CompTIAとは?資格の内容や取得のメリットを徹底解説

IT資格を取りたくて調べていたらCompTIAという資格を見つけたけれど、

・CompTIAがどんな資格なのか分からない…。
・CompTIAのどの試験を受けたらいいのか分からない…。

こんな悩みや疑問はありませんでしょうか?そこで今回は、

・CompTIAの概要と資格取得のメリット
・CompTIA資格取得後の注意点

をご紹介します。

 

公開日:2023年10月2日

CompTIAとは|概要

CompTIAは「The Computing Technology Industry Association」の頭文字を取った造語で、日本語ではコンピューティング技術産業協会と訳されます。IT規格の標準化を提言するために設立されました。ここからは、資格の概要やCompTIA認定資格を取得するメリットについてご紹介します。

CompTIA認定資格試験概要

もともとCompTIA(コンプティア)は、ITベンダーとパートナー企業がオープンな対話を行うために集う場としてシカゴで設立されました。

1990年代、コンピュータが爆発的に普及する中、業界各社が独自の技術開発を進めていては非効率だと判断したCompTIAは、それまでのノウハウを活かし業界の基準となる技術やスキルを資格化しました。これにより、客観的に応用力や実践力を評価できるようになりました。

オンラインで行われるCompTIA認定資格試験は「CORE」「INFRASTRUCTURE」「CYBERSECURITY」「DATA AND ANALYTICS」「ADDITIONAL PROFESSIONAL」の5つのキャリアパスに分類されます。

CompTIA認定資格のメリット

CompTIA認定資格は、世界基準のIT知識を得ることでグローバルビジネスにおいても通用する人材になれるというのが大きなメリットです。実践に即したカリキュラムの中でスキルを磨くことになるため、即戦力として自分をアピールすることにもつながるでしょう。

試験問題の作成には各分野の最先端で活躍するプロフェッショナルが携わり、時代に即した内容となっているため、カリキュラムをこなす内に自然と最先端の情報とスキルを身に付けられるのも魅力の1つといえるでしょう。

CompTIAの認定資格は、下記のキャリアパスに分類されます。

  • CORE
  • INFRASTRUCTURE
  • CYBERSECURITY
  • DATA AND ANALYTICS
  • ADDITIONAL PROFESSIONAL

また、資格取得においては下記のキャリアパスが推奨されています。

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出典元:CompTIA公式サイト

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CORE:ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、セキュリティ関連資格

ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、セキュリティなど基本的なITリテラシーに関するスキルを評価するための資格で「CompTIA IT Fundamentals」「CompTIA A+」「CompTIA Network+」「 CompTIA Security+ 」の4つがあります。

CompTIA IT Fundamentals

コンピューティング、ITインフラストラクチャー、ソフト開発など基本的な知識とスキルが評価されます。未設定のパソコンを受け取り、仕事ができる状態まで整えられるレベルと考えるとイメージしやすいでしょう。それに付随して、実務でトラブルが生じた際には管理者やエンジニアに的確に状況を伝え、迅速にトラブルシューティングを依頼できる能力も求められます。

資格を取るメリットITリテラシーの基礎を学べる
有効期限がなく、永久的に資格を保持できる
対象者学生
マーケティングスペシャリスト
カスタマーサポート
セールスアソシエイト
これからIT分野への就職/転職を目指す方
難易度CompTIA認定資格試験の中で最も低難度
試験費用一般価格:10,817円(税込)
メンバー価格:¥8,928(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA A+

OSやソフトウェア、周辺機器に関する操作・運用スキルを評価する認定資格で、他の資格に比べるとより幅広い知識が求められます。管理者向けの資格ですが、取得しておけば自宅環境のトラブルシューティングにも活用できます。

