ISMS認証とは?Pマークとの違いやメリット、取得の流れを解説

ISMS認証とは?Pマークとの違いやメリット、取得の流れを解説

ISMS認証について見聞きしたことがあるものの、

・具体的にどのような認証制度か分からない…。
・取得するメリット、デメリットが分からない…。

という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、

・ISMS認証の内容やPマークとの違い
・ISMS認証を取得する流れ、期間や費用の目安

についてご紹介します。

ISMS認証(ISO27001)とは

ISMSは「Information Security Management System」の頭文字をとった略称で、情報セキュリティを管理する仕組みのことです。情報の機密性、完全性、可用性という3つの要素をバランスよくマネジメントし、組織において情報を有効に活用するための枠組みを指します。

ISMS認証は、情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格であるISO27001に基づいて審査される認証です。情報セキュリティに関する要件を満たしていると第三者機関によって判断されることで、ISMS認証が取得できます。

「機密性」「完全性」「可用性」の3要素を審査

ISMS認証における情報セキュリティの定義は、情報の機密性、完全性及び可用性を維持することです。

「機密性」とは、権限が認められていない人に対して組織が保有する情報を簡単に開示しないことを指します。「完全性」とは、取り扱う情報の正確さや完全さを意味する言葉です。「可用性」とは、情報の利用を認められた人が、必要に応じていつでもアクセスしたり、利用したりできることを表します。

これらの3要素についての審査をクリアすることが、ISMS認証の取得に必要です。

Pマークとの違い

ISMS認証とPマーク(プライバシーマーク)は、いずれも情報セキュリティに関する認証であるものの、目的に違いがあります。

ISMS認証では、企業が情報を管理するための仕組みや運用体制の構築が目的です。一方、Pマークは個人情報を適切に管理できているか否かを審査し、個人情報を保護することが目的となっています。

BtoC事業を行う企業ではPマーク、BtoB事業を行う企業ではISMS認証を取得することが一般的です。

ISMS認証の取得企業数

一般社団法人情報マネジメントシステム認定センターの発表によると、ISMS認証を取得した企業の数は2002年時点で約140件、2019年時点で約6,000件、2023年には約7,000件と増加しています。取得企業数が増えていることから、情報セキュリティマネジメントシステムへのニーズは高まっていると考えられます。

ISMS認証の取得企業数

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ISMS認証を取得するメリット

ISMS認証を取得すると、信頼性の向上やセキュリティリスクの低減などのメリットが得られます。ISMS認証を取得する主なメリットは次の通りです。

顧客や取引先からの信頼を獲得できる

顧客や取引先に対して、情報セキュリティに関する要件を満たしていることをアピールでき、信頼が得られます。第三者からの客観的に評価されていることを証明し、安心して取引ができる企業だと認識してもらうことが可能です。

ただし、ISMS認証はあくまでも「認証」であり、必ずしも情報セキュリティ対策が完全であることの担保にはならない点には注意する必要があります。

入札できる案件が増える

行政機関から仕事を請け負うための入札条件に、ISMS認証の取得が含まれる場合があります。官公庁や自治体といった行政機関からの仕事など、入札できる案件の幅を広げられることがISMS認証を取得するメリットです。入札できる案件が増えれば、事業拡大や売上向上につながる可能性があります。

セキュリティへの意識が高まる

ISMS認証を取得するためには、組織における情報セキュリティの方針を決めたり、従業員への教育を行ったりする取り組みが必要です。そのため、ISMS認証を取得することで、組織内でのセキュリティに対する意識が高まります。結果として、セキュリティリスクを低減しやすくなることが、ISMS認証取得のメリットです。

