O2Oとは?ネットからリアル店舗へつなげるマーケティングのコツ

O2Oとは?ネットからリアル店舗へつなげるマーケティングのコツ

「O2Oマーケティング」という言葉を聞いたことがありますか?一つの企業が実店舗とECサイトを持つ場合、お互いに別々のマーケティングを行うより、施策に相互作用を持たせることが大切です。その実店舗とECサイトをつなぐ手法がO2Oマーケティングです。

今回は、企業でWebマーケティングを担当する筆者が、O2Oの基礎知識やメリット、活用事例、効果的なO2Oマーケティングについてご紹介します。

これを読んで、O2Oマーケティングを活用して実店舗とECサイトをうまく連携させるアイデア出しの参考にしてください!

O2Oとは?マーケティングでのメリット

O2Oの基礎知識とメリットについて解説します。

O2Oとは?

O2Oは「Online to Offline」の略で、オンラインとオフラインが連携して、購買活動を促進させることを意味しています。

オンラインであるWebサイトから、オフラインの実店舗に顧客を誘導することを目的としており、例えば、オンライン上で割引クーポンを配布して実店舗を訪れてもらえるようにしたり、ECサイトで近くの店舗の在庫状況を確認できるようにするといったサービスがあります。

O2Oの特徴とマーケティングでのメリット

O2Oの特徴は、マーケティング施策での効果が簡単に測定できることにあります。

Web上で行われる施策は、Webの解析に長けた人や専業の担当者であれば容易に効果を分析することができますが、そうでない場合はなかなか難しい作業が数多くあります。
しかし、O2OであればWeb上で配ったクーポンを実店舗で使用した人数を数えるだけで効果を測定できるので、自分でECサイトを運営しているオーナーでも簡単に行うことができます。また、クーポンの期限を区切れば一定の期間内の効果測定もできるので、即効性があることもメリットです。

オムニチャネルとの違いとは?

omni-channel marketing concept in flat designO2Oと似たマーケティング手法にオムニチャネルがあります。O2Oとの違いは、オムニチャネルではオンラインからオフラインに顧客の誘導をしないことです。

オムニチャネルは、実店舗とネットショップの区別をつけず、どこで購入しても販売店が同じ利益を確保でき、消費者に同じような買い物体験を提供することを目的としています。
O2Oが顧客の「誘導」なら、オムニチャネルは「次もここで買い物をしたい」と思わせることで顧客の「囲い込み」を図ることと言えます。
ただし、在庫の一斉管理など大きく連続的な施策を行う必要があり、長期的な視点では売り上げ増加や利益の確保につながりますが、O2Oのような即効性はありません。

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O2Oを活用した事例

実際にO2Oマーケティングで効果を出している企業の施策について、特徴やメリットを比較しながら見ていきましょう。(サービスの実施期間等につきましては各自でご確認ください)

ジュンク堂(丸善&ジュンク堂ネットストア)

ジュンク堂は、ECなどのWebサイトから実店舗へと連携させた施策を行っています。
ECサイトから欲しい本の在庫状況を検索し、店舗で取り置きしてもらったものを、後日受け取ることができます。どうしても今日手に入れたいというユーザーの思いに応えています。

NEXCO 西日本(toxco)

位置情報を活用したO2O施策を行っています。スマートフォンのアプリケーションと高速道路のサービスエリアに設置した端末を連携させ、ユーザーが特定の場所でアプリを用いてチェックインするとサービスエリアで使えるクーポンがもらえたり、ゲームを配信したりするサービスを行っています。

ローソン(Twitter/#Ponta)

ローソンでは、SNSを活用した施策を行っています。まずはユーザーがWebサイトにTwitterアカウントを登録します。
Twitterでハッシュタグ「#Ponta」をつけてツイートするとキャンペーンにエントリーすることができ、後日、実店舗で商品を購入するとボーナスポイントがもらえます。

ここで紹介した以外にも、Wi-FiやQR、ゲーミフィケーションを利用した施策も世界中で行われています。
小売業界のみならず来店型の保険ストア、鉄道業界や町おこしなどでもO2Oが取り入れられています。

これから行うべき効果的なO2O

O2Oマーケティングについては、手法や連携させるツールなどが日々進化しています。ここではその活用法やプランニングについてご紹介します。

効果的なプランニング

O2O施策の効果的なプランニングを行うには、「Online to Offline」と「Offline to Online」の双方向のO2Oを考える必要があります。


オフラインの実店舗からオンラインの流入として、最近では実店舗で買いたいと思った商品をその場で買わずに、ネットで比較検討したりオンラインストアで購入するという選択肢が増えています。

ただし、その場合、せっかく実店舗を訪れてくれた見込み客を競合他社に奪われてしまう可能性が生じます。
これは「ショールーミング」という購買スタイルとして小売業界などで近年課題とされてきました。実店舗からオンラインに移行しても購買意欲を高められる工夫や、オンラインでの利点を活用した拡散したくなるような話題性のあるサービスを提供するなど、双方向のO2O施策を実施することで、見込み客を効率的にオンライン・オフラインに誘導できます。

O2O2Oを想定したマーケティング

最近ではO2O2Oを想定したマーケティングも活発化しています。O2O2Oは、Onair to Online to Offlineの略で、テレビからWeb、Webからオフラインへの施策を指します。O2Oの進化版とも言われており、実店舗とWebサイトにテレビ放送との連携が加わっています。
例えば、
「テレビの野球中継中に視聴者が点数を予想しスマートフォンから投票。正解・不正解によって、スポンサー企業のクーポンがもらえ、それを実店舗で使うことができる」
といったケースがO2O2Oです。

活用形態が広がるO2O マーケティング

O2Oを活用してユーザーに提供できる価値を高めるためには、オンライン・オフラインにとらわれず、豊かな消費体験を与えることが大切です。
スマートフォンの普及によって、GPS機能やSNS、加速度センサーなどを利用した新しいサービスが生み出され、O2Oの活用形態は広がっています。
Webサイト、実店舗、SNSなどさまざまな組み合わせで効果的な施策を検討しましょう。