JavaScriptフレームワークとは何か?最新おすすめ5選を比較

「JavaScriptフレームワーク」とは、JavaScriptで開発するアプリケーションの枠組みを意味します。この記事では、JavaScriptフレームワークの基礎や、ライブラリとの違い、おすすめのJavaScriptフレームワークについて解説します。

JavaScriptフレームワークとは何か?ライブラリとの違いは?

JavaScriptの「フレームワーク」とは、JavaScript開発におけるアプリケーションの枠組み、土台部分を意味します。英語のFrameworkという言葉は、「枠組み」という意味です。開発における「フレームワーク」は、システムの骨組みと表現されることもあるでしょう。

また、アプリケーションのおおまかな枠組みのみであることから、フレームワークは「アプリケーションの未完成品」であると説明されることもあります。

JavaScriptでフレームワークを利用すれば、既存のアプリケーション設計を使い回すことができるため、プログラミングが効率的になります。また、頻繁に使う処理はすでに作られており、それに機能を追加したり拡張したりすることで、オリジナルの機能を構築することが可能です。

たとえ話として、洋服を作ることを考えてみましょう。洋服の作成過程に置き換えると、フレームワークは、型紙にあたります。Tシャツを作りたい場合はTシャツの型紙、ワンピースを作りたい場合はワンピースの型紙を使うことによって、簡単に実用的な服を作ることができます。

なお、JavaScriptについての詳しい解説は、「JavaScriptとは?初心者向けプログラミング体験もできる!」をご覧ください。

フレームワークとライブラリの違い

フレームワークは「ライブラリ」とは別物として考えられることが一般的です。しかし、混同されることが多く、また、それぞれの示す範囲が重なっている部分もあるため、完全に分離することは難しいでしょう。

ライブラリは、汎用性の高いプログラム(コード)パーツのコレクションというイメージです。クラスや関数を、それぞれの機能を持つパーツとして使い回すイメージです。

例えば、あるアプリケーションに既存の機能と同じような別の機能を付け加えるとき、元のコードをコピーして、新しい機能の部分にペーストすることで効率よく作成する、というような場合があります。ライブラリは、よく使うパーツを集めることで、そのような「使い回しによる効率化」を可能にしたものと考えればわかりやすいでしょう。

さきほどの洋服づくりのたとえ話で考えるなら、ライブラリは「さまざまな模様の布を集めた箱」というイメージです。ストライプ柄の服を作りたいなら、ストライプ柄の布地を取り出して使います。ドット柄の服を作るなら、ドット柄の布地を使うことができます。自分で布を染めて模様を作る必要はなく、場合によっては、先ほど作ったTシャツと同じ柄の布を、ワンピースのポケット部分に使うということもできます。

また、JavaScriptにおけるフレームワークとライブラリの大きな違いは、コードレベルか設計レベルかという点です。

ライブラリは、コードを使いまわすかどうか、というコードレベルの「部品」です。一方、フレームワークはアプリケーション「設計」であるため、その設計に必要なプログラム制御はフレームワーク側で行われます。

フレームワークとツールの違い

フレームワークとツールは、全く異なるものです。ツールは、文字通り「道具」を意味します。

ツールと呼ばれるものは、コンパイラーや画像圧縮ツール、デプロイツールなど、システム開発自体をサポートする目的で使われるものです。

さきほどの洋服づくりのたとえ話で考えるなら、ツールは、布を縫い付けるミシンや、折り目を付けるアイロンなどのようなイメージです。

 

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JavaScriptのおすすめフレームワーク5選!メリット・デメリットを比較

ここからは、おすすめのJavaScriptフレームワークを5種類ご紹介します。それぞれのフレームワークのメリット・デメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

JavaScriptフレームワーク①React

Reactは、WebサイトのUIパーツを構築するために使われるフレームワークで、Facebook社によって開発・提供されています。さまざまなJavaScriptフレームワークの中でも非常に人気が高く、のちに紹介するjQueryやAngularと比較されることが多いです。また、オープンソースソフトウェアであるため、誰でも無料で利用することができます。

 

Reactについてもっと詳しく知りたい方は、「【入門編】React Nativeとは?メリット・デメリットからHello, Worldまで 」をご覧ください。

Reactのメリットは、以下の通りです。

◎コンポーネント指向

Reactは、コンポーネント指向であり、ある機能の見た目や働きを1セットの部品として扱うため、管理や再利用性に優れています。開発工数を減らすことができるため大きなメリットです。

◎「Learn Once, Write Anywhere」

Reactは、どのようなWebアプリケーションにも導入することができるため、一度学んでしまえばあらゆる開発シーンで活用しやすいというメリットがあります。また、新機能を追加する場合にも、それ以外のコードを書き換える必要がないため、手軽に扱えます。

◎仮想DOMの使用が可能

仮想DOMは、Reactに搭載されたレンダリング機能です。この機能を利用することで、コードの変更部分だけがレンダリングされるため、高速な動作を実現できます。

JavaScriptフレームワーク②Angular

Angularは、検索エンジン大手のGoogle社によって開発されたフルスタックフレームワークです。Angularでは、Webアプリケーション開発に必要なほとんどの機能をサポートしています。

