COBOL言語に興味があるものの、
・何に使えるのかが分からない…。
・プログラムの書き方が知りたい…。
という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、
・COBOL言語の特徴や今後の需要
・COBOLのプログラムの書き方
についてご紹介します。
初心者の方でも、この記事を読めば、COBOL言語でプログラムを作成する基本的な方法について理解できます。
INDEX
COBOL(コボル)言語とは?
COBOLとは、1959年にアメリカで開発された、事務処理用のプログラミング言語です。「COmmon Business Oriented Language(共通事務処理用言語)」の頭文字をとって「COBOL」と名付けられています。
COBOLは歴史が古く安定した言語で、信頼性が高いことが特徴です。そのため、大規模なシステムや、高い精度が求められる基幹システム、事務処理システムなどの開発に使用されています。
COBOL言語の文法は英語の文法に似ていて人間にとって理解しやすく、プログラミングの入門用や、スキルの幅を広げたいという経験者におすすめです。
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Udemyで講座を探す >COBOL言語の特徴
ここでは、COBOL言語の特徴である以下の4つについて解説します。
計算処理力が高い
COBOLは事務処理向けに開発された言語であり、計算やデータ処理を得意としています。膨大なデータを処理する場合も速度が低下しにくく、高速に動作することがCOBOLの特徴です。
また、COBOL言語では「2進化10進数」という形式で数値を処理するため、小数点を含む場合でも正確に計算できます。また、数値の桁数を指定して処理することも可能です。
さらに、四則演算や、べき乗などの計算を、プロジェクトの規定やプログラマーの設計に基づいて柔軟に定義できます。
可読性が高い
COBOLのプログラムコードは、英語に近い構文のため、ほかのプログラミング言語と比べて可読性が高くなっています。
コードが理解しやすく初心者の学習に適していることや、システム開発をスムーズに進められることなどがCOBOLの特徴です。
OSに依存しない
COBOL言語は、WindowsやMac、Linuxといった幅広いOSで使用できます。そのため、COBOLで開発したシステムを新たなコンピューターへ簡単に移植することが可能です。
また、自身のカスタマイズした環境でシステムを開発した上で、本番環境に移動させることもできます。
信頼性・保守性が高い
COBOL言語は半世紀以上にわたって管理され続けている実績があり、信頼性や保守性が高い言語といえます。
そのため、金融機関や政府機関などの組織では、COBOLで作成されたシステムの保守や更新を行い、現在も活用し続けています。
COBOL言語の今後の需要はどうなる?
COBOL言語の新規案件は少ないものの、対応できるエンジニアが減少しているため、今後も需要はあると考えられます。
COBOLは、政府や金融機関などの大規模なシステムに使用されています。これらのシステムを別のプログラミング言語で実装し直す場合、莫大な手間やコストがかかるため、今後も継続し続けると考えられます。このことから、COBOLのスキルがあるエンジニアの需要は今後も無くならないといえるでしょう。
ただし、新しいシステムの開発にCOBOLが用いられることは多くありません。新規案件は少ないため、ほかの言語を習得しておくことも大切です。
COBOLのプログラムの書き方
ここでは、COBOLのプログラムの書き方を解説します。
COBOLのプログラムは大きく4つの部に分かれていて、それぞれに特化した役割が定められています。また、各部はさらにいくつかの節や段落に分かれます。COBOLの書き方の基礎解説は次の通りです。
一つずつ詳しく紹介します。
IDENTIFICATION DIVISION:見出し部
「見出し部」はプログラムの基本的な情報を設定する部分で、次のようなコードを記述します。
「PROGRAM-ID」はプログラムの名称を指定する行です。
「AUTHOR」ではプログラムの制作者を記述できます。
IDENTIFICATION DIVISION. PROGRAM-ID. SampleProgram. AUTHOR. YourName. |
ENVIRONMENT DIVISION:環境部
「環境部」はプログラムの動作環境を設定する部分で、次のようなコードを記述します。
下記の例は、「sample.txt」という名称のファイルを、プログラム内で「SampleFile」として扱うための設定です。
ENVIRONMENT DIVISION. INPUT-OUTPUT SECTION. FILE-CONTROL. SELECT SampleFile ASSIGN TO “sample.txt”. |
DATA DIVISION:データ部
