近年、種類が増えているJavaScriptフレームワーク。アプリケーション開発をする際、どれを選べばいいか迷ったことはありませんか?
そこで、プログラミング初心者にもおすすめしたいJavaScriptフレームワークが、「Vue.js(ビュージェイエス)」です。「Vue.js」は他のJavaScriptフレームワークよりも学習コストが低いなど、メリットがたくさんあります。
こちらではVue.jsの特徴や他のJavaScriptフレームワークとの比較、活用例などを詳しく解説します。
公開日:2018年9月20日
Vue.jsとは?
まずは、Vue.jsを知らない入門者向けに、Vue.jsとは何かを紹介します。
Vue.jsとは、UI(ユーザーインターフェース)を構築するためのJavaScriptフレームワークです。フレームワークとは開発をする時に必要な機能などをまとめて提供してくれるソフトウェアのことで、使用することで開発の効率を上げることができます。
さらに、Vue.jsでコードを書く時は、冗長な記述を少なくすることができます。Vue.js独自の規格やルールも少ないため、他のフレームワークよりも自分の好きなやり方でアプリ開発を行うことも可能です。
Vue.jsの特徴
つづいて、Vue.jsについて、入門者にも覚えておいていただきたい特徴を3つご紹介します。
・学習コストが低い
JavaScriptフレームワークは、Vue.jsのほかにもAngularやBackbone.jsなど様々な種類があります。今は多くの言語、フレームワークがあり、開発現場ごとに新しい技術を習得しなければいけないことも珍しくありません。
しかし、その中でもVue.jsは学習コストが低く、初心者、経験者問わず、すぐに開発に使用することができるという特徴があります。
また、現在Vue.jsは構造がシンプルなことに加え、人気が非常に高いため、日本語での技術ブログや記事も充実しています。不明点があった時も情報が充実しているためすぐに調べることができるので、これから学んでみようという方におすすめしやすいフレームワークです。
・開発スピードを早められる
Vue.jsにはDirective(ディレクティブ)という、Viewの要素に付加できる独自属性があります。
ディレクティブを利用することでDOM (Document Object Model)操作をすることができ、HTML要素の表示・非表示などを柔軟に変化させることができます。
さらに、直接DOMを操作するコードの記述量を減らすことができるため、開発スピードを早めることができます。
・作業の簡易化が可能
Vue.jsはコンポーネント指向でアプリケーションなどの開発を行うフレームワークです。コンポーネントとはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)のパーツをモジュール化したもののことです。
コンポーネント指向のVue.jsで開発をすることによって、ボタンや入力欄など、複数の画面で使用するものを“コンポーネント”という単位で区切ることができます。
これによって、再利用性が高くなり、デザインと技術の共同作業の簡易化、また開発スピードの向上を可能にします。
Vue.jsが使われている例
では、Vue.jsはどのように活用されているのか、その例を紹介しましょう。
Vue.jsはSPA(Single Page Application)開発に使われていることが非常に多いです。SPAとは単一のページでコンテンツの切り替えを行うWebアプリケーションのことです。
SPAで開発すると、ページ遷移をする時はJavaScriptを使用してHTMLの一部を差し替えて切り替えます。従来のWebページではページ遷移の時は全体を切り替える必要があったため、SPAによって新しいUIの実現やスピードの向上が可能となりました。
パフォーマンスの良さから今は多くの企業でWebサイト・アプリケーションにSPAを採用しており、SPA開発に使われるVue.jsの人気も高まっています。DeNAやGMOペパボなど、大手IT企業の開発現場でもVue.jsは採用されています。
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利便性の高いVue.jsですが、同じJavaScriptフレームワークである、Angular やReactとは、どのような違いがあるのでしょうか?Vue.jsを比較し、類似点や相違点について解説します。
Angular(AngularJS)
AngularはGoogleと個人や企業のコミュニティから開発されたJavaScriptフレームワークです。
Vue.jsと同じくSPA開発が可能ですが、気軽に始められるVue.jsと異なり、導入・学習コストが高いため、個人開発には向いていません。
また、Vue.jsはJavaScriptを使用していますが、AngularはJavaScriptではなくTypeScriptというプログラミング言語を使用します。
TypeScriptの学習など、Angularは使えるようになるまでに時間がかかるため、学習コストをかけずにすぐ開発を始めたい人はVue.jsを選ぶのが無難です。
React
ReactはFacebookが開発を主導している、JavaScriptフレームワークです。
ReactはVue.jsと同じようにJavaScriptで記述することができ、また導入・学習コストもそこまで高くありません。そのため、個人開発でも使用できるフレームワークと言えます。
しかし、Vue.jsと違いReactの場合、データバインディングがデータから画面(HTML)に行く片方向のみとなっています。Vue.jsは双方向バインディングのため画面に入力をすればすぐデータにも反映されますが、Reactは画面からデータに反映させることができません。
また、Angular、Vue.jsと比較すると、Reactは日本語での記事や書籍が少ないのが現状です。ですから、特にプログラミング初心者には、Vue.jsを選択するのをおすすめします。
Vue.jsとLaravelとの関係
最後にVue.jsとPHPのフレームワークであるLaravelとの関係について紹介しておきましょう。
Laravelは近年人気が上昇しているPHPのフレームワークです。バージョン5.3より、Vue.jsが標準搭載されるようになりました。そのため、LaravelをインストールすればWebAPIをLaravelで作り、SPA開発をVue.jsで行うことが可能となります。
環境を比較的簡単に構築できる背景から、Laravel+Vue.jsを採用した開発現場も増えています。初めてのアプリケーション開発でもLaravel+Vue.jsであれば環境構築に時間をかけることなく開発を始められます。
Vue.jsの人気はJavaScriptフレームワークの中でもトップクラスに高く、開発現場に採用している企業も増えています。
プログラミング初心者の人もJavaScript・HTML・CSSを学習していればVue.jsを簡単に使用できるようになります。
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