プロジェクト管理とは?管理ツールやツール選びのポイントも紹介!

プロジェクト管理では、目標を達成するために、スケジュールや人、コストや進捗など、さまざまな情報を管理していく必要があります。多くの情報から素早く状況を理解し、迅速に対応をしてくことがプロジェクトには求められてきます。

この記事では、プロジェクト管理の目的や手法について解説し、おすすめのプロジェクト管理ツールを紹介していきます。

プロジェクト管理とは?

普段何気なく使っていることが多い、「プロジェクト」という言葉。そもそもプロジェクトとは何を意味するのか、「プロジェクト」と「プロジェクト管理」の定義を解説します。

まずプロジェクトとは、あらかじめ定められた目標(ゴール)を達成するために構築した、タスクや納期などの計画のことです。また、プロジェクト管理とは、そのプロジェクトを成功に導くために、人・物・お金をコントロールし、遂行していくことをいいます。

よって、プロジェクト管理によって、人や物の動き、状態・コスト・情報・時間を適切に管理し、メンバーがパフォーマンスを発揮できるようにすることが、プロジェクト成功に必要だといえます。

プロジェクト管理の計画を話し合っている様子

プロジェクト管理をする目的

プロジェクトを管理する目的は、決められた期間に、決められた予算内で、顧客から求められている品質を保ってプロジェクトを成功させることです。単に、プロジェクト内のタスクを完了させればよいというわけではありません。

プロジェクトは複数の条件が関連しあっていることが多いため、進捗管理だけでなく、制作物の品質や、コストなどについても考慮し、段取りをとって進めていく必要があります。多数のタスクがあるなかで、効率よくプロジェクトを進めるためには、無駄な作業の削減、作業の効率化、適材適所による業務分担なども求められます。 さらに、プロジェクトの状態は、刻一刻と変化していきます。

例えば、市場動向などによって顧客からの要求が追加されたり、チームのメンバーやスケジュールが変動したりして、プロジェクトを進めるための条件が変わることもあります。そのような状況でも、全体を見通して課題や改善点を把握し、迅速な対処をしていくことが必要です。同時に、予算を守るためには、プロジェクト管理にかかる労力や人員を抑えなければなりません。

プロジェクトに必要な駒を配置している様子

 

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プロジェクト管理に有効な手法をご紹介

ここまで説明した通り、プロジェクト管理では、さまざまな観点から確認・調整をしなければならないため、「どのように進めればよいかわからない」という方もいると思います。実は、プロジェクト管理を行うための手法は、複数確立されています。この手法に沿ってプロジェクト管理をすることで、成功に導きやすくなるはずです。

早速、代表的な手法を解説します。各手法の特徴を理解し、プロジェクトに適した手法を選択するとよいでしょう。

複数ある管理手法から適した手法を選ぶ様子

PMBOK

PMBOK(ピンボック:Project Management Body of Knowledge)は、アメリカの非営利団体PMIが策定した手法で、プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめた参考書のようなものです。世界中で標準的に使われています。

PMBOKでは、プロジェクトの進み具合によって、「立上げ」「計画」「遂行」「コントロール」「集結」の5つのプロセスに分割します。このそれぞれのプロセスを管理することで、QCD( Quality(品質)・Cost(費用)・Delivery(納期))の3つのゴールを達成することを目指します。QCDの3つを達成するために、「スコープ管理」、「要員管理」、「コミュニケーション管理」、「リスク管理」、「調達管理」、「ステークホルダー管理」の6項目に加えて、全体をトータルで管理する「統合管理」を含めた、10項目を管理していきます。

WBS

WBSはWork Breakdown Structure(作業分解構造)の略で、作業を分解して構造化する手法です。具体的には、まずプロジェクト全体を把握し、大きな粒度のタスクとして列挙します。次に、段階的にタスクを詳細化して分割していきます。これにより、作業全体をツリー構造で把握し、抜け漏れが無いようにすることができるのです。この後、担当者の割り当てや、作業順序の依存関係などを検討し、具体的な計画にしていきます。

CCPM

CCPM(Critical Chain Project Management)は、プロジェクトの各タスクの納期や予算を可能な限りぎりぎりに抑えて設定し、その分プロジェクトのバッファ(余裕)を持たせる管理手法です。例えば、プロジェクト納期まで30日で、3つのタスクが合った際に、10日ごとに1つのタスクが完了するようにスケジュールを組むのではなく、各タスク7日で設定して、すべてのタスクを21日で完了させるという計画を組みます。これにより、メンバーはギリギリに設定されたスケジュールに向かって作業に集中し、目標を達成しようとします。仮に終わらない場合でも、9日間バッファがあるので、予定期間内に作業を完了できるという仕組みです。

 

プロジェクト管理ツールを使うメリットとは?

