高難易度「ITストラテジスト」の試験概要・合格のコツを解説

ITストラテジスト試験を目指すにあたって、

「難易度や合格率はどのくらいか」
「どのような学習をすればよいのか」

と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。この記事では

・ITストラテジスト試験の概要や難易度、取得するメリット
・午前試験・午後試験の学習ポイント

など、資格取得に向けて知っておくべき内容について解説します。

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ITストラテジスト試験とは

ITストラテジスト試験とは、IT戦略の立案や実行の能力を評価することを目的とした試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格であり、高度情報処理技術者試験で最高難易度のスキルレベル4に位置しています。

ITストラテジスト試験

毎年4月(春期)に筆記による試験が実施されています。ただし2026年度からはパソコンを使って実施されるCBT方式に移行予定です。

ITストラテジスト試験には、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つのセクションがあります。すべてのセクションで合格水準を上回ることが、資格取得の条件です。

 

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ITストラテジストの難易度・合格率を他資格と比較!

ITストラテジスト試験を含む主なIT関連の資格の難易度や合格率は以下の通りです。難易度については、ITスキル標準(ITSS)に基づくレベルを表示しています。

難易度(ITSS) 資格の種類 合格率
レベル1 ITパスポート試験 50%前後
レベル2 基本情報技術者試験 40%前後
情報セキュリティマネジメント試験 70%前後
レベル3 応用情報技術者試験 22~27%前後
レベル4 ITストラテジスト試験 15%前後
システムアーキテクト試験 15%前後
ネットワークスペシャリスト試験 15~17%前後
情報処理安全確保支援士試験 19%前後
ITサービスマネージャ試験 15%前後
プロジェクトマネージャ試験 14%前後
データベーススペシャリスト試験 17%前後
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 17%前後
システム監査技術者試験 17%前後

出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「統計情報」

ここではITストラテジスト試験の合格率や勉強時間の目安について解説します。

合格率は毎年15%前後

令和3年度~7年度における、ITストラテジスト試験の受験者数と合格率は以下の通りです。

年度 受験者数 合格率
令和3年度 3,783 15.3%
令和4年度 4,450 14.8%
令和5年度 4,972 15.5%
令和6年度 5,327 15.8%
令和7年度 5,586 15.0%

参考:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験推移表

難易度が高いことで知られる司法試験の合格率は30%~40%前後、公認会計士が10%前後です。そのため、合格率が15%前後であるITストラテジスト試験は、難関資格といえます。

目安勉強時間は200時間程度

ITストラテジスト試験の合格に必要な学習時間の目安は、実務経験者の場合200時間程度です。ただし知識量や学習効率には個人差があるためあくまで目安となります。

一定量の学習が求められるため、長期スパンで学習計画を立てて効率良く進めることが重要です。

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ITストラテジストの試験概要

2025年9月時点におけるITストラテジスト試験の試験時間や出題形式、合格基準点などの概要は以下の通りです。

セクション 試験時間 出題形式 出題数 解答数 合格基準点
午前Ⅰ 9:30~10:20
(50分)
多肢選択式
(四肢択一)
30問 30問 100点満点中60点
午前Ⅱ 10:50~11:30
(40分)
多肢選択式
(四肢択一)
25問 25問 100点満点中60点
午後Ⅰ 12:30~14:00
(90分)
記述式 3問 2問 100点満点中60点
午後Ⅱ 14:30~16:30
(120分)
論述式 2問 1問 ランクA

参考:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験試験要綱Ver.5.3

ここでは4つのセクションについて、それぞれの試験内容を解説します。

午前Ⅰ試験:選択30問・50分

午前Ⅰ試験で出題される範囲は、応用情報技術者試験の午前試験と同様です。テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つの分野から基礎問題が出題されます。

以下のいずれかの条件を満たした場合、2年間に限り午前Ⅰ試験の免除を受けることが可能です。

・応用情報技術者試験(AP)に合格
・情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
・情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の獲得

