AWS CLIとは?インストール手順や使い方を初心者向けに解説!

AWS CLIとは?インストール手順や使い方を初心者向けに解説!

この記事では、AWSをコマンドラインから操作するCLIについて、紹介します。日常的にAWSを大規模に利用するユーザーの方には、大いに役立つツールですので、ぜひインストール方法から基本的な使い方まで、参考にしてください。

AWS CLI(コマンドラインインターフェイス)とは?

AWS CLIは、AmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services (AWS) をコマンドラインから利用するために、公式に提供されているツールです。

AWSコマンドラインインターフェイスの画面
“AWS コマンドラインインターフェイス” (https://aws.amazon.com/jp/cli/)

コマンドラインとは、コンピューターに対する指示をコマンド (文字) で行う操作体系のことです。

GUIとCLI

AWS CLIは、Windows, macOS, Linuxの各OS向けに提供されており、主要なOSから、同じ操作でAWSを利用できます。

この記事では、AWSについてご存じの方が、CLIを用いて業務を効率化するための手順を紹介しますが、AWSについて基礎的な情報を知りたい方は、「AWSとは?利用するメリットをわかりやすく解説!サービス例も」を参照してください。

AWS CLIを利用するメリット

AWSは、WebブラウザからGUIで操作することもできますが、それと比較してCLIから操作することで得られるメリットは何でしょうか。

CLIを利用するメリットは、大きくは2つあり、ひとつ目は、何度も繰り返す操作をスクリプトとしてまとめて自動化することで業務を効率化し、また手作業による人的ミスを減らすことができることです。そしてもう一つは、CLIを中心に、AWSの多岐にわたるサービスを統合・連携し、自社独自の業務フローを柔軟に構築できることです。

CLIを使用するメリット

もちろん、AWSの各サービスはGUIでそれぞれ操作することで連携可能ですが、複数のサービスの画面を行き来して設定を行うのは大変です。CLIを使うと、一連のプログラムとしてひとつのスクリプトにまとめることができます。

普段からAWSを大規模に活用しているユーザーにこそ、CLIを活用するメリットがあると言えるでしょう。

 

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AWS CLIの使い方をインストールから順に解説!

ここからはAWS CLIのインストール手順と基本的な使い方を紹介していきます。なお、AWS CLIの利用には、AWSのアカウント登録が必要ですので事前にユーザー情報、支払方法の登録をし、アカウントを取得してください。

AWS CLIをインストール

はじめに、コンピューターにAWS CLIをインストールします。本記事では、Windows 10を例に紹介しています。

WebブラウザでAWS CLIのページを開き、画面右側の「64 ビットの Windows インストーラーをダウンロードし、実行します。」というリンクから、インストーラーをダウンロードします。

各OS用のインストーラーをダウンロードする

ダウンロードした “AWSCLIV2.msi” ファイルをダブルクリック、または右クリックから「インストール」を選択します。

ダウンロードしたインストーラー

その後は、特に選択、設定する項目はないので、インストーラーの手順に従い、「Next」や「Install」をクリックして進めていきます。インストールが完了したら、「Finish」をクリックします。

インストーラーの実行手順

これで、AWS CLIがインストールできました。

IAMユーザーを作成

次に、CLIを使ってAWSを操作するためのIAMユーザーを作成します。IAMは、Identity Access Managementの略称で、これもAWSのサービスです。サービスの安全な利用のために、ユーザーアカウントと実行可能な操作を関連付けて管理します。

ここでは、AWSのドキュメントに沿って、Administrator というアカウントを作成します。

まず、ルートアカウントでIAMコンソールにサインインします。

IAMコンソールへのサインイン

すると、IAMサービスの管理画面が表示されます。

IAMコンソールの画面

ここで、画面左側のメニューから「ユーザー」を選択し、ユーザー一覧画面で「ユーザーの追加」ボタンを押します。

ユーザーの追加メニューを選択する

ユーザー名は公式ドキュメントに沿って “Administrator” としていますが、必要に応じて変更してください。また、ユーザーに与える権限のうち、CLIを操作するために必要なのは “アクセスキー – プログラムによるアクセス” です。

