Microsoft Azure認定資格を一覧で解説!難易度や勉強方法は?

クラウドコンピューティングサービスに関わる業務でのキャリアアップを目指すために、Microsoft Azure認定資格の取得を目指しているものの、

・種類が多く、どれを受験すればいいのかわからない。
・効率的な勉強方法を知りたい。

という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、

・Microsoft Azure認定資格の概要と資格一覧
・資格の取得難易度
・資格の特徴

についてご紹介します。

Microsoft Azure認定資格とは?

Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)は、Microsoft社が2010年10月からサービスを開始したクラウドコンピューティングサービスです。Microsoft Azure認定資格は、Microsoft社の認定資格であるMCP(Microsoft Certification Program)のひとつであり、Azureに関する知識やスキルを認定する資格です。

近年では、クラウドサービスを業務で利用することが一般的になり、Microsoft Azure認定資格への注目が高まっています。

Microsoft Azureについては、「Microsoft Azure(アジュール)とは何かをわかりやすく解説!」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

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Azure認定資格の有効期限は1年間

Azure認定資格の有効期限は1年です。以前の有効期限は2年間でしたが、2021年6月以降に取得した資格の有効期限は1年間に変更されています。有効期限の短縮に伴い、資格の更新方法も変更されました。

変更後は、6か月以内に有効期限が切れるAzure認定資格を持っている場合、Microsoft Learnで「無料更新アセスメント」に合格することで有効期限を更新できます。Microsoft Learnは無償で利用でき、更新テストは有効期限が切れるまで何度でも受験可能です。テストはWebベースのため、自宅で調べながら受験することも許可されています。

なお、例外としてFundamentals(基礎)認定資格には有効期限がないため、更新も不要です。

PCとノートを用いて作業する人

Microsoft Azure認定資格の一覧表

Microsoft Azure認定資格の難易度や対象は、以下の通りです。

難易度 試験名 試験コード 対象
初級レベル Azure Fundamentals AZ-900 Azure 初心者
Azure管理者
Azure AI Fundamentals AI-900 AI エンジニア
Azure Data Fundamentals DP-900 データエンジニア
データベース管理者
中級レベル Azure AI Engineer Associate AI-102 AI エンジニア
Azure Data Engineer Associate DP-203 データエンジニア
Azure Administrator Associate AZ-104 管理者
Azure IoT Developer Specialty AZ-220 開発者
Azure Security Engineer Associate AZ-500 セキュリティエンジニア
Azure Database Administrator Associate DP-300 データベース管理者
Azure Developer Associate AZ-204 開発者
Azure Data Scientist Associate DP-100 データサイエンティスト
Windows Virtual Desktop Specialty AZ-140 管理者
Security Operations Analyst Associate SC-200 セキュリティエンジニア
セキュリティ運用アナリスト
上級レベル Azure Stack Hub Operator Associate AZ-600 管理者
Azure Stack Hub オペレーター
Azure for SAP Workloads Specialty AZ-120 管理者
ソリューションアーキテクト
DevOps Engineer Expert (AZ-104 or AZ-204) and AZ-400 DevOpsエンジニア
Azure Solutions Architect Expert AZ-305 ソリューションアーキテクト

Microsoft Azure認定資格は、次の9つの分野を対象に、技術的ロールや要件に応じて細かく分類されています。

  • 基礎
  • 開発者
  • 管理者
  • ソリューションアーキテクト
  • データエンジニア
  • データサイエンティスト
  • AIエンジニア
  • DevOpsエンジニア
  • セキュリティエンジニア

加えて、それぞれに難易度別のカテゴリが存在しており、「Fundamentals」「Associate」「Expert」「Specialty」の4つに分けられます。これらの組み合わせによって、初級・中級・上級のレベルに分けられます。

ここからは、Microsoft Azure認定資格を難易度別に解説していきます。初級・中級・上級の順に詳しく見ていきましょう。

Azure認定資格①初級レベル

初級レベルのAzure認定資格は、以下の3つです。

Azure Fundamentals:AZ-900

Azure Fundamentalsは、クラウドサービスの基礎知識や概念、Azureのサービスなどに関する一般的なテクノロジーの概念についての知識・スキルを有することを証明する資格です。技術的ロールに関係なく、ほぼすべてのAzure認定資格の基礎となる資格です。