午前Ⅱ試験:選択25問・40分

午前Ⅱ試験では午前I試験より専門的な内容が出題されます。出題される専門分野は以下の8つです。

・セキュリティ
・システム戦略
・経営戦略
・経営戦略マネジメント
・技術戦略マネジメント
・ビジネスインダストリ
・企業活動
・法務

これらの分野の中でもストラテジ系の問題が大部分となっています。

午後Ⅰ試験:記述2問・90分

午後Ⅰ試験は3問の出題から2問を選択して解答する記述式の試験です。架空の企業が抱える経営問題とその対策に関する問題が出題されます。

自分の意見ではなく客観的な事実を回答することが求められるため、課題解決に必要な知識を正しく身に付けておくことが重要です。

午後Ⅱ試験:論述1問・120分

午後Ⅱ試験は2問の出題から1問を選択して解答する論述式で実施されます。評価は以下の4段階で合格にはA評価が必要です。

評価 内容
A 合格水準にある
B 合格水準まであと一歩である
C 内容が不十分である 問題文の趣旨から逸脱している
D 内容が著しく不十分である 問題文の趣旨から著しく逸脱している

午後Ⅱ試験では問題文を読んだ上で、関連する3つの設問に回答することが求められます。文字数の合計は3,000字前後で筋道を立てて自分の考えを説明できているか、論文の内容がITストラテジストの視点に沿っているかが評価対象です。

 

ITストラテジストを取得するメリット

ITストラテジスト試験に合格すると、IT業界で働く上で多くのメリットが得られます。ITストラテジストを取得する主なメリットは以下の通りです。

IT戦略に関する高い知識を証明できる

ITストラテジスト試験は難易度が高い国家試験のため、合格することによってIT分野における専門知識と技術力を客観的に証明できます。転職に取り組む際などに豊富な実務経験やスキルを、資格を通してアピールできることがITストラテジストを取得するメリットです。

キャリアアップの幅が広がる

転職を検討していない場合でも、ITストラテジスト試験に合格することでキャリアアップが期待できます。

企業によってはITストラテジスト試験の合格者に対して、資格手当や報奨金を用意している場合もあり収入アップにつながります。また国家試験に合格することで、外部のクライアントからも信頼を得やすくなります。

ITストラテジスト試験を通じて身に付けたITスキルは国際的に通用するため、海外で活かすことも可能です。

キャリアアップの幅が広がる

 

ITストラテジストの午前・午後の学習ポイント

ITストラテジスト試験には、出題内容や形式が異なるセクションが複数あるため、それぞれに対して十分な対策が必要です。

ここでは、出題形式に合わせた学習方法のポイントを解説します。

午前・午後共通:過去問を解いて傾向や時間配分をおさえる

午前試験、午後試験ともに、過去問を解いて出題傾向や時間配分を把握する必要があります。ITストラテジスト試験の過去問は公式サイトから閲覧可能です。

午前試験向けの知識のインプットと、午後試験の記述や論述の書き方を学んだあとに過去問演習に取り組みましょう。

午前:Udemy講座で基礎知識やコツをおさえる

午前試験では選択式問題に答えるための基礎知識を押さえておくことがポイントです。

Udemyなどのオンライン講座は初心者向けで分かりやすく、試験で頻出する分野や解き方のコツを効率よく学べます。基礎固めを行った後に過去問演習を実施することで、より知識の定着が深まり、解答精度の向上が可能です。

オンライン講座なら自分のペースで学習を進められるため、日々の業務が忙しい方でも無理なく合格を目指せます。

午後:記述・論述は添削をしてもらう

午後試験の記述・論述では論理的かつ簡潔な表現力が必要です。自己添削だけでは改善点に気づきにくいため、専門講師や合格者による添削サービスを活用することで、効率的に学習できます。またChatGPTなどの生成AIを使って添削を受けることも可能です。

フィードバックをもとに何度も練習を繰り返し、試験に必要な記述・論述力を養いましょう。

 

ITストラテジストを取得して専門性を証明しよう

ITストラテジスト試験はIT戦略に関する能力を評価する国家試験です。選択問題が出題される午前Ⅰ・午前Ⅱ、記述問題が出題される午後Ⅰ・Ⅱの4つのセクションがあり、情報処理技術者試験の中で最も難易度の高い資格試験となっています。

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