DXを推進するうえでの課題やおさえておくべきポイントとは?
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  • 2021/05/26

DXを推進するうえでの課題やおさえておくべきポイントとは?

これからの企業に求められることのひとつがDXです。近年、目にすることの多い用語ですが「正しい定義はよくわからない」「社内でDXを推進したいが課題や解決策がわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、DXの概要から課題点や成功のためのポイントについて解説します。併せて、DX推進に成功した日本企業の事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

DXとは?DXに関連する用語も含めて紹介!

DXはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称であり、データやデジタル技術を使って事業を変革していくことです。詳しくは「デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?図を用いてわかりやすく解説」にて解説していますので、こちらをご参照ください。

ここでは、DX推進に欠かせないキーワードである「DX推進ガイドライン」「DX推進指標」について簡単に紹介します。

DX推進ガイドラインとは?

日本においてDXを推進するにあたり「DX推進ガイドライン」の存在は欠かせません。DX推進ガイドラインは、企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインとして、経済産業省が取りまとめたものです。

DX推進ガイドラインは大きく「DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「DXを実現する上での基盤となるITシステムの構築」という2つから構成されています。

「DX推進のための経営のあり方、仕組み」の内容

  • 経営戦略、ビジョンの提示
  • 経営トップのコミットメント
  • DX推進のための体制整備
  • 投資等の意思決定のあり方
  • DXにより実現するべきもの:スピーディーな変化への対応力

「DXを実現する上での基盤となるITシステムの構築」の内容

  • 全社的なITシステムの構築のための体制
  • 全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス
  • 事業部門のオーナーシップと要件定義能力
  • IT構築に向けた資産の分析、評価
  • IT資産の仕分けとプランニング
  • 刷新後のITシステム:変化への追従力

企業がDX推進ガイドラインを活用するメリットとしては、経営者が抑えるべき項目を明確にできることや、取締役会や株主が、自社のDXの取り組みをチェックするために活用できることが挙げられます。

参考:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)を取りまとめました(経済産業省)

ビジネスモデルの改革向上

DX推進指標とは?

「DX推進指標」は、経済産業省が策定したDX推進における自己診断用の指標です。企業のDX推進の動きを加速させる狙いがあり、策定の背景として次のように語られています。

「DXを実現するにあたっては、経営幹部、事業部門、DX部門、IT部門など関係する者が現状や課題に対する認識を共有し、アクションにつなげていくことが不可欠である」

つまりDX推進指標は、自己診断を基本として各指標項目について、それぞれの部門が議論を回答することで、DX推進の動きを加速させるものです。

具体的には、いくつもの指標項目が用意されていますが、先ほど紹介したDX推進ガイドラインのと同じく経営とシステムの2つの観点で、それぞれ定性指標と定量指標の2つに分けられています。

「DX推進のための経営のあり方、仕組み」の指標項目

  • DX推進の枠組み(定性指標)
  • DX推進の取組状況(定量指標)

「DXを実現する上での基盤となるITシステムの構築」の指標項目

  • ITシステム構築の枠組み(定性指標)
  • ITシステム構築の取組状況(定量指標)

より詳しく知りたい方は「『DX推進指標』とそのガイダンス(経済産業省)」をご確認ください。

DXを推進していくうえでの課題とは?

経済産業省が公表しているDX推進ガイドラインは、2018年に取りまとめられたものですが、2021年の現在でもDXを思うように推進できていないという企業は少なくありません。DXを推進を阻む4つの課題と、自社の課題を整理するための6つの視点をご紹介します。

DX推進の課題1:DXを推進するIT人材の不足

第一に挙げられる課題は、DXを推進する人材の確保です。多くの日本企業はシステムの運用・維持をベンダー企業に一任していることが多く、自社内のIT人材が不足している状況にあります。加えて、IT業界全体が人材不足であり、ベンダー企業側も不足しているため既存システムの維持・運用だけで手一杯となり、新たに戦略的な人材投資や教育が求められています。

DX推進の課題2:既存システムの複雑化(不統一なシステムの存在)

既存の社内システムは、長年運用され多くの人員がシステム構築や改修を行ったことで、複雑で一貫性のないシステムになっている場合が少なくありません。内部構造や動作原理が不明である「ブラックボックス化」したシステムの存在は、DX推進の大きな課題となりえます。

DX推進の課題3:予算の不足

経済産業省の「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」によれば、日本企業におけるIT予算の約8割は既存システム維持・管理に割り当てられています。大部分の予算が維持のために割り当てられているため、新たなIT技術やツールを導入するための予算として割り当てられない状況にある点も課題の一つとなっています。

DX推進の課題4:DXへの認識不足(抽象的な経営戦略)

