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Great Resignation(大量自主退職時代)とは?欧米の事例や日本の動向を解説!

欧米諸国で、特にコロナショックからの経済回復の早かったアメリカでは、自主的に企業を退職する人が急激に増加していることから「Great Resignation(大量自主退職時代)」が訪れたといわれています。この記事では、Great Resignationが起こった要因や、日本でも同様の現象が起こるかについて解説します。欧米諸国で、特にコロナショックからの経済回復の早かったアメリカでは、自主的に企業を退職する人が急激に増加していることから「Great Resignation(大量自主退職時代)」が訪れたといわれています。この記事では、Great Resignationが起こった要因や、日本でも同様の現象が起こるかについて解説します。

Great Resignation(大量自主退職時代)とは?

コロナ禍以前に、おおむね2%強を維持していたアメリカの自主的退職の割合は、新型コロナウイルスの感染拡大とWHOによるパンデミック(感染症の世界的大流行)宣言を受け、2020年4月には一時1.6%まで低下しました。しかし、その後コロナショックから経済回復が進む中で退職者は増加し続け、2021年8月アメリカにおける自主的退職者の割合は3.3%と過去最高水準に達しています。

Great Resignation(大量自主退職時代)とは?

大量の労働者が解雇ではなく自ら退職するこの現象は、テキサスA&M大学准教授のアンソニー・クロッツ准教授によって「Great Resignation(大量自主退職時代)」と名付けられました。

自主的な退職者の増加は、アメリカに限ったことではありません。欧米諸国の比較的経済回復が早かった国では退職者・転職者数は増加傾向にあり、コロナ禍を経て、労働者を取り巻く環境や労働者自身の志向、価値観に大きな変化が起こっているといわれています。

Great Resignationの5つの要因

なぜGreat Resignationが起きているのか。さまざまな分析が行われていますが、明確なのは、その背景にあるのが新型コロナウイルスだということです。新型コロナウイルスの登場と、感染拡大によって私たちの社会や生活が大きく変容し、それがGreat Resignationにつながっているようです。たとえば、コロナ禍で普及が進んだリモートワークもGreat Resignationの要因のひとつと考えられています。

リモートワークの影響や燃え尽き症候群、労働市場の変化など、ここからはGreat Resignationを引き起こしていると考えられている5つの要因について解説します。

長期的なリモートワークの影響

要因のひとつとして考えられているのが、長期的なリモートワークの影響です。コロナ禍で長期的なリモートワークを経験した社員が、出勤時間の削減やストレスの低減、生産性の向上など、リモートワークのメリットを体感したことがあげられます。出社が求められない新しい働き方を通して、これまでの働き方が必ずしも最良ではないと実感したことで、リモートワークが問題なく機能した分野において、働き方の柔軟性が高い企業への転職を希望する人が増加しています。

長期的なリモートワークの影響

ただ、リモートワークの影響は、必ずしもポジティブな面だけではありません。リモートワークが労働者にとってネガティブにはたらき、燃え尽き症候群により退職につながる例もあります。

燃え尽き症候群

燃え尽き症候群(バーンアウト)もGreat Resignationの要因のひとつとしてあげられています。燃え尽き症候群とは、極度のストレスや疲労などから身体的、精神的に消耗して、仕事に対する意欲を失ってしまった状態です。使命感や責任感のある人ほど陥りやすいといわれており、理想と現実とのギャップや、長時間労働、過重労働などによって燃え尽きたように急激にモチベーションを失ってしまいます。

このようにコロナ禍で起きたリモートワークの普及や人手不足が、燃え尽き症候群の原因となりGreat Resignationにつながっていると考えられています。具体的には、リモートワークによってプライベートと仕事との区分けが不明瞭になり、仕事に対して長期的にストレスを感じること。あるいは、人手が不足したことによって心身に高い負荷がかかる状態が続くことなどが、燃え尽き症候群につながっているといわれています。

