Microsoft Azureはマイクロソフト社が提供するクラウドサービスです。AmazonのAWS(Amazon Web Service)やGoogleのGCP(Google Cloud Platform)と並ぶ人気のクラウドサービスです。
近年はリモートワークを導入する企業も増えているため、クラウドサービスの需要も高くなっています。
この記事では、Microsoft Azure導入のメリットや、知っておくと便利な情報についてわかりやすく解説します。
なお、「クラウドサービス」の意味や概要について詳しく解説した記事がありますので、併せてご覧ください。
INDEX
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)とは?
Microsoft Azureとは、2008年10月にマイクロソフト社のデベロッパーカンファレンスで発表され、2010年10月に「Windows Azure」としてサービスを開始したクラウド・コンピューティングサービスのことです。
2014年に「Microsoft Azure」に名称変更を行い、2022年2月現在でもサービスを提供しています。
Microsoft Azureの「Azure」は「アジュール」と読みます。英語で「青空」や「空」を意味する言葉です。「クラウドサービス」の「クラウド(雲)」と掛けて、雲を浮かべる「空」の色を表していると理解している人もいます。
Microsoft Azureの料金設定は、AWSやGPCと同様に、初期費用無しで使用した分だけ支払う「従量課金制」のサービスです。
クラウドサービスには様々な種類があり、Microsoft Azureが提供するサービスは一般的にはIaaSとPaaSと呼ばれる分野のものです。
以下で、IaaSやPaaSとは具体的にどのような内容なのかご説明します。
IaaS、PaaSとは?
IaaSやPaaSとは、それぞれクラウドサービスのサービス形態の1つです。
IaaSは「Infrastructure as a Service」の頭文字を取った略語で「イァース」と読みます。仮想サーバやストレージ、ファイアウォールなどのインフラを、インターネット上で使えるサービスとして提供する形態のものです。
PaaSは「Platform as a Service」の頭文字を取った略語で「パース」と読みます。アプリケーションソフトが稼働するためのデータベースやプログラム実行環境などが提供されるサービスのことです。
Microsoftは、Azureで提供しているIaaSやPaaSの他にも、SaaSと呼ばれるクラウドサービスも提供しています。
SaaSは「Software as a Service」の頭文字を取った略語で「サース」と読みます。これまではすべてパソコンにインストールして動作していたアプリケーションが、インターネット経由で使えるようになった形態のサービスのことです。Office 365やOneDriveがマイクロソフト社のSaaSです。
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Udemyで講座を探すMicrosoft Azureでできることとは?
Microsoftは、世界中に自社のデータセンターを設置しており、大規模的にIaaS、PaaSを提供しています。
ここからは、Microsoft Azureの代表的なサービスについてご紹介、解説します。
Azure DevOps
Azure DevOpsとは、Microsoftが提供するDevOpsです。
DevOpsの明確な定義をすることは難しいですが、DevelopmentとOperationsを組み合わせてできた単語で、簡単にいえばプロジェクトの開発(Development)と運用(Operations)を支援してくれるプロジェクト管理ツール群です。
進捗管理や仕様書の作成を支援する「Boards(ボード)」、ソースコードの共有などのリポジトリ機能を提供する「Repos(リポ)」、コンパイルやデプロイの機能を提供する「Pipelines(パイプライン)」、テストの支援をする「Test Plans(テストプラン)」などの機能があります。
Azure Functions
Azure Functionsは、サーバの構築なしで関数を実行できるサービスで、HTTP要求やGitHubのイベントなど様々なトリガーでコードの実行ができます。
C#、JavaScript、F#、Java、Python、TypeScript、PowerShellの言語がサポートされています。
コードの実行に必要なインスタンスは自動で追加・削除され、メモリも必要に応じて最大1536MBまで自動的に拡張されます。
Azure Storage
Azure Storageは、Microsoftのクラウドストレージサービスです。
他のAzureのサービスを利用する際にも利用します。
保存するデータの種類や目的に応じてBlob、Queue、Table、Files、Disk、Archiveなどが用意されています。
またAzure Backup、Data Box、といったストレージサービスもあります。
Azure Virtual Machines
Azure Virtual MachinesはAzureの仮想マシンサービスです。
Azure Virtual Machinesでは、仮想サーバにOSやソフトウェアをインストールして利用できます。
Microsoft Windowsだけでなく、Linux系のOSも利用できます。仮想サーバにはリモートデスクトップやSSHでアクセスすることができます。
Azure Active Directory
Azure Active Directoryとは、MicrosoftのID、アクセス管理サービスです。
認証やアクセス許可、デバイスなどのID管理を一括で行うことができます。
クラウドだけでなく、従来の会社のシステムで利用していたオンプレミスのID管理も包括して行うことができます。
Azure Information Protection
Azure Information Protectionを利用すると、クラウドベースでデータ管理・保護できます。
電子メールやドキュメント、データをラベル付けして管理でき、さらにそれぞれのアクセス許可の制御ができます。」
Azure AI
Azure AIは、Microsoftがリリースしている人工知能(AI)を利用できるサービスで、機械学習モデルの構築やデプロイなど行うことができます。
Azure AIを利用して機械学習モデルをローコードで構築することで、業務の自動化や効率化を図ることができます。
Microsoft Azureを利用するメリットとは?
