ITパスポートの取得を検討している人の中には、普段仕事で忙しく勉強時間の確保が難しい方も少なくありません。そのため、ITパスポートに合格するためには、どのぐらいの勉強時間が必要なのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ITパスポートの試験に合格するために必要な勉強時間や、最短合格を目指すための勉強法を紹介します。ITパスポートを就職活動や実務に役立てたい方はぜひ参考にしてください。
公開日: 2023年3月27日
専門領域:情報セキュリティ、Python、機械学習、MSOffice
RYO IT
基本/応用情報技術者、情報処理安全確保支援士、ITストラテジストを保有。専門は情報セキュリティ。著書に「だれでもわかる&受かる! 情報セキュリティマネジメントやさしいテキスト+頻出問題集」。(SBクリエイティブ)MOS Word,ExcelはExpertレベルを取得。また、Adobeクリエイティブ系ソフトにも精通。
…続きを読むITパスポート試験に合格するのに必要な勉強時間は?
ITパスポート(iパス)は、ITの利活用に必要な基礎知識を問う国家試験です。一般的にITパスポート合格までに必要な勉強時間は、約100~180時間程度といわれています。
ITパスポートに合格すれば、ITに関する基礎的な知識を保持していると証明することができます。ITパスポートは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の実施する情報処理技術者試験のなかで入門レベルにあたる資格です。仕事でITを利用する社会人や、いわゆるIT系企業に就職したい学生におすすめの資格です。
すべての人にとって業務で直接的に役立つ知識が学べるというわけではありませんが、パソコンやIT機器、サービス等を理解しやすくなり、より深い知識を学ぶための基礎となります。
ITパスポートの試験に関する情報は下記の通りです。
ITパスポートの試験概要 | |
試験時間 | 120分間 |
問題数 | 100問 |
出題形式 | 四肢選択式 |
出題分野 |
ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
ITパスポートの試験は、全国にあるテスト会場で受けられます。試験の頻度はテスト会場によって異なりますが、月に数回程度です。
試験方式はテスト会場のコンピューターを使って回答するCBT方式が基本です。また、やむを得ない事情からCBT方式の受験が難しい受験者のために、年2回の筆記試験も実施されています。
ITパスポートは、事前知識の有無で必要な勉強時間が異なるため、知識レベル別に必要な学習時間を解説します。
IT知識ゼロからスタートする場合:約180時間
IT科目を履修したことがない文系の学生やIT企業への就業経験がない初心者がITパスポートの学習をする場合、学習時間の目安は100時間前後です。1日2時間ずつ勉強すれば3ヶ月程度で終わるでしょう。
これまでIT知識に触れる機会が少なかった場合は、まずITパスポートのテキストや参考書に書かれている用語を調べて1から理解するところから始まります。用語などがわからない場合、問題が解けないため、初心者にとってこの点がもっとも時間のかかる学習工程です。
1冊の参考書を通読し、用語を覚えるとともに基本的な考え方を理解したあと、復習を繰り返して記憶に定着させていくことが合格への近道となるでしょう。
IT知識があらかじめある場合:約100~130時間
IT知識があらかじめある人がITパスポートを取得する場合、必要な勉強時間は約100~130時間です。1日2時間の勉強で約1ヶ月から2ヶ月かかる計算になります。
IT知識があらかじめあるとは、下記のような人のことです。
- IT系の社会人
- 情報技術などIT関連の科目を履修した経験がある学生
- すでにITエンジニアとして働いている人
基礎的なIT知識を持っている受験者なら、ITパスポートで出題される分野の一部をスムーズに学習することができます。例えば、情報技術を学ぶ学生ならテクノロジ系の問題は解きやすいでしょう。また、社会人経験があればストラテジ系やマネジメント系の問題が解きやすくなります。
このような場合は、苦手分野を優先的に勉強し、短時間での合格を目指すことができます。
