システム構成図を作りたいものの、
・書き方がわからない…。
・システム構成図を作るコツが知りたい…。
という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、
・システム構成図の種類と特徴
・システム構成図の書き方とポイント
について解説します。
システム構成図とは
システム構成図は、プログラムやネットワークといったシステム全体の構成を、視覚的に示した図です。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアも含めてシステム構成図が作成されます。また、システムで扱うデータや処理の内容、制御の流れなどもシステム構成図で表現することが可能です。
システム開発の概要や工程については、下記の記事を参考にしてください。
◆システム開発とは?これからエンジニアを目指す人のためにわかりやすく解説
◆システム開発の工程とは?ウォーターフォールとアジャイルの流れについて解説
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Udemyで講座を探す >システム構成図の種類と特徴
システム構成図は、構成を表す対象によっていくつかの種類に分けられます。システム開発の現場で利用される主な構成図の種類と特徴は次の通りです。
システム構成図
システム構成図は、主にシステムに含まれるハードウェアの関係を表すために作成されるものです。
システムを構成するハードウェアがどのような機能を持っているか、各ハードウェアがどこに配置されているかといった情報が記載されます。
ネットワーク構成図
ネットワーク構成図は、ネットワークに関するハードウェアやソフトウェアの情報をまとめた構成図です。
ネットワーク構成図の中でも、スイッチやルーター、サーバーといった実際の機器の配置を表すものは「物理構成図」と呼ばれます。一方、仮想サーバーや機器のIPアドレス、Path、仮想的なLAN接続であるVLANなどを表したものは「論理構成図」と呼ばれます。
ネットワーク構成図を作成すると、機器の接続や通信の流れを分かりやすく示すことが可能です。
サーバー構成図
サーバー構成図は、システムやネットワークに使用されているサーバーについて、ハードウェアとソフトウェアの情報をまとめたものです。
例えば、Webサーバーやデータベースサーバーといったサーバーの種類や、サーバーの物理的な配置、各サーバー間のネットワーク接続などが記載されます。また、サーバー間の通信に使用されるプロトコルやポート番号、データの流れなども、サーバー構成図に記載される情報です。
システム構成図を書く目的
システム構成図には、システム開発状況を明確化や、関係者との情報共有など、複数の目的があります。システム構成図を書く主な目的は次の通りです。
システム開発状況の明確化
システム構成図を作成すると、システム全体の開発状況を一目で把握できるようになります。特に、大規模なシステムや複雑なシステムを開発する際には、未完成な部分を把握し、進捗を適切に管理することが可能です。
また、システム構成図をもとに開発を進めると、仕様の変更や機能の追加などが発生した際にもスムーズに対応できます。
エンジニア間の情報共有
複数のエンジニアが関わる大規模なシステムを開発する際は、エンジニア間の情報共有が必須です。システム構成図を書いておくと、開発に必要な情報をエンジニア間で共有できます。例えば、自分が開発を担当する部分に求められる機能や役割、利用する機器やソフトウェアの種類などを簡単に把握することが可能です。
問題発見や改善案検討の効率化
システム構成図は、システム内の問題発見や改善案の検討にも役立ちます。開発の途中で何らかの問題が発生した場合、システム構成図を参照することで、原因や修正点の把握が可能です。また、システムに変更を加えることで影響が出る範囲も確認できるため、適切な改善案を考えやすくなります。
ユーザー・クライアントへの情報共有
システム構成図を作成すると、エンジニアだけでなく、ユーザーやクライアントとの情報共有もできます。システム構成図では開発の進捗状況を視覚的に表せるため、システム開発の専門知識がない人でも直感的に理解することが可能です。また、システム開発を行う前の提案段階や、運用を開始したあとの情報共有にも、システム構成図が役立ちます。
システム構成図の書き方
ここでは、システム構成図の書き方を3つの工程に分けて解説します。
システムの全体像をまとめる
まずは、システムに関する情報を収集しましょう。システムに使用されるデバイスやネットワーク、データの流れなどを確認した上で、全体像を簡単な図としてまとめます。
例えば、ネットワークを構築する場合は通信機器やデータの流れといった情報が重要です。また、ユーザーがログインして利用するシステムの開発では、データベースやアクセス経路に関する情報などを記載する必要があります。
システムの目的や開発規模に応じて、システム構成図に記載する情報を適切に選択し、全体像をまとめましょう。
各要素をイラストやアイコンで表現する
システムの全体像が書けたら、各要素を視覚的に理解できるようにイラストやアイコンで表現します。
例えば、サーバーは四角形のアイコン、データベースは円筒型のアイコンなどを使用して、各要素を分かりやすくしましょう。また、各要素間のデータの流れや通信経路は、矢印や線を使って表現します。
詳細を別紙に記載する
最後に、システムに関する詳細情報を、構成図とは別の資料として作成しましょう。システム構成図に全ての情報を盛り込むと見づらくなるため、必要最低限の情報以外は別紙に記載することがおすすめです。
例えば、ハードウェアの仕様やソフトウェアのバージョン、各種設定などの情報を別紙に記載します。また、各要素の設定やシステムの運用方法、バックアップの方法といった手順についても別紙にまとめましょう。
システム構成図を書く上でのポイント
分かりやすいシステム構成図を書くためには、各要素の役割や階層構造を明確にすることなど、いくつかのポイントがあります。システム構成図を書く上での主なポイントは次の通りです。
役割を明確にする
システム構成図に含まれる各要素(コンポーネント)について、どのような役割を担っているかを明確にしましょう。単に機器の種類や名称を記載するだけでなく、何のためにその要素が配置されているかを別紙に記載しておくと、システム構成を把握しやすくなります。
階層構造を明確にする
システム構成図では、構成要素のまとまりをいくつかの階層に分けて表現することも重要です。例えば、クラウドサービスのシステム構成図ではユーザーが実際に目にする部分と、ネットワークやデータベースといった裏側の部分に分けられます。
システム構成図を作成する目的に応じて、階層構造を明確に区別して示しましょう。
データと処理を区別して表記する
システムで扱うデータと、データに対して行う処理など、構成図に記載する要素の役割が異なる場合には分かりやすく区別することも大事なポイントです。例えば、データにはアイコンを使用し、データ処理は四角で囲うなど、表現方法を変えておくと違いを一目で理解しやすくなります。
データの流れと制御の流れを区別して表記する
データの流れと制御の流れなど、構成要素間のつながりについても区別して表記しましょう。例えば、データの流れは実線の矢印、制御の流れは点線の矢印など、表現方法を変えておくことが分かりやすいシステム構成図を書くためのポイントです。
システム構成図でシステム開発を効率的にしよう!
システム構成図を作成すると、システムやネットワーク、サーバーなどの構成を視覚的に表現できます。システムの全体像や開発の進捗状況などを、エンジニアだけでなくユーザーやクライアントとも共有できることが、システム構成図を作るメリットです。
より実践的なシステム構成図の書き方について学びたい方には、以下の講座がおすすめです。
レビューの一部をご紹介
評価:★★★★
講義の全てを聞くと構成図を書くための基礎的なことは学べたと思う
評価:★★★★
簡潔にポイントが理解できた
システム構成図を作成して、開発を効率的に進めましょう!
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