Amazon(アマゾン)クラウドサービスとは?機能・メリット・料金を解説!

世界最大級のECサイトを運営する「Amazon」では、「Amazonクラウド」という高機能なクラウドサービスを提供しています。Amazonクラウドでは、本格的なWebサービスの開発や、大容量のクラウドストレージを利用することができます。また、シェア率が世界トップクラスなため、知名度も非常に高いです。この記事では、Amazonクラウドの全体像について解説します。

Amazonクラウドとは?

一般的にAmazonクラウドと呼ばれるものには、「AWS(Amazon Web Services)」と、「Amazon Drive」「Amazon Photos」があります。

クラウド(クラウドコンピューティング)とは、インターネット上で利用できるサービス・ツールのことです。クラウドが登場するまでは、すべてのサービスにおいて、ユーザーが所有するPCにツールをダウンロードしたり、データ保存のためにハードディスクを買い足したりしなければなりませんでした。クラウドの登場により、さまざまなツールをインターネット上にあるまま使ったり、別々のPCから同じデータにアクセスしたりということが可能になりました。

Amazonクラウドのイメージ

AWS(Amazon Web Services)は、世界で最も広く採用されているクラウドコンピューティングサービスの1つです。インターネット上で広く使われているWebアプリケーションやWebサービスの中にも、AWSを活用しているものが含まれています。

なおAWSについては「AWSとは何か?サービス例やメリットをわかりやすく解説!」で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。

Amazon DriveおよびAmazon Photosは、クラウドストレージサービスと呼ばれる、ネットワーク上にデータを保存・共有できる領域のことです。一般的に「クラウド」というと、Amazon DriveやAmazon Photosのようなクラウドストレージサービスを指す場合も多くあります。

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AWS(Amazon Web Services)クラウドコンピューティングの特徴

AWSの料金プランは?無料でも使える?

AWSは初期費用が不要で、登録すればすぐに使えるサービスです。従量課金型の料金制度を取り入れており、機能を使った分のみの支払いとなり、コストの無駄がありません。繁忙期や閑散期など、状況に応じて柔軟に利用することが可能です。

料金については、AWSが公開している「簡易見積ツール」で利用したい機能や性能を入力すると、どの程度の費用が必要になるのかシミュレーションできます。

また、AWSでは「無期限無料枠」「12か月間無料枠」「トライアル枠」の3種類の無料プランが設けられています。これらのプランにはAWSの様々な機能を無料で利用できるオプションが設けられていますが、容量や期間に制限があります。

Amazonクラウドが選ばれている6つのメリット

Amazonクラウドが選ばれるメリットは大きくわけて6つです。それぞれのメリットについて詳しく解説します。

リソースを使用したときだけ料金が発生する

1つ目は、リソースを使用したときだけ料金が発生するという点です。

将来のために貯蓄をする少年

Amazonクラウドは従量課金制を採用しています。これにより、利用者は消費したリソースに対してのみ料金を支払うため、余分な費用を支払う必要がありません。リソースの消費が少ない企業は料金が安く、大規模なサービスを運用する人は費用が高くなります。Amazonクラウドは公平な料金設定がされている点が、メリットのひとつです。

コストが安く導入リスクが低い

2つ目は、コストが安く導入リスクが低いという点です。

Amazonクラウドは従量課金制に加え、初期費用も無料になります。また、オンプレミスのようにサーバーの設置やアプリケーション連携、起動などの業務が不要となるため、人件費の削減も期待することができるでしょう。

数分でITリソースを用意できる

3つ目は、短期間でITリソースを確保できる点です。

例えば、AWSにはインスタンスタイプが複数用意されています。インスタンスタイプとは、ITリソースが組み合わさったパッケージのようなものです。選択するタイプによってCPU能力やストレージなどが変化します。

サーバーを長期間運用し続けるとユーザー数が増え、既存のスペックでサービスを展開することが難しくなります。そのため、スペック性能を向上させる必要があるのです。

Amazonクラウドは、ITリソースが数分で用意できるため、必要に応じてスペックを変えられます。サイトやサービスの規模にマッチしたサーバーなどを確保することができるので大きなメリットです。

セキュリティが優れている

4つ目は、セキュリティに優れているという点です。

Amazonクラウドは、下記の認証を取得しています。

  • ISO 27018
  • DoD SRG
  • PiTuKri ISAE 3000 Type II レポート

また、専門家によるモニタリングやセキュリティタスクの自動化など、さまざまな取り組みを実施しています。非常に安全性の高いプラットフォームです。

AWSのクラウドサーバーは世界中のデータセンターで稼働しているため、常に最新世代のハードウェアへ定期的にアップデートされています。セキュリティのための保守もAmazon側が自動で行ってくれるため、メリットは非常に大きいです。

キャパシティの検討が不要である

5つ目は、キャパシティの検討が必要ないという点です。

Amazonクラウドはスペックに柔軟性の高いプラットフォームになります。自社サービスに応じてリソースを増やしたり、減らしたりすることができるため、想定される最大キャパシティを予測する必要がありません。はじめの段階は小規模でスタートさせて、規模が増えればスペックも高性能にするというような対応ができるので非常に便利です。

公式サポートが充実している

6つ目は、公式サポートが充実しているという点です。

Amazonクラウドのサポートには、「ベーシック」「開発者」「ビジネス」「エンタープライズ」の4つのプランが設けられています。自分の利用環境や予算に応じてサポートプランの選択ができる点にも注目です。なお、ベーシックサポートはAWSの利用料金に含まれているサポートですが、他の3つのサポートは、サポートのために別途費用が必要です。

