「CISSP」の難易度が高いのはなぜ?理由や効率的な取得方法を解説

CISSPは、情報セキュリティ分野のグローバル資格として世界的に高い評価を受けている資格です。キャリアアップや昇格を目指すIT人材の間で注目が高まっていますが、

・CISSPがどのくらい難しい資格なのか知りたい
・他のIT資格と比べて、取得する価値があるのか判断したい
・働きながらでも合格を目指せる効率的な学習方法を知りたい

と考えている方は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、

・CISSPの難易度が高いと言われる具体的な理由
・試験の概要や受験に必要な実務経験などの条件
・取得によって得られるキャリア上のメリット
・CISSP取得のためのおすすめ学習方法

について、わかりやすく解説します。

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CISSPとは【情報セキュリティ資格の国際的認定資格】

CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、国際的な非営利団体ISC2(International Information Systems Security Certification Consortium)が認定するセキュリティ分野のプロフェッショナル資格です。

出典:ISC2「CISSPとは」

世界170か国以上で認知されており、セキュリティ人材の評価基準として、グローバルに通用する点が国内資格との大きな違いです。

試験では、技術的な専門知識だけでなく、リスク管理やセキュリティ戦略の策定といったマネジメント領域まで問われます。つまりCISSPは、現場の実務力と組織全体を俯瞰する管理能力の双方を持つ人材であることを対外的に証明できる資格です。

実際の保有者層を見ると、サイバーセキュリティマネージャーやCISO(最高情報セキュリティ責任者)、セキュリティ監査の責任者など、組織の意思決定に関わるリーダー層が多くを占めています。

管理職やセキュリティ部門の責任者を目指している方にとって、昇格の後押しや業務経験の裏付けになり得る資格だといえるでしょう。

 

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CISSPの難易度【IT資格の中でも最上位】

CISSPの合格率はISC2から公式に公表されていませんが、その難易度は日本国内で最難関とされる「情報処理安全確保支援士」と同等あるいはそれ以上の難易度として位置づけられています。

支援士の合格率がIPAの統計資料で例年15〜20%前後とされていることから、CISSPの難しさがうかがえます。

情報処理安全確保支援士について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

情報処理安全確保支援士はどのくらい難しい?難易度や勉強方法を解説

学習時間の面では、セキュリティエンジニアとして日常的に実務をこなしている方であっても、100〜200時間程度の試験対策が必要とされており、経験や知識の幅によって体感の難易度には大きな差があります。

試験形式では英語の原文と日本語訳が1問ごとに併記されています。日本語だけでも解答は可能ですが、翻訳のニュアンスがつかみにくい設問では英語原文を読み解く力が合否を分ける場面もあります。

このような要因のため、CISSPはIT資格のなかでも最上位に難しいと言われているのです。

他資格と比べたCISSPの難易度

CISSPの立ち位置をより具体的にイメージするために、セキュリティ・監査系の主要資格と比較してみましょう。以下の表では、CISSP・IPA資格・ISACA資格それぞれの特徴を整理しています。

資格名 試験形式 合格基準 認定に必要な実務経験 主な対象者
CISSP CAT方式
100〜150問
/3時間
700/1000点以上 5年以上
(2ドメイン以上)※1
セキュリティマネージャー
CISO
情報処理安全確保支援士 多肢選択+記述式
/午前・午後
各科目
60/100点以上
不要 セキュリティエンジニア
システム監査技術者 多肢選択+記述+論述 各科目
60/100点以上
不要 IT監査人
コンサルタント
CISA 150問
/4時間
450/800点以上 5年以上
(情報システム監査など) ※2
情報システム監査人
CISM 150問
/4時間
450/800点以上 5年以上
(情報セキュリティ管理) ※2
セキュリティ管理責任者

※1 学位や指定資格の保有で1年短縮可。経験不足でも受験は可能で、合格後にアソシエイト(準会員)として登録できる
※2 学位等により最大3年の代替・免除あり。受験自体に実務経験は不要

