ChatGPTの活用事例を紹介!導入企業例や導入によるメリットも解説

ChatGPTの活用を検討しているものの、

・どのようなメリットが得られるか分からない…。
・ChatGPTの活用例が知りたい…。

という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、

・ChatGPTを導入する効果や日本企業の活用事例
・ChatGPTを導入する際の注意点

についてご紹介します。

ChatGPTを使ったことがない方でも、この記事を読めば、ビジネスの現場でChatGPTを活用する方法について理解できます。

ChatGPTとは:対話形式の生成AI

ChatGPTは、OpenAI社が開発した対話形式の生成AIです。チャットを通じて質問や指示を入力することで、回答が自動的に生成されます。

ChatGPTでできることは数多く、日常会話やビジネス文書の作成、翻訳や要約などが可能です。また、プログラミングコードの生成や、関数を用いた表やグラフの作成もできます。

ChatGPTなどに使用されている「自然言語処理」という技術の仕組みについては、「自然言語処理とは?スマートスピーカーにも使われている技術をわかりやすく解説!」も併せてご覧ください。

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ビジネスにおけるChatGPTの活用例

ChatGPTを導入すると、ビジネスの様々な業務を自動化できます。ChatGPTの主な活用事例は次の通りです。

文章の作成・添削

ChatGPTを使うと、社内文書や契約書、顧客ごとにパーソナライズしたビジネスメールなどを自動的に作成できます。また、文章の添削や校正もChatGPTの得意分野です。ChatGPTに文章を入力すると、内容や表現を修正してもらえます。

ChatGPT活用例:文章の作成・添削
【プロンプトの例】
次のビジネスメールを添削・修正してください。

件名:お世話になっております

山田様

いつもお世話になっております。御社に頼んだ資料、まだ送っていただいていないようですので、早急に送ってください。あと、前回の件もどうなったのか確認してください。

よろしくお願いします。

田中
【ChatGPTの回答】
以下のように修正しました。丁寧さと明確さを意識しています。

件名:資料送付のご確認のお願い

山田様

いつも大変お世話になっております。

先日ご依頼いたしました資料につきまして、まだお送りいただいていないようですので、進捗状況をご確認の上、送付いただけますと幸いです。

また、前回ご依頼させていただきました件についても、現在の状況をご教示いただけますでしょうか。

お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

田中

修正点:
件名を具体的にし、メール内容を把握しやすくしました。
依頼部分を柔らかい表現に変更し、丁寧な依頼を強調しました。
「前回の件」を明確にし、相手が把握しやすいようにしました。

 

カスタマーサポートの自動化

カスタマーサポートに届いた顧客からの質問をChatGPTに入力すると、回答を自動的に生成できます。

また、「OpenAI API」という仕組みを用いると、ChatGPTの機能を持ったチャットボットを作り、カスタマーサポートの初期対応を自動化できます。ただし、チャットボットの作成にはプログラミング言語を使った開発が必要です。

ChatGPT活用例:カスタマーサポートの自動化
【プロンプトの例】
カスタマーサポートに寄せられた次の質問への回答を作成してください。
「注文した商品が届かないのですが、いつごろ届きますか?」
【ChatGPTの回答】
こちらが回答の例です。

件名:ご注文商品の配送状況について

〇〇様

このたびはお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。

ご注文いただいた商品がまだお手元に届いていないとのこと、大変申し訳ございません。現在、配送状況を確認しておりますので、詳細が分かり次第、改めてご連絡差し上げます。

お急ぎのところご不便をおかけいたしますが、もう少々お待ちいただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

カスタマーサポートチーム

ポイント:
丁寧なお詫びと配送状況確認の旨を伝える。
再度の連絡を約束して安心感を与える。

 

マーケティングの自動化

ネット上に公開されている情報や顧客からのレビューなどを分析し、市場動向や競合を調査する作業もChatGPTで自動化できます。また、ビジネスデータを分析し、レポートやダッシュボードを作成することも可能です。

