Linuxはサーバー管理やWebアプリケーションの開発環境など様々な業務で使われているOSです。幅広い業務で使われているため、エンジニアとして普段からLinuxを使用していても、Linuxを体系的に理解するのは難しいもの。
エンジニアとしてのLinuxのスキルを向上させるには、「LPIC」や「LinuC」のLinux資格の取得を目指し、体系的な知識を学ぶことがおすすめです。
この記事では「LPIC」と「LinuC」の2つのLinux資格について、試験内容や勉強方法を詳しく解説します。
なお、LPICを取得するメリット等については、企業特別インタビュー「エンジニアの登竜門 Linux資格「LPIC」を取得するメリットとは?企業特別インタビュー」にてご紹介しています。
公開日:2020年4月25日
Linuxの資格「LPIC」と「LinuC」
Linuxの資格として有名なものに「LPIC」と「LinuC」の2つがあります。それぞれどのような資格なのでしょうか。詳しく解説します。
Linuxの資格の世界標準「LPIC」
LPICは、正式には「Linux Professional Institute Certification」という資格です。LPI認定資格とも呼ばれ、世界中で実施されているLinux技術者認定試験です。また、Linuxプロフェッショナル認定資格とも呼ばれています。
カナダに本部を持つ「LPI(Linux Professional Institute)」の日本支部が運営しています。
LPICは世界180か国以上で展開されており、2018年6月現在でのLPICの総受験者数は延べ60万人以上に上ります。受験者に公表する試験結果は、スコアと合否判定のみです。
レベル1からレベル3までの3つのグレードに分かれて実施され、Linuxを扱っているエンジニアにとっては取得したい資格の一つとなっています。
LPICの取得を目指す方は、「LPI公認「LPI資格取得コース」がUdemyに登場!講師が語る対策コースの魅力と学び方のコツ」もご覧ください。
Linuxの国内向け資格「LinuC」
LinuCの正式名称は「Linux技術者認定試験 LinuC(リナック)」です。日本国内におけるLinuxの市場に最適化した日本独自のLinux試験として2018年度から実施されました。
もともとは、日本においてのLPIC試験を運営していたNPO法人であるLPI-Japanが、独自に作成を開始したテストがLinuCです。
LinuCはLPICとは異なり、受験者に対して、スコアや合否判定だけでなく、合格基準や項目別スコアも合わせて知らせています。
LPICが3つのLPICレベルに分類されているように、LinuCでもLinuCレベル1からLinuCレベル3までの3レベルに区分されています。
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Udemyで講座を探す >Linuxの資格を取得するメリットは?
LPICやLinuCのようなLinuxの資格を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットについて紹介します。
仕事やキャリアアップにつながる
IT業界において、LinuxはサーバーOSやアプリケーションの動作環境など、様々な分野で活用されています。Linuxの資格を取得することで、Linuxを使いこなせるIT技術者としてアピールでき、仕事やキャリアアップにつながります。
Linuxのスキルがあがる
LPICやLinuCなどの資格の勉強を通じて、Linuxの技術力が向上します。資格取得を目指した学習を行うことにより、体系だった知識が身に付きます。
LPICは世界共通の資格である
LPICは世界共通の資格であり、LPIC認定者になることで、海外への転職活動に活かすことができます。
Linux資格試験の内容・難易度をご紹介
LPICおよびLinuCの資格試験は、ともに3つのレベルがあります。それぞれの資格について、試験内容と難易度について詳しく解説します。
「LPIC」の試験内容・難易度
LPIC試験は以下の3つのレベルに区分されています。
- LPIC-1認定 Linux管理者
- LPIC-2認定 Linuxエンジニア
- LPIC-3認定 Linuxエンタープライズ・プロフェッショナル
それぞれのレベルについて試験内容を表にまとめました。
LPIC試験
レベル | LPIC-1認定 | LPIC-2認定 | LPIC-3認定 |
対象試験 | 101試験・102試験 | 201試験・202試験 | 300試験・303試験・304試験 |
試験時間 | 各90分 | 各90分 | 各90分 |
出題数 | 各60問 | 各60問 | 各60問 |
出題形式 | 多肢選択式及び記述式 | 多肢選択式及び記述式 | 多肢選択式及び記述式 |
合格ライン | 65%~75%程度 | 65%~75%程度 | 65%~75%程度 |
前提条件 | 特になし | LPIC-1の合格 | LPIC-2の合格 |
出題範囲 | 101, 102 | 201, 202 | 300, 303, 304 |
勉強時間の目安 | 1か月から3か月程度 | 3か月から半年程度 | 半年から1年程度 |
LPIC-1は、Linux技術者として経験の浅い入門者向けの資格です。101試験及び102試験の両方を受験して合格することで「LPIC-1認定」となります。
LPIC-2は、Linuxのシステム管理やサーバー管理のスキルを持つ実務経験者を対象とした試験です。Linuxのシステム管理やサーバー管理のスキルを持つエンジニアを対象としています。LPIC-1認定に加えて、201試験及び202試験の両方を受験して合格することで、「LPIC-2認定」となります。
