Claude新機能「Artifacts」を使ったプロンプトを紹介

有名な生成AIのひとつであるClaudeで注目すべきは、「Artifacts」という特徴的な機能がある点です。

これまでの生成AIは対話形式でしたが、「Artifacts」が登場したことで、対話と出力、生成物の目視での確認が同時に行えるようになり、より作業効率が向上しました。

本記事では、「Artifacts」の使い方を解説するとともに、「Artifacts」を活用して作成したプロンプト例を紹介します。

便利な「Artifacts」の使い方を習得し、業務に活かしましょう。

Claudeの基本的な活用方法とは

ClaudeはAnthropic社が構築したLLM(大規模言語モデル)を利用して設計されている対話型AIです。数ある生成AIと同様に、Claudeは業務や日常生活のさまざまな場面で活用できます。

Claudeの基本的な活用方法は次のとおりです。

  • 特定のキーワードに関する情報収集や分析
  • 文章を書く際のたたきの作成
  • 記述したプログラミングのコードの添削
  • 学習や教育における疑問の解消
  • 企画やクリエイティブ業務におけるアイデア出し
  • 翻訳による言語間サポート
  • 提示した問題の解決方法を提案

生成AIは、ユーザーが知りたいことをわかりやすくまとめて文章で表す能力に長けています。

その中でもClaudeは特に、日本語による「文章を創出する」「文章を要約する」といった「言葉を操る」分野に対して強いのが特徴です。

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Claude公式サイトが公開しているプロンプトライブラリ

Claude公式サイトには、さまざまなプロンプト(ユーザーが実際に入力する指示や質問のこと)が掲載されているプロンプトライブラリがあります。

プロンプトライブラリには、Excelの関数を教えてくれるプロンプトや慣用句の解説をしてくれるプロンプト、料理のレシピを提案してくれるプロンプトなど、ジャンルを問わず数多くのプロンプト例が掲載されています。

公式プロンプト例1

出典:Claude公式サイト

公式プロンプト例2

出典:Claude公式サイト

プロンプト例3

出典:Claude公式サイト

ユーザーが求める成果物を得るためには、適切なプロンプトの作成が必要不可欠です。

まずは公式のプロンプトライブラリを参考に、独自のプロンプトを作成してみてはいかがでしょうか。

Claudeの新機能「Artifacts」とは

Anthropic社は、2024年8月28日に新機能「Artifacts」を無料ユーザーを含めた全ユーザーを対象に公開しました。Artifacts機能は、iOSアプリおよびAndroidアプリでも使用可能です。

ここからは、新機能「Artifacts」を2部に分けて紹介します。

  • Artifacts機能の概要
  • Artifacts機能の使い方

Artifacts機能の概要

Artifactsは、ユーザーとClaudeとの対話機能を拡張し、指示されたコンテンツをその場で表示させるための機能です。

Claudeをはじめとした対話型AIは、ユーザーとAIがチャット形式のやり取りで対話を行います。たとえば、プログラムのコードをAIに生成させた場合、コード自体は表示されます。しかし、生成されたコードが「実際どのように動くか」「どのように表示されるか」などは、ユーザーが実装して確認しなければなりません。

しかしArtifactsでは、ユーザーからコンテンツ生成の指示が出た場合、Claudeとの対話用ウインドウを2分割して、即座に画面上に生成物を表示させます。画面左側でAIとの対話を、画面右側で生成物の確認が可能です。

画像のように、生成したコードをもとに出力されるコンテンツをその場で確認できます。

生成をお願いしたのがコードならば、切り替えボタンで実際に生成されたコードの確認も可能です。

Artifacts機能の使い方

ここでは簡単に、Artifacts機能を使えるように簡単な使い方の説明をします。

まず、Claudeにログインしたら、画面左下のユーザーアイコンから「Setting」を選択してください。

次に、設定画面下部にある「Enable artifacts」のトグルボタンをオンにします。

Artifacts機能の設定は以上です。

Artifacts機能がオンになっていれば、AIが対話中にArtifacts機能が必要だと判断した際、自発的にArtifacts機能を使用してコンテンツを生成します。ユーザー側が「Artifacts機能を使用してください」と指示するのも有効です。

