「AI-900」はMicrosoft Azure(マイクロソフトアジュール)の認定試験です。正式名称を「Microsoft Azure AI Fundamentals」といい、機械学習や人工知能に関する基礎知識や、Azureにおけるこれらの実装について問われます。
この記事では、AI-900についての概要や出題内容、試験対策などについて詳しく解説します。
公開日:2022年11月10日
AI-900(Microsoft Azure AI Fundamentals)とは?
AI-900(Microsoft Azure AI Fundamentals)はMicrosoft Azureに関する認定試験の1つです。Microsoftが公式に運営している試験であり、機械学習(ML)と人工知能(AI)に関する基礎知識についてのスキルが問われます。
また、認定試験に合格するためには、Microsoft Azureの基本的な用語を理解する必要もあります。
Microsoft Azureは、AmazonのAWS(Amazon Web Services)やGoogleのGCP(Google Cloud Platform)と並んで、非常に人気の高いクラウドコンピューティングサービスです。Azureの認定試験に合格することで、機械学習と人口知能に関するスキルの証明となります。
2022年10月時点で受験できるAzure認定試験は以下の通りです。
区分 | 試験名 | 試験コード | 難易度 |
Role-based | Azure Administrator Associate | AZ-104 | 中級 |
Azure Developer Associate | AZ-204 | 中級 | |
Azure Security Engineer Associate | AZ-500 | 中級 | |
Azure Stack Hub Operator Associate | AZ-600 | 中級 | |
Azure Network Engineer Associate | AZ-700 | 中級 | |
Windows Server Hybrid Administrator Associate | AZ-800 AZ-801 | 中級 | |
Azure AI Engineer Associate | AI-102 | 中級 | |
Azure Data Scientist Associate | DP-100 | 中級 | |
Azure Data Engineer Associate | DP-203 | 中級 | |
Azure Database Administrator Associate | DP-300 | 上級 | |
Azure Enterprise Data Analyst Associate | DP-500 | 中級 | |
DevOps Engineer Expert | AZ-400 | 上級 | |
Azure Solutions Architect Expert | AZ-305 | 上級 | |
Specialty | Azure for SAP Workloads Specialty | AZ-120 | 中級 |
Azure Virtual Desktop Specialty | AZ-140 | 中級 | |
Azure Support Engineer for Connectivity Specialty | AZ-720 | 中級 | |
Azure IoT Developer Specialty | AZ-220 | 中級 | |
Azure Cosmos DB Developer Secialty | DP-420 | 中級 | |
Fundamentals | Azure Fundamentals | AZ-900 | 初級 |
Azure AI Fundamentals | AI-900 | 初級 | |
Azure Data Fundamentals | DP-900 | 初級 |
(認定試験参考:Microsoft「Become Microsoft Certified 」より)
(難易度参考:Microsoft「認定試験および試験を見る 」より)
試験の難易度や対象者は?概要を解説
MicrosoftはAzureに関する認定試験を数多く運営しています。試験の難易度によって「初級」「中級」「上級」の3段階に分かれており、AI-900は初級に分類されています。
同程度の難易度の試験としては、
- Azure Fundamentals(AZ-900)
- Azure Data Fundamentals(DP-900)
などがあります。
AI-900の受験に特別な受験資格の有無などは設けられておらず、誰でも受験が可能です。開発経験も必要ありませんので、人工知能や機械学習の入門としておすすめの試験です。
AI-900の試験概要は以下の通りです。
試験名 | AI-900 Microsoft Azure AI Fundamentals |
試験時間 | 45分 |
問題数 | 40問前後 |
合格点 | 700点/1000点 |
試験方式 | CBT方式 |
受験場所 | 全国の候補試験会場から場所と日程を選択 |
受験料 | 一般:13,200円(税込) 学生:7,700円(税込) |
Azure認定試験についてさらに詳しく知りたい方は「Microsoft Azure認定試験を難易度別に解説!おすすめの勉強方法は? 」を合わせてご覧ください。
試験の詳細は以下のURLよりご確認ください。
https://mta.odyssey-com.co.jp/outline/AI-900.html
受験するメリット
AI-900は主に機械学習と人工知能についての問いが出題されます。また、AI-900に合格するためには、Azureにおける「AI関連のサービスの特徴」についても理解している必要があります。そのため、AI-900に関する学習を進めることで、機械学習と人工知能のスキルに関して学ぶことができます。そして合格すれば、そういったスキルの証明が可能です。
またAI-900はAzureの認定試験の中でも、比較的簡単に取得できます。よりAIのエンジニアとしてステップアップするために、「AI-102:Azure AI Engineer Associate」などの受験を考えている方は、試験対策の足掛かりとしても非常に有効です。AI-900の受験を考えている方は、公式の無料ウェビナーに参加することで、AI-900の試験を無料で受験することができるようになります。
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Udemyで講座を探す >AI-900の出題内容
AI-900の出題内容は以下の通りです。それぞれ何について事前に学習しておくべきかの参考にしてください
・AIワークロードと考慮事項(20%~25%)
AIは機械学習が基盤となっています。問題では、基本的なAI構築の流れ(ワークロード)やエラーによって発生する損害・データの流出といったセキュリティや開発者の責任などについて問われます。
・Azureでの機械学習の基本原則(25%~30%)
「回帰分析」や「クラスタリング」といった、機械学習の概念について知っておく必要があります。また、Azureでは機械学習モデルの作成や管理のために、「Azure Machine Learning」というサービスがあります。Azure Machine Learningには「自動機械学習」「Azure Machine Learningデザイナー」「データとコンピューティングの管理」「パイプライン」の機能が提供されています。
さらに、「Azure Cognitive Services」というAIサービスもあり、これらの違いや用途についてもしっかり押さえておく必要があります。
・Azureのコンピュータービジョンワークロードの機能(15%~20%)
機械学習における画像解析について問われる分野です。画像の分類や物体検出についての理解が必要です。また、以下のようなAzureの機能の理解も必要です。
- Computer Vision
- Custom Vision
- Video Indexer
- Face
- From Recognizer
・Azureの自然言語処理(NLP)ワークロードの機能(25%~30%)
人間が日常的に使っている言語のことを、自然言語(Natural Language Processing:NLP)と言います。この項目は、「テキストの解析」や「音声サービス」などについて問われます。
AI-900を無料で受験するには?