ISMS認証を取得するデメリット

ISMS認証にはメリットだけでなく、デメリットもあるため、取得する前に把握しておくことが大切です。

ここでは、ISMS認証を取得するデメリットを紹介します。

毎年審査の費用がかかる

ISMS認証の取得には、一定額の費用がかかります。評価する審査会社や、認証を取得する企業の規模によって異なるものの、一般的に数十万円以上のコスト負担が必要です。

また、ISMS認証取得後の継続審査を受けるためのランニングコストもかかります。認証取得時にコンサルタントのサポートを利用する場合には、コンサルティング費用も別途必要です。

毎年審査の費用がかかる

業務の負荷が大きくなる

従業員の業務負荷が大きくなることも、ISMS認証取得のデメリットとして挙げられます。ISMS認証を取得するために対応すべき管理策は93個あり、マニュアルや記録文書などの作成が必須です。ISMS認証で求められる要件をクリアするために、従業員のリソースが圧迫されてしまう可能性があります。

ISMS認証取得の流れ

ISMS認証を取得するまでの流れは次の通りです。

ISMS認証取得の流れ

ここでは、ISMS認証取得までの各ステップについて解説します。

適用範囲の決定

ISMS認証は、企業全体で取得する以外に、企業内の特定の部門や組織で取得することも可能です。そのため、まずは事業内容や情報資産に合わせて、ISMS認証の適用範囲を適切に設定する必要があります。従業員数や事業内容などの条件によっては、特定の部署のみ取得を目指す方針が有効です。

方針の策定・マニュアル化

自社の現状をふまえて、情報セキュリティに対する方針を決めます。ISMS認証取得に必要な要求事項を満たすように策定することがポイントです。

基本的な方針が決まったら、従業員がやるべきことを理解できるように、実施手順を明確にしたマニュアルを作成しましょう。

リスクの洗い出し

社内の情報資産について、情報漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクを洗い出します。この手順はリスクアセスメントと呼ばれ、リスクに対する具体的な施策を行うために重要です。

リスクアセスメントを実施する際は、情報資産管理台帳を作成し、想定されるリスクごとに具体的な対応策を講じます。

マネジメントシステムの運用

作成したマニュアルや規定に従って、情報セキュリティマネジメントシステムの運用を実際に開始しましょう。担当者の割り振りや内部監査、従業員への情報セキュリティ教育も同時に進めます。

マネジメントシステムの運用

認証機関の選択

ISMS認証の審査を行っている認証機関の数は、2024年1月8日時点で27件です。認証機関によって審査にかかる費用が異なるため、事前に見積もりを取り比較検討した上で、依頼する認証機関を決定しましょう。

認証機関による審査・認証の取得

ISMS認証の審査は2段階で行われます。第1段階は文書審査、第2段階は情報セキュリティの状況についての現地審査です。認証機関による審査を通過し、運用体制に問題がないと認められると、ISMS認証を取得できます。

ISMS認証を一度取得したあと、維持するためには毎年審査を受ける必要があります。そのため、継続的に管理体制を構築していくことが重要です。

ISMS認証取得にかかる期間や費用の目安

ISMS認証取得にかかる期間の目安は、6か月から12か月程度です。費用の目安は認証を依頼する依頼する企業や組織の規模などによって異なり、数十万円から数百万円と幅があります。

ISMS認証の取得後は、定期的な維持審査や更新審査などが必要です。取得時だけでなく、取得後に継続して発生するランニングコストについても考慮した上で、取得を検討することが大切です。

ISMS認証取得にかかる期間や費用の目安

ISMS認証を取得し情報セキュリティの強化を目指そう!

ISMS認証は、情報セキュリティを管理するための仕組みで、取得によって信頼性の向上やセキュリティリスク低減などのメリットが得られます。

Pマークが顧客情報の保護を目的としていることに対して、ISMS認証は組織における情報セキュリティ体制(情報セキュリティマネジメント)の構築を目的としている点が主な違いです。

まずは、情報セキュリティマネジメントついて理解し、ISMS認証の取得に向けた準備を計画的に進めましょう!

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ISMS認証や情報セキュリティマネジメントの理解を深めて情報セキュリティの強化を目指しましょう!