Javaとデータベースを紐付ける機能を持つJavaのフレームワークMyBatis(マイバティス)ですが、
・MyBatisがどのような役割を果たすのか分からない…。
・MyBatisを使う開発規模が分からない…。
と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、
・MyBatisの特徴や機能
・MyBatis Generatorのインストール方法
・どのような開発に適しているのか
についてご紹介します。
公開日: 2023年9月28日
MyBatis(マイバティス)とは?
MyBatisとは、WebアプリケーションやWebシステムなどの開発の現場でよく使われるJavaのフレームワークです。しかし、初心者の方々にとって、どのようなツールであるのかわからない方も多いでしょう。ここでは、MyBatisの概要をわかりやすく説明します。
MyBatisはJavaのフレームワークのひとつ
MyBatisは、Javaを使用してデータベース操作を行うフレームワークの名称です。Javaで書かれたアプリケーションとリレーショナルデータベース(RDB)との間のデータのやり取りの手間を少なくする、O/Rマッパーと呼ばれるツールに分類されます。
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Udemyで講座を探す >O/Rマッパーとは?
Javaのオブジェクト(データと処理のまとまり)とリレーショナルデータベース(RDB)の情報を結びつけることをO/Rマッピングと言います。O/Rマッパーとは、情報を結びつけるための機能またはソフトウェアの総称です。通常、データベースから情報を取得するには、複数の手順が必要になります。一方でO/Rマッパーを使用するとこれらの手順が省け、データベースへのアクセスが容易になります。
他のO/Rマッパーとの違い
O/Rマッパーという技術は、通常、データベースのテーブル(データの格納領域)とJavaのオブジェクトをつなげて扱うものです。この方法だと、Javaでデータベースのテーブルと同じ形のオブジェクトを作れば、データの取り扱いがシンプルになります。MyBatisはテーブルを使わず、SQLの実行結果に基づいてオブジェクトとの結びつけを行います。
MyBatis以外のO/Rマッパーとしては、HibernateやDoma2などがあります。これらのO/Rマッパーとの比較は、以下のようになります。
MyBatis | Hibernate | Doma2 | |
---|---|---|---|
SQLの外部ファイル | 対応 | 非対応 | 対応 |
マッピング | SQLの実行結果 | テーブル | SQLの実行結果 |
動的SQL | 対応 | 自動生成 | 対応 |
SQL | 手動作成 | 自動生成 | 自動生成 |
MyBatisの特徴
O/RマッパーであるMyBatisには、さまざまな特徴やメリットがあります。ここでは、MyBatisの特徴について詳しく解説していきます。
開発効率が良い
MyBatisの導入により、データベース操作の複雑さが軽減され、Javaでの実装が効率的に行えます。データベースへの接続関連のコードを大幅に省くことができるため、データベースを頻繁に利用するシステムでは、MyBatisの効果を大いに実感できます。結果として、開発の生産性が向上します。
習得しやすい
MyBatisは機能的にはシンプルで学びやすく、データベースの基礎知識があれば利用可能です。XMLを用いた設定方法を理解すれば、SQLでコードを書くだけでデータベースにアクセスできます。
プラグインが豊富
EclipseやIntelliJといった総合開発環境には、MyBatis用のプラグインが豊富にあります。これらのプラグインを使うことで、アプリケーションの開発速度が向上します。
コスト削減効果
MyBatisはオープンソースとして提供されているので、ライセンスの費用がかかりません。これにより、商用ソフトウェアと比較してコストを低減できます。
大規模な開発に向いている
MyBatisは大規模な開発に向いているフレームワークです。大規模な開発のデータベースでは「正規化」という手法を用いて情報の重複を防ぎます。この正規化は、データ検索時に複数のテーブルの結合が必要となります。テーブルを用いるO/Rマッパーの場合、この結合のためのコードが複雑になってしまいます。
その一方で、MyBatisはテーブル結合を踏まえたSQLを用意するだけで済みます。この効率性が、MyBatisが大規模な開発に向いている理由といえます。
MyBatisの機能
さまざまな開発の現場で採用されているMyBatisには、さまざまな機能があります。ここでは、MyBatisの機能について解説します。
データマッピング機能
XMLにSQLを記述することで、Javaオブジェクトへのマッピングを自動で行います。データマッピング機能は、MyBatisのメイン機能といえます。
DBスキーママイグレーション機能
実際の開発現場では、開発の過程でデータベースのテーブル設計が変わるケースがあります。MyBatisのマイグレーション機能は、自動的にデータベースの変更を行う機能です。
コードジェネレータ機能
MyBatisの公式ツールであるMyBatis Generatorを活用すると、テーブルの情報をもとにJavaのコードを自動的に作成できます。
さまざまなフレームワークとの連携
MyBatisは、Spring FrameworkやGoogle Guiceなどの多様なJavaフレームワークと連携して使用することができます。
キャッシュ機能
キャッシュ機能を利用することで、同一の検索結果が要求された際には、SQLを実行することなくキャッシュ内のデータを取得可能です。
ロギング機能
ロギング機能を利用すると、データベースアクセスの他、実行されたSQLや使用されたパラメータもログに記録できます。
MyBatis Generatorのインストール
MyBatis Generatorは、MyBatisの公式ツールとして、MyBatisに必要な各ファイルを自動的に作成する機能を持っています。ここでは、MyBatis Generatorのインストールなどについて詳しく解説します。
MyBatis Generatorとは
MyBatis Generatorは、データベースのテーブル情報から基本的なSQL操作ファイルを自動で生成できます。MyBatisではSQLを手書きすることが基本ですが、多数のXMLやJavaBeanファイルを手動で作成するとミスが生じやすくなります。特にテーブルやカラムが多い場合は、MyBatis Generatorの使用することで効率が大幅に向上し、ミスも減少します。
MyBatis Generatorのインストール方法
MyBatis Generatorのインストール方法は、以下の手順になります。
なお、MyBatis Generatorをインストールするためには、Javaと統合開発環境であるSTS(Spring Tool Suite)が既にインストールされている必要があります。
STSを開き、「ヘルプ」から「Eclipse マーケットプレース」をクリックします。
マーケットプレースの画面にある検索ウィンドウに「MyBatis Generator」と入力し、「Go」をクリックします。
「MyBatis Generator」の「インストール」をクリックします。
ライセンスの確認画面が表示され、画面下部の同意を選択して完了をクリックします。
再起動後、インストールは完了となります。
MyBatis Generatorのインストール確認方法
MyBatis Generatorが正しくインストールされているかを確認するには、以下の方法があります。
パッケージ・エクスプローラーの画面内で右クリックを行い、「新規」から「その他」を選びます。
「ウィザードを選択」の画面から「MyBatis」を選択します。ここで「MyBatis構成ファイル」または「MyBatis Generator Configuration File」が表示されていれば、インストールは正常に行われています。
まとめ
この記事では、MyBatisに興味がある方に向けて、MyBatisの特徴や機能、MyBatisの公式ツールMyBatis Generatorのインストール方法などについて解説しました。MyBatisは、Javaを使用してデータベース操作を行うフレームワークです。MyBatisを活用することで、WebアプリケーションやWebシステムなどの開発の効率が向上します。MyBatisに興味がある方は、この記事を参考にMyBatisを導入してみてはいかがでしょうか。
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