「データ部」は、プログラムで使用する変数や定数を設定する部分で、次のようなコードを記述します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 77 A PIC 9(2) VALUE 10. 77 B PIC 9(2) VALUE 20. 77 RESULT PIC 9(4). |
「WORKING-STORAGE SECTION.」は、プログラム実行中に使用するデータを定義するセクションです。上記の例では、AとB、RESULTという3つの変数を定義しています。
「77」はレベル番号と呼ばれるもので、他のデータと関連性のない独立したデータであることを意味するものです。
「PIC」はデータの形式を表すもので、「PIC 9(2)」は2桁の数値、「PIC 9(4)」は4桁の数値を表します。「VALUE」は変数の初期値を表し、上記の例ではAが10、Bが20に設定されています。
PROCEDURE DIVISION:手続き部
「手続き部」はプログラムの処理内容を設定する部分で、コード例は次の通りです。
PROCEDURE DIVISION. ADD A B GIVING RESULT. DISPLAY “The sum of A and B is: ” RESULT. STOP RUN. |
「ADD A B GIVING RESULT.」はAとBを足した結果をRESULTに格納するためのコードです。
「DISPLAY」ではテキストや値などをコンソール上に出力できます。「STOP RUN」はプログラムを終了するためのコードです。
以上の4つの部は、全てを使う必要はありません。プログラムの目的に応じて必要なコードを記述し、不要な部を省略することも可能です。
【実践編】COBOLでプログラムを作成
ここでは、COBOLで簡単なプログラムを作成する方法を、一般的なプログラムと、COBOLの得意な計算処理プログラムの2種類解説します。
以下の解説で使用した開発環境は次の通りです。
OS:Window 11 Home
IDE:OpenCobolIDE-4.7.6
「Hello world!」を作成
「Hello world!」というテキストを出力するCOBOLのコード例は以下の通りです。
IDENTIFICATION DIVISION. PROGRAM-ID. HelloWorld. PROCEDURE DIVISION. DISPLAY “Hello world!” STOP RUN. |
このコードでは、プログラム名を「HelloWorld」とし、「DISPLAY」を使って「Hello World!」というテキストを出力しています。
ENVIRONMENT DIVISION(環境部)とDATA DIVISION(データ部)は不要のため省略しました。
実行すると、以下のように「Hello world!」が表示されます。
計算処理プログラムを作成
以下は、簡単な計算処理を行うCOBOLのコード例です。
IDENTIFICATION DIVISION. PROGRAM-ID. SUM-NUMBERS. DATA DIVISION. FILE SECTION. WORKING-STORAGE SECTION. 77 A PIC 9 VALUE 1. 77 B PIC 9 VALUE 2. 77 RESULT PIC 9 VALUE 0. PROCEDURE DIVISION. ADD A B GIVING RESULT. DISPLAY “The Result of A + B is: ” RESULT. STOP RUN. |
まず、見出し部でプログラム名を「SUM-NUMBERS」に設定しています。データ部ではA、B、RESULTという変数を定義し、Aの初期値を1、Bの初期値を2に設定しました。
手続き部では、「ADD A B GIVING RESULT.」でAとBを合計した結果をRESULTに格納し、「DISPLAY」でその結果を表示させています。
プログラムの実行結果は次の通りです。
プログラミングの入門としてCOBOL言語を習得しよう
COBOL言語は事務処理用のシステム開発のために作られたプログラミング言語です。英語に近い構文であるため、プログラミングの入門としての学習に適しています。
COBOL言語のより実践的な使い方について学びたい方には、以下の講座がおすすめです。この講座では、COBOL言語の基本的な書き方や文法、アプリケーションを実装する方法が学べます。すでにC言語やJavaのプログラミング知識があり、COBOLへの理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。
レビューの一部をご紹介
評価:★★★★★
コメント:20年以上ぶりに仕事でCOBOLに携わることとなり、復習を兼ねて受講させていただきました。
昔の記憶がほとんどなく(笑)ほぼ初学者レベルでしたがとてもわかりやすかったです。
また、CやJavaとの対比で構成されているのでそれもよかったです。ありがとうございました。
COBOL言語の書き方を学び、プログラマーとしてのスキルの幅を広げましょう!
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