プレスリリースでメディア関係者に興味を持ってもらうためには、本文の書き方やタイトル付けなどに工夫が大切です。
この記事では、プレスリリースの基本的な書き方や、より効果的に情報発信するためのコツについて解説します。自社の情報を魅力的に伝えたい広報担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
【書き方を知る前に】プレスリリースとは?
「プレスリリース」とは、プレス(新聞)とリリース(発表)を組み合わせた造語です。新聞以外のメディアが増えた現在は、企業に関わる最新の情報などをマスコミに発表することをプレスリリースといいます。
プレスリリースで配信する主な情報は、新しい商品やサービスの情報、イベントの情報、経営に関する情報、キャンペーンの告知などです。
企業がプレスリリースを行う場合、従来は文書による発表が一般的でした。しかし、近年はWebメディアへのプレスリリース配信も多く行われています。
プレスリリースを配信すると得られる効果とは?
プレスリリースを配信するとWebメディアに情報が掲載されるため、信頼性のある記事として広く拡散されやすくなります。
また、最新の情報を周知することで、興味を持った企業との提携や、投資家による投資につながる可能性もあります。
さらに、企業の動向を発信することにより、顧客や従業員との信頼関係を構築できることもプレスリリースのメリットです。
\文字より動画で学びたいあなたへ/
Udemyで講座を探す >プレスリリースの書き方:基本の構成
プレスリリースは5つの要素で構成されます。
- トピックやテーマを伝える「タイトル」
- 本文の要旨を簡潔に伝える「リード文」
- 情報を具体的に伝える「本文」
- プレスリリースの内容に関連した「写真」
- 情報発信者の「連絡先」
分かりやすく魅力的なプレスリリースにするためには、これら5つの要素が揃っていることが重要です。以下では、各要素を作る際のポイントを解説します。
1. タイトル
マスコミ関係者にとって、日々発信されるプレスリリースの本文をすべて読むことは困難です。ですので、興味を持ってもらうためには、効果的なタイトルを作る必要があります。
プレスリリースの概要がすぐに伝わるよう、タイトルの文字数は30字以内にしましょう。また、重要なキーワードを前半に盛り込み、本文を要約したタイトルにすることで、内容がある程度想像できるようになります。
2. リード文
リード文はタイトルと同様に、マスコミ関係者が本文を読むか判断する要素です。そのため、簡潔で理解しやすい文章を心がけましょう。
リード文では本文の概要が把握できるよう、製品の特徴やリリース日などの具体的な情報を述べます。リード文は文字数が限られるため、情報を盛り込みすぎず、最も伝えたい内容に絞って書くことがポイントです。
3. 本文
本文では、リード文で述べた事実の背景や補足情報などを述べましょう。詳細な情報を記載することで、文章の信頼性が高まります。また、現状に関する情報だけでなく、今後の展望なども本文に含めることが可能です。
ただし、細かい情報を本文に盛り込みすぎると冗長になるため、別紙や外部サイトに記載するなどの工夫をしましょう。
4. 写真
プレスリリースで発信する内容に関連した写真は、文章以上にインパクトを与えることが可能ですので、積極的に利用しましょう。読み手が本文の内容をイメージしやすく、興味を持てるような写真を選定することがポイントです。
写真は視覚的に理解しやすいため、リード文の下など、プレスリリースの前半に配置されることが一般的です。
また、プレスリリースに掲載した写真は、SNSでシェアされる際のアイキャッチとなる可能性があります。サムネイルとして小さく表示された際にも目立つことを考慮して、写真を選定しましょう。
5. 連絡先
プレスリリースを読んで興味を持ってくれた人が連絡を取れるように、連絡先は必ず記載しましょう。
連絡先として記載するべき情報は、会社名や担当者の氏名、電話番号、FAX番号、メールアドレスなどです。
プレスリリースの書き方のコツと注意点
ここからは、効果的なプレスリリースを書くためのコツや注意点について解説します。以下に挙げるポイントに注意することで、タイトルやリード文、本文の質を高めることが可能です。
- 数字やデータを用いて説得力をもたせる
- 図表や画像を活用し、わかりやすく!
- 簡潔にまとめる!5W1Hを活用!
- 専門用語は使わず、誰が読んでも分かりやすい文に!
- ニュース性、トレンド性を取り入れた内容にする
- 誇張した表現は用いない
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
数字やデータを用いて説得力をもたせる
リード文や本文では、抽象的な表現は可能な限り控え、具体的な数字やデータを使用しましょう。
メディアの広報担当者が記事を作成する際には、情報の客観性が重視されます。そのため、数字や調査データが含まれるプレスリリースは、記事にしてもらいやすい傾向にあります。
ただし、自社の調査データを用いる際は、情報の信ぴょう性に注意する必要があります。対象者の数が少なすぎる調査やアンケート結果は説得力に欠けるため、十分なサンプル数でリサーチを行いましょう。
図表や画像を活用し、わかりやすく!
文章のみで構成された本文は複雑になりやすく、時間のない方には読んでもらえない場合があります。図表や画像を活用して、視覚的に理解できるように工夫することがプレスリリースを書くコツです。
図表を用いる際は、扱うデータに合わせて適切な形式を選択しましょう。たとえば、自社製品と他社製品の違いを表現する場合、表やマトリックス図が有用です。比率を表したい場合は円グラフ、時間に伴う変化を表したい場合は折れ線グラフや棒グラフなどが適しています。
簡潔にまとめる!5W1Hを活用!
5W1H(誰が、どこで、何を、いつ、どうして、どのように)を活用すると、文章を簡潔にまとめること可能です。
文章に含める要素を5W1Hで絞り込むことで、文章が冗長になることを防げます。また、伝え漏れがないか確認する際にも5W1Hが有用です。
5W1Hを意識すると文章が書きやすくなるだけでなく、読み手にとっても素早く理解しやすい文章が作成できます。
専門用語は使わず、誰が読んでも分かりやすい文に!
様々な読み手が想定されるプレスリリースでは、可能な限り専門用語を使用しないことがポイントです。専門用語をより平易な言葉に置き換えると、前提知識のない記者にとっても分かりやすいプレスリリースが書けます。
やむを得ず専門用語を使用する場合は、注釈を使って説明文を追記しましょう。ただし、注釈の数が増えると本文が煩雑になってしまいます。そのため、専門用語は必要な場面のみの使用にとどめることが大切です。
ニュース性、トレンド性を取り入れた内容にする
さまざまな企業がプレスリリースを配信する中で、自社の情報に注目してもらうためには、「ニュース性」が求められます。社会のニーズや動向に合致した最新の情報を盛り込むことが、効果的なプレスリリースを行うコツです。
SNSで話題となっている情報や各メディアをチェックし、社会のトレンドを押さえつつ、適切なタイミングでプレスリリースを出しましょう。
誇張した表現は用いない
プレスリリースでは情報の客観性が重視されるため、誇張表現は控えることが大切です。インパクトを出すことは重要ですが、「業界最高の」や「最大規模の」といった表現は、客観性を損なう可能性があります。
インパクトを出したい場合は、形容詞を用いるのではなく、具体的な数字や画像などを効果的に活用しましょう。
プレスリリースを出すことで、自社の商品やサービスの情報をメディア関係者に告知できます。ただし、数多くのプレスリリースの中から自社に興味を持ってもらうためには、書き方の工夫が必要です。
企業の広報担当者の方は、この記事で紹介した書き方を参考に、プレスリリースの原稿作りに取り組んでみてはいかがでしょうか。
最新情報・キャンペーン情報発信中