ChatGPTは、Webアプリケーションだけでなく、APIとしても利用することができます。ChatGPT APIは、アプリケーション間の連携を可能にするもので、自社システムなどに導入することも可能です。
今回は、プログラミングの知識があまりない初心者でも理解できるように、ChatGPT APIを使用してチャットボットを開発するために必要な手順を丁寧に解説します。
ChatGPT APIでチャットボット開発が可能
ChatGPT APIは、2023年3月1日にOpenAIによって公開されました。
一般向けのChatGPTは、Webアプリケーションとしての利用が可能です。WebサイトにアクセスしてAIに尋ねる文章を入力し、その後に回答を得ます。この場合、尋ねる文章はすべて人間が入力しなければなりません。
一方、ChatGPT APIは自身のWebアプリケーションなどに組み込み、プログラム上でChatGPTを使用できるようになります。APIはアプリケーション間を連携するために必要なインターフェースのことです。APIの規則に従って両者をつなぐことができます。簡単にいえば、プログラムからChatGPTを利用できるようにしたものであるとイメージするとわかりやすいです。そのため、ChatGPT APIを利用すれば、自身のアプリケーションに組み込みチャットボット開発を行うことができます。
APIの利用は従量課金性な点に注意
Webアプリケーションから利用する場合、使用料は無料です。しかし、APIは従量課金制が採用されており、使用量に応じて料金を支払わなければなりません。
下記は、使用量に応じて従量課金が記録されていく、実際の画面の画像です。
2023年4月現在、1,000トークンあたり0.002ドルで利用することができます。1トークンは英語の場合、1単語です。例えば、『Open』という単語で1トークンになります。そのため、『OpenAI』や『Hello World』は2トークンです。
一方、日本語は漢字やひらがな、漢字やひらがなの種類によってトークンの数え方が異なります。例えば、『料』という1字は2トークン、『料金』は全部で4トークンです。また、ひらがなは『を』が1トークン、『み』は2トークンとなります。このように、文字によって数え方が異なるため、日本語で利用を検討している人は、想定よりも使用量が多くなる可能性があるでしょう。
しかし、既存のチャットボットサービスの中では非常に安価であり、個人開発者でも利用しやすくなっています。従量課金制であるため、料金が変動することに不安を覚える方もいますが、管理画面から『Usage limits(使用量の制限)』を行うこともできるため、そのような設定を利用すればプログラムからでも安心して利用できるように工夫することが可能です。
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Udemyで講座を探すChatGPT APIの利用手順
早速、ChatGPT APIの利用手順を開始します。まだアカウントを作成したことがない人やAPIキー発行の仕方がわからないという方はぜひ参考にしてください。
公式サイトからアカウント作成
ChatGPT APIを使用するためには、まずアカウント作成が必要です。そのため、はじめて利用する方は下記の手順からアカウントを作成してください。
1.はじめに、下記の「OpenAI公式ページ」にアクセスします。
2.『Sign up』をクリックしてください。もし、アカウントがあるなら、『Log in』からアクセスできます。
2.“Email address”の中にご自身のメールアドレスを入力します。また、GoogleアカウントもしくはMicrosoftアカウントをお持ちの方は、下部のボタンからアカウント作成することが可能です。
3.次に、パスワードを入力し、『Continue』ボタンをクリックします。ちなみに、パスワードは、7文字以上で設定する必要があります。
4.メールアドレスの確認を促されますので、メールに届いたメールから認証をしてください。
5.次に、名前と誕生日を入力します。
6.電話番号を入力してください。
7.以上でアカウントの作成は完了です。
ログインしてAPIキーを発行
APIキーの取得は、OpenAIの公式ページから行います。発行する手順は下記の通りです。
1.「OpenAIの公式ページ」にアクセスします。
2.先ほど作成したアカウントでログインを行ってください。
3.公式ページにアクセスすることができました。
4.右上のPersonalをクリックするとメニューが表示されるので『View API keys』を選択します。
5.画面中央部にある『+ Create new secret key』のボタンをクリックします。
6.Create new secret keyのポップアップが表示されるので、APIキーの名前を入力し、作成してください。
