AIエンジニアとはどんな職業?仕事内容や必要スキル、資格をくわしく解説!

近年、ビックデータの活用や技術革新により、AI開発に取り組む企業が国内外で増加し、AIエンジニアへの需要が高まっています。この記事では、AIエンジニアの仕事内容や将来性、必要なスキルやおすすめの資格などを紹介します。

公開日: 2021年9月27日

監修
Udemy講師 |

専門領域:人工知能(AI) / 生成AI / ディープラーニング / 機械学習

我妻 幸長 Yukinaga Azuma

「ヒトとAIの共生」がミッションの会社、SAI-Lab株式会社の代表取締役。AIの教育/研究/アート。東北大学大学院理学研究科、物理学専攻修了。博士(理学)。法政大学デザイン工学部兼任講師。オンライン教育プラットフォームUdemyで、十数万人にAIを教える人気講師。複数の有名企業でAI技術を指導。「AGI福岡」「自由研究室 AIRS-Lab」を主宰。著書に、「はじめてのディープラーニング」「はじめてのディープラーニング2」(SBクリエイティブ)、「Pythonで動かして学ぶ!あたらしい数学の教科書」「あたらしい脳科学と人工知能の教科書」「Google Colaboratoryで学ぶ! あたらしい人工知能技術の教科書」「PyTorchで作る!深層学習モデル・AI アプリ開発入門」「BERT実践入門」「生成AIプロンプトエンジニアリング入門」(翔泳社)。共著に「No.1スクール講師陣による 世界一受けたいiPhoneアプリ開発の授業」(技術評論社)。

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AIエンジニアとは?将来性や年収はどれくらい?

AIエンジニアとは、AI(人工知能)の開発やデータ分析を行う技術者です。

わかりやすくいうと、大量のデータ(ビッグデータ)をAIに与えて処理をさせることで、AIを教育するのが仕事です。人間と同じ学習をAIが行うことを「機械学習」といい、AIエンジニアは、AIが機械学習を効率的にできるような設計を行います。

たとえば、お掃除ロボットもAIのひとつです。間取りや家具の場所など、部屋のデータを収集し、効率的なルートで掃除できるよう日々学習しています。ほかにも、自動車の自動運転や顔認証システム、検索エンジン最適化など、AI技術は既に暮らしに欠かせない存在となってきています。

スマートフォンでお掃除ロボットを操作する様子

AIエンジニアの具体的な仕事内容は、主にAIの開発・実装を行うプログラミング分野と、データの分析を行うアナリティクス分野の2つに分けられます。一口に「AIエンジニア」といっても、専門の分野によって、役割や肩書きは変わります。

それぞれの仕事内容については後述しますので、まずは、AIエンジニアが必要とされる背景についてご紹介しましょう。

AIエンジニアが必要とされる背景と将来性

AI活用のニーズ増加に伴い、大企業を筆頭に、AI開発を行う企業が大幅に増加しています。情報処理推進機構(IPA)「IT人材白書2019」によると、規模が1,001名以上の企業においては、61.5%がAI技術を活用したサービスの開発や提供を行っています。

このように、全般的な労働人口の減少だけではなく、AI開発に取り組む企業の増加により、AIエンジニアへの需要は将来的にも高まる一方です。AIの領域は専門性が高く、従来のITエンジニアよりも高度な技術や知識が求められるため、将来性があり給与面などでも優遇が見込めます。

AIエンジニアの年収

AIエンジニアの年収は、日本と海外、また同じ日本においても、会社やビジネスの規模によって大きく異なります。

2019年に、IT系人材会社が数十万件の求人データを可視化した調査によると、AIエンジニアの求人票における提示年収(「○万円〜○万円」という箇所)の平均は、495.6万円〜914.3万円となっています。

提示年収の上限と下限で開きがあるのは、大企業であるほど、提示年収が高くなる傾向があるからです。また、2016年の国内求人に関する別の調査では、AI人材の平均年収は約651万円という結果が出ています。

一方、海外では、技術や専門性が高い人材には、日本よりも高額な給料を支払う傾向にあります。特に、アメリカの大手IT企業はAI人材の採用に熱心です。大学で博士号を取ったばかり、または学歴がなく実務経験も数年程度の人材であっても、AIの専門知識とスキルがあれば、年収30〜50万ドル(日本円で約3,300〜5,500万円)以上も珍しくありません。語学力を磨いて、海外での就職を考えてみるのもよいでしょう。

 

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AIエンジニアの仕事内容をご紹介!

AIエンジニアの主な仕事内容は、アルゴリズムや学習モデルの開発、アルゴリズムの実験や検証、データ分析、AI分野の研究や論文のリサーチなどです。

前述したように、

  • ①AI開発(プログラミング分野)
  • ②データ分折(アナリティクス分野)

の大きく2つに分けられます。さらに、①・②の仕事内容を担当する割合によって、AIエンジニアの役割は、以下の3つに分けられます。

  • 機械学習エンジニア:①を担当
  • データサイエンティスト:①・②を担当
  • データアナリスト:②を担当

ここからは、それぞれの役割について詳しく解説します。

機械学習エンジニア

機械学習エンジニアは、AIにおける機械学習の開発・実装といったプログラミング分野を担当します。機械学習とは、AIがデータから学習し、自らアルゴリズム等を組み立てられるようにする技術です。

