効果的なマーケティングを展開するには指標による管理分析が必要です。
特にWebマーケティングをおこなうには「ユニークユーザー」(Unique User)数の把握が基本であり、重要なポイントになっています。
今回は、大手人材派遣会社でWebマーケティングを担当する筆者が、Webマーケティングの現場で間違って使われがちなユニークユーザーの意味を解説するとともに、ユニークユーザーを増やす方法をご紹介します。
そもそも「ユニークユーザー」とは?
ユニークユーザーとは何でしょうか?間違って使われることも多いので、まずは正しい意味を理解しましょう。
ユニークユーザーとは?
ユニークユーザーとは、1日・1週間・1カ月など特定の期間内にWebサイトを訪れた人の数です。
例えば、今日までの過去1週間にAさん・Bさん・Cさんの3人がWebサイトをそれぞれ1回・3回・5回、訪問したとします。
ユニークユーザーはWebサイトを訪れた固有の人の総数であり、それらの人が期間中何回Webサイトを訪問したとしても、期間中のユニークユーザーは3人になります。
つまり、ユニークユーザーが増えると、そのWebサイトのファンの人数が増えたことになります。
ユニークユーザーのカウント方法
通常はApacheなどのWebサーバに対応しているアクセスログ解析ツールでカウントします。
Webサーバはアクセスがあると、ログ(記録)にしてサーバに保存します。それをアクセスログ解析ツールでカウントし、ユニークユーザーを割り出します。Webサーバのログは訪問者のIPアドレスやホスト名の情報も取得するので、それらの情報をもとに同一人物の重複カウントを防ぎます。
また、アクセスログ解析ツール以外ではGoogleアナリティクスを使う方法もあります。Googleアナリティクスは訪問者にCookieを発行し、同一人物の重複カウントを防いでいます。
ただし、訪問者が複数のパソコンやスマートフォンからアクセスした場合は同一人物とは特定されません。また、訪問者がパソコンのCookie受け入れを拒否している場合はユニークユーザーとしてカウントされません。一方、複数の人物が同じパソコンの同じブラウザから訪問した場合は同一人物としてカウントされます。
ユニークユーザーにはこうした制約があり、あくまでもWebサイトのファン数の「大体の目安」であると理解しておくほうが良いでしょう。
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Udemyで講座を探す >ユニークユーザーとPVの違いは?
ユニークユーザーと似た指標にPVがあります。ユニークユーザーとPVはどこが違うのでしょうか?
ユニークユーザーとPVはどう違う?
PV(Page View)を直訳すると「ページ閲覧」となります。つまりPVとはページ閲覧数のことです。
例えば、ある訪問者がWebサイトを訪れ、ページA・ページB・ページCをそれぞれ1回ずつ閲覧したとします。この場合のPVは3になります。
続けて、その訪問者がページCをブラウザで更新し、ブラウザの「戻る」アイコンを押してページBへ戻ったとします。その場合、すべてのPVは3+2の=5になります。
PVは訪問者が閲覧したすべてのページ数なので、通常はユニークユーザーよりも数が大きくなります。PVを分析することで、どのページが多く読まれていて、逆にどのページがあまり読まれていないのかを把握することができます。
その他の間違いやすい用語
・セッション(Session)
セッションもユニークユーザーやPVと混同されやすい用語です。セッションとはユーザーがWebサイトを訪問した回数です。例えば、1週間にAさんというユニークユーザーが5回サイトを訪れたとします。この場合のセッションは5回です。セッションはユーザーが何回PVしたかに関係なく、純粋なサイトへの訪問数です。
・アクティブユーザー(Active User)
アクティブユーザーとは、Webサイトを特定の期間内に一定の回数以上利用しているユーザーのことです。ソーシャルメディアなどを使ったマーケティングで実際にWebサイトを利用しているユーザー数として使われます。
・リーチ(Reach)
リーチとはマーケティング用語でターゲットへの到達という意味ですが、特にソーシャルメディアを使ったマーケティングでは広告メッセージが閲覧されたり、「いいね!」などのエンゲージメントが行われたという意味で使われます。
・ユニークブラウザ(Unique Browser)
ユニークブラウザとは、Webサイトへのブラウザごとの訪問回数です。ApacheなどのWebサーバは、アクセスログに訪問者のブラウザの種類・バージョンの情報も記録するため、それらをアクセスログ解析ツールなどで把握することができます。また、訪問者のブラウザにCookieを発行し、ブラウザの種類とバージョンを特定する方法もあります。
ユニークユーザーを増やすには?
Webサイトのファンの数、つまり「人気度」の指標となるユニークユーザー。これを増やすには、どうすれば良いのでしょうか?
ユニークユーザーは簡単には増えない
残念ながら、ユニークユーザーは簡単には増えません。短期間で増やすことも難しいでしょう。広告コストを大量にかければ、一時的に増やすことは可能かもしれませんが、Webサイトそのものに魅力がないと判断されればリピーターにはなってくれません。
コンテンツをコンスタントに増やす
では、どうすれば良いかというと、ユーザーに良質なコンテンツを提供することです。ユニークユーザーを増やす最大のポイントは、良質なコンテンツを定期的に、一定量配信することです。
可能であれば毎日、あるいは3・4日に1度、決まった時間帯にコンテンツを配信するのが効果的です。Webサイトの訪問者がブラウザの「お気に入り」に登録し、更新日に必ず来てくれるようになると、ユニークユーザーはどんどん増えていきます。
ユーザー目線の内容
ユーザーがWebサイトを訪れる理由は、そのサイトに価値がある、有益であると認めているからです。自分が良いと思うコンテンツではなく、ユーザーが欲しい情報を把握した上で、あくまでもユーザー目線のコンテンツ配信を心がけましょう。
ユニークユーザー数の獲得は良質なコンテンツが鍵
Webマーケティングのひとつの手法として「コンテンツマーケティング」が注目されています。
コンテンツマーケティングとは文字通り、コンテンツの内容が鍵です。コンテンツの質が良いからこそユーザーが利用し、Googleなどの検索エンジンが評価して検索順位が上がります。検索順位が上がることによって、さらにユニークユーザーが増えるのです。
Webマーケティングで成果を出したいのであれば、ユーザー目線で優れたコンテンツを随時提供しましょう。今求められている情報は何かをよく考え、ユーザーに評価されるコンテンツを作ることがユニークユーザー獲得の一番の方法と言えるでしょう。
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