ただし、得意分野の知識についても全く勉強せずに合格することは難しいため、出題範囲を軽く確認したうえで、必ず過去問での演習をしてから試験本番に臨みましょう。
すでにITエンジニアとして働いているなど、得意分野がある場合は学習時間をさらに短縮できます。
ITエンジニアとしての実績が証明できる場合、基礎的な知識を示すITパスポートの取得は必ずしも役立つとは限りません。しかし、基礎知識を改めて体系的に確認したい場合などに受験することが考えられます。
このような場合は、出題範囲を簡単に確認したあと、問題演習で出題形式に慣れてから受験するとよいでしょう。
IT知識がある人がITパスポートを取得する際に気を付けたいポイントは、問われる知識がIT知識だけではないという点です。例えば、会計や経営、テクノロジ系なども試験では問われます。学んだことがない分野があるという人も多いため、試験範囲内で正確な知識をインプットすることが重要です。
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Udemyで講座を探す >ITパスポート試験に合格する人の特徴
ITパスポート試験に合格する人の特徴は下記の3つです。
- 出題範囲の知識を網羅している人
- スケジュールに余裕を持ち学習を進めている人
- 隙間時間を有効活用している人
それぞれの特徴について詳しく解説します。
知識に偏りがない人
1つ目の特徴は、知識に偏りがない人です。
ITパスポートでは、主に下記の3つの分野が出題されます。
- 経営に関する知識(ストラテジ系)
- IT管理の知識(マネジメント系)
- IT技術に関する知識(テクノロジ系)
ITパスポートは上記の3つの分野からまんべんなく問題が出題されるため、知識に偏りがある人は、高得点をたたき出すことが難しくなります。
また、ITパスポートの合格基準には、総合評価点と分野別評価点の2つの条件があります。それぞれの評価点におけるボーダーラインは以下の通りです。
総合評価点 | 1,000点満点中600点以上 |
分野別評価点 |
経営に関する知識(ストラテジ系) 1,000点満点中300点以上 IT管理の知識(マネジメント系) 1,000点満点中300点以上 IT技術に関する知識(テクノロジ系) 1,000点満点中300点以上 |
総合評価点1,000点満点中600点以上を獲得するだけでなく、さらに各分野で1,000点満点中300点以上得点しなければなりません。例えば、分野別評価点において1つの分野でも300点を下回ると不合格になります。合格するためには、苦手分野を克服し、知識が偏らないようにバランスよく学習することが重要です。
余裕を持った勉強スケジュールが立てられる人
2つ目の特徴は、余裕を持った勉強スケジュールで学習を進められる人です。
学習スケジュールの進捗の遅れや点数の伸び悩み、想定よりも知識習得に時間がかかるなど、スケジュール通りにならないことも少なくありません。学習スケジュールを最低限に見積もって計画を立てた場合、柔軟に対応できなくなるので、時間が足りなくなることもあります。
そのため、修正できるように、時間に余裕を持ち、スケジュールを立てるようにしましょう。そうすることで、時間不足によって知識が不十分なまま次のステップに行くことはなくなります。
隙間時間を有効活用できる人
3つ目の特徴は、隙間時間を有効活用できる人です。
ITパスポート合格を目指す多くの人は、仕事や学業などに取り組みながら学習を進める人が多くなります。そのため、まとまった時間を確保することができないという方も少なくありません。
限られた時間の中で学習を進める必要があるため、隙間時間を有効活用しましょう。例えば、通学・通勤中の電車の中で知識をインプットしたり、昼休みに問題を解いたりすることで時間に余裕がなくても知識の習得やアウトプットが可能です。
また、隙間時間の学習には、スマホの活用をおすすめします。例えば、YouTubeを利用してITパスポートに必要な知識を学ぶことが可能です。参考書のように持ち歩く必要がないので、隙間時間のスマホ活用は利便性が高いでしょう。
ITパスポートに受かるために必要な知識と勉強
次にITパスポートに受かるための必要な知識や勉強方法について詳しく解説します。
ITパスポートに必要な知識
ITパスポートの出題分野は、経営に関するストラテジ系、IT管理に関するマネジメント系、IT技術に関するテクノロジ系の3つです。
- ストラテジ系の問題