対象:Azure初級者 、Azure管理者

AZ-900について詳しくは「AZ-900とは?試験の概要や対策方法を解説!無料で受験する方法も」をご覧ください。

Azure AI Fundamentals:AI-900

Azure AI Fundamentalsでは、機械学習(ML)や人工知能(AI)に関連するAzureサービスの知識・スキルが問われます。本資格を取得するには、一般的なプログラミング知識があると良いとされていますが、ソフトウェア開発の経験は必須ではありません。そのため、対象もAIエンジニアとされていますが、AIエンジニアでなくとも受験が可能です。

対象:AIエンジニア

AI-900については詳しくは「Microsoft認定資格「AI-900」とは?難易度や出題内容を解説!」をご覧ください。

Azure Data Fundamentals:DP-900

Azure Data Fundamentalsでは、Azure内のデータの取り扱いについて問われます。データベースやデータの分析、リレーショナルデータと非リレーショナルデータの概念などについての知識に加え、Azureのデータサービスを使用して実装するための基礎知識が必要です。

対象:データエンジニア、データベース管理者

DP-900について詳しくは「DP-900とは?Azure認定資格の難易度や必須の知識、対策方法を解説!」をご覧ください。

Azure認定資格②中級レベル

Azure認定資格の中級レベルとしては、Associate・Specialtyを含む以下の10資格が該当します。一部の認定資格は2021年6月30日以降に試験が置き換えられています。中級レベルでは、主に知識やスキルに併せて認定資格を選んでいくことになります。

Azure AI Engineer Associate:AI-102

Azureサービスを利用するAIソリューションの構築・管理などに関する専門知識が問われる資格です。この資格を取得するためには、AzureのAIサービスに関する知識以外にもC#やPython、JavaScriptに関するプログラミング知識も必要となります。

対象:AIエンジニア

Pythonについては「Python(パイソン)とは?人気プログラミング言語の特徴・活用事例を解説!」で、JavaScriptについては「JavaScriptとは?言語の特徴を初心者向けに解説!」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

Azure Data Engineer Associate:DP-203

Azure Data Engineer Associateでは、構造化及び非構造化データシステムから、データを分析ソリューションの構築に適した構造に統合・変換するための専門知識などが求められます。Azureのデータサービスに関する知識以外にも、SQLやPython、Scalaなどのデータ処理言語に関する知識とスキルも必要です。

対象:データエンジニア

SQLについて詳しくは「【SQL入門】データベース言語の基礎知識を学んでMySQL環境で実践しよう!」で解説しています。

データベースでデバイス

Azure Administrator Associate:AZ-104

Azure Administrator Associateは、組織のMicrosoft Azure環境の実装から管理、監視に至るまでのAzureサービス全般に関する専門知識が問われる資格です。Azure環境下におけるID管理やストレージ、コンピューティング、仮想ネットワークなどの実装から維持管理に関するスキル・知識が求められます。

対象: Azure 管理者

AZ-104について詳しくは「AZ-104とは?試験の難易度や出題内容、勉強方法を解説!」をご覧ください。

Azure IoT Developer Specialty:AZ-220

Azure IoT Developer Specialtyでは、Azure IoTソリューションのクラウド・エッジコンポーネントの開発に関する専門知識が問われます。IoTソリューションを形成するAzureサービスの実装経験が必要であり、C#やC言語、Pythonなどの言語におけるIoTコーディングタスクを実行する能力も必要です。

対象:開発者

Azure Security Engineer Associate:AZ-500

Azure Security Engineer Associateでは、クラウド環境におけるIDやアクセス管理、セキュリティ制御と対策手段の実装が問われる資格です。ほかにも、オンプレミス環境とのハイブリッド環境におけるデータ・アプリケーション・ネットワークの保護に関する専門知識が求められます。これらの知識に加えて、スクリプト作成や自動化、仮想化などに関する知識も必要であり、合格するためにはAzureに関連するMicrosoft製品やその他のサービスにも精通している必要があります。

対象:セキュリティエンジニア

Azure Database Administrator Associate:DP-300

Azure Database Administrator Associateでは、Microsoft Azure Data ServiceやMicrosoft SQL Server上で構築したデータベースに加え、ハイブリッド環境下におけるデータベースの運用面の実装・管理に関する知識・スキルが求められます。

