DP-900とは?Azure認定資格の難易度や必須の知識、対策方法を解説!

DP-900はAzure認定試験のひとつです。DP-900は難易度が初級に分類されるため、入門として受験する方もいます。この記事では、DP-900の試験概要や出題範囲、基礎知識、学習方法などについて解説します。

DP-900:Microsoft Azure Data Fundamentalsとは?

DP-900(Microsoft Azure Data Fundamentals)とは、Microsoft Azure(以下、Azure)に関する認定試験です。Azureは、Microsoftのクラウドコンピューティングサービスです。クラウドコンピューティングサービスには、AzureのほかにAmazonが運営するAWSやGoogleが運営するGCPなどがあります。

Azureの認定試験は、Microsoftが運営しており、分野やスキルレベルに応じて、さまざまな試験を受験することができます。

2022年10月時点では、以下のようなAzureの認定試験があります。

区分試験名試験
コード
難易度
Role-basedAzure Administrator AssociateAZ-104中級
Azure Developer AssociateAZ-204中級
Azure Security Engineer AssociateAZ-500中級
Azure Stack Hub Operator AssociateAZ-600中級
Azure Network Engineer AssociateAZ-700中級
Windows Server Hybrid Administrator AssociateAZ-800
AZ-801
中級
Azure AI Engineer AssociateAI-102中級
Azure Data Scientist AssociateDP-100中級
Azure Data Engineer AssociateDP-203中級
Azure Database Administrator AssociateDP-300上級
Azure Enterprise Data Analyst AssociateDP-500中級
DevOps Engineer ExpertAZ-400上級
zure Solutions Architect ExpertAZ-305上級
SpecialtyAzure for SAP Workloads SpecialtyAZ-120中級
Azure Virtual Desktop SpecialtyAZ-140中級
Azure Support Engineer for Connectivity SpecialtyAZ-720中級
Azure IoT Developer SpecialtyAZ-220中級
Azure Cosmos DB Developer SpecialtyDP-420中級
FundamentalsAzure FundamentalsAZ-900初級
Azure AI FundamentalsAI-900初級
Azure Data FundamentalsDP-900初級

 

DP-900は、データの取り扱いを行うデータエンジニアリングに関する知識やスキルを問う試験です。

Azure認定試験について詳しく知りたい方は「Microsoft Azure認定資格を難易度別に解説!おすすめの勉強方法は?」を併せてご覧ください。

試験概要(出題形式・受験料など)

DP-900試験の詳細は以下の通りです。

試験名 DP-900
Microsoft Azure Data Fundamentals
試験時間 45分
問題数 50問前後
合格点 700点 / 1,000点
試験方式 CBT方式
出題形式:選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式

 

※試験詳細はこちらよりご確認ください。

 

評価されるスキル

DP-900で問われるのは以下のスキルです。

  • データの主要概念の理解度(25~30%)
  • Azure上のリレーショナルデータに関する理解度(20~25%)
  • Azure上の非リレーショナルデータの操作に関する理解度(15~20%)
  • Azureの分析手順に関する理解度(25~30%)

それぞれの詳しい出題内容については、次項で解説します。

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DP-900の出題内容と難易度

Microsoft Azureの認定試験にはFundamentals、Specialty、Associate、Expertのいずれかに分類されており、それぞれ試験の難易度を表しています。Fundamentalsが初級で、Expertが最上級です。

Azure Data Fundamentalsは初級に分類され、データベースの管理経験があまりない人でも、十分に取得が可能な認定試験です。
DP-900の合格ラインは「1000点中700点以上」です。

評価されるスキルに応じた出題内容は以下の通りです。

データの主要概念の理解度(25~30%)

データ形式やデータベースの確認方法、トランザクションデータ、分析データ処理といったデータの基礎、さらにデータ管理者の役割などについて問われます。

Azure上のリレーショナルデータに関する理解度(20~25%)

リレーショナルデータベースシステムの基礎と、Azure上でどのように実装されるかについて問われます。具体的には、リレーショナルデータとは何か、正規化やSQL、Azure SQLなどについてです。

Azure上の非リレーショナルデータの操作に関する理解度(15~20%)

非リレーショナルデータを格納するためにAzure Storageの使用方法について、Azure Cosmos DBの基礎について問われます。

Azureの分析手順に関する理解度(25~30%)

