Megascans(メガスキャンズ)は、リアルな質感が特徴の高品質な3Dデータライブラリーです。この記事ではMegascansの特徴や使い方、Megascansでダウンロードした素材をUnreal Engine5にエクスポートする方法について解説します。
公開日: 2023年4月27日
Megascansとは?高品質のスキャンライブラリー
Megascansとは、光学現象を忠実に再現する物理レンダリングに対応した高品質な3Dデータライブラリーです。Megascansを提供するQuixel社の撮影チームは、世界各地にある様々な物体をスキャンし、3Dデータ化しています。
実物をもとにしているため、表面の凹凸や光沢など、細かな質感まで再現されていることがMegascansの特徴です。ライオンキングなどのディズニー映画や人気の高い、 開発などに莫大な資金を投じて作られた AAAゲームなど、世界中の作品でMegascansのデータが利用されています。
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Megascansは高品質であることだけでなく、種類の多さやゲームエンジンで利用できることも特徴です。ここでは、Megascansの特徴や利用するメリットを紹介します。
マテリアル作成の作業を大幅に効率化
Megascansを活用すると、3DCGのマテリアルを効率的に作成することが可能です。マテリアルとは3Dモデルの質感を調整するためのデータで、金属やプラスチック、有機物などの見た目を表現できます。
マテリアルの作成方法は、Photoshopなどの画像編集ソフトを使ったり、写真素材を見ながらパラメータを調整したりするやり方が一般的です。
Megascansのデータにはマテリアルが含まれるため、複雑な設定をすることなくリアルな表現ができます。マテリアル作成を効率化し、モデリングなど他の作業に時間を割けるようになることが、Megascansを利用するメリットです。
高品質なスキャンデータを大量に搭載
Quixel社の取材チームがスキャンしている対象物は、自然物から人工物まで様々です。Megascansのデータは物理ベースで作成され、写真のようなリアルな質感を持っています。
新たなスキャンデータが毎週追加されるMegascansは、世界最大規模の3Dスキャンデータライブラリです。検索機能を使えば、膨大なデータの中からイメージに近いものを見つけられます。
Unreal Engine上で無料で利用可能
Quixel社がEpic Gamesの一員となったことで、「Unreal Engine」上でMegascansの3Dデータを無料にて利用できるようになりました。
Unreal Engineは、世界的に人気の高いゲームエンジンです。3DCGの制作やゲームソフトの開発など、基本的な機能は無料で利用できます。最新版である「Unreal Engine5」の特徴については、下記の記事でご覧ください。
◆Unreal Engine5とは?UE4からの新機能や基本的な使い方を解説!
Megascansの活用手順
Megascansに含まれる素材を活用するには、Quixel社が提供する「Bridge」と呼ばれるツールが必要です。ここでは、Bridgeをインストールし、Unreal Engine5のアセットとしてMegascansのデータを利用する方法を解説します。
Bridgeをインストール
Bridgeは、Megascansに含まれる素材の閲覧やダウンロード、Unreal Engine5へのエクスポートなどができるツールで、完全無料で利用できます。(2023年4月現在)
ただし、Quixel社の公式サイトからダウンロードできるBridgeは、UE4までにしか対応していません。UE5で利用したい場合は、UE5を起動し、プロジェクト画面からBridgeのプラグインを選択しましょう。
プロジェクト画面下部のコンテンツブラウザーを右クリックし、「Quixelコンテンツを追加」をクリックしてください。
Bridgeのメニュー画面が表示されれば、Megascansを利用するための準備は完了です。
素材を検索してダウンロード
Megascansの素材は、Bridgeの画面からダウンロードできます。画面上部の検索ボックスにキーワードを入力し、利用したい素材を探しましょう。例えば、林檎の3Dデータを探したい場合は「apple」と検索します。
検索したキーワードと関連性の高いアセットの一覧が表示されます。目当ての素材が見つかったら、画像をクリックしましょう。
データの品質は「Low Quality」、「Medium Quality」、「High Quality」、「Nanite」から選択可能です。「Nanite」が最高品質ですが、その分データ容量も大きくなります。また、素材の種類によっては「High Quality」までしか用意されていない場合もあります。データの品質を設定したあと、右側の「SIGN IN」をクリックしましょう。
UE5でMegascansのデータをダウンロードするには、サインインが必要です。画面の案内に従ってサインインしましょう。
サインイン完了後、画面右下に表示される「Download」ボタンをクリックします。
アイコンの左上にチェックマークがつき、右下の表示が「Downloaded」に変化すれば、素材のダウンロードは完了です。
キーワードによる検索方法だけでなく、画面左側のアイコンからカテゴリー一覧を表示し、目当ての素材を絞り込んで探すこともできます。
素材をUnreal Engine5にエクスポート
Unreal Engine5では、Bridgeの画面からUE5のビューポート上にドラッグ&ドロップするだけで、エクスポートが完了します。
取り込んだアセットは、サイズやテクスチャなどをUE5上で調整することが可能です。
プロジェクトに配置したMegascansのアセットは、UE5の画面下部のコンテンツブラウザーにある「Megascans」のフォルダ内に保存されます。
ゲームや映像作品を作るための素材としてUE5にエクスポートしたMegascansのデータを活用しましょう。
素材の保存場所の変更
Megascansの素材は高品質なため、データ容量が非常に大きい点に注意が必要です。通常の保存先はCドライブに設定されていますが、空き容量の多いドライブに変更することで、余裕をもって利用できます。
素材の保存場所を変更したい場合、Bridgeの画面右上のアイコンをクリックし、「Preferences」を選択しましょう。
Library Pathの項目を編集し、アセットの保存先フォルダを指定してから、右下の「SAVE」をクリックすれば設定は完了です。
高品質な3DデータライブラリーであるMegascansは、映像やゲームを制作する様々なクリエイターに活用されています。物理ベースのレンダリングに対応したリアルな質感が、Megascansのデータの特徴です。ぜひUnreal Engine5にMegascansのデータを取り込み、作品制作に役立ててください。
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