DXは単純にデジタル化・IT化を推し進めるだけではありません。あくまでもデジタル化やIT化は手段であり、最終的には経営的な観点から、今後のビジネスモデルや組織改編、企業風土の刷新が求められます。そのため、トップダウンで経営者の観点から、具体的な戦略を展開する必要があります。しかし、DXへの認識不足や抽象的な経営戦略によって、DXの効果が十分に発揮できないという課題もあります。

課題を整理するための6つの視点

これらの課題を乗り越え、現実的な方法でDXを推進していくためには、まず自社の現状を正しく把握することが重要です。

ビジネスモデルの変革を最終段階として、それぞれのフェーズを支えるものが「人材・文化のDX」です。ビジネスモデルのDXを実現するためには、まずAI等のDXを支えるテクノロジーの基本を理解したうえで、IT基盤・業務オペレーション・顧客接点のそれぞれをデジタル化していく必要があります。そして、それを実現するためには各業務に関わる「人材・文化のDX」が欠かせません。

課題を整理するための6つの視点
DXの6つの視点:箕輪 旭「今日から始めるデジタルトランスフォーメーション!テクノロジーの仕組みからデータ活用基盤のつくりかたまで」より

Udemyでは、この6つの視点の詳しい解説と併せて、AI/IoTなどのテクノロジーの仕組み、DXに必要なIT基盤の仕組みまで理解できる講座を提供しています。

 

DXの推進に成功した日本企業の導入事例

DX推進に関する課題をいくつか紹介しましたが、これらの解決の鍵はIT人材の育成・確保にあると言えます。さまざまな企業がDXを推進していますが、そのなかでもIT人材の育成・確保に注力したことでDXの推進に成功した日本企業の事例をいくつか紹介します。

資生堂ジャパン

資生堂ジャパン株式会社ではUdemy for Businessを導入いただき、内定者研修にオンラインと対面のブレンディッドラーニングを導入しました。その結果、「個の力を強くする」「人の力を最大化する」という同社の組織力強化施策を実現でき、講座の受講者からも好評です。

千葉銀行

千葉銀行は、人を最大限に活かすためのダイバーシティ推進の一環としてUdemy for Businessを導入されました。同銀行では4年ほど前から研修のデジタル化・オンデマンド化を進めており、新たな発想や価値を想像するために広範な知識と質の良い講座に魅力を感じて導入頂いています。導入いただいたことで産休・育休中の方に対しても自発的な能力開発や円滑な復職支援が可能となり、ダイバーシティ推進に役立てられているとのこと。

これらの成功事例の他にも、多くの事例があります。詳しく知りたい方はUdemyの導入事例をご参照ください。

IT人材の育成・確保

 

DXを推進させるための成功のポイントとは?

DXを推進させるためには、「DXを推進していくうえでの課題」で挙げた内容に対するアプローチが成功につながります。例えば、経営トップによる社内全体を巻き込んだ改革、DX推進に関する具体的な経営戦略の決定、一貫性のあるシステムの構築の実施などが挙げられます。

DXの課題を解決するためには人材の育成・確保が欠かせない

DX促進における課題解決を実現するためには、経営者や従業員のマインドの育成、適切なITツールの選定が欠かせません。そのためにも、IT人材の育成・確保が重要になります。ITの世界は日進月歩で進化しており、今や最新テクノロジーを活用するための専門知識や開発技術は不要になってきています。

これは、従来とはテクノロジーとの関わり方が変わってきていることを表しており、従来はビジネス・業務分野とITシステムの設計・実装の分野で役割が分けられていました。しかし、近年ではビジネス・業務分野でも簡易なシステムは自身で実装できるようになり、完璧な戦略よりも仮説検証のスピードが重要になってきます。

また、ITシステムの設計・実装の分野は、中途半端な開発スキルが不要になり、代わりに新技術の素早いキャッチアップや高度な専門性の獲得が重要になるのです。両者に共通することは、今まで以上にテクノロジーを自身のスキル・知識として身に付けなければならない、という事が言えます。

Udemy for Businessで「人材・文化のDX」を推進

DXを推進させるための成功のポイントは、成功事例を見ても分かる通りIT人材の育成・確保であり、「人材・文化のDX」が成功の要です。Udemy for Businessは、従業員のスキル・知識に応じた最適な講座を自由に選択できます。これからの人材育成では、普遍的かつ自律的で個別最適化された最先端の育成方法が欠かせません。

Udemy for Businessは世界最大級の法人向けオンライン動画学習プラットフォームとして、法人向けに厳選した5,500講座を定額モデルで提供しています。DX推進の成功ポイントである「人材・文化のDX」のために、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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DXを推進するうえでは、課題として「DXを推進するIT人材の不足」「既存システムの複雑化」「予算の不足」「DXへの認識不足」などが挙げられます。DXを成功させるためにはこれらの解決が欠かせず、課題整理のためには6つの視点に分けて考えることが重要です。

そのなかでも「人材・文化のDX」はDX推進の成功の要として非常に重要であり、IT人材の育成・確保が最も重要と言えるでしょう。