紹介した手法を用いても、すべてを人力で網羅するには、量や正確性に限界があります。ですので、プロジェクト管理に必要な作業を効率的に行うには、「プロジェクト管理ツール」の導入がおすすめです。ツールを利用することで、効率よく管理することができます。

ツールを選んで効率よく進む様子

プロジェクト管理ツールとは

プロジェクト管理ツールとは、予算やコスト、工数、スケジュール、メンバーなど、プロジェクトに関する情報を一括管理するツールのことです。

主な機能は以下の通りです。

  • スケジュールやタスク管理
  • ガントチャート(進捗管理表)の作成
  • 情報、データファイル共有
  • レポート作成

使用可能な機能や、各機能の使いやすさはツールによって異なるため、使用検討の際には、詳細を確認しておくとよいでしょう。

プロジェクト管理ツールを使用するメリット

プロジェクトをExcelなどのドキュメントで管理する方法と比較して、プロジェクト管理ツールを使うと、下記のようなメリットがあります。

  • 進捗状況を可視化して管理できる

例えば、ガントチャートを作成してタスクや進捗を管理していれば、各メンバーの作業状況や、各タスクの進捗度も一目でわかります。また、あるタスクのスケジュールを変更した際も、システム上で後続のタスクまで簡単に修正することができます。

  • 業務、タスクの情報が集積される

プロジェクト管理ツールを使うと、システム上に各チームの作業中ファイルや、完成した制作物がアップデートされるようになります。これにより、タスクの重複や、他の人が作業しているファイルを編集してしまうといったミスを防ぐことができます。

  • 情報共有が容易になる

プロジェクト管理ツールには、チャット機能やコメント機能があるため、情報共有やコミュニケーションがしやすくなります。作業の変更点や問題が発生したときにも、迅速にメンバーに伝達することが可能です。

 

プロジェクト管理ツールを使用すると、スケジュール管理や情報共有がシステム上でスムーズに行えるようになるため、効率よくプロジェクト管理を進めることができます。万が一問題が発生した際にも、迅速に把握・対処できることも大きなメリットです。

 

プロジェクト管理ツールの選び方

プロジェクト管理ツールを選ぶ際には、プロジェクトのタイプや予算、各チームの業務の性質などを考慮した上で、検討していく必要があります。 基本的な選び方として、考慮した方がよい項目を4つ紹介します。

クラウド型かオンプレミス型か

プロジェクト管理ツールは、「クラウド型」か「オンプレミス型」で構成されることがほとんどです。それぞれの特徴を解説します。

  • クラウド型

クラウド型のプロジェクト管理ツールはWeb上でデータを管理するタイプです。クラウド上のサーバーを利用できるため、導入費用が安く、サービスへの登録をするだけで、素早く利用を開始することができます。

データはクラウド環境にあるため、アクセス権を付与すれば、社外との情報共有も円滑に行うことが可能です。ただし、インターネット環境がないと閲覧ができないので、注意が必要です。

  • オンプレミス型

オンプレミス型のプロジェクト管理ツールは、自社内にサーバーを用意し、そのサーバー上でプロジェクト管理ツールをインストール・運用するタイプです。物理的にサーバーや、ストレージなどを用意する必要があるため、導入費用は高くなり、利用できるようになるまでの期間も長くなります。

サーバーが社内にあるため、セキュリティ強度が高くなるのがメリットです。一方、社外の人がデータにアクセスするためには、社内のセキュリティのアクセスポリシーなどを変更する必要性もでてくるため、利用が難しくなります。

クラウド型とオンプレミス型、どちらにもメリットデメリットがあるので、プロジェクトの内容や性質、コストや関わるメンバーなどによって、どちらを選ぶか決めるとよいでしょう。

機能

プロジェクト管理ツールは、「工数管理」「タスク管理」「情報共有と管理」が主な目的です。それぞれの管理のためにどのような機能を提供していて、何に対して強いツールなのかを確認しておくとよいでしょう。