Microsoft Azureを利用するメリットについて、項目別に紹介します。
コスト
Microsoft Azureの利用料金は、分単位の従量課金制を採用しています。また、GCPやAWSと同じく、長期契約の割引もあります。
Azureでは企業利用を想定した料金設定もあり、エンタープライズ向けの割引も用意されています。
拡張性・柔軟性
OSがLinuxであっても、オープンソースのデータベースが使えないような場合、Oracleのような商用データベースが必要となります。Azureでは、公式でOracleに対応しています。GCPがMySQLのみ対応していることを考えると、これは大きなメリットです。
また、Azure Marketplaceでは、Microsoftや、そのほかのさまざまなサービスやソフトウェアが購入できます。
データセンター
Microsoft Azureでは、世界各地の54地域にデータセンターが整備されています。日本国内では、東日本と西日本に存在します。Azure Site Recoveryというクラウドで利用できる災害復旧サービスも展開しており、災害対策も万全です。
将来性
Microsoft Azureは、マイクロソフト社による開発・投資が担保されています。例えば、マイクロソフト社は、セキュリティ関連のR&D(Research and Development)に年間10億ドルを超える研究開発の投資を行い、3500人のサイバーセキュリティのエキスパートを採用しています。
Microsoft Azureを使ってみよう
実際にMicrosoft Azureを利用するための手順を紹介します。具体的には以下の3つのステップで実行します。
- Microsoftアカウントを用意する
- Microsoft AzureにサインインしてAzureアカウントを作成する
- Azureの管理用ポータルサイトへサインインする
本人確認のため、クレジットカードと電話番号が必要なので準備しておきましょう。なお、2022年2月末現在、無料アカウントで30日間200米ドル分のサービスを利用できます。アカウントの作成だけなら費用は発生しませんのでご安心ください。
それでは、ステップごとに詳しく紹介します。
1 Microsoftアカウントを用意する
Microsoftアカウントのページ(https://account.microsoft.com/account/)を開き、「Microsoftアカウントを作成」をクリックします。
「アカウントの作成」画面が表示されるので、画面の指示に従って作成します。
これ以降の手順は画面の指示通りに行うため、割愛します。
2 Microsoft AzureにサインインしてAzureアカウントを作成する
Microsoftアカウントの開設が完了したら、次はAzureアカウントを作成します。Microsoft Azureのサイトを開き、「無料で始める」ボタンをクリックします。
Microsoftアカウントへのログイン画面が表示されるので、ログインします。すると、「自分の情報」を入力する画面が表示されます。必要な項目を入力しましょう。
引き続き、電話による認証を行います。スマートフォンで認証する場合は「テキストメッセージを送信する」を選びましょう。
次は「カードによる本人確認」を行います。
必要な情報を入力したら、「次へ」ボタンをクリックします。
最後は「次へ」です。チェックボックス2つにチェックを入れて「サインアップ」ボタンをクリックします。
無事サインアップできました。
Azureの管理用ポータルサイトへサインインする
サインアップが完了したら、早速ポータルに移動しましょう。
「クイックスタートセンター」が表示されます。ここからMicrosoft Azureを使い始めることができます。
Microsoft Azureについて効率よく学ぶには?
本記事で解説した通り、Microsoft Azureはマイクロソフト社の高い技術力と豊富なリソースを最大限に活用できるクラウドサービスです。クラウドサービスを使いこなすためには、各機能のメリットやデメリットを理解したうえで基礎を習得することが欠かせません。
これからMicrosoft Azureについて学ぼうと考えている方には、下記の講座がおすすめです。
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コメント:Azureは全くの初心者でしたが、丁寧な説明と実際に操作をしながらの学習で良く理解が出来ました。これからAzureに取り組もうとしている人には最適のコースだと思います。
評価:★★★★★
コメント:Azure/IaaS の各サービスについて、良く分かりました。
特に細かい設定などの説明もしっかりして頂けたので、意味が分からずとにかく進める、という、ハンズオンでよくありがちなこともありませんでした。
前半、中盤はサクサク進みましたが、実運用に必要な知識などの説明となる後半は少し複雑になって覚えることが多く、時間も掛かりました。
PaaS 編もぜひ受講したいと思います。
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