燃え尽き症候群

売り手市場の影響

コロナ禍のパニックともいえる状態から労働市場にも次第に落ち着きが取り戻され、経済活動が一斉に再開したことで求人件数が急増。欧米では売り手市場となっていることもGreat Resignationの大きな追い風になっていると考えられています。求人が多くあることで安心感と余裕が生まれ、転職に踏み切る人が増加している、というわけです。売り手市場においては、働き方や待遇、福利厚生を改善・見直しをする企業も多く、こういったことも転職を加速させる要因となっています。特に、IT系などコロナ禍でも成長した分野では、売り手市場の影響が大きく、理想とする働き方や待遇を求めて労働者の動きが活発になっています。

売り手市場の影響

新型コロナウイルスへの不安

新型コロナウイルスの登場によって、私たちの社会や生活は一変し、今もまだ大きな変化の只中にあります。Great Resignationは、新型コロナウイルスへの不安もその要因のひとつといわれています。感染症対策に対する考え方や価値観、基準は人によってさまざまです。たとえば、職場の感染症対策が不十分で自分自身の健康面に不安を感じる、あるいは出社することでウイルスを持ち帰り、家族に感染させてしまうかもしれないと不安を感じる、ワクチン接種をめぐる考え方が企業や他の社員と合わない、といったことも退職につながっていると考えられています。

新型コロナウイルスへの不安

労働者のキャリア観、価値観の変容

新型コロナウイルス感染症の拡大は、労働者のキャリア観や価値観にも影響を与えました。新型コロナウイルスによって、これまで「あたり前」だったことや「普通」という固定概念が覆され、自分自身の生き方や家族とのあり方、仕事のもつ意味などについて真剣に向き合うきっかけとなり、自分の人生を見つめ直し、どう生きるか、本当にやりたい仕事は何なのかを考えるようになりました。

新しい働き方、新しい生き方を選んで退職する、Great Resignationには、このようなキャリアに対する考え方の変化、価値観の変容もあると考えられています。

労働者のキャリア観、価値観の変容

Great Resignationは日本にも訪れる?

欧米諸国で大きな現象となっているGreat Resignationですが、同じ現象は日本でも起こるのでしょうか。ここからは日本における転職状況について説明します。

コロナ禍で転職者数は減少

日本は欧米諸国と比較して経済回復のスピードが遅く、経済活動が上向いているとはまだまだいえません。日本経済を取り巻く状況は依然として厳しく、2021年の転職者数はコロナ禍以前より減少しています。また、もともと日本は終身雇用や年功序列などの制度・習慣によって、欧米よりも正社員転職率は低い状態でした。これらを考えると、今後も欧米で見られるような退職者・転職者の急増は起こりにくいと予想されます。

コロナ禍で転職者数は減少

転職希望者数は増加傾向

実際の転職者数は減少していますが、転職希望者数はコロナ禍の2020年、2021年ともに増加傾向にあります。日本でも、今後の経済回復や求人数の増加にともなって転職者は増加すると見られています。先述の通り、もともと労働市場の流動性が低いことなどから、欧米諸国で起こっているようなGreat Resignationが日本で起こるとは考えにくいです。ただし、IT系などの特定の分野に限っては、こちらも欧米ほどではないものの、退職者・転職者は比較的大きな規模で増加するのではないかといわれています。

転職希望者数は増加傾向

欧米で大きな現象となっているGreat Resignation。

そのきっかけとなったのは新型コロナウイルスで、リモートワークをはじめとする新しい働き方や燃え尽き症候群、感染症が拡大する中での労働者の価値観の変容など、さまざまな要因が考えられています。

日本では、経済回復が遅れていることや、もともと正社員の転職率が低いことなどから、欧米で見られるようなGreat Resignationは起こらないだろうと予想されていますが、IT系など特定の分野については、経済回復にともなって退職・転職の動きが活発になるといわれています。