例えば、一概にスケジュール管理機能といっても、計画と進捗状況を単純に入力できるものから、ガントチャート形式でスケジュールを表示できるものなどの差があります。表示形式や入力の手間など、詳細まで確認しておくと、導入後スムーズにプロジェクトが立ち上げられます。

導入費用

導入費用とは、主に「初期導入費用」と「月々の利用料や保守費用(ランニングコスト)」です。

クラウド型であれば、初期導入費用は抑えられることが多く、月や年単位での利用料となります。利用料は、ユーザー数、使用できる機能の数などによって、変動することが多いです。利用条件を想定し、見積りを行っていくことが大事です。 オンプレミス型の場合、初期導入費用が高くなる傾向がありますが、ランニングコストは年間のサーバーの保守費用程度であるため、長期的にみるとコストを抑えやすいです。

操作性

実際にツールを快適に使えるかどうかも、重要な判断ポイントです。チームメンバーのスキルレベルを考慮して、チームの状況に合ったものを選ぶとよいでしょう。 操作性は個人によって感じ方が変わりますが、直感性的な操作ができて、レスポンスがしやすいものだと、効率よくプロジェクトを進めていけます。

 

おすすめのプロジェクト管理ツール5選!それぞれの特徴も解説

最後に、おすすめのプロジェクト管理ツールを5つ紹介します。それぞれ、特徴、料金の目安、導入形態などをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
なお、価格については2021年6月末時点の情報です。

Backlog

国内外のユーザー数が170万人を突破し、国産のプロジェクト管理ツールとしては最大規模のツールです。基本的にはクラウド型ですが、オンプレミス型にも対応しています。チームのタスク管理と情報共有に重点をおき、機能をシンプルにすることで学習コストを抑えています。バグ管理やバージョン管理も行えるため、プログラム開発との相性もよいツールです。

【料金とプラン例】
スタータープラン:¥2,640/月
スタンダードプラン:¥12,980/月
プレミアムプラン:¥21,780/月
プラチナプラン:¥55,000/月
※ユーザー数は、スタータープランは30人まで。それ以外は無制限

Redmine

オンプレミス型のプロジェクト管理ツールとして提供されているオープンソースソフトウェアです。誰でも無料で導入できるほか、クラウドで使用できるサービスも提供されています。タスク管理やガントチャート、Wikiなどの機能があります。プラグインも充実しているため、利用用途やユーザーの好みによって、カスタマイズが可能です。

【料金とプラン例】
オープンソースのため無料(オンプレミス型であるため、サーバーは別途必要)

Jira Software

Atlassian社が開発している、ソフトウェア開発に特化したクラウド型のツールです。カスタマイズ性が高く、アジャイル開発に向いているツールです。タスク管理に加えて、レポート作成も可能で、機能が充実しています。Atlassian社のConfluenceという情報共有ツールを合わせて使うことでツール間の情報が連携され、さらにプロジェクトが管理しやすくなります。

【料金とプラン例(Cloud版)】
Free:¥0 1ユーザー/月
Standard:¥840  1ユーザー/月
Premium:¥1,670 1ユーザー/月

Trello

Trelloはクラウド型のタスク管理ツールで、タスクをカード型にして表現する「カンバン方式」を用いることで、視覚的に操作ができるのが特徴です。またマルチデバイス対応であるため、パソコン、スマホ、タブレットに対応しており、各種端末でリアルタイムに操作ができます。

【料金とプラン例】
Free:$0 1ユーザー/月
Business Class :$10 1ユーザー/月(年1回払いの場合)

Wrike

Wrikeは世界中で2万社、日本でも1,000社以上が導入しているクラウド型のプロジェクト管理ツールです。ガントチャートの作成やリソースの割り当てなど、プロジェクト管理に必要な機能が多数用意されています。タスク管理のテンプレートを活用することで、さらに効率よく進めることができます。SlackやGitHubなど、400以上のサードパーティツールと連携ができるのも特徴です。

【料金とプラン例】
Free:$0 1ユーザー/月
Professional:$9.80 1ユーザー/月
Business:$24.80 1ユーザー/月

 

今回の記事では、プロジェクト管理の定義を確認し、プロジェクト管理の目的・手法や、プロジェクト管理ツールの選び方について解説しました。プロジェクト管理ツールを利用することで、プロジェクトの状況が把握しやすくなり、メンバー間のコミュニケーションが改善されるなどのメリットがあります。自社のプロジェクトの状況にあったプロジェクト管理ツールを、導入してみてはいかがでしょうか?