AIがArtifacts機能を使用すると判断しやすいコンテンツの種類は、次のとおりです。

  • コード:任意のプログラミング言語のコードスニペットやスクリプト
  • ドキュメント:プレーンテキストやMarkdown形式の文書
  • HTML:単一ファイルのHTMLページ(JavaScriptとCSSを含む)
  • SVG:スケーラブルベクターグラフィックス画像
  • Mermaid図:フローチャートや図表
  • Reactコンポーネント:インタラクティブなUIコンポーネント
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プロンプト例「業務に使えるプレゼン資料の作成プロンプト」

ここからは、具体例を用いながらプロンプトを作る方法を紹介します。

今回作成したプロンプトは、プロンプトをClaudeに渡す際、スライド化してほしいドキュメントなどの資料を添付した状態で渡せば、要点をまとめてスライドを作成してくれるものです。

作成したプロンプトは次のとおりです。

https://claude.site/artifacts/c50b1924-5908-4f79-b70a-081e575fd670

Artifactsは生成したコンテンツを即座に表示できる特徴があります。そのため、対話を続けながら、変更したい部分を指示して改良していきます。

まずはおおまかでよいので、何をしたいかClaudeに伝えます。

完成した資料は次のとおりです。説明内容はある程度まとまっていますが、スライドではありません。

https://claude.site/artifacts/a74bd9c5-41b1-4efa-869e-2593f0e762e4

初期段階で追加の指示を出す際は、可能な限りわかりやすくかつ「おおまかな指示」で行うのがポイントです。

指示を追加するたびに、右側に生成されるコンテンツは指示内容を反映し、「随時変更」されていきます。このコンテンツが指示するたびに生成される機能が、Artifactsの特徴でありメリットです。

https://claude.site/artifacts/2c4f3ece-6d6d-4231-9a84-e4fe1fdc1a9f

おおまかな部分を固めたら、少しずつ詳細を詰めていき、プロンプトを完成させていきます。

納得できるコンテンツを生成できるようになったら、プロンプトとして出力させます。

次に、「Projects」機能(ドキュメントやPDFを追加資料として利用できる機能)を用いて、出力したファイルを参照ファイルとして扱っています。

以上で、業務に使えるプレゼン資料の作成プロンプトは完成です。

このプロンプトを用いて作成したスライド例は、次のとおりです。

https://claude.site/artifacts/0dc74249-330c-4875-9832-e6c95dc480ea

スライドにしてもらうドキュメントで表示する内容は、下の画像のようにClaudeに作らせたものです。

プロンプト例「売上データ可視化ダッシュボード作成プロンプト」

ここからは、更に高度なプロンプトの例を紹介します。

Claude公式では、XMLタグを用いたプロンプト作成を推奨しています。

XMLタグとは、コンピュータが文章の構造を理解しやすいようにするためのマークアップ言語と呼ばれるものです。記述形式がわかりやすいため、ユーザーも視認しやすい特徴があります。

