GCP(Google Cloud Platform)とは?特徴・メリット・AWSとの違い

GCP(Google Cloud Platform)とは?特徴・メリット・AWSとの違い

GCP(Google Cloud Platform)によって、Googleが社内で使っているGoogle検索やYoutubeなどに使用されているテクノロジーやインフラを活用することが可能です。この記事では、近年注目されているGCPでできることやサービスの概要、そしてその特徴についてご紹介します。

GCP(Google Cloud Platform)とは?

GCPとは、Google Cloud Platform の略で、Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。GCPは従量課金制のサービスのため、一定の使用量までは無料で使用できます。

さらに、Google社内で使われているものと同じテクノロジーやインフラを利用できるので、Google検索のプラットフォーム、Youtubeの動画配信プラットフォームに加え、Googleだからこそ作ることのできるデータ解析や機械学習系のサービスなども活用できます。

また、GCP Consoleには、GCPのプロジェクトとリソースを管理するために使用できるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)が用意されています。これを活用することで、サーバーの管理も楽になるでしょう。

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GCPの主なサービス

GCPの主なサービスは、大きくわけて6つです。それぞれのサービスについて詳しく解説します。

BigQuery:ビッグデータの解析

BigQueryは、ビックデータ解析のためのGoogleクラウドデータベースです。前身はGoogle社のDremelで、社内のデータ分析ツールとして使われていました。それを一般ユーザーも使えるようにしたのがBigQueryです。

BigQueryの特徴は、大規模データを高速に扱えることです。また、API連携が可能で、Pythonを用いてユーザーの行動をリアルタイム分析できます。

Google App Engine:アプリの作成・実行・管理

Google App Engineは、サーバーレスな環境でアプリの作成・実行・管理を実現するプラットフォームサービスです。GCPのPaaSを意味します。クラウド上で開発したアプリケーションをGoogleのインフラ上で実行できるサービスです。

クラウドサービスを利用するエンジニアの画像

元々、Google App EngineはPythonのみをサポートしていました。しかし、現在は、Node.jsやJava、Rubyなど全部で6つのプログラミング言語が使用可能です。

Google App Engineは、安定性の高さが特徴として挙げられます。また、大規模システムから信頼されているサービスです。安定性の高いGoogleのインフラ上で開発・実行・管理ができるため、スケールの心配も必要ありません。

Cloud Machine Learning Engine:機械学習モデルの構築

Cloud Machine Learning Engineは、機械学習モデルを簡単に構築することができるホスト型プラットフォームサービスです。機械学習に求められる複雑なモデルの作成、トレーニング、モデル展開、予測、モニタリングまでをサポートしています。また、外部で作成されたモデルを展開することも可能です。

Compute Engine:仮想マシンによるインフラ

Compute Engineは、仮想マシンをクラウド上で提供するサービスです。Google社が提供するIaaSサービスを意味します。仮想マシンとは、簡単に表現するとサーバーのことです。LinuxやWindowsなどのサーバーが仮想化されて提供されています。マシンやネットワークなどの環境をクラウドで利用できるGCPの代表的なサービスです。

Cloud Storage:耐久性の高いストレージ

Cloud Storageは、その名の通りGoogle社が提供しているクラウドストレージサービスです。ストレージクラスによって価格は異なりますが、Standard Storageの場合、$0.02(GB 単位/月)となるため、非常に低価格になります。
※ストレージ料金の詳細はこちらをご確認ください。

また、容量無制限で使用できる、耐久性が高いなどメリットが多いストレージサービスです。自動でバックアップを生成する機能も搭載されているため、データを安全に扱えます。

Cloud Dataflow:大容量データの取得・分析

Cloud Dataflowは、ETLツールとしてGoogleが提供しているサービスです。ETLツールは、それぞれのシステムからデータを抽出したり、書き出したりするためのシステムを意味します。

Cloud Dataflowは、ストリームデータ処理とパッチ処理の両方が可能なサービスです。ビッグデータのリアルタイム処理と一括処理の両方を行えるため、非常に高性能なETLツールになります。 また、データの取得・変換・分析・分類などができるシステムも使用可能です。

GCPの特徴とは?メリットを知ろう!