機械学習エンジニアは、AIがデータを学習し、収集したデータを解析できるようなプログラムを組みます。アルゴリズムを使ってシステム開発やプログラムの実装を行うため、高度なプログラミング技術が必要です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、収集・分折されたデータをもとに、商品・サービスを実現するプロジェクトにおいて、どのように課題を解決するかを考えます。

仕事内容は、プログラミング分野とアナリティクス分野、両方の領域にまたがります。データ分折にはプログラミング能力やAI・数学の知識が、課題解決にはコンサルティング能力が必要です。

デバイスを用いてデータ分析を行う様子

データアナリスト

データアナリストは、ビッグデータの分析といったアナリティクス分野を担当します。データサイエンティストよりも、データ分折に特化しているのが特徴です。商品・サービスといったプロジェクトの目的に対して、AI技術を用い、分折したデータから相関関係やパターンを導いて仮設を立てます。大量のデータを扱うため、数学的な知識や分折能力が必要です。

 

AIエンジニアになるために必要な知識・スキル

AIエンジニアになるためには、次の知識やスキルが必要です。

数学の知識

機械学習において、ビッグデータの分析やアルゴリズムの理解には、数学の知識、具体的には統計学や確率論、微分積分や線形代数などの知識が必要です。ビッグデータを分折するなかで、データに共通する自然なパターンを見つけ出す、数学的な思考力が求められます。

プログラミングスキル

AI開発やデータ分折には、プログラミングについての知識やスキルが必要となります。特に、AI開発に最も用いられているプログラミング言語「Python(パイソン)」は、機械学習のライブラリでよく使われていることから、習得は最低限の条件です。その他、CやC++、Javaなども、案件によっては使われることがあります。

また、AI開発では、既存のライブラリやフレームワークの活用によって、時間や労力を省くのがカギとなってきます。Pythonは、機械学習やディープラーニングに関するライブラリ等がオープンソースで多く公開されているのも、選ばれている理由のひとつです。

Pythonについて、詳しくは「Pythonでできることは?機械学習から業務効率化まで初心者向けに解説」をご覧ください。

機械学習・ディープラーニングについての知識

AIエンジニアには、機械学習と、その発展形であるディープラーニング(深層学習)についての知識や技術が求められます。2021年現在では、ディープラーニングの活用が多いですが、要件によっては機械学習のほうが適しているケースもあるため、両方を理解し使い分けられることが必要です。

ロボットを開発しているサラリーマン

AIエンジニアに向いている人物像

AIエンジニアには前述した知識やスキルが必要ですが、それに加えて、向いている性格もあります。

まず、機械学習で大量のデータを扱うことから、データに基づいて論理的な思考ができる人が向いているといえます。加えて、技術の進化が著しい業界であるため、好奇心や学習能力が必要です。さらに、企業でもまだまだAI人材は少ないことから、担当が自分だけでも、問題を解決できる能力や意欲があったほうがよいでしょう。

 

AIエンジニアになるために役立つ資格・試験

AIエンジニアになるにあたって、取得必須な資格や試験はありません。ですが、資格を取得すると企業へのアピールになったり、取得に際して得た知識が、働き始めてから有利に働いたりといったメリットがあります。

ここからは、AIエンジニアになりたい方におすすめの資格をご紹介します。

G(ジェネラリスト)検定

ディープラーニングの基礎知識や、ビジネスに活用できる能力や知識を認定する資格です。

G検定について詳しく知りたい場合は、「 G検定(ジェネラリスト検定)とは?概要から試験対策まで 」をご覧ください。

E(エンジニア)資格

ディープラーニング理論の理解や、エンジニアとしての実装能力・知識を認定する資格です。G検定の次のステップと位置づけられ、専門性を持つAIエンジニアであることを認定します。

E資格について詳しく知りたい場合は、「 E資格とは?難易度や試験対策、おすすめ認定講座&参考書を紹介 」をご覧ください。

データ分析を投影している様子

Python3エンジニア認定試験

Pythonエンジニア育成推進協会(一般社団法人)が実施する民間資格で、Pythonにおける基礎的な文法の理解を認定する資格です。

Python3エンジニア認定試験について詳しく知りたい場合は、「 Pythonの資格「Python 3 エンジニア認定試験」はどんな資格?海外の資格も紹介! 」をご覧ください。

 

AIエンジニアの需要は高まる一方

AIは、お掃除ロボットなど既に暮らしに溶け込んでいる技術も多く、AI開発とAIエンジニアへのニーズは高まるばかりです。AIエンジニアの仕事内容は、AI開発やデータ分折であり、プログラミング能力やコンサルティング能力、数学や機械学習などの知識が必要とされます。

将来性が高いAIエンジニアになるには、資格は必須ではありません。しかし、資格を取ることで、知識や意欲を企業にアピールできます。Udemyの講座を利用して、自宅にいながらAI関連のスキルアップをしてみてはいかがでしょうか。

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作成者: 我妻 幸長 Yukinaga Azuma(人工知能(AI) / 生成AI / ディープラーニング / 機械学習)
Yuki Kashiwada(Python、データサイエンス、機械学習、深層学習)

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講座でデータサイエンティスト、機械学習エンジニアの役割、学習方法等を学び、本職の中でデータサイエンティスト、機械学習エンジニアの業務の要素をどのように取り入れ、活かしていくか参考になりました。

評価:★★★★★
概要レベルからわかりやすくなっていて、聞きやすかったです。簡単にリンク先の記事についても触れているので、後で調べて見返す際にもいいのかなと思いました。