ChatGPT活用例:マーケティングの自動化
【プロンプトの例】
一般的なデータをもとに、2010年以降のWeb広告業界の市場規模の推移を棒グラフで表してください。
【ChatGPTの回答】
(棒グラフの表示)
こちらが2010年以降のWeb広告業界の市場規模の推移を示した棒グラフです。このデータは一般的なもので、市場規模が年々拡大している様子を示しています。

 

A人事・採用のサポート

ChatGPTで生成できる文書には、求人票や採用面接の質問リストなども含まれます。自社が採用したい人の情報や、求人募集の条件などを入力することで、求人票や面接ガイドの作成が可能です。

ChatGPT活用例:人事・採用のサポート
【プロンプトの例】
IT業界の営業職を採用するための求人票を作成してください。
【ChatGPTの回答】
求人タイトル:IT営業職募集

会社名:[会社名]

勤務地:[勤務地]

雇用形態:正社員

仕事内容:
ITサービスの提案・販売
顧客ニーズのヒアリング
新規顧客開拓、既存顧客との関係構築

応募資格:
営業経験(IT業界経験歓迎)
コミュニケーション能力
基本PCスキル

歓迎スキル:
IT知識、資格
英語スキル

給与:[給与範囲]
福利厚生:
社会保険完備
交通費支給
昇給・賞与

応募方法:
履歴書・職務経歴書を[応募先]まで送付。

お問い合わせ:[連絡先]

 

タスク管理・業務効率化

タスク管理や業務効率化にも、ChatGPTが活用できます。例えば、やるべきことのリスト化や優先順位の判断などをChatGPTで自動化できます。また、タスクの完了までにかかる時間や締め切りなどの情報を入力すると、スケジュールを自動で作成することも可能です。

ChatGPT活用例:タスク管理・業務効率化
【プロンプトの例】
自社のWebサイトを作成するために必要なタスクを教えてください。
【ChatGPTの回答】
1. 目的と目標の設定:Webサイトの目的や目標を明確にする。
2. ドメイン取得:Webサイトのドメイン名を選び、取得する。
3. ホスティング選定:サーバーのホスティングサービスを選ぶ。
4. サイトマップ作成:サイトの構造やページ内容を決定する。
5. デザイン:デザインを作成し、サイトのビジュアルを決定する。
6. コンテンツ作成:テキスト、画像、動画などのコンテンツを準備する。
7. 開発:Webサイトを構築し、必要な機能を実装する。
8. テスト:Webサイトをテストし、問題を修正する。
9. 公開:サイトを公開し、ドメインにアップロードする。
10. SEO対策:検索エンジン最適化を行う。
11. 保守と更新:定期的なメンテナンスと更新を実施する。

 

社内教育・トレーニング

社内教育やトレーニングに使用するドキュメントは、ChatGPTを使うと効率的に作成できます。業務マニュアルのフォーマットを整えたり、説明文を自動生成したりできるため便利です。

また、社内のFAQをChatGPTに学習させることで、よくある質問への答えを見つけやすくなります。

ChatGPT活用例:社内教育・トレーニング
【プロンプトの例】
社内の新人研修に必要なマニュアルのひな型を作ってください。
【ChatGPTの回答】
新人研修マニュアル

1. はじめに
目的:研修の目的と目標
会社紹介:企業理念、ビジョン

2. 会社概要
会社の歴史と組織:基本情報と部門構成
製品・サービス:主な製品やサービス

3. 業務プロセス
業務の流れ:日常業務の基本
使用ツール:主なツールとその使い方

4. 社内ルール
勤務規則:勤務時間、休暇制度
服装規定:ドレスコード
セキュリティ:基本的なセキュリティ対策

5. トレーニング
スキル研修:必要なスキルと知識
演習:業務シミュレーション

6. サポート体制
メンター:メンターの紹介
フィードバック:評価とフィードバックの方法

7. お問い合わせ
連絡先:研修担当者とサポート窓口

このひな型をもとに詳細を追加してください。

 

