リスティング広告の費用はいくら?売り上げを最大化する予算の決め方

リスティング広告の費用はいくら?売り上げを最大化する予算の決め方

Webマーケティングに欠かせない施策の一つがリスティング広告です。リスティング広告は低予算から始められ、固定費もかかりません。では、リスティング広告を効果的に活用するにはどうすれば良いのでしょうか?

今回は、Webコンサルタント会社に勤務する筆者が、リスティング広告の始め方やメリット・デメリット、予算設定の仕方などについてご紹介します。これを読めば、初心者でもリスティング広告を基礎から理解し、自社商品の宣伝に活用することができるでしょう。

 

リスティング広告のメリット・デメリット

まずリスティング広告の基礎知識についてお伝えします。

リスティング広告のメリット

リスティング広告とは、「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンにキーワードを入力して検索したとき、検索結果に連動して表示される広告のことです。

Yahoo!JAPANのトップ画面に広告を掲載すると、1週間で1000万円以上かかります。そうした費用をかけずに検索エンジンに広告を掲載できることは、企業にとって大きなメリットです。

リスティング広告でも、「ダイエット」「旅行」のようなビッグキーワードは検索数が多いので単価も高くなりますが、「ダイエット サプリメント 比較」のようなもっと絞り込まれたスモールキーワードは検索数こそ少ないものの、単価が安いため低予算から運用を始めることができます。

また、課金体系はクリック課金型であり、実際にクリックされた分しか費用がかかりません。そのため、表示されるだけで料金が発生するインプレッション型の広告よりも費用対効果を測定しやすい点もメリットです。さらに、「地域限定」や「時間限定」の掲載ができることも特徴です。

 

リスティング広告のデメリット

リスティング広告は出稿するキーワードの数が多いほど、費用対効果が高くなると言われますが、その分、キーワードを管理するのは大変です。キーワードごとの効果測定だけでなく、さらなる集客を目指して、より幅広いキーワードを出稿するとなると、一人で運用するのは難しい場合が出てくるでしょう。運用を代理店に任せると、費用がかかります。

また、リスティング広告は入札制なので、コンバージョン率の高いキーワードはクリック単価が高額になります。

 

そもそもリスティング広告は、検索結果によって表示されるという性質上、ニーズが明確な顕在層向けに効果を発揮するものです。逆に言うと、そのキーワードに興味や関心のなかった潜在顧客層までリーチすることができないため、認知度を上げるという点についてはそれほど期待できません。

 

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リスティング広告費用の予算設定

リスティング広告費用の算出方法と、予算設定の考え方をお伝えします。

リスティング広告の費用

クリック数×クリック単価」で算出できます。

クリック単価は下記3つの要素で決まります。

  • 品質スコア
  • 上限入札単価
  • 広告ランク

品質スコアは広告のクリック率によって1から10までの数字が決まります。クリック率が高いほど、検索されたワードとの関連性が高いと判断され、高い品質スコアが与えられます。

上限入札単価は、広告主が1クリックに出してもいいと設定した金額です。

広告ランクは、「上限入札単価×品質スコア」で決められます。

 

リスティング広告は広告ランク順に掲載されます。そのため、設定した上限入札単価が高くても、品質スコアで他社に負けている場合は掲載順位が下位になる可能性があります。

例えば、

A:「入札単価500円」×「品質スコア1」=「広告ランク500」

B:「入札単価300円」×「品質スコア10」=「広告ランク3000」

というケースでは、Aのほうが高い入札単価を設定しているのに、広告ランクでBに負けているため、広告掲載順位はB>Aということになります。

 

実際のクリック単価

入札単価と実際のクリック単価は違います。実際のクリック単価は

「自社より1つ下の会社の広告ランク÷自社の品質スコア+1円」で決まります。

上記の例で言うと、B社の実際のクリック単価は、

「A社の広告ランク500」÷「B社の品質スコア10」+「1円」=51円です。

このように実際に支払うクリック単価は、入札単価より低くなることがあります。

 

リスティング広告の予算の設定方法

リスティング広告の予算は「目標CPA(獲得単価)×目標CV数(コンバージョン数)」で算出できます。

CPAとは、1つの成果・CVを獲得するためにかかったコストのことです。目標CPAの設定は、売り上げや人件費、利益などを考慮して求める必要があります。1つの商品の売上単価から人件費や原価、さらに確保すべき利益を差し引き、残った金額がCPA、つまりこの商品を売るためにかけてもいい予算となります。

目標CPAが「2000円」で、目標CV数が「月100件」とすると、ひと月の予算は20万円かかることがわかります。

 

CPAの設定ができていないときは、「キーワードプランナー」を活用する方法があります。キーワードプランナーは「Google AdWords」の機能の一つです。キーワードと入札単価を入力すると、予想される費用や掲載順位が表示されます。出稿前にこうしたシミュレーションをすることで、予算の使いすぎを回避できます。

 

リスティング広告を始めよう!

予算設定ができたら、次は実際に出稿してみましょう。アカウントの開設から入稿までの流れをお伝えします。

Yahoo!プロモーション広告

Yahoo!JAPANビジネスIDを取得します。そのIDからYahoo!プロモーション広告の管理ツールにあるフォームに必要事項を入力して申し込みを行います。このとき、自社のWebサイト内に会社名と住所、電話番号の表記がないと審査に通らないので、ご注意ください。パスワードの設定と確認コードによる認証を行った後、電話番号認証を行います。

広告管理ツールにログインすると「かんたん広告作成」画面が表示されるので、商材やサービスの入力、広告設定、キーワード設定、予算設定などを行ってください。実際の入稿方法は、管理画面からダウンロードできるCSVのテンプレートに沿って入力を行い、インポートするだけです。審査が終わると、広告掲載が開始されます。

 

Google AdWords

Google AdWordsにアクセスし、メールアドレス、国、タイムゾーン、通貨を登録すると確認メールが送られてきます。メール内のリンクを踏むと、アカウントが開設されます。

Google AdWordsにログインしたら、上部に表示されている「キャンペーン」をクリックし、新しいキャンペーンを作成します。「タイプ」については、クリック率が高い「検索ネットワークのみ」をまずは設定してみましょう。ほかに入札戦略、広告表示オプションなどを設定し、広告予算を入力します。

キャンペーンの設定が終わったら、広告グループのタブで広告の作成とキーワードの設定を行い、それを保存すると審査が始まります。

 

費用対効果を上げるため、定期的な効果測定と改善を

自社の商品やサービスを積極的にPRしたいが、これまで特に広告を打ったことがないという人は、リスティング広告を検討してみてはどうでしょうか?リスティング広告は、容易に始めることができ、費用対効果の高さにも定評があります。

ただし運用については、一度出稿したら終わりではなく、効果測定して定期的に出稿し直すなど、ある程度の手間をかける必要があります。また、GoogleもYahoo!JAPANも、入稿規定を年1回程度変更していますので、その変化を追うこともマーケターとして大切なことです。