近年、「データサイエンス」が注目を集めています。
ビッグデータの広がりと共に重要視されるようになり、データサイエンスそれ自体に加え、こちらを職業とする「データサイエンティスト」の需要が高まっています。
しかし、一方で「データサイエンスとは何なのかよくわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事では、データサイエンスについて、わかりやすく解説します。
具体的には、「データサイエンスとは何か」「求められるもの」「必要なスキル」「必要な資格」について説明します。
公開日:2019年1月21日
データサイエンスとは?何に使える?
データサイエンスとは、ざっくりいうと「データ分析そのものや、その分析手法に関する学問」です。
大量のデータを分析し、何らかの価値ある結論を導き出すための科学研究といえます。
企業においては、事業戦略の策定やビジネスソリューションの提案などに活用されています。
データサイエンスそのものは昔からありましたが、インターネットが世界中に普及し、多くの情報を取り扱う時代になって、存在感が増してきました。データの分析手法はさまざまで、数学や統計学、コンピュータ科学などを活用します。
膨大なデータは、そのままでは雑多な情報の寄せ集めに過ぎませんが、きちんと整理して構造化することで、新しいチャンスやアイデアにつながる可能性があります。一見無意味な情報の塊に思えても、「実は大きな利用価値があった」ということも少なくありません。
つまり、データサイエンスは、状況改善や問題解決を求める人々にとって、大いに役立つ学問なのです。
データサイエンスが使われる分野
データサイエンスが使われる分野は、自然科学、人文科学、社会科学、応用化学など多岐に渡ります。
もう少し細かくいえば、医学や薬学、心理学、教育学、スポーツ科学、金融、工学など、社会に深く根付いたものに活用されています。
さらに近年では、「ビッグデータの解析」「機械学習」などの分野が大きな注目を浴びています。
データサイエンスは、ビジネスを行う企業にとってはもちろんですが、私たちの生活にとっても、大きな影響力を持っているといえるでしょう。
データサイエンティスト
なお、データサイエンスを職業として扱う人を「データサイエンティスト」といいます。
いわば「データ処理の専門技術者」であり、膨大なデータ分析によって、企業が抱える課題解決をサポートするのが主な役目です。
データサイエンティストの需要は今後も伸び続ける可能性が高く、現在では、人気の高い職業の一つとなっています。
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Udemyで講座を探す >データサイエンスに求められるものとは?
データサイエンスに求められるものは、大きく分けて3種類あります。それは、
・大量のデータの収集、管理
・データの正しい理解
・データ分析の技術
です。
大量のデータの収集、管理
まず、データの分析処理をするには、そもそもデータがなければ始まりません。
データサイエンスでは、問題解決に必要なありとあらゆるデータを集めることが必要です。それに加えて、ただ集めるだけではなく、それを活用できるように管理するスキルも求められます。
データと一口にいっても、自社で積み重ねてきた情報のほか、WEBページ、SNS、画像、動画、音声など、タイプはさまざま。様々なタイプのデータに対してどのように収集し、どう管理するのかを考慮する必要があります。
データの正しい理解
第二に、データに対して、正しく理解し、知識を持つことも大切です。
例えば、機械学習について分析を行うなら、そもそも自分が機械学習について知識を持っていなければなりません。これは、他のどんな分野でも同じことです。
また、個人情報を収集する場合、取り扱い方に注意しなければなりません。個人情報保護法などについて理解を深め、誤った扱いをして非難を受けないよう、十分気をつける必要があります。
データ分析の技術
データ分析には、それに応じた技術が必要です。前述のデータ収集や管理にもつながりますが、大規模データ処理には専門の技術が求められます。また、莫大なデータの中から、本当に大切な要素を抽出する技術も求められます。
統計学やデータマイニング、パターン認識といった知識を身につけ、クラス分類やクラスター解析、予測などの手法を扱えるようにする必要があります。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストは、統計学の知識だけ持っていればいいわけではありません。さまざまなスキルを持った人材が求められています。具体的に求められるスキルとしては、
・ビジネススキル
・ITスキル
・統計解析スキル
の3つが挙げられます。それぞれについて、詳しく解説していきます。
ビジネススキル
ビジネススキルはいろいろありますが、特にデータサイエンティストに求められるものは、
・ビジネスに対する深い理解
・論理的思考能力
・文書作成能力
・プレゼンテーション能力
の4つです。
データサイエンティストは、データを分析し、その結果を事業に活かすことが役割です。そのため、企業のビジネスについてもしっかり理解しておくことが必要です。分析対象の業界や自社のビジネスモデルのほか、市場トレンドや競合他社の状況なども押さえましょう。
