Pythonの資格「Python 3 エンジニア認定試験」はどんな資格?海外の資格も紹介!

AIや機械学習のブームにより、エンジニアの間でプログラミング言語「Python」が注目を集めています。関連するライブラリやフレームワークも充実してきており、様々な分野において使用されているプログラミング言語です。

Pythonの資格 前書き

「これからPythonを使った仕事をしたいが、効果的な勉強方法やスキル習得の指針となるものを知りたい」

そんなに人におすすめの資格が「Python3エンジニア認定試験」です。今回はこのPythonの資格の概要を紹介し、取得のメリットや勉強方法を徹底解説します。

なお、当サイトでは別の記事でPythonの特徴や使われ方についても詳しく解説しています。資格の前にまずPythonの概要をざっと知りたい人は「Pythonとは?何に使えるの?Pythonの特徴や使い道を詳しく解説!」の記事を参考にしてみてください。

Pythonの資格といえば「Python 3 エンジニア認定試験」

Pythonの資格には、「Python 3 エンジニア認定試験」があります。

Pythonの資格 資格について

Python 3エンジニア認定試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会という運営団体の民間資格です。プログラミング言語「Python」の基礎的な文法を理解しているかが問われる試験です。

試験区分は「Python 3 エンジニア認定基礎試験」「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」の2つがあります。2019年6月現在では「Python 3 エンジニア認定基礎試験」のみが実施されています。「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」は2019年夏に開始予定です。

「Python3エンジニア認定基礎試験」の内容は?

まず、Pythonの資格認定試験のうち、現在受験できる「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の概要について紹介します。

この試験ではPython言語の文法基礎を理解していることが問われます。問題はすべて4択の選択問題で40問出題されます。試験時間は60分で、正答率が70%以上ならば合格となります。

出題内容はPythonの基礎知識に関するものや、実際のPythonのコードが表示されて、どのようなデータが出力されるのかを選択する問題などです。

受験方法や合格率はどれくらい?

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」は、パソコンを使って回答するCBT方式が採用されています。試験は通年で実施されており、全国で受験可能です。

受験料金は1万円(税別)ですが、学生は学割が利用でき、5,000円(税別)で受験可能です。合格率は70%~80%ほどであると言われています。

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」は基礎的な試験であるため、プログラミングの未経験者でも3か月程度の勉強で合格できる難易度です。また認定スクールであるDive into Codeが模擬試験を公開しています。事前に登録が必要ですが、無料で何度でも利用できるので、本試験を受験する前に、試験対策として利用してみてもよいでしょう。

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の試験範囲

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の試験範囲は、主教材である「Pythonチュートリアル 第3版」の掲載内容から出題されます。またPythonに関する一般的な知識からの出題もあります。データ分析などでPythonを使ったことある人でも、試験対策の一つとして「Python チュートリアル 第3版」の内容は一通り押さえておいた方がよいでしょう。

試験の公式サイトでは「Pythonチュートリアル 第3版」からの出題数と出題率が公開されています。特に出題率が高いのが「制御構造ツール」の22.5%と「データ構造」の17.5%です。
この2つは他のプログラミング言語においても重要な概念です。他のプログラミング言語の使用経験者ならスムーズに理解できる項目ですが、本試験時に取りこぼしが無いように、しっかりと対策することをおすすめします。

 

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Pythonの資格を取得するメリットを知っておこう

Pythonの資格を取得することで、得られるメリットをご紹介します。

Pythonの資格 メリット

スキルレベルの証明になる

Pythonの資格試験に合格することで、ある程度のPythonのスキルや知識を持っていることを証明できます。

また、試験勉強を通じて、Pythonを体系的に学習することができ、AI開発や機械学習などの応用的なスキルを学ぶための下地を作ることにもつながります。

キャリアパスの選択肢が広がる

Pythonの最新バージョンであるPython3は10年以上前の2008年に公開されており、プログラミング言語として一定の歴史があります。データ分析などの分野では以前からこの言語が使われていましたが、ここ数年ではAI開発におけるメジャーな言語として、急速に需要が高まっています。

そのため、需要が高まっているPythonを学んでおくことで、将来の選択肢が増えると考えられます。

日本国内だけでなく世界中で人気の言語である

Pythonは日本国内だけでなく世界中で人気がある言語です。Stack Overflow Developer Survey 2019によると、Pythonは人気度では4位にランクインされており、これから使いたい言語としては堂々の1位です。

つまり、初心者がこれから学んだとしても、遅すぎるということはないプログラミング言語と言えるでしょう。

 

Pythonの資格取得に効果的な勉強は?