今回のチュートリアルでは、Udemyという名前でAPIを作成しました。作成後、すぐにAPIが表示されるので、それをコピーします。ちなみに、APIキーをコピーできるのはこの画面のみです。再度確認することはできませんので、注意が必要です。また、表示されたAPIキーを第三者に知られてしまうと使い放題になってしまうため、必ず安全な場所で保存するようにしてください。
7.APIキーの作成は以上です。
【実践】Pythonでチャットボット開発
実際に、ChatGPT APIをPythonで使用し、チャットボットを開発します。今回は、Python+VSCode環境で構築を行います。また、使用するPCはWindows10です。まだ環境が整っていないという方は、『Pythonの開発環境の構築方法!最適な統合開発環境(IDE)を解説』を参照してください。
ライブラリをインストール
はじめにOpenAIライブラリをインストールする必要があります。下記の手順に沿ってインストールをしてください。
1.コマンドプロンプトを起動し、下記のコマンドを実行します。Macの場合は、ターミナルを開いてください。
1 |
pip install openai |
2.下記のように表示されれば、ライブラリのインストールは完了です。
APIキーの入力と関数の作成
APIキーの設定及び、モデルの設定を行います。今回はVSCodeでmain.pyを作成し、その中にChatGPT APIを実装していきます。
1.ChatGPT APIを使用するためには、ファイルの中でOpenAIライブラリをインポートする必要があります。下記のように記述してインポートを行ってください。
1 |
Import openai |
2. 次に、APIキーの設定を行います。変数openai.api_keyに取得したAPIキーを入力します。
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response = openai.ChatCompletion.create( model="gpt-3.5-turbo", messages=[ {"role": "system", "content": "あなたは学校の先生です。"}, {"role": "user", "content": "おはようございます"}, ] ) openai.api_key = "先ほど取得したAPIキーを入力" |
3.次に、モデルの設定を行います。モデルの設定はChatCompletion.create関数を使用します。roleにはチャットボットの役割、contentにはチャットボットの特徴や質問を入力します。
以上でAPIの設定及びモデルの作成は終了です。
AIの設定をしてオリジナルのボットに
AIの設定を行うことでオリジナルボットにすることが可能です。AIの設定は、ChatCompletion.create関数で行います。チュートリアルでは、学校の先生として回答するように設定しています。また、おはようございますという文章をAIに送信しています。ちなみに、『語尾を〇〇にしてください』というように設定することも可能です。
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response = openai.ChatCompletion.create( model="gpt-3.5-turbo", messages=[ {"role": "system", "content": "あなたは学校の先生です。"}, {"role": "user", "content": "おはようございます"}, ] ) |
また、出力する際は、ptint関数を使用してください。
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print(f"ChatGPT: {response['choices'][0]['message']['content']}") print(response['usage']) |
今回は、ChatGPT APIを使用してチャットボットを作成する手順について詳しく解説しました。今回のチュートリアルでは、Pythonを使用しましたが、そのほかにもChatGPTは下記のプログラミング言語に対応することができます。
- Python
- Node.js (JavaScript)
- Ruby
- Go
- PHP
- Java
- C#
- Swift
Swiftなどにも対応しているため、Webアプリケーションだけでなく、モバイルアプリでも OpenAIのライブラリは使用可能です。
ChatGPT APIを使用することで、ご自身のアプリケーションに組み込むことができるため、チャットボットをそのまま取り入れることができます。しかし、ChatGPT APIは従量課金制になるため、Usage limitsなどをうまく活用し、予算内で使うように工夫をしてください。
チャットボットは今後、さまざまなシステムに組み込まれることが予想されるため、この機会に覚えておくことをおすすめします。
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