 

なお、Angularについて詳しく知りたい方は、「AngularJS入門者必見!作りながら覚えて10分で理解」をご覧ください。

Angularのメリットは下記の通りです。

◎双方向データバインディングの機能を持つ

Angularは、双方向データバインディングの機能を持つため、より少ないコードでプログラムを記述できます。Webアプリケーション開発でプログラムを組むとき、まずはHTML要素を取得し、それをデータとして処理をした後に画面にデータを反映させるのが一般的です。しかし、双方向データバインディングを利用すれば、自動的にHTML要素をデータ処理してくれるため、その分の工程を減らすことができます。

◎MVWの採用

Angularは、MVWを採用している点もメリットです。MVW とは、Model(データ)、View(画面)、Whatever(何もかも)という言葉の頭文字を合わせた言葉で、アプリケーション設計の考え方のひとつです。データ、画面、コントローラそれぞれの役割が分けられており、混在することがないため、スムーズなアプリケーション設計を実現できます。

◎生産性の高さ

全体として、Angularは生産性が高いといえます。柔軟性には欠ける部分もありますが、得意な型にはまれば、ほかのフレームワークよりも圧倒的に早く開発を行うことができます。

JavaScriptフレームワーク③Vue

Vueは、WebアプリケーションのUIを構築できるJavaScriptフレームワークです。フロントエンド開発の多くのシーンで用いられます。

また、オープンソースソフトウェアであるため、無料で利用できるという点も人気の理由のひとつです。

 

Vueに関する詳しい内容は、「【Vue.js入門】特徴や他のフレームワークとの比較などを紹介! 」をご覧ください。また、Vueをベースに作られたフレームワーク「Nuxt.js」に関する内容は「【Nuxt.js】Vue.jsをより効果的に使えるフレームワークのメリットや利用シーンを紹介!」をチェックしましょう。

Vueのメリットは、以下の通りです。

◎学習コストが低い

Vueの1つ目のメリットは、学習コストが低いことです。フレームワークの規模が小さいため、使用に当たって覚えることが多くありません。JavaScriptに関する知識がある人なら、数時間で習得できるでしょう。

◎双方向データバインディング

Vueは、Angularと同じように双方向データバインディングの機能を持つフレームワークです。開発担当者の負担を減らすことができるでしょう。

◎さまざまな開発規模に対応

Vueは、あらゆる規模の開発で利用できます。個人案件など小規模開発はもちろんのこと、大規模開発にも採用されることが多く、汎用性が高いといえます。

JavaScriptフレームワーク④jQuery

jQueryは、米国のプログラマー、ジョン・レシグ氏によって開発されたフレームワークです。JavaScriptのコードを容易に記述するために開発されました。そのため、もともとのJavaScriptを使うより簡単にプログラミングができます。

 

jQueryのメリットは、以下の通りです。

◎ブラウザの種類に影響されづらい

jQueryは、ブラウザの種類に影響されづらい点がメリットです。日本では、Google、Safari、Internet Explorerなど、さまざまなブラウザが使用されており、ブラウザごとに仕様が異なるため、通常のJavaScriptで記述をすると、コードが動かなかったり、予想通りの動きをしなかったりというケースがあります。しかし、jQueryはブラウザに合わせて自動的に調整してくれるため、これらの問題を解決することができます。

◎Ajaxが使える

Ajaxとは、Asynchronous JavaScript+XMLの略で、サーバーとのデータのやり取りを非同期で処理することを指します。

通常、JavaScriptでサーバーと通信をする場合、submit処理(同期処理)を行います。そのため、Webページなどで画面が遷移して切り替わる際に、次ページの結果が返ってくるまで画面が固まることになるのです。

一方、Ajaxでは、結果が返ってきていない状態でもWeb画面で入力操作ができるため、作成するWebサービスによっては非常に便利です。jQueryを使えば、非同期処理と同期処理が使えるようになるので、選択肢が広がります。

◎プラグインで拡張できる

jQueryは、さまざまなプラグインで機能を拡張することが可能です。プラグインを使えば、Webサイト上でよく見られる表示や機能を簡単に実装できるため、効率化が期待できます。

JavaScriptフレームワーク⑤Backbone

Backboneは、有名な JavaScriptフレームワークのひとつです。2010年6月に提供され、2012年〜2013年ごろに広く使われたフレームワークです。

 

Backboneのメリットは、以下の通りです。

◎MVCを採用

MVC とは、Model(データ)、View(画面)、Controller(コントローラー)の頭文字を合わせた言葉で、それぞれを分けて管理することを指します。効率が高まり、分業や引継ぎも行いやすいため、大規模開発に向いているフレームワークです。

◎自由度が高い

Backboneはルールが少なく、自由度が高いフレームワークです。一方で、制限がないため、開発者が注意なければ複雑な書き方になってしまう可能性もあります。

 

今回は、JavaScriptフレームワークの基礎知識や、ライブラリとの違い、おすすめのフレームワークをご紹介しました。

JavaScriptを扱う場合、フレームワークの知識は必要不可欠です。また、ご紹介したフレームワーク5種類は非常に有名なものばかりです。気になるものがあれば、ぜひ学習を深めてください。