企業活動や法務に関する内容や、経営戦略、システム戦略やシステム企画に関する内容が問われます。
- マネジメント系の問題
ソフトウェア開発管理技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントに関する知識が必要です。
- テクノロジ系の問題
コンピューターのソフトウェアやハードウェアの知識や、アルゴリズム、プログラミング、データベース、ネットワークセキュリティなどの知識が問われます。
ITパスポートの試験勉強を通じて、企業の経営から開発マネジメント、IT技術の基本まで幅広く学ぶことが可能です。
ITパスポートに受かるために必要な勉強
ITパスポートに受かるための勉強方法は、インプットとアウトプットを繰り返すことです。知識を習得し、その知識を使うことで、記憶の定着率が良くなり、効率的に学習を進められます。
必要な勉強法について詳しく把握したい人の中には、どのようにインプット・アウトプットをすればいいのかわからない方も多いでしょう。そのため、インプットとアウトプットにわけて勉強法を解説します。
- インプットの方法
まずは、参考書やオンライン学習サイトなどで、試験に出題される知識の概要をつかみましょう。その際、初めて知った用語の意味を理解し、必要な用語は覚えてください。
ITパスポートに合格するためには、CRMやSFAなどのIT用語を理解しなければなりません。用語の理解が不十分である場合、応用が効かなくなるため、問題を解くことが難しくなります。
インプットをする際は、参考書を使用する方も多いですが、自分のレベルに合ったものを選択しなければなりません。例えば、自分の知識レベルよりも難易度が高い参考書を選択してしまうと、理解しづらく効率的にインプットすることが難しいです。そのため、無理なく理解できるレベルの参考書を選択しましょう。
また、一度参考書を読むだけで理解できる人は非常に少ないです。人によっても異なりますが、最低2回~3回繰り返し読まないと理解できないため、その点を考慮してスケジュールを立てるようにしましょう。
- アウトプットの方法
参考書や学習サイトで知識を理解した後は、理解度を確認するために、問題演習に取り組みます。分からなかったところは、参考書や学習サイトに戻って復習してください。
過去問などの 問題演習は知識の理解度を高めるだけでなく、出題形式に慣れるためにも役立ちます。先述の通り、ITパスポート試験は基本的にパソコンを使ったCBT方式の選択問題です。実際の試験で出題される形式に慣れておけば、制限時間内でより多くの問題に正解することが可能です。
また、特に初心者の場合は、はじめに解説動画などで概要をつかむことをおすすめします。
ちなみに、問題を解いたあとに放置することは避けましょう。解きっぱなしの状態になってしまうと、同じ問題がもう一度出題されたとき、誤答を繰り返してしまいます。わからない問題は自分が理解するまで追求し、必ず習得するようにしましょう。
ITパスポート試験に合格するメリットは?
ITパスポート試験に合格すると得られるメリットは2つです。それぞれのメリットについて解説します。
ITに限らず幅広い分野の基礎知識が身につく
ITパスポートで身に付けられる知識は、IT分野だけではありません。例えば、企業活動や法務、経営戦略マネジメントなども学ぶ必要があります。
ITパスポートは、ITだけでなく、経営やマーケティングに関する知識も身に付けることができるのでその点がメリットのひとつです。
就職や転職の際の強みになる
ITに関する知識はエンジニアに限らず、さまざまなビジネスパーソンに求められます。例えば、事務職や営業職なども情報処理の知識は必要不可欠です。
ITパスポート試験に合格すれば、ビジネスに最低限必要な知識を習得した上で業務を遂行することができます。これにより、就職や転職をする際の強みになるケースもあるので大きなメリットです。
まとめ
この記事では、ITパスポートの試験概要や必要な勉強時間、最短で合格するための勉強法を紹介しました。
ITパスポートに合格すれば、経営やマネジメント、プログラミングといったITに関する幅広い基礎知識を持っていると証明できます。そのため、スキルアップしたい社会人や、IT系企業へ就職したい学生におすすめの資格です。
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