ユーザー名、権限を指定する

そして、「次のステップ: アクセス権限」ボタンを押します。すると、複数のユーザーをまとめて管理するためのグループを作成する画面になります。ここで、「グループの作成」ボタンを押します。

「グループの作成」ボタンを押す

グループ名は “Administrators” とします。そして、グループに割り当てる権限を設定します。「ポリシーのフィルタ」リンクをクリックすると、フィルタの種類が表示されます。ここで、「AWS管理のジョブ機能」にチェックを入れます。

グループ名を入力し、フィルタを選択する

そして、表示される権限の中から、「AdministratorAccess」にチェックを入れ、「グループの作成」ボタンを押します。

権限を設定し、「グループの作成ボタン」を押す

すると、“Administrators” というグループが作成されます。続いて、「次のステップ: タグ」ボタンを押します。

グループが作成された

次の「タグの追加」メニューはオプションです。今回は、特に何も設定する必要はありません。そのまま、「次のステップ: 確認」ボタンを押してください。

「タグの追加」は特に設定しない

「確認」メニューも、ここまでの設定を確認するだけです。内容に問題がなければ、「ユーザーの作成」ボタンを押します。

設定を確認し、「ユーザーの作成」ボタンを押す

すると、CLI用のユーザーとグループが作成されます。次の画面では、CLIでAWSにアクセスするための認証情報が表示されますので、必ず情報を控えます。Administratorユーザーの「アクセスキーID」と「シークレットアクセスキー」をそれぞれコピーして保存します。または、同じ情報がCSVファイルとしてダウンロードできます。

これらの認証情報は、以後二度と見ることができないので、確実に記録しておきましょう。

CSVのダウンロード

これで、AWS CLIにアクセスするためのユーザーが作成できました。ここでAWSの管理画面は閉じて構いません。

コンフィグを設定

ここからは、インストールしたAWS CLIから操作をしていきます。はじめに、WindowsのコマンドプロンプトまたはPowerShellを起動します。

プロンプトを起動する

プロンプトでは、aws configure とコマンドを実行します。

“aws configure” コマンドを実行する

すると、先ほど控えたアクセスキーIDとシークレットアクセスキーを聞かれるので、入力します。また、AWSの各サービスを利用する際のデフォルトのリージョン (地域)、CLIを操作した結果の出力形式を指定できます。特に指定がない場合は、そのままEnterキーを押します。

CLIの設定

これで、AWS CLIを使う準備ができました。なお、この操作で行った設定は、Windowsの場合、%UserProfile%\.aws というフォルダーに保存されます。設定項目がファイルとして保管されており、これらを編集することで後から設定を変更することもできます。

 

実際にAWS CLIを使ってみよう

それでは、実際にAWS CLIを使ってみましょう。AWS CLIでは、AWSのすべてのサービスを操作できますが、ここではシンプルに、EC2サービスのサーバーを起動する例を紹介します。なお、利用には従量課金で費用が発生する場合がありますので注意してください。

CLIでサーバーの状態を確認する

まず、EC2サービスですでに作成してあるAMI (仮想マシンイメージ) を使い、Linuxサーバーを起動してみましょう。コマンドラインは、以下のようになります。

<ここで返ってくる “ImageId” を控える>

サーバーの状態を確認

サーバーは現在停止しています。CLIから起動してみましょう。起動の際に、イメージIDが必要なので、上記の実行結果から控えておいてください。

CLIでサーバーを起動する

続けて、コマンドラインから以下のように入力してください。

サーバーの起動

コマンドラインのうち、日本語で書かれた部分を、ご自身の設定に合わせて指定してください。しばらくして、再度 describe-instances を実行すると、サーバーが起動したことがわかります。

サーバーを起動したことの確認

CLIでサーバーを停止する

AWS CLIの使い方を確認したら、ひとまずサーバーを停止しましょう。以下のように実行してください。

 

この記事では、AWSをコマンドラインから操作するCLIについて紹介しました。繰り返す操作をスクリプトとしてまとめて自動化することができ、CLIを中心に、AWSのサービスを統合・連携して自社独自の業務フローを柔軟に構築することもできます。日常的にAWSを大規模に利用するユーザーの方には、大いに役立つツールですので、ぜひ一度お試しください。