CISSPが他の資格と一線を画す点は、合格ラインが70%と比較的高いことに加え、8ドメインにわたる広範な知識が求められることです。

CISAやCISMは特定の専門分野に特化した資格ですが、CISSPはそれらを包括するセキュリティのゼネラリストとして最上位という位置づけになります。

IPA資格との違いでいえば、支援士が技術的な深さを重視するのに対し、CISSPはリスクマネジメントを含むマネジメント視点の広さと国際的な通用性に強みがあります。

技術者としての専門性を深めたいならIPA資格、マネジメントや経営層との対話力を含めたキャリアアップを目指すならCISSPが有力な選択肢になるでしょう。

他資格と比べたCISSPの難易度

 

CISSPの難易度が高い理由

CISSPの難易度が高いとされる主な理由は、以下の3点です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

出題範囲が広く、高度な知識とスキルが求められるから

CISSPは、8ドメインすべてを横断的に理解する必要があります。そのため、各ドメインの学習範囲は広く深く、すべてを網羅するには相当な学習量が求められます。

出題内容も、ネットワークや暗号、アクセス制御といった技術領域にとどまりません。リスク管理やセキュリティガバナンス、法令・コンプライアンスなど、実務で関わる可能性のある幅広いテーマが含まれます。

特定分野に強みがあるだけでは対応しきれず、苦手分野を作らずにバランスよく学ぶ必要がある点が、CISSPの難しさの一つです。各ドメインについては後述の▼出題範囲は「8ドメイン」をご確認ください。

試験合格だけではなく、厳格な認定条件があるから

CISSPは試験に合格するだけでは正式に認定されません。正式な資格保有者として認められるには、所定の実務経験や推薦手続きなど、ISC²が定める条件を満たす必要があります。

特に大きなハードルとなるのが、2ドメイン以上で5年以上の実務経験です。知識を問う試験に受かるだけでなく、実務での経験もあわせて求められるため、ほかの資格と比べても認定までのハードルが高いといえます。

そのため、資格取得を目指す際には、試験対策だけでなく、認定要件まで含めて計画的に準備を進めることが重要です。条件の詳細については後述の▼認定には「2ドメインにおける5年以上の実務経験」が必要で解説します。

経営者視点やマネジメント視点での判断が求められるから

技術者出身の方が戸惑いやすい点として、経営者・マネジメント層の視点への切り替えがあります。。CISSPでは、単に技術的に正しい選択肢を選ぶのではなく、組織全体のリスクや事業への影響を踏まえて、最も合理的な判断をする力が求められます。

例えば、「自社のネットワークのセキュリティ対策を強化したい」という場面でも、技術者とCISSP取得者に求められる判断・視点は異なります。技術者は最適な技術的対策に注目しがちですが、CISSPではコスト、運用負荷、事業継続性、優先順位といった観点も含めて判断することが重視されます。

視点回答の方向性
技術者としての判断「最新のファイアウォールを導入する」
CISSPが求める判断「まずリスクアセスメントを実施し、費用対効果を評価したうえで対策を決定する」

CISSPでは技術的に正しい選択肢よりも、組織全体のリスクマネジメントの観点から最も合理的な判断が問われます。現場経験が豊富なエンジニアほど技術的な正解に引っ張られやすい傾向があります。そのため、この思考の転換を試験の壁の一つとして挙げています。

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作成者: Security Study Note(Security, 情報セキュリティ)

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CISSPの試験概要

CISSPの受験を検討するうえで、まず試験の全体像を押さえておきましょう。以下が試験概要です。

項目内容
主催団体ISC2
試験形式コンピュータベース試験(CAT方式)
試験時間最大3時間
問題数100~150問(多肢選択式)
合格基準1000点満点中700点以上
試験言語英語・日本語併記
試験会場ピアソンVUEテストセンター(東京・大阪)
受験料749米ドル