先述の通りウェビナーに参加することで、AI-900を無料で受験できます。ウェビナーはMicrosoftが無料で開催しており、「Microsoft Virtual Training Days」という名前で運営されています。
Microsoft Virtual Training Daysには、Microsoftの製品に関する様々な講座があり、登録することで誰でも参加できます。どの講座が開催されるかは不定期なので、AI-900の学習の場合は公式サイト「Microsoft Virtual Training Days」から「AI Fundamentals」という講座を探してください。
ウェビナーを受講後しばらくすると、登録したメールアドレスに連絡が届きますので、メールの案内に従って試験の申込みをすれば、AI-900を無料で受験できます。
AI-900の対策方法
AI-900の試験対策として、以下のようなMicrosoftが公式に公開しているコンテンツを利用する方法があります。
- MS Learn (Microsoft Learn)
- Microsoft Virtual Training Days
その他、Udemyの動画コンテンツを利用するのもおすすめです。ここからは、それぞれの学習方法についてご紹介します。
MS Learn
Azure認定試験のそれぞれの公式サイトには、「MS Learn(Microsoft Learn)」と呼ばれる学習コンテンツが公開されています。MS Learnを利用することで、試験に必要な知識やスキルを確認できます。
ただし、説明が不十分な部分や、一部日本語訳が不自然な部分があるなど、MS Learnのみで学習を完了するには不安があります。そのため、他の学習ツールと合わせて、学習の補助ツールとして利用するのがおすすめです。
項目 | 学習時間の目安 |
人工知能の概要 | 34分 |
機械学習用のビジュアルツールについて調べる | 4時間21分 |
Computer Visionについて調べる | 2時間59分 |
自然言語処理について調べる | 2時間42分 |
意思決定支援について調べる | 38分 |
詳しくは以下のMicrosoft公式サイトをご覧ください。
試験AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
公式のウェビナー
先述のように公式に「Microsoft Virtual Training Days」という無料のオンライントレーニングが開催されています。このトレーニングで開催される講座の種類や頻度は、不定期かつ平日のみの開催ですが、受講することで試験を無料で受験できますので、こまめに「AI Fundamentals」の講座が開催しているかチェックしてみましょう。
Udemy
Udemyは20万以上の動画コンテンツが配信されている、オンラインの学習サービスです。Azure関連のコンテンツも充実しており、日本語に対応した模擬問題集もあるため、英語に苦手意識がある方でも安心して学習に取り組むことができます。
絶対合格!Microsoft AI-900 模擬試験問題 ※日本語対応
もし英語の講座に苦手意識が無ければ、より豊富なコンテンツをご利用いただけます。AI-900の英語コンテンツとして、以下のような講座がおすすめです。
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals Course
AI-900 Azure AI Fundamentals Exam Prep In One Day
この記事では、AI-900について解説しました。
AI-900は機械学習・人工知能に関するAzureの認定試験であり、CBT方式(PCを使った試験)で実施されます。AI-900はAzure認定試験の中では比較的簡単な試験ですが、合格ラインは7割なので、受験する場合はしっかり対策をして挑みましょう。試験対策には、公式のウェビナーやUdemyの講座を利用しての学習がおすすめなので、この機会にぜひチェックしてください。
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講座を見てみる評価:★★★★★
AI-900について、日本語の資料が大変少なく、どう学習してよいかわからなかったのですが、本コースのおかげで基礎知識を習得することができました。
過去問についても、ただ答えを出すだけでなく、ロジカルな解説をしていただけたので、非常に理解しやすかったです。
評価:★★★★★
とても勉強になりました。この記事に加えてUdemy問題集を解き試験に臨んだら無事合格できました。ありがとうございました。
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