対象:データベース管理者

Azure Developer Associate:AZ-204

Azure Developer Associateは、Azureにおけるクラウドアプリケーションやサービスの設計から、構築・テスト・保守に至るまでの専門知識が問われる資格です。この資格の受験には1~2年の専門的な開発経験とAzureの経験が必要です。

対象:開発者

AZ-204について詳しくは「AZ-204の難易度や試験対策方法を解説!」をご覧ください。

Azure Data Scientist Associate:DP-100

Azure Data Scientist Associateは、データサイエンスと機械学習に関する知識を活用し、Azureで機械学習ワークロードを実装して実行するための知識・スキルが問われる資格です。Azure Machine Learningワークスペースの設定から、モデルの訓練・最適化・管理までのスキルが求められます。

対象:データサイエンティスト

Windows Virtual Desktop Specialty:AZ-140

Windows Virtual Desktop Specialty は、あらゆるデバイスでのAzure Virtual Desktop利用経験と、リモートアプリの計画・提供・管理に関する専門知識が求められる資格です。主にWindows Virtual Desktopを利用してアーキテクチャの設計からインフラ実装、セキュリティ管理などを行うためのスキルが求められます。

対象: Azure 管理者

Security Operations Analyst Associate:SC-200

Security Operations Analyst Associateでは、主にMicrosoft Azure Sentinel、Azure Defender、Microsoft 365 Defenderを活用し、組織の情報技術システムの保護を目的として、セキュリティ脅威の調査・対応を行うための知識・スキルが求められます。

対象:セキュリティエンジニア、セキュリティ運用アナリスト

Azure認定資格③上級レベル

Azure認定資格の上級レベルは、Expert・Specialty・Associateを含む4つの認定資格が対象となっています。Expertの認定資格を受験する際は、前提として特定の資格を取得している必要があるため注意が必要です。取得しておく必要のある資格は受験する資格によって異なるので、事前に確認するようにしましょう。

Azure Stack Hub Operator Associate:AZ-600

Azure Stack Hubはオンプレミス環境でアプリを実行し、データセンターでAzureサービスを実現する方法を提供するAzureの拡張機能です。Azure Stack Hub Operator Associateは、Azure Stack Hubを使用して、独自のデータセンター内からエンドユーザーにクラウドサービスを提供する管理者やオペレーターが対象となっています。Azure Stack Hubを使用したインフラ環境の計画から実装・維持管理までの幅広い知識とスキルが必要です。

対象: Azure 管理者、Azure Stack Hubオペレーター

Azure for SAP Workloads Specialty:AZ-120

Azure for SAP Workloads Specialty は、AzureでのSAPソリューションの長期的な運用や、プロビジョニング・スケーリングなどを適切に調整するための知識・スキルが求められる資格です。SAPアプリケーションに関する幅広い知識と経験に加えて、データベース用のOSサーバー、仮想化、ネットワーキングなどに関する幅広い知識も求められます。

対象: Azure 管理者、ソリューションアーキテクト

DevOps Engineer Expert:(AZ-104 or AZ-204)and AZ-400

DevOps Engineer Expert は、AzureでDevOpsを実現するために、コラボレーション・インフラストラクチャ・ソース管理・セキュリティなどの開発に関わる専門的な知識が必要な資格です。さらに、ビジネス価値を継続的に提供するための人・プロセス・テクノロジーの連携に関する幅広く専門的な知識・スキル・経験も求められます。

対象:DevOpsエンジニア

Azure Solutions Architect Expert:AZ-305

Azure Solutions Architect Expertでは、Azureで実行されるソリューションの設計と実装に関する幅広く専門的な知識が求められます。Azureインフラストラクチャの実装と管理やIDとセキュリティの設計、データストレージの設計などのビジネス要件を、安全で拡張性と信頼性の高いクラウドソリューションに変換できるだけの知識とスキルが必要です。

対象:ソリューションアーキテクト

AZ-305について詳しくは「AZ-305の難易度はどれくらい?合格のための勉強方法も解説」をご覧ください。

上昇している矢印

Azure認定資格を取得するメリット

Azure認定資格を取得するメリットとしては、大きく次の3つが挙げられます。

  • 自分のスキルを客観的に証明できる
  • 取引先からの信頼が高まる
  • Azureに関するスキル・知識を体系的に学べる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分のスキルを客観的に証明できる

