エンジニアやプログラマーを目指す場合、システム開発に対する理解を深めておくことが重要です。
この記事では、システム開発の工程や必要なスキル、これからシステム開発に携わりたい人のために役立つ資格について解説します。
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システム開発とは?初心者向けに解説
システム開発とは、企業や自治体などが抱える課題を解決したり、効率化を図ることができるように仕組みをつくる仕事です。
開発するシステムには、様々な種類があるものの、 業務における課題解決、および効率化が共通の目的となっています。
システム開発に携わる主な技術者は、システムエンジニアやプログラマーなどです。
また、プロジェクトマネージャーなど経験業界が近い職種の人が、システムの開発や運用に携わる場合もあります。
システム開発の事例紹介
システムエンジニアやプログラマーなどの、技術者によって開発されるシステムの事例は次の通りです。
- 勤怠管理システム
社員の出退勤時刻や出社日数、有給休暇の日数などを管理できます。
- 在庫管理システム
商品の在庫数や価格などを、効率的に管理することが可能です。飲食店や量販店などで運用されます。
- 生産管理システム
製造業において、製品を作る工程や品質などを管理するためのシステムです。
システム開発導入におけるメリット
システムの機能を活用すると、様々なメリットが得られます。
業務を効率化できることが、システム開発を行う主なメリットです。システムエンジニアやプログラマーなどの技術者が開発したシステムを導入すると、手作業で行っていた仕事を自動化できます。
また、システムを運用する中で蓄積したデータは、ビジネスや組織運営に活用することが可能です。既存のビジネスで成果を上げるだけでなく、 事業拡大などにおいて新市場に参入する場合などにもデータを活用できます。
システム開発に不可欠なエンジニア(SE)とプログラマー
システム開発に携わる職種は、大きく分けてシステムエンジニアとプログラマーの2種類です。ここでは、各職種の仕事内容を簡単に紹介します。
- システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは、システムの要件定義や、基本設計を担当する職種です。また、システムの納品後に運用のサポートを担当する場合もあります。
- プログラマー
プログラマーは、システム設計に沿って実際にプログラミングを行う職種です。システムエンジニアが立ち上げたプロジェクトにアサインされ、システムを作るためにプログラミングを行います。その他、コーディングやバグ修正などの業務を行います。
未経験業界で技術者として働く場合、まずはプログラマーとして経験を積んだ後にキャリアップし、システムエンジニアになることが一般的です。
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システム開発の仕事は、次のような工程で進められます。業界経験がない方は、システム開発の流れを把握しておきましょう。
要件定義
要件定義とは、システム開発の目的や必要な機能、希望の納期などを明確化する工程です。
システムエンジニアが発注元にヒアリングを行い、求められる要件を確認します。
外部設計
外部設計(基本設計)とは、操作画面などシステムの見た目を設計する工程です。
デザインだけでなく、ボタンをクリックした時の挙動なども含めてユーザーインターフェースを設計します。
内部設計
内部設計(詳細設計)とは、システムのプログラムを設計する工程です。使用するサーバーやデータベース、APIなどを決定します。
プログラミング
プログラミングとは、設計に従って実際にコーディングを行う工程です。プログラマーが作業を進めます。
テスト
テストとは、開発したプログラムに不具合がないかチェックする工程です。不具合が見つかった場合、プログラマーが修正を担当します。
テストに関してより詳しく知りたい方は「単体テストとは?メリットや手法、仕様書について詳しく解説!」を合わせてご覧ください。
引き渡し
テストが完了した後は、システムがクライアントに引き渡されます。
運用
システムの運用が開始された後は、必要に応じてサポートが必要です。運用や保守を担当する技術者が、システムのトラブルに対応します。
システム開発に必要な技術力を職種別に紹介!