Pythonの資格を取得するための効果的な勉強方法を紹介します。ここで紹介する方法で学習すれば、プログラミング初心者が独学でスキルアップを目指すことも可能です。

Pythonの資格 勉強方法

Pythonの資格勉強法①認定教材・参考教材で学ぶ

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」は、公式サイトで認定教材・参考教材が公開されています。主教材は「Pythonチュートリアル 第3版」です。これは、2016年3月に発売された、260ページにわたるPython入門者のための技術書です。初心者でもPythonの雰囲気とスタイルをつかめるように配慮された1冊です。

また参考教材としては、Pythonオンライン学習サービスの「PyQ」が挙げられています。こちらは、ブラウザ上でPythonのプログラムを書きながら学習できるサイトです。有料のサービスですが、Pythonのプロフェッショナルに質問できるサービスなどが提供されており、初心者がしっかりと学習するにはうってつけの勉強方法です。

Python資格勉強法②オンライン学習

上記の教材を使っても、独学では試験対策が進まないという人は、別のオンライン学習もおすすめです。オンライン学習ならスキマ時間を活かした学習ができ、わかりにくかった所は繰り返し動画を見て理解を深められます。

さらに、例えばUdemyでは、わかりやすい動画を使って学習できるだけでなく、現役エンジニアに質問できる講座もあります。

またAIやデータ分析などのプログラミングは、現在も日々進化している分野です。オンライン学習なら、このような最新情報も手軽に学ぶことができます。

 

【参考】海外のPython資格「Python Certification」

国内で試験が実施されているPython資格は2019年6月の時点で「Python 3 エンジニア認定試験」のみですが、海外には「Python Certification」という資格があります。これはOpen Education and Development Group(OpenEDG)という非営利団体が運営しています。

この認定試験は以下の4つに分類されています。

  • PCEP – Certified Entry-Level Python Programmer
    Pythonプログラマーとして基礎的なスキルを問われる試験
  • PCAP – Certified Associate in Python Programming
    Pythonプログラマーとしてアソシエイトレベルのスキルが問われる試験
  • PCPP-32-1 – Certified Professional in Python Programming 1
    Pythonプログラマーとしてデータ分析に活用できるスキルが問われる試験
  • PCPP-32-2 – Certified Professional in Python Programming 2
    Pythonプログラマーとして高度なスキルを所有しているか問われる試験

 

試験区分 出題内容 問題数 試験時間 合格ライン
Entry
(PCEP)
・基本概念
・データ型、評価演算子、I/O操作
・フロー制御(ループ、条件分岐)
・データ操作(リスト、タプル、文字列操作)
・関数
30問 45分 70%
Associate
(PCAP)
・コントロールと評価演算子
・データアグリゲーション
・関数とモジュール
・クラス、オブジェクト、例外
40問 65分 70%
Professional
(PCPP-32-1)
・ファイル処理とプログラミング環境
・数学、科学、工学ツール
・GUIプログラミング
・PEP(Python Enhancement Proposal)
・クラスとオブジェクト指向プログラミング
40問 65分 70%
Professional
(PCPP-32-2)
・パッケージの作成と配布
・デザインパターン
・プロセス間通信
・ネットワークプログラミング
・MySQLデータベースアクセス
40問 65分 70%

 

試験の運営組織が国内と海外とで異なりますが、Pythonの知識や文法に違いはありません。

試験勉強としては、日本語の書籍やオンライン学習サイトで勉強すればよいでしょう。ただし、Python Certificationは問題が英語で出題されるので、注意が必要です。

Pythonの資格「Python 3 エンジニア認定試験」について詳しく紹介してきました。実務において、資格は必ずしも必要ではありませんが、スキル習得の証明になることや体系的・効率的な学習計画が立てられるということから、資格取得を目標にすることは、非常に有益だと言えるでしょう。

Pythonはユーザーも多く、将来性のあるプログラミング言語です。今のうちにPythonの資格を取得して、キャリアの向上やスキルアップを目指しましょう。