ここからは、GCPの特徴やメリットについてご紹介します。

GCPのメリット①安定したインフラ環境

GCPはトラフィックにすぐ対応するよう設計されているため、急激なアクセス増加などの負荷にも耐えることができます。また、様々なクラウド、ストレージが利用可能です。さらに、Stackdriver Monitoringにより、追加設定なしでも基本的なアプリのパフォーマンスを視覚的に確認可能です。
そのほかにも、自動スケーリングが速い、サーバーのインスタンス起動が速いといったインフラ面でのメリットもあります。

GCPのメリット②スピードと安定性

GCPのデータセンター内では、Googleが独自に開発したネットワーク機器を利用しており、ネットワークのスピードが速くなっています。また、同じグローバルIPアドレスならばマルチ拠点でアクセスできる点も便利です。

GCPのメリット③AI分野のサービスの充実

TensorFlowやBigQueryを活用し、機械学習などAI分野のサービスを利用できます。Googleによる最先端の機械学習を使ったデータ解析が可能である点は、魅力だといえます。

GCPのメリット④セキュリティ

GCPでは、第三者認証であるFIPS 140-2を取得しています。データの送受信、保管において、高度なセキュリティが保たれています。

GCPのメリット⑤ニーズに合わせた料金設定

GCPは前払いが必要なく、従量課金制のため、秒単位で使った分のみ請求されます。さらに、事前の契約なしで長期間利用割引が自動的に適用されるなど、いくつかの割引も用意されています。

コストが抑えられるという利点を示した図

これにより低コストで運用ができます。低コストであること、少人数でも開発可能であることから、GCPはスタートアップの企業などにもおすすめだといえそうです。

GCPのデメリット

GCPでは日本語対応が遅れているため、英語の知識がある程度ないと、クラウド技術のドキュメントを読むことも困難になります。英語に苦手意識を持っている場合、開発に使うことは難しいかもしれません。

GCPが活用できるシーン

GCPが活用される具体的なシーンについて解説します。

業務の効率化をしたいとき

業務効率化を目指すときに、GCPは活用されます。GCPを利用すれば、さまざまな業務をクラウド上で行えるようになります。例えば、資料を電子化し、社外からアクセスしたり、チームで共同作業ができたりするため、オフライン環境による業務非効率化を改善することが可能です。

社内システムについて話しあうエンジニアの写真

また、Cloud Dataflowを使用することで、社内システムを連携させることができます。システムごとに必要だった入力作業などが不要になり、一元管理を行うことが可能です。これにより、業務効率化を促進させます。

機械学習やデータ解析を取り入れたいとき

機械学習やデータ解析を社内に取り入れたいときにGCPは活用されます。GCPのBigQueryは、高速でデータ解析できるサービスです。また、Cloud Machine Learning Engineは機械学習アルゴリズムの実装、モニタリングまでをサポートしています。このように、ビックデータ解析や機械学習を取り入れたいときに、活用できるサービスが豊富です。

また、低コストかつ高セキュアを実現してくれるため、機械学習やビックデータ解析の際に最適といえます。

GCPとAWS(Amazon Web Services)の違いとは?

Googleが運用するGCPと、Amazonが運用するAWSという2つのクラウドサービスについて、具体的な違いをまとめてみました。

GCPAWS
プロジェクトプロジェクトありプロジェクトなし
コスト時間単位分単位
コンピューティング
(起動速度)
40秒以内約1分
拡張性・柔軟性
(RDBMSライセンス利用)
MySQLのみOracleサポートあり
サービス数サービス数が抑えられているサービスが増えている


ビッグデータの解析や起動の速さ、機械学習関連の技術についてはGCP、柔軟性や豊富なサービスを利用したいのであればAWSの方がそれぞれ適していると考えられます。

AWSについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

今後も成長が予想されるGCP

GCPは高性能なコンピューティングが可能であり、さらに、大規模なストレージサーバーを持っています。大規模な情報に対するデータ分析も可能であり、今後も成長していくと考えられます。