LPIC-3は、「混在環境」「セキュリティ」「仮想化とハイアベイラビリティ」について高度な知識を持つエンジニアを対象としています。LPIC-2認定に加えて、3つの区分のうち1つに合格することで、LPIC-3認定を取得できます。
「LinuC」の試験内容・難易度
LinuCも、LPICと同様に、以下の3つのレベルに区分されています。
- LinuCレベル1(LinuC-1)
- LinuCレベル2(LinuC-2)
- LinuCレベル3(LinuC-3)
それぞれのレベルについて、試験内容を表にまとめました。
LinuC試験
レベル | LinuCレベル1 | LinuCレベル2 | LinuCレベル3 |
対象試験 | 101試験・102試験 | 201試験・202試験 | 300試験・303試験・304試験 |
試験時間 | 各90分 | 各90分 | 各90分 |
出題数 | 約60問 | 約60問 | 約60問 |
出題形式 | 多肢選択式及び記述式 | 多肢選択式及び記述式 | 多肢選択式及び記述式 |
合格ライン | 65% | 65% | 65% |
前提条件 | なし | 有意なLinuCレベル1 | 有意なLinuCレベル2 |
出題範囲 | 101, 102 | 201, 202 | 300, 303, 304 |
勉強時間の目安 | 1か月から3か月程度 | 3か月から半年程度 | 半年から1年程度 |
LinuCレベル1は、Linuxの物理あるいは仮想サーバーに関する知識が要求されます。101試験及び102試験の両方を受験し、5年以内で合格することでLinuCレベル1に認定されます。
LinuCレベル2は、Linuxのシステム管理のスキルやネットワークなどに関する知識が要求されます。LinuCレベル1の認定に加えて、201試験及び202試験の両方を受験し5年以内に合格することで、LinuCレベル2に認定されます。
LinuCレベル3は、Linux技術者として経験豊富で高度なスキルを持つエンジニアを対象とした試験です。300試験、303試験、304試験の3つが独立して構成されています。LinuCレベル2の認定に加えて、300試験、303試験、304試験のいずれか1つを受験し合格することで、LinuCレベル3に認定されます。
有効期限にご注意
LPIC 試験では、2科目の合格が必要なLPICレベル1やLPICレベル2については、5年間のうちに両方の試験に合格する必要があります。レベル1の場合、101試験の合格日から5年以内に102試験に合格しなければ101試験の合格が無効になります。その場合、再度、101試験から受験をやり直す必要があります。
LPIC試験の認定者は、 認定日から5年以内に同一レベルの再取得または上位レベルを取得することにより、優位性を維持できます。
LinuC試験では、2科目の合格が必要なLinuCレベル1とLinuCレベル2については、5年間のうちに両方の試験に合格する必要があります。レベル1の場合、101試験の合格日から5年以内に102試験に合格しなければ101試験の合格が無効になります。その場合、再度、101試験から受験をやり直す必要があります。
LinuC試験には有効期限はありませんが、LPICと同様に5年間の有意性の期限が設けられています。有意性を維持するために、過去の認定日から5年以内に再認定を受けるか、保有するレベルより上位の認定を5年以内に取得する必要があります。
また、LPIC及びLinuCには再受験のポリシーが設定されています。これは、試験に不合格となり、同じ科目の試験を再受験する場合、不合格となった試験の受験日から数えて7日経たないと再受験できないというシステムです。
Linuxの資格取得におすすめの勉強方法とは?
LPICおよびLinuCの試験対策として、おすすめの勉強方法をいくつか紹介します。
まず、LPI-Japanがアカデミック認定校とした教育機関で学習する方法です。試験対策として重要なポイントを経験者から教わることで、効率良く学習できます。
また、LPI-Japanによる無料の技術解説セミナーを活用する方法もおすすめです。セミナーでは試験対策のための学習だけでなく、他の受験生との情報交換もできるでしょう。
独学で受験したい人は、書店で販売されている認定教材や自分に合った参考書を活用すると良いでしょう。レベル1からレベル3まで、受験したいレベルに応じた参考書が販売されています。
また、独学の場合、オンライン学習による試験対策もおすすめです。UdemyでもLPICやLinuCに対応した講義がいくつか公開されていますので、受験資格にあったものを探してみましょう。
LPICの資格取得を推奨している企業の特別インタビューは 「エンジニアの登竜門 Linux資格「LPIC」を取得するメリットとは?企業特別インタビュー」 をご覧ください。また、LPI資格取得を目指す方は、「LPI公認「LPI資格取得コース」がUdemyに登場!講師が語る対策コースの魅力と学び方のコツ」 も参考にしてみてください。
Linuxの資格としてLPICとLinuCについて紹介しました。これらの資格を取得することで、Linux未経験の人は就職や転職活動で資格をアピールできますし、Linux経験者はLinuxのスキルアップとして活用できます。もしこの記事を読んでLPICやLinuCに興味を持ちましたら、ぜひLinux資格に挑戦してみてください。
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