのみを表示します
date 日付の表示や設定を行います -u UTC形式で日付を表示します
-s システム時刻に変更を加えます
-r 指定したファイルが最後に変更された時刻を表示します
-R RFC2822の形式で日時を表示します
-d 指定した日時を文字列として表示します

便利なLinuxショートカットキー一覧

Linuxはコマンド入力だけでなく、ショートカットキーから操作することも可能です。ここでは、覚えておくと便利なLinuxのショートカットキーを表にまとめて説明します。

ショートカットキー操作の説明
↑↓ 使用したコマンドの履歴を順番に表示します
Ctrl + a カーソル位置を先頭に移動させます
Ctrl + b カーソルの位置を1文字分戻します
Ctrl + d カーソルの位置にある文字を削除します
Ctrl + e カーソルの位置を末尾に移動させます
Ctrl + f カーソルの位置を1文字分進めます
Ctrl + h カーソルの左側にある文字を削除します
Ctrl + k カーソルがある位置から行末までを削除します
Ctrl + n 次のコマンドを呼び出します
Ctrl + p 前のコマンドを呼び出します
Ctrl + r 実行したコマンドの履歴から検索を行います
Ctrl + u カーソルがある位置から行頭までを削除します
Ctrl + w カーソルの左側にある単語を削除します
Ctrl + y 削除した文字を貼り付けます
tabキー フォルダ名やファイル名を予測変換します

 

【参考】Linuxのディレクトリ構造

Linuxでは、システムの動作に必要な各種ファイルが、決まったディレクトリに保存されています。そのため、Linuxのディレクトリ構造を知っておくと、トラブル時の対処などが可能です。

ここでは、Linuxの基本的なディレクトリ構造を説明します。

ディレクトリ名役割
/ (root) 全てのディレクトリの上位にあるルートディレクトリです
/bin 基本的なコマンドを格納しています
/boot システムの起動に必要なファイルを格納しています
/dev デバイス関連のファイルを格納しています
/etc Linuxの設定ファイルを格納しています
/home ユーザのホームディレクトリです
/lib ライブラリのデータを格納しています
/media リムーバブルメディアのマウントポイントです
/mnt マウントポイントです
/sbin システム管理者向けのコマンドを格納しています
/temp 一時ディレクトリーです
/usr 各種コマンドやドキュメントを格納しています
/var ログやキャッシュなどの保存に使用されます

OSの一種であるLinuxを操作するには、キーボードからコマンドを入力する必要があります。基本のLinuxコマンドを覚え、ファイルの操作やシステム管理などを行いましょう。また、ショートカットキーやディレクトリ構造に関する知識も、Linuxを扱う上で役立ちます。この記事で紹介した内容を参考に、ぜひLinuxを使いこなしてください。