プロマネはIT業界で活躍できる職種の一つです。この記事ではプロマネの役割や実務に役立つ資格、待遇とキャリアパスについて解説します。IT系の職種に興味を持っている人や、プロマネとしてキャリアアップしたい人はぜひ参考にしてください。
公開日:2022年6月30日
プロマネ(PM)とは?
プロマネとはプロジェクトマネージャーの略称です。英語表記の頭文字をとってPMと記載される場合もあります。
プロマネは、システム開発などのプロジェクトを円滑に進めるために全体の統括を行う責任のある役職です。プロマネの仕事は、プロジェクトの成否に大きく関わります。
プロジェクト全体を管理するため、プロマネの仕事内容や求められるスキルは様々です。
プロジェクトリーダーとの違い
プロマネとプロジェクトリーダーは混同されやすいものの、役割や仕事内容が異なります。プロマネはプロジェクト全体の管理を担当する職種で、スケジュール管理や計画の立案、進捗状況に応じた修正などが主な仕事です。プロジェクトのチームメンバーだけでなく、クライアントや経営陣ともかかわりながら仕事を進めます。
一方、プロジェクトリーダー(PL)の役割は、プロジェクトを実際に実行することです。プロマネと比べて、より現場に近いポジションで業務を行います。また、PLが管理する対象はチームメンバーのみです。
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プロマネには、大きく分けて3つの役割があります。プロマネが担う役割と仕事内容の詳細は次の通りです。
1:意思決定
プロマネは、プロジェクトを進めるために必要な意思決定を行います。開発計画の作成やトラブル時の対処など、プロマネに意思決定が要求されるタイミングは様々です。
プロマネの主要な仕事として、クライアントからのヒアリングに基づく開発計画の作成が挙げられます。計画を立案する際に、開発の優先順位や納期などについて最終的な決断を行うことがプロマネの役割です。
また、トラブルに対して柔軟に対応し、適宜計画を修正する際にも、プロマネが意思決定を行います。
2:プロジェクトの管理・推進
立案した計画に沿って、プロジェクトの進行を管理することもプロマネの役割です。クライアントの要望や社内のリソースなど、プロジェクト全体を把握する必要があります。
また、適切な人員配置や、タスクごとにより細かなスケジュールを設定することもプロマネの仕事です。
3:チームの統括
プロマネは、プロジェクトが納期に間に合うようにチームを統括する役割を担います。社内にプロマネが在籍している場合、プロマネを通してプロジェクトにかかわる社員への指示が送られることも一般的です。
プロジェクトには、プロジェクトリーダーやエンジニア、デザイナーなど多くの社員が関わります。チーム内で良い人間関係を構築することも、プロマネの役割です。
プロマネに求められるスキルや資質
プロマネの仕事内容は多岐にわたるため、複数のスキルや資質が求められます。プロマネとして活躍するために必要なスキルや資質は次の通りです。
全体把握能力・タイムマネジメントスキル
プロマネには、プロジェクト全体を俯瞰して管理することが求められます。現場で業務を行うのではなく、全体を把握する能力が必要です。プロマネが把握すべき対象には、クライアントの要望や開発チームの事情などが含まれます。
また、プロジェクトが納期に間に合うように管理するため、タイムマネジメントを行うスキルも重要です。余裕をもってスケジュールを組み、進捗に遅れが生じそうな不安要素をこまめに解決していくスキルが求められます。
状況判断能力・決断力
プロジェクトの規模が大きくなるにつれてチームメンバーの数が増えると、役割分担が曖昧になる可能性があります。各メンバーの役割や担当タスクを管理するためには、複雑な状況を整理する状況判断能力が不可欠です。
前述の通り、プロマネは意思決定の役割を担います。計画立案やトラブル対応で意思決定を即時に行うためは決断力が必要です。
コミュニケーション能力
プロマネには高いコミュニケーション能力も求められます。プロマネはクライアントなど社外の人と交渉する機会が多い職種です。クライアントの潜在的なニーズを引き出すためには、円滑なコミュニケーションを行う必要があります。
また、社員を適切に配置する際もコミュニケーション能力が重要です。コミュニケーションを通じてチームメンバーの性格や人間関係を把握し、人員配置を考えるスキルが求められます。
課題解決能力
プロジェクトを進行する際は、計画段階では気づかなかった課題が潜んでいることが多々あります。そのため、プロマネには潜在的な課題を発見し解決する能力が必要です。
事前にできる限り多くのケースを想定した上で、予想外の課題に直面した際に迅速に対処できる能力が重視されます。
業界に対する幅広い知見
プロジェクト全体を俯瞰し、社内外のリソースを適切に配置するためには、業界に対する知見を幅広く持っている必要があります。
プロマネは、プログラミングなど実際に開発を行うわけではありません。そのため、特定の分野に関する深い知識よりも、IT業界全般に関する幅広い知識を持っていることが重要です。
プロマネの資格試験
プロジェクトマネージャーとしてのスキルを客観的に証明するためには、資格試験が役立ちます。また、資格試験の勉強を通じてプロマネに必要なスキルを身に付けることも可能です。ここでは、プロマネに関する2つの資格について解説します。
プロジェクトマネージャー試験(PM)
プロジェクトマネージャー試験は、IPA(情報処理推進機構)が主催する資格試験です。プロジェクト管理に必要な能力やヒューマンスキルが問われます。プロジェクトマネージャー試験で求められるスキルレベルは、情報処理技術者試験の中で最高難易度の4で、合格率は15%以下です。
プロジェクトマネージャー試験の詳細については、 「プロジェクトマネージャー試験とは?取得するメリットや難易度も紹介!」 記事もあわせてご確認ください。
プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)
プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)は、プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格です。米国の非営利協会であるPMIによって運営されています。
PMPの資格取得には、プロマネとして一定期間以上の実務経験が必要です。また、資格取得後は3年ごとに更新を行う必要があります。PMPの合格率は公表されていないものの、おおよそ60%~80%とされています。プロジェクトマネジメントプロフェッショナルの詳細については、 「PMP資格とは?難易度や取得方法、仕事上の価値についてわかりやすく解説 」の記事もあわせてご確認ください。
プロマネの待遇
プロジェクトマネージャーの平均年収は、日本人全体の平均年収と比較すると高水準です。2017年経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によるとプロマネの平均年収は891.5万円でした。プロマネの仕事内容は多岐にわたり、幅広い能力が求められるため希少価値が高く、待遇も良い傾向にあります。
プロマネとして市場での価値を高めるためには、より多くの実務経験を積むことが有効です。また、前述のプロマネに関する資格の取得も、市場における価値の向上に繋がります。
キャリア形成の流れ
プロマネはプロジェクト全体を管理する責任の大きな仕事のため、キャリア形成には一定の経験が必要です。プロマネになるための初期段階では、まずSEやプログラマーとして開発業務の実務経験を積む必要があります。その後、プロジェクトリーダーなどの管理職を経験し、プロマネの職に就くという流れが一般的なキャリアパスです。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を統括する役割を担います。プロマネになるためには、コミュニケーション能力や業界に関する知見、タイムマネジメントスキルなど幅広い能力が必要です。 プロマネとして活躍したい人は、資格試験などを活用しながらスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。
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