ZBrushは、様々な業界の3DCG制作に使用されているモデリングソフトです。この記事では、ZBrushの概要やライセンスごとの価格、ZBrush 2022から搭載された新機能などを紹介します。3DCG制作に興味がある方はぜひ参考にしてください。
ZBrushとは?
ZBrushは、Pixologic社によって開発された3Dモデリングソフトです。映画やVFX、ゲーム、フィギアのモデル制作など様々な業界・業種のアーティストがZBrushを利用しています。
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ZBrushでは、粘土をこねるような操作でモデルを作成するスカルプトモデリングが可能です。元となる形状を押しつぶしたり、厚みを出したい部分を盛ったりなど、直感的な操作でモデリングが可能です。また、作成したモデルに対して直接色付けができる機能もZBrushの特徴です。作成・着色した3Dモデルは、ZBrush上でレンダリングし画像データとして出力できます。
ZBrushの価格は?無料版も
ZBrushには、買い切り型の永久ライセンスと、1年ごとに利用料金を支払うサブスクリプションライセンスがあります。また、学生向けのMaxon One教育ライセンスでは、ZBrushを含む様々な制作ソフトを割引価格で6ヶ月間利用することが可能です。
ライセンスの種類 | 料金(税別) |
---|---|
永久ライセンス(新規) | ¥120,000 |
永久ライセンス(アップグレード|ZBrush 2023 永続、ZBrush 2022 永続から) | ¥90,000 |
永久ライセンス(アップグレード|ZBrushCore 2023 永続、ZBrushCore 永続から) | ¥105,000 |
サブスクリプション1年間(新規) | ¥48,000 |
サブスクリプション1年間(サイドグレード|ZBrush 永続ライセンスから) | ¥36,000 |
サブスクリプション1年間(新規|チームライセンス) | ¥55,000 |
サブスクリプション1年間(新規|チームライセンス Floating) | ¥62,000 |
サブスクリプション1年間(新規|チームライセンス Floating RLM) | 価格はお問い合わせ |
Maxon One サブスクリプション1年間 | ¥162,000 |
Maxon One サブスクリプション1年間(サイドグレード|ZBrush 永続ライセンスから | ¥90,000 |
上記のライセンス以外に、オンライン環境があれば評価版のZBrushを2週間限定で無料体験できます。
(※)金額の詳細はこちらよりご確認ください。
ZBrush 2022の新機能
ZBrushの2022年版ソフトには、従来にはなかった新機能が搭載されました。ZBrush 2022の主な機能と操作方法の特徴は次の通りです。
Bas Relief(浮き彫り)機能
レリーフとは、平面を彫刻して絵柄が浮き上がっているように仕上げる技法です。ZBrushのBas Relief機能を使用すると、モデルの表面に細かな模様を彫ることができます。
Bas Relief機能では、ToolとAlphaという2種類の方法でレリーフの制作が可能です。Toolを利用する場合、絵柄になるモデルとレリーフを投影したいモデルを用意しましょう。ZBrushにモデルを読み込んで配置し、Bas Relief機能を実行するだけでレリーフが簡単に作れます。Alphaでは、絵柄になるモデルをアルファと呼ばれる2次元データに変換した上で、レリーフを投影できます。
Bevel Pro機能
ベベルとは、日本語で面取りを意味する言葉です。3DCGでは、モデルに含まれるエッジの部分に面を追加し、よりリアルな見た目にする機能を表します。
ZBrush 2022から、高度なベベルを作成できるBevel Pro機能が搭載されました。Bevel Pro機能を使用すると、中解像度や高解像度の複雑なメッシュに対してベベルを作成できます。また、ベベルを非破壊の状態で調整、プレビューすることが可能です。Bevel Pro機能で作成したベベルは、メッシュ同士を足し引きしてリアルタイムに加工するLive Booleanでも活用できます。
ブラシの切り替え機能
ZBrush 2022では、ブラシに対して2つのアルファ、またはテクスチャを適用できるようになりました。そして、ブラシに割り当てたアルファやテクスチャは、ペンタブレットの筆圧に応じてスムーズに切り替えられます。モデルの表面をより細かく加工できることが、ブラシの切り替え機能のメリットです。
例えば筆圧が軽い時にはきめ細やかなテクスチャ、筆圧が強い時には粗いテクスチャを割り当てて、2つの質感をグラデーションで表現することができます。質感だけでなく、色や透明度なども筆圧に応じて変化させることが可能です。
表面ノイズのディテール強化
表面ノイズとは、壁の模様や生き物の皮膚といったテクスチャをリアルに作るために役立つ機能です。ZBrush 2022では、任意の画像や視覚的なノイズのデータを利用して、詳細なディテールを表現できるようになりました。表面ノイズは、ブラシを使ってモデルの表面をなぞるような操作で適用できます。適用するノイズの大きさは、ペンタブレットの筆圧に応じた調整が可能です。
サブツールの位置揃え機能
サブツールとは、ZBrush内で3Dモデルを管理するシステムを指します。サブツールを使用すると、3Dモデルのグループ分けなどを簡単に管理できるため便利です。
ZBrush 2022から、サブツールの位置をボタン1つで操作できる機能が追加されました。複数のサブツールや、同じサブツール内にある複数のジオメトリの位置を簡単に調整できます。例えば、選択したサブツールの位置を左端や右端、中央などに整列させることが可能です。また、画面を好きな角度から見た時の位置関係も手軽に揃えられます。
ナイフサークルとナイフスクエアの追加
ZBrush 2022では、3Dモデルを加工する新たなナイフブラシが追加されました。ナイフサークルでは円形、ナイフスクエアでは四角形の切り口で3Dモデルを切り抜くことができます。ナイフサークルとナイフスクエアを組み合わせて使うと、簡単な操作で複雑な形状の制作が可能です。機械部品のような緻密な形状を作りたい場合に、ナイフサークルとナイフスクエアが役立ちます。また、動物や架空のキャラクターなどをモデリングする際の土台作りも効率的に進められます。
ストローク補間機能の拡張
ストローク補間機能とは、一定の規則性を持った模様や形状を簡単に作成するための機能です。始めと終わりのストロークを指定するだけで、その中間が自動的に作成できます。
ZBrush 2022ではストローク補間機能が拡張され、様々なパラメーターに適用できるようになりました。Z強度やブラシサイズ、RBG強度、選択色/背景色などを指定したステップ数で補完できます。ストローク補間機能によって、様々な色やデザインパターンを簡単に描くことが可能です。
ZBrushは直観的な操作でモデルを制作できる3Dモデリングソフトです。ライセンスには永久版とサブスクリプション版があり、学生の場合は安価な教育ライセンスを利用できます。ZBrushの最新版では、Bas ReliefやBevel Proなどの新機能を利用可能です。3Dモデリングに興味がある方は、ZBrushを活用してみましょう。
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