資格を取るメリット需要の高いITサポート職種に求められるスキルが身につく
最低12ヶ月分の実務経験に相当するスキルとして認められる
有効期限がなく永久的に資格を保持できる
対象者IT分野への転職を目指す方
テクニカルサポートエンジニア
フィールドサポートエンジニア
IT管理者
難易度初めてIT系資格を取得する人にもおすすめ
試験費用一般価格:31,787円(税込)※1試験分
メンバー価格:25,485円(税込) ※1試験分
(2023年9月時点)

 

CompTIA Network+

実務上必要不可欠とされるネットワークのプロともいえる存在で、企業や団体内で利用されるネットワークをセキュアに接続、維持することに加え、トラブルシューティングまで担えるようになります。自社のネットワーク技術者を育成するために、世界中の企業が取り入れています。

資格を取るメリット 最新のネットワーク管理スキルを習得可能
他ネットワーク系資格のファーストステップとして有効
対象者ネットワークエンジニア
フィールドエンジニア
ISコンサルタント
難易度 初〜中級
試験費用 一般価格:46,284円(税込)
メンバー価格:37,128円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA Security+

セキュリティに特化した国際認定資格で、取得できればネットワークセキュリティ、暗号化、ネットワーク設計、物理セキュリティなど、セキュリティ関連業務を2年間経験したレベルのスキルに相当すると評価されます。セキュリティ分野におけるエンジニアには必須とされている資格です。

資格を取るメリット サイバーセキュリティに関するスキルを証明できる
セキュリティに関する知識を一通り身に付けられる
対象者セキュリティスペシャリスト
セキュリティコンサルタント
セキュリティエンジニア
難易度 中〜上級
試験費用 一般価格:50,672円(税込)
メンバー価格:40,644円(税込)
(2023年9月時点)

 

INFRASTRUCTURE : クラウド、サーバ、インフラ関連資格

クラウドやサーバといったインフラ関連のスキルを磨きたい人におすすめの認定資格で、「CompTIA Cloud+」「CompTIA Linux+」「CompTIA Sever+」の3種類があります。

 

CompTIA Cloud+

クラウドの運用、クラウドサービスの提供など、クラウド環境で業務を実行するITエンジニアに求められる知識やスキルを評価する資格です。ネットワーク、ストレージ、仮想化テクノロジなどクラウドテクノロジーを実装、維持、提供するための知識が問われます。

資格を取るメリット クラウド設計、構築、管理、運用まで一連のスキルが身につく CompTIA Security+と合わせて取得すると幅広い分野で重宝される
対象者 クラウドエンジニア
システム管理者
ネットワークエンジニア
データセンターエンジニア
難易度 経験者:初~中級/未経験者:中級~
試験費用 一般価格:46,284円(税込)
メンバー価格:37,128円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA Linux+

Linux OS上で稼働するサーバーの設定から監視、サポートまでを行うITプロフェッショナルとしての実務能力を評価するための資格です。特定のベンダーに偏らないベンダーニュートラルのLinux認定資格であり、インフラ構築などに関心がある人はぜひ習得しておきたいスキルです。

資格を取るメリット パートナーシップによりCompTIA Linux+の取得でLPIC-1も同時に取得できる
対象者 Linuxシステム管理者
ネットワーク管理者
テクニカルサポート
難易度 経験者:初級/未経験者:中級
試験費用 一般価格:46,284円(税込)
メンバー価格:37,128円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA Server+

サーバーの構築から管理・運用はもちろん、物理セキュリティやソフトウェアセキュリティにおける理解と実装、トラブルシューティングなどについてのスキルを評価する試験です。

取得することでデータセンターやオンプレミス/ハイブリッド環境のサーバー管理など、Linuxシステムの設計・構築、セキュアな運用・保守など、運用上で必須とされる能力を証明できる認定資格です。

資格を取るメリット すぐに実務に汎用できる 採用条件とする企業も多く就職や転職に有利となる
対象者 サーバー管理者
ストレージ管理者
サーバーサポートエンジニア
クラウドエンジニア
難易度 中級(CompTIA)
試験費用 一般価格:46,284円(税込)
メンバー価格:37,128円(税込)
(2023年9月時点)