データウェアハウスやリアルタイム分析、データの可視化などについて問われます。

DP-900取得に必要なデータ分析の基礎知識

DP-900では「データ」について出題されます。ここからは、データの種類やデータの分析について簡単に解説します。

データの種類

データは「構造化データ」「半構造化データ」「非構造化データ」に分類できます。

構造化データは、リレーショナルデータベース(関係データベース:RDB : Relational Data Base)に格納されます。RDBを管理するためのシステムをリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS:Relational Data Base Management System)といい、このRDBMSを動かすための操作言語をSQL(Structured Query Language)といいます。

RDBに格納された構造化データは、データベースへの問いかけ(クエリ)に従って、データを検索や変更することができ、目的に合わせて複数の表から必要な部分を簡単にピックアップできます。RDBのデータベースを設計するルールをリレーショナルモデル(関係モデル)といいます。

一方、リレーショナルモデルに基づかないデータベースシステムをNoSQLといいます。半構造化データ、非構造化データはNoSQLで管理します。ある程度の構造(スキーマ)を持つものを半構造化データといい、JSON(JavaScript Object Notation)やParquetなどが挙げられます。オーディオやビデオ、バイナリデータなどの、特定の構造を持たないデータを非構造化データといいます。

データ分析の種類

データ分析にはいくつかの種類があり、それぞれ分析する目的や対象が異なります。

分析手法 分析する対象
記述的分析 データから過去や現在の状況を分析する手法
診断的分析 記述的分析で得られた結果の原因を分析する手法
予測的分析 データから未来の状況を分析する手法
処方的分析 予測的分析で得られた予想を実現・回避するための対処法を分析する手法
認知的分析 データ同士の関係性を分析する手法

 

データ分析の手順

データを処理する手順を「ワークロード」といいます。ワークロードにはETLとELTがあり、E(Extract)は抽出、L(Load)は読み込み、T(Translate)は変換を表しています。ETLはストリーミング処理、ELTはバッチ処理に適したワークロードです。

ストリーミング処理は、データを随時処理していく処理方法である一方、バッチ処理は、データを処理が可能になるまで蓄積させておき、一度にまとめて処理する方法です。夜間や他の処理が行われていないときに、まとめて実施するとリソースを有効に活用できます。

DP-900の試験対策方法

DP-900の試験対策としては以下の方法があります。

  • 公式のオンライントレーニングを受講
  • 書籍で学習
  • Udemyで学習

ここからは、それぞれの学習方法について紹介します。

公式のオンライントレーニングを受講

Microsoft社はMicrosoft Azureの他にも、Microsoft 365やMicrosoft Security、Dynamics 365、Power Platformなどさまざまな商品を展開しています。これらの製品に対して、公式で無料のオンライントレーニング(Microsoft Virtual Training Days)が用意されており、うまく活用することでスキルを高めることができます。

また、無料のオンデマンド講座も用意されており、試験対策などにも活用できます。

DP-900:Microsoft Azure Data Fundamentals試験対策

書籍で学習

書籍はその分野に関する情報が体系的にまとめられており、学習に非常に有用なツールです。DP-900に関する書籍も販売されていますが、本記事執筆時(2022年11月)、日本語で執筆された書籍は見つけることができなかったので、注意してください。エンジニアとして仕事をする場合には、英語のリファレンスを読まなければならないことも多いため、英語の書籍に慣れている方が、仕事の幅が広がります。

Udemyで学習

Udemyは、20万以上のコンテンツが配信されている、オンライン学習サービスです。DP-900に関する動画コンテンツも豊富で、日本語の講座も充実しています。英語の書籍しかなく、敷居が高いと感じている方でも、安心して学習できるため、非常におすすめです。

・DP-900 Azure Data Fundamentals 模擬問題集
https://www.udemy.com/course/dp-900-azure-data-fundamentals-j/

・絶対合格!Microsoft DP-900 模擬試験問題 ※日本語対応https://www.udemy.com/course/microsoft-dp-900-af_azurestudyacademy/

・Azure Data Fundamentals DP-900 2022年模擬試験問題集https://www.udemy.com/course/azure-data-fundamentals-dp-900-20226/

今回は、DP-900について解説しました。DP-900はMicrosoft が運営しているAzureに関する試験で、主にデータの取り扱いやデータ分析の手法について問われます。DP-900の学習方法はさまざまですが、現在のところ日本語の書籍は販売されていませんので、英語が苦手な方は、公式のオンデマンドコンテンツやUdemyによる学習がおすすめです。