企画書やコンテンツなどの生成・提案

企画書の作成に必要な情報をChatGPTに入力すると、内容の選定や文書の作成を自動化できます。また、企画やキャッチコピー、画像や動画などのコンテンツの案出しも可能です。これらのほか、ブログ記事やニュース記事などの記事コンテンツも自動で作成できます。

ChatGPT活用例:企画書やコンテンツなどの精製・提案
【プロンプトの例】
季節のフルーツを使った新商品「シャインマスカット大福」のキャッチコピーを5案出してください。
【ChatGPTの回答】
1.「シャインマスカットの贅沢な甘さ、ふわふわ大福で味わう至福のひととき」
2.「旬のシャインマスカットがとろける、大福で感じるフルーツの新体験」
3.「シャインマスカットの果実感をそのまま、大福で楽しむ贅沢スイーツ」
4.「甘くてジューシー、シャインマスカットのフルーツ感が広がる大福」
5.「シャインマスカットの華やかさ、ふわっと包み込む大福の美味しさ」

 

コード生成やコーディングチェック

ChatGPTはITエンジニアにとっても役立つAIツールです。作りたいプログラムの条件を入力することで、プログラムのコードを自動生成できます。また、作成したコードのレビューやバグのチェックも、ChatGPTによる自動化が可能です。

ChatGPT活用例:コード生成やコーディングチェック
【プロンプトの例】
1から10までの数字を合計するPythonのプログラムコードを書いてください。
【ChatGPTの回答】
以下は、1から10までの数字を合計するPythonプログラムコードです。

python
# 1から10までの数字を合計する
total = sum(range(1, 11))
print(“1から10までの合計は:”, total)

このコードでは、range(1, 11)で1から10までの数字のリストを作成し、sum()関数でその合計を計算しています。

 

ChatGPTを導入している日本企業の事例

ChatGPTは、様々な業界で活用されています。日本企業におけるChatGPTの主な導入事例は次の通りです。

農林水産省

農林水産省は、電子申請システムの利用マニュアルの改訂に、ChatGPTを活用することを発表しました。約5,000件の行政手続きをオンラインで受け付ける「農林水産省共通申請サービス」について、利用マニュアルの文章作成や修正にChatGPTを利用する方針を打ち出しています。

大和証券

大和証券株式会社では、全社員約9,000人を対象にChatGPTを導入し、業務効率化を推進しています。英語による情報収集や企画書の文章作成、プログラミングの素案作成などが、ChatGPTで自動化する業務の具体例です。

サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントでは、デジタル広告運用にかかる作業時間の短縮を目的として「ChatGPTオペレーション変革室」を設立しました。

広告効果を高めるために必要な配信設定や運用改善、レポート作成などの業務にChatGPTを活用し、作業時間の30%を削減することを目指しています。

伊藤忠商事

伊藤忠商事株式会社では、全社員約4,200人の業務効率化を目指してChatGPTを導入しました。社内に導入済みのビジネスチャットとChatGPTをAPIで連携し、簡単に利用できるようにしています。

また、回答の生成に契約書や規程などのデータを活用できるように、プラグインを開発していることも同社の取り組みの特徴です。

なお、ChatGPTプラグインとは、ChatGPTの機能を拡張し、より便利に使えるようにするためのサービスです。詳しくは「ChatGPTプラグインの導入方法とおすすめのサービス14選!」で解説しているので併せてご覧ください。

立命館大学

立命館大学の生命科学部・薬学部の授業では、ChatGPTと機械翻訳を組み合わせた英語学習ツール「Transable」が試験導入されました。英語によるアウトプット力を高める「プロジェクト発信型英語プログラム(PEP)」の一部で、生成AIによる英語指導が受けられます。

AIが侵食していくイメージ

 

ChatGPT導入による効果・メリット

企業がChatGPTを導入すると、業務効率化や従業員のスキル向上などのメリットが得られます。ここでは、ChatGPT導入で期待できる効果やメリットを紹介します。

業務の時間とコストを削減できる

書類のチェックや校正といった比較的簡単な作業をChatGPTで自動化すると、人件費の削減につながります。また、従業員の時間を捻出できるため、重要度の高い業務に時間を割けるようになることもメリットです。

