Microsoft Azureを業務で利用する機会も多いと思いますが、
・どのような機能があるのか分からない…。
・どんなメリットがあるのか知りたい…。
などが気になる方は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、
・ Microsoft Azureの概要
・ 使える機能
・ 利用するメリット
・使い方
などを中心に、Microsoft Azureについてわかりやすく解説します。
公開日:2021年3月4日
INDEX
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)とは?
Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)とは、マイクロソフト社が提供するクラウド・コンピューティングサービスのことです。
Microsoft Azure は、2008年10月にマイクロソフト社のデベロッパーカンファレンスで発表され、2010年10月に「Windows Azure」としてサービスを開始しました。その後、2014年に「Microsoft Azure」に名称が変更しています。
なお、Microsoft Azureの料金設定は、AWSやGPCと同様に、初期費用なしで使用した分だけ支払う「従量課金制」のサービスです。
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Microsoft Azureが提供するサービスは様々ですが、一般的にはIaaSとPaaSと呼ばれる分野です。
- IaaS(Infrastructure as a Service)
インフラをインターネット経由で提供するサービス形態
- PaaS(Platform as a Service)
アプリケーションが稼働するためのプラットフォームをインターネット経由で提供するサービス形態
IaaSでは仮想サーバやストレージ、ファイアウォールなど、PaaSではデータベースやプログラム実行環境などが提供されます。
Microsoft Azureで使える主な機能8選
Microsoft社は世界中に自社のデータセンターを設置しており、大規模なIaaS、PaaSを提供しています。主な機能は以下の8つです。
- Azure Portal:Azure上のサービスを一括管理
- Azure DevOps:プロジェクトを管理する
- Microsoft Entra ID:アカウントを管理する
- Azure Functions:関数を実行する
- Azure Storage:クラウドに保存する
- Azure Virtual Machines:仮想サーバを使用する
- Azure Information Protection:データを管理する
- Azure AI:業務を自動化する
ここからは、8つのサービスについて一つずつ見ていきましょう。
Azure Portal:Azure上のサービスを一括管理
Azure Portal(アジュールポータル)は、Microsoft Azure上の様々なサービスを一元管理できるWebベースの統合コンソールです。
Azure Portalは直感的なUIを備えており初心者でも使いやすく、Webアプリケーションの構築やデプロイ、監視などの管理タスクを簡単に実行できます。
また、インターネット接続されたPCやモバイルデバイスなど、どの端末からでもアクセス可能なため、場所を選ばずにAzureリソースを管理できます。
Azure DevOps:プロジェクトを管理する
Azure DevOps(アジュールデブオプス)とは、マイクロソフト社が提供するDevOpsです。
DevOpsはDevelopmentとOperationsを組み合わせた用語です。明確に定義することは難しいですが、簡単にいうと「プロジェクトの開発(Development)と運用(Operations)を支援してくれるプロジェクト管理ツール群」です。
Azure DevOpsには、次のような機能が備わっています。
- Boards:進捗管理や仕様書の作成を支援する
- Repos:ソースコードの共有などのリポジトリ機能を提供する
- Pipelines:コンパイルやデプロイの機能を提供する
- Test Plans:テストを支援する
など
DevOpsについて詳しくは「DevOpsとは何かを図でわかりやすく解説!アジャイルとの違いは?」で解説しています。
Microsoft Entra ID:アカウントを管理する
Microsoft Entra ID(マイクロソフト エントラアイディー)は、企業で利用するアカウントを一括管理し、ユーザー認証を行えるサービスです。Azure Active Directory(Azure AD)から名称が変更されたものであり、クラウドだけでなく従来の会社のシステムで利用していたオンプレミスのIDも包括して管理できます。