エンジニアには、業務内容が異なる複数の職種があります。クライアントから求められる技術力やプログラムで実装する機能も様々です。
ここでは、システム開発の仕事内容について職種別に紹介します。
プログラミング業界で経験を積み、幅広いスキルを持った技術者を目指す人は「フルスタックエンジニアになる方法とは?仕事内容や必要スキル・給料などをまとめて紹介!」を合わせてご覧ください。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、業務系のアプリやスマートフォン向けアプリなどをプログラミングする仕事です。クライアントが望む機能をシステムに反映したり、プログラマーとして最新の技術を習得したりするスキルが求められます。
アプリケーションエンジニア業界で、技術者として活躍するためには、JavaやObjective-Cなどのプログラム言語に対する知識が必要です。また、ユーザーインターフェースのデザイン経験なども役立ちます。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や構築、保守などを行う仕事です。クライアントの要望に合わせて最適なサーバーを設計したり、サーバーOSでプログラミングができるスキルが求められます。
サーバーエンジニア業界で、技術者として活躍するためには、LinuxやUnix、Apacheなどに関する知識が必要です。また、プログラマーとしてのスキルだけでなく、システムセキュリティやクラウド技術に対する知識も役立ちます。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計や構築、保守などを行う仕事です。クライアントの要望やプログラムの機能に合わせてネットワークを構築したり、適切に運用したりするスキルが求められます。
他のプログラマー系の職種と比べて、プログラミングによるシステム開発はあまり行いません。一方、ネットワークエンジニアはコンピュータ間の通信システムなど、よりハードウェアに近い領域の知識が必要です。
ネットワークエンジニア業界で技術者として活躍するためには、DNSやLANに関するスキルが役立ちます。また、通信プロトコルやサーバーに対する知識も有用です。
社内SE
社内SEは、自社で運用するシステムやプログラムを扱う仕事です。社内SEの職種には、設計などを行うシステムエンジニアと、実際にプログラミングを行うプログラマーが含まれます。
社内SEとして活躍するためには、技術者としての経験だけでなく、自社の業務や業界に関する知識も必要です。社内の各部署をクライアントとして、必要な機能を実装するスキルが求められます。
ブリッジSE
ブリッジSEとは、海外のプログラマーとシステム開発を行う時の橋渡しをする仕事です。海外のプログラマーとのコミュニケーションを円滑に進めたり、文化の違いを踏まえてプロジェクトを進行したりします。
ブリッジSEとして業界で活躍するためには、技術者としての経験やプログラミング知識などに加えて、外国語のスキルが必要です。クライアントの要望やプログラムで実装すべき機能などを正確に伝えるためには、専門用語も含めた高い言語力が求められます。
技術力だけじゃない!システム開発に携わる人に求められるその他のスキル
システム開発に携わるエンジニアには、技術者としての経験やプログラミング能力だけでなく、次のようなスキルも必要です。
マネジメント能力
複数のプログラマーに対する仕事の割振りや、スケジュール調整などを行うプロジェクトマネージャーとしての能力が求められます。
ヒアリング能力
クライアントがプログラムに対して求める機能や、各業界ならではの注意事項などを正しくヒアリングする能力が必要です。
問題解決力
想定外のトラブルや技術的な制限などが発生した場合に、柔軟に対処できる課題解決力が求められます。
システム開発における代表的な2つの手法
システム開発の手法は大きく分けて、ウォーターフォールモデルとアジャイルモデルの2種類です。ここでは、技術者を目指す人が知っておくべき代表的な開発手法について解説します。
システム開発についてより詳細を知りたい方は「システム開発の工程とは?ウォーターフォールとアジャイルの流れについて解説」をご覧ください。
ウォーターフォールモデル
ウォーターフォールモデルとは、システムエンジニアが設計した全体像に従って、プログラマーが開発を行う手法です。上流工程から下流工程へ開発が進み、プロセスが後戻りすることはありません。
ウォーターフォールモデルのメリットは、スケジュール管理のしやすさや、フェーズごとに分担して開発できることです。デメリットとしては、開発途中の仕様変更が難しいことや、ドキュメント作成に時間がかかる点が挙げられます。
アジャイルモデル
アジャイルモデルとは、開発プロセスを小さな単位に分け、機能の設計からリリースまでを何度も繰り返す開発手法です。1週間や1ヵ月など短い期間で次々と機能を実装し、システムの完成度を高めていきます。
アジャイルモデルのメリットは、リリースまでの期間が短いことや、仕様を柔軟に変更できることです。デメリットとしては、メンバー全員に設計からテストまで一通りのスキルが求められる点が挙げられます。
アジャイルモデルについてより詳しく知りたい方は「アジャイル開発とは?主流の開発手法「スクラム」もくわしく解説!」をご覧ください。
システム開発に携わるために役立つ資格
未経験からエンジニアとしてシステム開発の仕事に携わる場合、IT業界の専門資格が役立ちます。プログラマーやシステムエンジニアに必要な知識を体系的に学べることが、資格を取得するメリットです。また、技術者として一定のスキルを持っていることを客観的に証明できます。
システム開発のエンジニアになるために役立つ主な資格は次の2つです。
- 情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は、ITに関する基本的な知識が証明できる国家試験です。プログラム開発の知識だけでなく、プロジェクトマネジメントやマーケティングなど幅広い分野について学べます。
- 基本情報技術者(FE)
基本情報技術者は、高度IT人材となるための実践的なスキルが証明できる資格です。
クライアントの要望を踏まえてシステムを設計したり、必要な機能をプログラミングしたりする技術が身に付きます。
基本情報技術者試験についてより詳しく知りたい方は「エンジニア入門者向け資格「基本情報技術者試験」とは?勉強法を解説」をご覧ください。
システム開発は、業務を仕組化するためのプログラムを構築・運用する仕事です。システム開発の職種には、設計や保守などを担当するシステムエンジニアと、開発を担当するプログラマーの2つがあります。
将来システム開発に携わりたい方は、IT関連の資格取得などを通じて、ぜひ必要な知識を身に付けてください。
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