CAT(Computerized Adaptive Testing)方式とは、受験者の能力に応じた問題をコンピュータが選んで出題する仕組みです。そのため問題数は受験者ごとに異なり、最短100問で合否が判定されることもあります。

受験料は749米ドル(日本円で約11万円※2026年3月時点)と高額なため、十分な対策を行ったうえで臨むことをおすすめします。

出題範囲は「8ドメイン」

CISSPの出題範囲は、セキュリティの専門知識を8つの分野に体系化した「8ドメイン」と呼ばれる領域で構成されています。

ドメイン 内容の例
セキュリティとリスクマネジメント セキュリティポリシー、法規制、リスク評価
資産のセキュリティ データ分類、プライバシー保護、所有権管理
セキュリティアーキテクチャとエンジニアリング 暗号化、セキュリティモデル、物理セキュリティ
通信とネットワークセキュリティ ネットワーク設計、通信プロトコル、攻撃手法
アイデンティティおよびアクセス管理 認証・認可、ID管理、アクセス制御モデル
セキュリティの評価とテスト 脆弱性診断、ペネトレーションテスト、監査
セキュリティの運用 インシデント対応、ログ管理、BCP/DR
ソフトウェア開発セキュリティ セキュアコーディング、SDLC、アプリケーション脆弱性

試験ではこの8ドメインすべてから出題されるため、特定の分野だけに強くても合格は難しい構造になっています。各ドメインの出題比率には偏りがあるものの、苦手分野を作らずバランスよく学習することが合格へのカギです。

認定には「2ドメインにおける5年以上の実務経験」が必要

CISSPは受験自体に実務経験の条件はなく、誰でも試験を受けることができます。ただし、合格後に正式な認定を受けるには、以下の条件すべてを満たさなければなりません。

条件内容
実務経験の証明8ドメイン中2つ以上で5年以上の業務経験を事実として証明する
推薦状の取得CISSP認定保持者から推薦を受ける
倫理コードへの合意ISC2が定める職業倫理規定を遵守することに同意する
実務経験監査無作為に実施される監査に合格する

より詳しく知りたい方は「ISC2日本語版サイト-認定要件」をご確認ください。

なお、実務経験については以下のように短縮・代替の手段も用意されています。

パターン 必要な実務経験 条件
原則 5年以上 8ドメイン中2つ以上でのフルタイム経験
短縮 4年以上 コンピュータサイエンス等の学士・修士号、またはISC2指定資格(CISM、CISA、CompTIA Security+など)を保有
経験不足の場合 合格時点では不要 「Associate of ISC2」として登録し、6年以内に必要な経験を積む

経験がまだ足りない段階でも、まず試験に合格しておくという戦略は十分現実的です。管理職を目指す過程で実務経験を重ねながら、並行して認定取得を進めるキャリアプランも選択できます。

CISSPを取得するメリット

難易度の高いCISSPですが、その分、取得後に得られるキャリア上のリターンも大きい資格です。ここでは特に重要な3つのメリットを紹介します。

高度なセキュリティ知識を証明できる

CISSPは8ドメインを横断する体系的な知識と5年以上の実務経験の両方が認定条件となっています。つまり、資格を持っているだけで「広い知識がある」「現場で実践してきた」という2つの専門性を同時に対外的に示せる点が、この資格ならではの強みです。

外資系・グローバル企業で評価される

CISSPは世界170か国以上で認知されており、大手グローバル企業の中にはセキュリティ部門の人材にCISSP取得を必須としているケースもあります

外資系企業への転職や海外拠点との連携が求められるプロジェクトへの参画を視野に入れるなら、他の候補者との差別化につながる国際資格として有力な選択肢です。

昇格・給与アップの可能性が高い

国内の求人データでは、CISSP保有者の年収レンジは800万〜1,200万円がボリュームゾーンとされ、CISO候補など上位の役職ではさらに高い水準が提示されることもあります。