XMLタグはプログラミングの概念が必要となるため、難易度は少し高くなります。しかし、XMLタグを活用することで、より高品質の出力を期待できるためおすすめです。

プロンプト例

このように、各項目をXMLタグで囲うことで、項目内容を明確に定義させることができ、AIは理解しやすくなります。

上記プロンプトを用いて作成した売上データのダッシュボードは次のとおりです。

例として作成した生成物は、実際に収集したデータではなく、仮想データをAIに生成させています。

https://claude.site/artifacts/377579ef-01aa-4485-a956-d45896da7d36

ユーザーが作成したプロンプト例3選

ここからは、実際にユーザーの方たちがClaudeのArtifacts機能を使って作成したプロンプトを3つ紹介します。

  • 料理お手伝いプロンプト
  • 旅行ガイド作成プロンプト
  • フィットネス計画作成プロンプト

各項目には、プロンプト文をすべて記載しています。すべてコピーしてドキュメントとして保存し、Claudeに指示を出す際に添付資料として提示してお使いください。

料理お手伝いプロンプト

次のプロンプトは、作りたい料理を伝えると、料理レシピと調理手順を教えてくれるプロンプトです。

指示を出す際は、「エビチリが作りたい」という簡単な文章で問題ありません。

このプロンプトを使用することで、構造化されたデータを視覚的に魅力的なレシピ表示に変換できます。必要に応じてカスタマイズし、様々なレシピや料理のスタイルに適応させることができます。

旅行ガイド作成プロンプト

次のプロンプトは、行きたい場所を伝えると、旅行ガイドを作成してくれるプロンプトです。

指示を出す際は、「東京の旅行ガイドを作って」という簡単な文章で問題ありません。

このプロンプトを使用することで、構造化された旅行ガイドデータを視覚的に魅力的な形式で表示できます。目的地や旅行スタイルに合わせてカスタマイズし、ユーザーにとって有用な旅行情報を提供することができます。

フィットネス計画作成プロンプト

次のプロンプトは、運動したい日数やダイエットを考えているなど、フィットネス&ダイエットに関する希望を伝えると計画を立ててくれるプロンプトです。

指示を出す際は、「1週間のうち3日運動する計画を立てたい」という簡単な文章で問題ありません。

このプロンプトを使用することで、視覚的に魅力的で情報豊富な健康・フィットネスガイドを簡単に作成できます。目的や対象者に合わせてコンテンツをカスタマイズし、効果的な情報発信ツールとして活用できます。

Artifactsを活用したプロンプトを作るには

Artifactsを活用してプロンプトを作成する際は、AIと対話しながら作り上げていくだけでなく、次の機能を利用することで、さらに高度なプロンプトの作成を目指せます。

  • 関連資料の読み込み
  • プロンプトジェネレータの使用

これまで紹介してきたプロンプト例のうちいくつかは、「Projects」機能を用いてプロンプトファイルを読み込ませています。

「Projects」機能では、ドキュメントファイルやPDFファイルを読み込ませることができ、AIは読み込まれている資料を情報源として参照しつつ、回答を出力することが可能です。

この機能を用いることで、より専門的かつ限定的な回答をするプロンプトが作成できます。

また、プロンプトジェネレータ機能を使用し、特定のタスクに合わせた高品質のプロンプトテンプレートを生成するように、Claudeへ指示を出すことも可能です。

これらの機能すべてを活用することで、Artifactsで出力結果を見ながら、より高度なプロンプトを作り上げていけます。

まとめ

ClaudeのArtifacts機能は、出力と生成物の目視での確認が同時に行えるようになり、より作業効率が向上しました。

Claudeの使い方やArtifacts機能などはまだ公開されてから日も浅く、体系的にまとめられた情報を探したい場合、公式サイトを見るのがおすすめですが、英語表記という難点があります。

しかし、多くのユーザーが日々情報発信をしているため、新しい情報のキャッチアップを怠らず、トライアンドエラーを繰り返しながら学んでいくのがおすすめです。

ただ、日々情報発信を追いかけるのは時間がかかり過ぎると感じる方や、本当に正しい情報か判断に困り、不安になる人もいるのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、体系的に作られた学習教材です。理解しやすいようにまとめられていて、挫折せず継続して学習を続けられます。

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下記講座のレビューを一部紹介

評価:★★★★★
ChatGPTとClaudeの違いに興味があったので受講しました。Claudeの基本的なことが網羅的に解説されていて、ChatGPTとの違いも分かり満足です。

評価:★★★★★
ChatGPTを使っていて、Claudeも話題なので受講しました。説明が分かりやすくてClaudeも使ってみようと思いました。