 

CYBERSECURITY :セキュリティ関連資格

「SECURITY」とあるように、セキュリティ系に関心がある、もしくはすでにセキュリティ関連の業務に携わっている人に向けた資格で、「CASP+」「CompTIA CySA+」「CompTIA PenTest+」に分類されます。

 

CASP+

資格を取るメリット CASP+は非常に権威性が高く、セキュリティエンジニアのプロフェッショナルとして評価される
対象者 ISプロフェッショナル
情報セキュリティアナリスト
セキュリティアーキテクト
難易度 中〜上級(実務経験が問われる)
試験費用 一般価格:63,839円(税込)
メンバー価格:51,079円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA CySA+

ITセキュリティにおける分析やセキュリティ全体を改善するために必須とされるスキルの有無を評価する認定資格です。取得することで、企業や団体におけるインフラやデータのセキュリティを維持するために必要となる脅威検出/脅威分析のツールを使用、分析、監視する能力が認められます。

資格を取るメリット セキュリティ能力を可視化できる
セキュリティエンジニアの即戦力として活躍できる
対象者 セキュリティアナリスト 脆弱性アナリスト サイバーセキュリティスペシャリスト
難易度 中級~(CompTIA Security+取得者あるいは同等レベルが対象)
試験費用 一般価格:50,672円(税込)
メンバー価格:40,644円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA PenTest+

ペネトレーションテストの手法、脆弱性の特定・報告・管理、万が一攻撃に遭った際にネットワークを回復するために必要となるスキルを有しているか、といった内容が問われます。さまざまなIT環境での攻撃対象領域が想定されているため、幅広い知識と実務経験が必要なサイバーセキュリティプロフェッショナル向けの認定資格です。

資格を取るメリット 多様化・複雑化する攻撃手法に対応できる
IoT時代におけるデバイスの多様化に対応できる
対象者 ペネトレーションテスター ペネトレーションテストアナリスト ネットワークセキュリティ管理者 脆弱性評価アナリスト 脆弱性評価マネージャー 脆弱性管理エンジニア
難易度 中級
試験費用 一般価格:50,672円(税込)
メンバー価格:23,770円(税込)
(2023年9月時点)

 

DATA AND ANALYTICS:データ分析関連資格

データ分析に関連するスキルを磨きたい人には「CompTIA Data+」がおすすめです。

 

CompTIA Data+

データマイニングや統計手法の基本的な理解・適用、データライフサイクル全体を通じたカバナンスと品質基準などのスキルを評価します。データ分析において18〜24カ月程度の実務経験で得られる知識やスキルを目安に設計された、データアナリスト向けの資格です。

資格を取るメリット データリテラシースキルが可視化できる
対象者 データアナリスト
ビジネスインテリジェンスアナリスト
レポート アナリスト マーケティングアナリスト
難易度 中級
試験費用 一般価格:31,787円(税込)
メンバー価格:25,485円(税込)
(2023年9月時点)

 

ADDITIONAL PROFESSIONAL : マネジメント、インストラクティング、クラウド関連資格

マネジメント、インストラクティング、クラウド関連のスキルが評価される認定資格で、「CompTIA Project+」 「CompTIA CTT+ 」「CompTIA Cloud Essentials+」の3つに分類されます。

 

CompTIA Project+

小規模〜中規模プロジェクトを遂行する上でのリーダーシップ、マネジメント、コミュニケーションなどについて、12ヶ月のマネジメント経験に相当するスキルを評価します。将来的に大規模なプロジェクトのリーダーとして立ちたいと考える人は、スキル育成のために活用できます。

資格を取るメリット 世界基準のマネジメントスキルが身につくため、 転職市場にて価値向上やキャリアアップにつながる
対象者 プロジェクトマネージャー プロジェクトメンバー ビジネス企画 エンジニア
難易度 初~中級
試験費用 一般価格:46,284円(税込)
メンバー価格:37,128円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA CTT+