企業によっては資格手当や報奨金の制度も設けられており、管理職への昇格を目指す方にとっては、評価と給与の両面でキャリアを後押しする資格です。

他にもキャリアアップのための資格取得を検討している方は、以下の記事もぜひご覧ください。

一年の計は元旦にあり!Udemyで2025年に学びたいこと、挑戦したい資格、新しいスキルを見つけよう

 

CISSPの学習におすすめの教材・サービス

CISSPは出題範囲が広いため、効率的な教材選びが重要です。ここでは、受験者に活用されている主な学習リソースを4つ紹介します。

ISC2メンバーシップの活用

ISC2のメンバーになると、学習資料やウェビナー、勉強会といった専門的な教材にアクセスでき、試験対策だけでなくセキュリティ分野の最新情報も入手できます。

また、世界中のセキュリティ専門家とつながる機会が得られる点も、長期的なキャリア形成において大きなメリットです。

さらに、資格取得後に必要となる継続教育(CPE)クレジットの管理もメンバーダッシュボード上で一元的に行えるため、資格維持の負担を軽減できます。

公式CBKトレーニング

ISC2が提供する公式CBK(Common Body of Knowledge)トレーニングは、8ドメインの知識を体系的に学べる5日間の集中プログラムです。ISC2認定の講師が日本語で講義を行うため、英語に不安がある方でも安心して受講できます。

オンラインライブ配信と録画配信の両方に対応しており、受講後も180日間は復習用にアクセスが可能です。費用は約45万円前後と高額ですが、企業の研修予算が利用できるケースもあるため、所属先の制度を確認してみる価値はあるでしょう。

公式問題集

ISC2公式の「CISSP公式問題集」は、本番の試験形式に沿った1,300問以上の練習問題が収録されており、ドメインごとの弱点分析に活用できます。

各問題に正答と解説が付いているため、単に答え合わせをするだけでなく、なぜその選択肢が正しいのかという考え方の理解にもつながるでしょう。

なお、日本語版(電子書籍のみ)も販売されていますが、最新の試験内容に対応した英語最新版の利用が推奨されています。独学で合格を目指す方にとっては、最も費用対効果の高い教材のひとつです。

Udemyの動画学習コンテンツ

Udemyでは、CISSPの各ドメインに対応した動画学習コンテンツを多数提供しており、日本語で受講できるコースも用意されています。

自宅やスマートフォンから好きなタイミングで視聴でき、わからない箇所は何度でも見直せるため、限られた学習時間を有効に使いたい方におすすめです。

セクションごとの理解度チェック機能がついたコースもあり、自分の弱点を把握しながら学習を進められます。公式教材と組み合わせることで、すき間時間を活用した効率的な試験対策が可能です。

 

CISSPの難易度は高いが、キャリア投資として価値が大きい!

CISSPは8ドメインにわたる広範な出題範囲、厳格な認定条件、経営者視点への思考の切り替えが求められることから、IT資格の中でも最上位の難易度に位置づけられています。

しかし、その分だけ取得後のリターンは大きく、セキュリティ人材としての専門性の証明、グローバル企業での評価、昇格・年収アップといった形でキャリアに直結する資格です。

まずは本記事で紹介した試験概要や学習教材を参考に、自身の経験と将来像を照らし合わせながら、CISSP取得に向けた第一歩を踏み出してみてください。

日本語でCISSPの学習を進めたい、動画コンテンツで学びたいという方は、以下の講座がおすすめです。

【日本語】初心者から学べるCISSP講座:CBK Domain 1

レビューの一部をご紹介

評価:★★★★★
コメント:私はこのシリーズのドメイン1~8をまず1周、不得意な1~3をもう1周さらに各ドメイン別問題のコースをドメイン1~3そしてLatest CISSP Practice Tests 700 In-Depth Q/As & Explanationsあとは公式問題集、これだけでCISSP合格しました

評価:★★★★★
基本的な内容理解に非常に役立ちました。これ以降の研修を進める事前準備ができたと感じています。

CISSPを取得してキャリアアップを目指しましょう!