AWS開発で必須の「Amazon VPC」について、
・VPCの具体的な機能がよくわからない… 。
・VPCをどのように構築、運用すれば良いのか分からない… 。
とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、
・Amazon VPCの主要機能とその詳細
・VPCを使用するメリット
・具体的なVPCの構築方法
について詳しく解説します。
公開日:2023年8月29日
Amazon VPCとは?
Amazon VPCは、AWS(Amazon Web Services)の中でも特に重要なサービスの一つで、ユーザーは自分だけの仮想ネットワーク環境をクラウド上に作成できます。仮想ネットワーク環境は「仮想プライベートクラウド(VPC)」と呼ばれ、各種AWSリソース、例えば「EC2」インスタンスなどを配置して運用することが可能です。
VPCは、従来のオンプレミスのネットワークと同じような操作感で管理できる一方、AWSが提供する豊富なリソースと組み合わせることにより、大規模なインフラストラクチャの構築と運用が可能になります。これにより、セキュリティと柔軟性を両立したネットワーク環境を手軽に構築できるのが、Amazon VPCの大きな特徴と言えるでしょう。
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Amazon VPCには、ネットワークを安全かつ効率的に管理するための機能が数多く備わっています。ここでは、その主要な機能を詳しくご紹介します。
サブネット:大規模ネットワークを分割管理
サブネットは、VPC内で利用可能なIPアドレスの範囲を分割したもので、一つのサブネットは一つのアベイラビリティーゾーン(AZ)内に存在しなければなりません。
大規模なネットワークを細分化することで、複数のサーバをVPC内で動作させる際に、各々のネットワーク要件に応じてサブネットを設定し、サーバを配置することが可能です。これにより、セキュリティ管理やトラフィックの制御が柔軟に行うことが可能になります。
ゲートウェイ:VPCと外部ネットワークをつなぐ接点
ゲートウェイは、VPCと他のネットワーク(例えばインターネットや別のVPC)とを接続するための要素です。インターネットゲートウェイ(IGW)を作成し、これをサブネットに接続することで、外部との通信が可能になります。
また、NATゲートウェイは、プライベートサブネットから外部のインターネットへ安全に接続するために使用されます。これにより、プライベートサブネット上のリソースでデータ更新やソフトウェアのバージョンアップなどを行う際に、安全かつ効率的に通信を行うことが可能です。
ルーティング:データの転送先を指定
ルーティングとは、特定のデータがどの経路をたどって送信されるべきかを決定する機能です。VPC内にはルートテーブルというものが存在し、サブネットやインターネットゲートウェイからのデータの転送先を指定します。
これにより、サブネットがパブリック(公開)かプライベート(非公開)かを制御できます。ルートテーブルは、VPCやサブネットの通信経路を制御し、ネットワークの柔軟な設定とセキュリティ強化が可能です。
DHCP:IPアドレスの自動割り当て
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、ネットワーク内の各デバイスにIPアドレスを自動的に割り当てるプロトコルです。以前は、ネットワーク内の各デバイスに手動でIPアドレスを割り当てる必要がありましたが、DHCPによりその作業を自動化できます。
Amazon VPCでは、DHCPオプションセットを使用して、Amazon DHCPサーバーによって提供されるネットワーク構成をカスタマイズ可能です。
Peering設定:2つのVPC間でのルーティングが可能
VPCピアリングとは、2つのVPC間でネットワーク上のデータをルーティングできるようにする設定のことを指します。ピアリング設定を行うと、ピア接続されたVPCのリソースは、同じネットワーク内に存在するかのように相互に通信が可能です。
VPCピアリングは、自分のVPC間、別のAWSアカウントのVPCとの間、さらには別のAWSリージョンのVPCとの間でも作成できます。これにより、分散したリソース間のデータ通信を安全かつ効率的に行えます。
VPCを使用するメリット
Amazon VPCの活用は、企業が自身のITインフラをクラウドに移行する際に、数々のメリットがあります。具体的には、ネットワーク環境の手軽な構築、スケーリングや移行の容易さ、強力なセキュリティといったメリットが挙げられます。
機器の準備や構築の手間がかからない
Amazon VPCは、ルーターやDNSなど、ネットワーク環境の構築に必要な機能が全て備わっています。これにより、オンプレミス環境で必要な機器の準備や構築の手間を大幅に省くことが可能です。比較的単純なネットワーク環境であれば、それほど時間をかけずに構築できるというメリットもあります。
スケールアウトや移行が容易
VPCを使用することで、リソースのスケールアウト(水平拡張)や新しい環境への移行が容易になります。ビジネスの成長に合わせて、必要なときに必要なだけリソースを追加することが可能です。これにより、事業の拡大やシステムの進化に柔軟に対応できる環境を、確保することができます。
アクセスコントロールによる強力なセキュリティ
VPCでは、ネットワークを分割して制御することが可能です。これにより、ネットワークごとのアクセスコントロールや監視が行われ、強固なセキュリティ環境を確立できます。
また、一部のリソースに対するアクセスを厳格に制限することで、データの漏えいや不正アクセスなどからリソースを保護することが可能となります。
実際にAmazon VPCを構築してみよう!
Amazon VPCを利用すると、安全かつ効率的なクラウドネットワーク環境を作り上げることが可能です。ここでは、Amazon VPCの開始方法と具体的な構築手順を解説します。
最初に、AWS管理コンソールにサインインします。
検索窓に「VPC」と入力すると、以下のような一覧表が表示されます。
一番上に表示されているサービスの「VPC」を選択してください。
次に、オレンジ色のボタンの「VPCを作成」を選択。
画面が切り替わったら「VPCの設定」というメニュー欄にある「作成するリソース」の中から、「VPCのみ」を選択します。
「名前タグ – オプション」の欄には、自由に「Name」キーを設定してください。また「IPv4 CIDR」には、「10.0.0.0/16」と入力しましょう。その他の設定は、デフォルトのままで結構です。
「VPCの設定」の設定が完了したら、一番下にあるオレンジ色のボタン「VPCを作成」を選択してください。
画面が切り替わり「〇〇/(指定したNameキー) が正常に作成されました」と表示されれば、基本的なVPCの構築が完了です。
VPCの設定や構築は、企業のネットワーク要件に応じてカスタマイズ可能なため、自身の要件に合わせて設定を調整してください。
VPCの学びを活かし次のステップへ
本記事では、Amazon VPCの基本概念とその主要機能、利点、そして基本的な構築手順について解説しました。VPCは企業が自身のITインフラをクラウドに移行する際に、数々の利点があります。
また、手軽に構築できるだけでなく、スケーリングや移行も容易であることから、多くのビジネスで活用されています。
これらの知識を活かして、次のステップとして具体的なVPCの構築や管理に挑戦してみてください。
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