インストラクター向けの認定資格で、効果的な講習を実現するために必要なスキルの有無を評価します。業界や講義の内容に関わらず、全てのインストラクターに必要なスキルを網羅しています。この資格を取得するには、専門知識を問うコンピュータ・ベースド・テスト(CBT)と、ビデオ撮影によるデモンストレーションを行うパフォーマンス・ベースド・テスト(PBT)の2つに合格しなければなりません。

資格を取るメリットインストラクターとしての信頼性の担保できる
対象者インストラクター
社内講師
難易度中級
試験費用試験費用
一般価格:CBT:46,284円(税込)
一般価格:PBT:49,343円(税込)
メンバー価格:CBT:37,128円(税込)
メンバー価格:PBT:39,435円(税込)
(2023年9月時点)
※CBTは2023年9月31日、PBTは2023年10月30日に提供終了

 

CompTIA Cloud Essentials+

クラウドコンピューティングの意義やクラウド導入によるメリット・デメリットを判断するなど、クラウドに関する基礎的な知識やスキルを身につけられる認定資格です。クラウド関連の業務に就くエンジニア、クラウドを提案する営業の方にもおすすめです。

資格を取るメリットクラウドに対する知見があると評価される
サーバー系の資格と併用することで就職や転職に有利になる
対象者学生
内定者/新入社員
ソリューション営業
ビジネス企画/アナリスト
難易度初級
試験費用一般価格:10,817円(税込)
メンバー価格:8,928円(税込)
(2023年9月時点)

 

CompTIA取得後の注意点

CompTIAが提供する14種類の資格について解説してきました。ここからは、CompTIA認定資格取得後に知っておくべき注意点について解説します。

 

有効期間は3年間

CompTIA認定資格は、実務能力の育成および評価基準として役割を果たす試験であり、獲得した知識やスキルはIT業界の素早い変化に対応するため継続的に更新されることが望ましいとされています。そのため、ほとんどのCompTIA認定資格には3年間の有効期限が設けられています。

資格を維持するためには「CE(継続教育)プログラムの条件を満たす」「上位資格あるいは改定試験に合格する」「承認されたIT認定資格を取得する」これらのいずれかを満たす必要があります。

なお、万が一有効期限が過ぎてしまった場合は失効扱いとなり、更新ができなくなるため注意が必要です。

 

認定の継続教育プログラムCEの条件を満たせばいい

CompTIAでは「資格は維持したいけど再受験は面倒」という方のためにCE(継続教育)プログラムが用意されています。各認定資格には、更新に必要となるCEU (継続教育単位)数が設定されており、その数に応じて対象となるアクティビティを完了させることで資格の更新が可能です。

他にも、関連セミナーへの参加やプレゼンテーションの実施、実務経験などCEUを取得できる方法があるので、自分に合った取得方法で条件を満たしましょう。

 

ベンダーニュートラルなCompTIA認定資格を取得してITのエキスパートに

CompTIA認定資格の概要やメリット、難易度などについて解説しました。CompTIAは、自宅のパソコンのトラブルシューティングから、最先端のITエンジニアスキルまで幅広く身につけられるベンダーニュートラルな資格試験です。

未経験者はもちろん、すでにIT業界で働いているという人にとっても、スキルのアップデートやキャリアアップに非常に有効といえます。

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レビューの一部をご紹介

評価:★★★★★
聞きながらセキュリティを学べるということで、受講しました。各セクション、コンパクトにまとめられていて、理解が進みやすかったです。
各セクションの確認テストで理解度も測れて見直しができるのも良かったです。

評価:★★★★★
聞き流しながら重要なキーワード学ぶことが出来るので続けやすかった

CompTIA認定資格を取得し、現場での即戦力となる応用力や行動プロセスまで含めた総合力を身につけましょう。