アカウントの一元管理により管理者の負担を軽減し、ユーザーの利便性を高められるため、企業にとって重要な機能の一つです。ログインの手間を減らせるだけでなく、二要素認証にも対応しているため、セキュリティの向上にも役立ちます。
Microsoft Entra IDについてより詳しく知りたい方は、「Microsoft Entra ID(旧Azure AD)とは?メリットや機能を解説!」をご覧ください。
Azure Functions:関数を実行する
Azure Functions(アジュールファンクションズ)は、サーバの構築なしで関数を実行できるサービスです。HTTP要求やGitHubのイベントなど様々なトリガーでコードが実行できます。
Azure Functions では、C#、JavaScript、F#、Java、Python、TypeScript、PowerShellの言語がサポートされています。コードの実行に必要なインスタンスは自動で追加・削除され、メモリも必要に応じて最大1536MBまで自動的に拡張されます。
Azure Storage:クラウドに保存する
Azure Storage(アジュールストレージ)は、マイクロソフト社のクラウドストレージサービスです。ほかのAzureのサービスを利用する際にも利用します。保存するデータの種類や目的に応じてBlob、Queue、Table、Files、Disk、Archiveなどが用意されています。
また、Azure Backup、Data Boxといったストレージサービスもあり、データの保存方法や種類によって使い分けることが一般的です。
Azure Virtual Machines:仮想サーバを使用する
Azure Virtual Machines(アジュール バーチャル マシンズ)は、Azureの仮想マシンサービスです。仮想サーバにOSやソフトウェアをインストールして利用します。
Azure Virtual Machinesは、Microsoft Windowsだけでなく、Linux系のOSも利用できます。仮想サーバにはリモートデスクトップやSSHでアクセス可能です。
Azure Information Protection:データを管理する
Azure Information Protection(アジュールインフォメーションプロテクション)を利用すると、クラウドベースでデータの管理・保護ができます。
電子メールやドキュメント、データをラベル付けして管理でき、さらにそれぞれのアクセス制御が実現可能です。
機密度に応じてラベル付けすることで、重要なデータの情報漏えいも防げます。
Azure AI:業務を自動化する
Azure AI(アジュールエーアイ)は、Microsoftが提供する人工知能(AI)を活用できるクラウドサービスです。機械学習モデルの構築やデプロイが可能で、機械学習モデルの構築もローコードで行えます。
また、新たに追加されたAzure OpenAI Serviceを使用することで、ChatGPTなどの生成AIを既存のシステムに組み込めるようになりました。これにより、これまで以上に業務の自動化や効率化を推進できるようになっています。
Azure OpenAI Serviceについては、「Azure OpenAI Serviceとは?特徴やメリット、導入方法を解説」で詳しく解説しているため併せてご覧ください。
Microsoft Azureを利用するメリット
Microsoft Azureを利用するメリットとしては、主に次の4点が挙げられます。
メリットについて、一つずつ解説します。
コストが削減できる
Azureでは、分単位の従量課金制を採用しており、長期契約割引やエンタープライズ向けの割引も用意されているため、企業での利用に適しています。
また、DBの管理や仮想サーバの使用に関してはAWSと比べて安い傾向にあり、特に使用頻度が少ない場合におすすめです。
さらに、AWSは基本的に米ドルでの決済となりますが、Azureでは日本円で決済できるため、為替レートに左右されない点も見逃せません。
Azureの柔軟な料金体系は、ニーズに合わせたコスト最適化を実現できます。
拡張性・柔軟性がある
OSがLinuxであっても、オープンソースのデータベースが使えない場合、Oracleのような商用データベースが必要ですが、Azureでは、公式でOracleに対応しています。
Google Cloud Platform(GCP)でも2024年後半にOracleデータベースをGCP上で稼働させる「OracleDatabase@Google Cloud」の提供が予定されていますが、すでにAzureでは利用できることを考えると大きなメリットといえるでしょう。
GCPについては「GCP(Google Cloud Platform)とは?特徴・メリット・AWSとの違い」をご覧ください。
また、Azure Marketplaceでは、Microsoftをはじめとする様々なサービスやソフトウェアが購入できます。
データセンターが整備されている