また、分析を行う上での論理的思考能力や、他者にわかりやすく説明するための文書作成能力、プレゼンテーション能力も必須です。
ITスキル
莫大なデータを分析するには、ITスキルも不可欠です。中でも身につけるべきものとして、
・幅広いIT知識
・大量データ処理に関する知識
・データベースに関する深い知識
・プログラミング
4つが挙げられます。
ビッグデータを処理するために、オープンソースソフトウェアのHadoop、HBase、pigなどの知識が求められることが多いです。また、データは基本的にデータベースに格納して使われることから、基本的なデータベース言語であるSQLは必ず習得しておきましょう。
プログラミングを行う機会もあるため、RubyやPythonなどの言語に関する知識を身につけることも大切です。
統計解析スキル
データを分析して予測を行う上で、統計解析スキルは必須です。具体的には、
・数学知識
・データ分析ソフトウェアのスキル
・データ分析処理手法の知識
の3つが挙げられます。
データサイエンティストとして、確率や統計、微分積分、行列といった数学知識は必ず身につけましょう。また、回帰分析やデータマイニングといったデータ分析処理手法の知識を押さえた上で、データ分析ツールのスキルを習得しておく必要があります。
データサイエンスを行う上で必要な資格は?
最近では、大学でもデータサイエンス学部を設けて、学びの場を提供しているところが増えています。研究者も多く、回帰分析や予測分析といった知識や技術を身につける環境は、着実に整備されつつあるといえます。
データサイエンティストは新しい職業であるため、まだ必要な国家資格といった明確な決まりはありませんが、仕事上で必要と考えられている資格はあります。
具体的には、
・統計検定
・オラクルマスター
・OSS-DB技術者認定試験
・基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験
の4種類です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
統計検定
統計に関する能力を検定する全国統一試験です。
1級から4級のほか、統計調査士および専門統計調査士の、計8種類があります。
統計解析スキルを身につけるためにも役立つ資格といえます。
2級が大学基礎課程(1・2年次学部共通)レベルとなっていますので、まずはこちらの取得を目指しましょう。
オラクルマスター
日本オラクル社による、データベースに関する試験です。
「Oracle Database」を取り扱うスキルを試されるもので、データベースに関する知識や管理・運用技術、SQLの文法の問題などが出題されます。
オラクルは、国内のデータベース市場でトップシェアです。つまり、この資格を取得することで、「首位ブランドの製品を扱える技術者」と認められることになり、仕事の評価につながりやすいというメリットがあります。
OSS-DB技術者認定試験
特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)による、OSS-DB(オープンソースデータベース)に関する試験です。
合格すれば、OSS-DBのスペシャリストとして認定されます。資格を取得することで、データサイエンティストとしてのニーズや信頼感を高める効果が期待できます。
基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による、IT全般に関する試験です。
「ITに関する知識レベル・技術力の共通的・客観的な評価指標」として、多くの企業や学校などで認められています。
データサイエンスには、ITに関する知識やスキルが必須です。自分のIT能力を社会的に証明できるため、おすすめの資格です。
データを分析することで、課題解決を行うデータサイエンス。
企業にとっても大きな意味を持ち、大規模データを扱えるデータサイエンティストが求められています。しかし、データサイエンティストは専門性の高い技術者のため、独学やOJTでは、なかなかスキルや知識が身につかないとお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
Udemyでは、統計や機械学習など、データサイエンティストに必要なスキルや知識が学べる講座をご用意しています。動画教材なので何度も視聴でき、自分のペースで学習できます。
これを機に、データサイエンスについて深く学んでみてはいかがでしょうか。
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講座を見てみる評価:★★★★★
講座でデータサイエンティスト、機械学習エンジニアの役割、学習方法等を学び、本職の中でデータサイエンティスト、機械学習エンジニアの業務の要素をどのように取り入れ、活かしていくか参考になりました。
評価:★★★★★
概要レベルからわかりやすくなっていて、聞きやすかったです。簡単にリンク先の記事についても触れているので、後で調べて見返す際にもいいのかなと思いました。
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