さらに、社内でChatGPTによるFAQシステムを構築すれば、サポート部門の従業員が回答する場合と比べて待ち時間が短縮でき、仕事を効率化できます。

従業員の知識・スキル向上につながる

ChatGPTで社内の業務についての適切な情報が得られるようになると、従業員の知識やスキル向上が期待できます。社内ガイドラインやマニュアルを学習させたChatGPTを活用することで、効率的な社内教育も可能になります。

また、業務中に発生した不明点などもChatGPTに質問するだけで回答が得られるため、1から本やインターネットで調べるよりも短時間で多くの知識を習得できます。

新たな価値創出を手助けする

業務効率化によってタスクに追われることが減ると、時間に余裕ができるため、新しいアイデアや改善案が生まれやすくなります。新しいアイデアを生み出すための案出しや、ブラッシュアップにもChatGPTが利用できます。

 

ChatGPTを導入する際の注意点

ChatGPTは便利なツールではあるものの、セキュリティ面のリスクなどもあります。ChatGPTを導入する際の主な注意点は次の通りです。

注意点を一つずつ解説します。

情報の取り扱いに注意が必要

ChatGPTに限らず、生成AIに個人情報や社内の機密情報を入力すると、モデルの学習に活用され、情報漏洩につながるリスクがあります。

ChatGPTでは、2023年4月から会話内容をAIの学習に利用させない設定が可能です。セキュリティ性を高めたい場合は、次の手順で設定を行いましょう。

まず、ChatGPTの画面右上のアイコンをクリックして「設定」を選択します。

ChatGPTで会話内容をAIの学習に利用させない設定

左メニューの「データコントロール」>「すべての人のためのモデルを改善する」をクリックします。

「すべての人のためのモデルを改善する」をクリック

「すべての人のためにモデルを改善する」の右側にあるボタンをオフにして、「実行する」を選択すれば完了です。

ボタンをオフにして「実行する」

ただし、学習には利用されなくても、OpenAI社の従業員が情報を閲覧する可能性があります。情報セキュリティのトラブルを避けるため、顧客やクライアントの情報、社内情報などは入力しない方が無難です。

人によるチェックが必要

ChatGPTが提供する情報は、必ずしも正しいとは限りません。内容が間違っていたり、最新の情報でなかったりする場合があるため、人によるファクトチェックを必ず行いましょう。

また、生成された成果物が他者の著作権を侵害していないかどうかも確認すべきポイントです。前述の通り、生成AIは入力されたデータをモデルの学習に活用します。生成AIで出力したオリジナルの成果物だと思っていたものに、他者の著作物が利用されている可能性もあるため、注意が必要です。

適切な指示を与える必要がある

ChatGPTの精度は、指示や質問を入力するプロンプトによって異なります。精度の高い回答を得るためには、目的や文脈を明確にした具体的なプロンプトを入力することが重要です。

曖昧な回答や一般的な回答しか得られない場合には、質問の仕方を工夫しましょう。

ChatGPTプロンプトのコツは「ChatGPTのプロンプトとは?効果的なプロンプトの作り方や例を紹介」で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ChatGPTを使いこなして実務に取り入れよう!

ChatGPTを使うと、文章の作成やカスタマーサポート、タスク管理など様々な業務を効率化できます。業務時間やコストを削減したり、従業員のスキルを向上させたりできることがChatGPTのメリットです。

今回紹介した企業の活用事例や注意点を参考に、ChatGPTを取り入れてビジネスに役立てましょう!

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498 人の受験生

作成者: 中野 崇(新規事業コンサルティング(伴走型・OJT型)、データドリブンな組織開発、組織改革、キャリアデザイン)

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レビューの一部をご紹介

評価:★★★★
コメント:CHATGPTを活用する上で、色々と試していましたが、検索ツールと同じような使い方に留まっていましたが、具体的にどのように入力するのかを例示しながらのやり取りでしたので、非常に分かり易く、実践的でした。早速使ってみます。

評価:★★★★
コメント:型と試行錯誤の重要性が理解できた。実際にやってみようと思う

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