Amazonのクラウドストレージサービスを紹介

Amazon Photosの機能・特徴・料金プラン!プライム会員なら容量制限なし

Amazon Photos(アマゾンフォト)は、Amazonプライム会員向けの写真ストレージサービスであり、Prime Photos(プライムフォト)とも呼ばれています。
先ほど触れた通り、Amazon Photosは、Amazonプライム会員なら別途追加料金を必要とせず写真を容量無制限にアップロードできるサービスです。

Amazon Driveの中は「写真」「ビデオ」「ファイル」の3つのフォルダに分類されており、その中「写真」フォルダが、Amazon Photosのサービスによって容量無制限で保存できるようになっています。
つまり、Amazon Photosにアップロードした写真はAmazon Driveにも保存されている状態となります。Amazonプライム会員なら、「写真」の領域部分だけ容量無制限になるというわけです。

カメラと現像した写真


Amazon Photosにて「写真」と見なされるファイルは、JPGやPNGだけでなく、一眼レフなどで保存されるRAWデータも含まれます。
一般的にRAW画像はJPGやPNGと比べると容量が大きいため、手持ちのパソコンに保存するためには大容量のハードディスクが必要です。Amazon Photosを利用すれば、クラウド上にRAW画像を無制限に保存できるため、バックアップ先としてうってつけでしょう。保存される写真が圧縮されないことも、大きなメリットです。

なお、Amazon Photosでは、静止画である「写真(画像ファイル)」のみが容量無制限の対象となります。動画ファイルは写真ファイルとは見なされないため、Amazon PhotosではなくAmazon Driveにアップロードする必要があります。その場合は、Amazon Driveの容量が消費されるので注意が必要です。

また、Amazon一般会員もAmazon Photosアプリをダウンロードできます。しかし機能が限られており、保存するファイルが写真ファイルでも、Amazon Driveの容量5GBを消費することになります。
Amazon Photosの容量を気にせず使えるAmazonプライム会員の料金は、年額4,900円(税込)、月額500円(税込)です。学生なら年額2,450円(税込)、月額250円(税込)で入会可能です。(2023年3月時点)

Amazonプライム会員には、他にも様々な特典が付いているため、普段からAmazonをよく使っている方は入会を検討してもよいでしょう。

Amazon Driveは2023年12月にサービス終了

Amazon Photosサービスに注力するため、Amazon Driveは2023年12月にサービスが終了します。Amazon Driveは、Amazonが提供するクラウドストレージサービスです。容量は5GBとなっていますが、プライム会員である場合、無料で利用できます。

Amazon Driveは段階的にサービスが廃止されます。はじめに、2022年10月31日にアプリストアからAmazon Driveが削除される予定です。これにより、新規及び再ダウンロード不可となります。

また、2023年1月31日にAmazon Driveへファイルをアップロードすることができなくなります。そして、2023年12月31日にAmazon Driveにあるファイルを閲覧したり、ダウンロードしたりすることができなくなるという流れです。

そのため、Amazon Driveユーザーは、2023年12月31日を迎える前に大切なファイルはダウンロードして別の場所で保管することが必要となります。

Amazonクラウドサービスの新技術

Amazonクラウドの中心サービスであるAWSによって2022年11月末から技術説明会『re:Invent 2022』が米ラスベガスで開催されました。その説明会で下記の新技術が公表されたのです。

  • Amazon DataZone (プレビュー版のみ)
  • AWS Clean Rooms (プレビュー版のみ)
  • AWS Supply Chain (プレビュー版のみ)
  • AWS SimSpace Weaver

まだプレビュー版のみでしか使用できないものも多いですが、それぞれの技術について簡単にご説明します。

Amazon DataZone(プレビュー)

Amazon DataZoneは、大規模なデータを共有・検索・発見することができる新機能です。AWSやオンプレミス、サードパーティーのソースに保存されているデータを発見したり、共有したりできるようになる点がメリットになります。

AWS Clean Rooms (プレビュー)

顧客との間で未加工データを共有することなく結合されたデータセットを安全かつ簡単に照合・分析できる新機能です。データの受け渡しがスムーズになる点がメリットとして挙げられます。

AWS Clean Roomsを使用しない場合、社外のパートナーと情報を共有するとき、不要なデータを削除した上でバックアップを取り、お互いに共有する環境を送付するのが一般的でした。しかし、AWS Clean Roomsの登場により共有するテーブルを列単位で連携できたり、情報流出なども技術的に防止できたりするので非常に便利です。

AWS Supply Chain (プレビュー)

AWS Supply Chainは、機械学習を活用しグループコラボレーションを促進するビジネスアプリケーションです。可視性を高められることによって顧客のエラーを防止するなど、市場の潜在的な課題を解決できる点がメリットとして挙げられます。

AWS SimSpace Weaver

AWS SimSpace Weaverは、大規模なイベントや集会の挙動をシミュレーションするための世界を制作し、それをサーバー上で管理できるマネージドサービスです。シミュレーションができる大規模な空間を簡単に構築し、実行できる点が大きなメリットになります。例えば都市開発においては、公共交通のパターンをシュミレーションする際などに大変役立ちます。

この記事では、Amazonのクラウドサービス「AWS」や、ストレージサービス「Amazon Drive」「Amazon Photos」について紹介してきました。どのサービスも豊富な機能や容量が利用できますが、利用者にとって使いやすい料金設定なのが最大の魅力でしょう。

さまざまな機能を持つAmazonのクラウドサービス。無料で使えるものもありますので、気になった方は試してみましょう。