ITの世界では自身のスキルや知識を証明することが難しいですが、資格を取得することで客観的なスキル・知識の証明が可能になります特に、人事評価や転職時には、資格の存在は大いに役立つでしょう。

また、Azure認定資格は難易度別に設定されているため、自分がどのレベルにいるのかということを示すこともできます。知識や技術は、資格として証明しなければならないものではありません。しかし、せっかく知識や技術がある、あるいはこれから学ぶのであれば、資格を取得することは一石二鳥以上の価値があるといえるでしょう。

取引先からの信頼が高まる

Azure認定資格はMicrosoft社の認定資格であるため、資格を取得することで社内での人事評価だけでなく、取引先などの社外の人からの信頼も得られるようになります。

社内外からの信頼が上がることにより仕事を任されやすくなったり、社内での立場・環境がよくなったりする可能性もあります。フリーランスで働いている場合は、Azure認定資格を取得していることが、仕事の獲得につながることもあるでしょう。

Azureに関するスキル・知識を体系的に学べる

Azure認定資格はレベル別に用意されており、資格取得のための学習を通じてAzureに関して体系的に学ぶ事が可能です。 Azureのサービスは多岐にわたっており、「どのような場面で、どのサービスを利用することが適切か」を判断するためには、一定の知識と経験が求められます。そのため、資格取得に向けた学習によって、自身のAzureへの理解度を確認することもでき、よりAzureを活用するためのスキル・知識を身につけられます。

また、資格試験では日々の業務では触れない部分が出題される場合もあります。そのため、資格取得のために学ぶことは、現場経験だけでは得ることができない幅広い知識や視野を得るチャンスにもなります。

タイピングする人

Azure認定資格のおすすめ勉強法は?

Azure認定資格の勉強方法は、大きくオンラインとオフラインの2種類があります。オフラインでの勉強方法としては、書籍や参考書などの学習方法が挙げられますが、種類が豊富とはいえず効率的な学習は難しいでしょう。一方、オンラインでの勉強方法としては、Microsoft Learnの活用や動画講座の視聴などが挙げられます。Microsoft Learnは、Microsoft社が提供する学習サービスで、無料でAzure環境に触れることができます。

自分のレベルに応じた内容の勉強がしたい方や、知識と実践を兼ねて勉強したい方には、Udemyの動画講座がおすすめです。Udemyの動画講座は、難易度が幅広く用意されており、評価の高い講師や試験対策に詳しいプロフェッショナルから学べます。Azure認定資格は技術ロールや難易度によって細かく分けられているため、取得したい資格に併せた学習が欠かせません。

Udemyであれば、英語講座を含む200件以上のMicrosoft Azureコースから最適な動画講座が選択でき、新しい情報に随時更新されるメリットもあります。まずは一度UdemyのMicrosoft Azureから、目的の資格に関連する講座を探してみてはいかがでしょうか。

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Azure認定資格を取得して業務に役立てよう

Microsoft Azure認定資格は、Microsoft社が提供するクラウドコンピューティングサービスのAzureに関連する知識・スキルを認定する資格です。Azure認定資格を取得することで、自身のスキル・知識の証明だけでなく、社内外からの信頼アップや資格取得の学習を通じてAzureを体系的に学べる、といったメリットが得られます。

Azure認定資格は、主に技術ロールによって細かく分けられているため、この記事を参考に自身の取得したい資格を探して学習を進めてみてはいかがでしょうか。

なお、Azure初心者の方は、もっとも基礎的なAZ-900試験の合格を目指すのがおすすめです。AZ-900について学びながら試験慣れをしたい方には以下の講座がおすすめです。

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評価:★★★★★
この演習テストの1-3をよく復習することで合格することができました。他の方も書いているように4・5は何度が高く、余裕がなければ1-3を集中的に何度もやるのが効率的だと思います。

評価:★★★★★
一発合格でした。テスト1~5まで95点をとれるまで反復しました。試験では、このコースで見たことのある問題も出題され安心できました。演習テスト6は、せっかくご用意いただいて申し訳ないのですが、基礎的なことを忘れそうなので一回だけ受験しました。 AWSに次いでの合格となります。ありがとうございました。

Azure認定資格の種類を把握して、自身のレベルにあった資格を取得しましょう!