Microsoft Azureでは、世界各地60以上の地域にデータセンターが整備されています。日本国内では、東日本と西日本に存在しますが、日本は災害が多い国です。そのため、国内のデータセンターは大地震を想定した耐震設計で、電気・ネットワークが途切れにくい仕組みも使われています。
さらに、Azure Site Recoveryというクラウドで利用できる災害復旧サービスも展開しており、災害対策は万全です。Azureのデータセンター網を活用することで、災害に強いシステム構築が可能になるでしょう。
将来性がある
Microsoft Azureは、マイクロソフト社による開発・投資が担保されています。例えば、マイクロソフト社は、セキュリティ関連のR&D(Research and Development)に年間10億ドルを超える研究開発の投資を行い、3500人のサイバーセキュリティのエキスパートを採用しています。
2024年4月には、日本でのAI及びクラウド基盤増強に4,400億円を投資すると発表するなど、精力的にAzureサービスを拡大することを示していることからも、将来性があるといえるでしょう。
Microsoft Azureを使ってみよう
実際にMicrosoft Azureを利用するための手順を紹介します。具体的には以下の3つのステップで実行します。
- Microsoftアカウントを用意する
- Microsoft AzureにサインインしてAzureアカウントを作成する
- Azureの管理用ポータルサイトへサインインする
本人確認のため、クレジットカードと電話番号が必要なので準備しておきましょう。
なお、2024年8月現在、無料アカウントで30日間200米ドル分のサービスを利用できます。アカウントの作成だけなら費用は発生しないのでご安心ください。
それでは、ステップごとに詳しく紹介します。
1.Microsoftアカウントを用意する
Microsoftアカウントのページを開き、ページ下部の「アカウントを作成する」をクリックします。
「アカウントの作成」画面が表示されるので、画面の指示に従って作成します。
これ以降の手順は画面の指示どおりに行います。
2.Azureアカウントを作成する
Microsoftアカウントの開設が完了したら、次はAzureアカウントを作成します。Microsoft Azureのサイトを開き、「無料で始める」ボタンをクリックします。
Microsoftアカウントへのログイン画面が表示されるので、ログインします。
その後は「アグリーメント」「電話による本人確認」「カードによる本人確認」を経て、サインアップする流れとなります。
「アグリーメント」で「サブスクリプション契約、オファーの詳細に同意します」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
契約内容を確認し、その他の項目についても必要があればチェックしましょう。
引き続き、電話による認証を行います。スマートフォンで認証する場合は「テキストメッセージを送信する」を選びましょう。
次は「カードによる本人確認」を行います。
必要な情報を入力したら、「次へ」ボタンをクリックします。
最後に「サインアップ」ボタンをクリックします。
その後、画面の指示に従い進めていくと、無事サインアップできます。
3.Azureの管理用ポータルサイトへサインインする
サインアップが完了したら、早速ポータルに移動しましょう。「クイックスタートセンター」が表示されます。
ここからMicrosoft Azureを使い始めることができます。
Microsoft Azureを効率的に学ぼう
Microsoft AzureはAWSやGCPと並ぶマイクロソフト社が提供するクラウドサービスです。様々なサービスを提供しており、上手に組み合わせて利用することで、業務の効率化や新規事業の立ち上げなどに活用できます。
クラウドサービス市場のトップシェアはAWSですが、近年Microsoft Azureのシェア率がどんどん伸びてきています。
今後、Microsoft AzureはAWSを抜いてトップシェアになるかもしれません。 Microsoft Azureについて学ぼうと考えている方には、下記の講座がおすすめです。
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評価:★★★★★
コメント:Azureは全くの初心者でしたが、丁寧な説明と実際に操作をしながらの学習で良く理解が出来ました。これからAzureに取り組もうとしている人には最適のコースだと思います。
評価:★★★★★
コメント:Azure/IaaSの各サービスについて、良く分かりました。
特に細かい設定などの説明もしっかりして頂けたので、意味が分からずとにかく進める、という、ハンズオンでよくありがちなこともありませんでした。
前半、中盤はサクサク進みましたが、実運用に必要な知識などの説明となる後半は少し複雑になって覚えることが多く、時間も掛かりました。
PaaS編もぜひ受講したいと思います。
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