ITリテラシーとは?3つの意味とリテラシー向上のポイントを解説!

あらゆる企業において、パソコン・インターネット・セキュリティといった「IT」と業務の間には密接な関係が築かれています。

社員の間でこうした要素への理解が不足していると、業務効率の低下や思わぬ重大なトラブルが招かれるかもしれません。

そこで今回は、ITリテラシーの概要や、構成要素、向上のポイントなどについてわかりやすく解説します。

そもそもITリテラシーとは?

ITリテラシーとは、簡単に言えば通信・ネットワーク・セキュリティなど、ITにひも付く要素を理解する能力、操作する能力という意味です。

広義では、多くの情報の中から正しい情報をチョイスする「情報リテラシー」と置き換えることができます。

ちなみに「リテラシー(literacy)」とは、読解記述力を意味する単語です。「○○リテラシー」という言葉は、「○○に関する理解力」といった意味合いで使われます。

近年では、あらゆる企業においてWebを活用したマーケティングがビジネスを成長させる必須の取り組みになりました。

社員には最低限、Webや「Web上のマーケティング」といった概念への理解が求められます。こうした要素は、ITリテラシーの範疇です。

また、単純なパソコンの操作・アプリケーションの操作もITリテラシーと言えます。極めて基本的な例を挙げれば、マウスやキーボードの操作方法もITリテラシーです。

とりわけ、オペレーションで使用するツールの機能を熟知していると、作業の効率化につながります。

近年、企業に参加する若手社員は生まれたときからパソコン・インターネットが身近に存在していた「デジタルネイティブ世代」ですが、必ずしも十分なITリテラシーを有しているわけではありません。

ITリテラシーの欠如は、オペレーションの効率低下だけではなく、セキュリティやコンプライアンスに関する重大なトラブルを招く恐れもあります。

社員には早い段階で教育を実施し、身につけさせることが重要です。

社員のITリテラシーが低い場合

社員のITリテラシーが低いと、どんな問題があるのでしょうか?

ITリテラシーが低いことによるリスクを、例を挙げてご紹介しましょう。

■SNSアカウント炎上からの個人・企業特定

近年は、多くの人がSNSのアカウントを保有していますが、「投稿が世界に露出している」という自覚を持っていない方は少なくありません。

スマートフォンの画面

他人のプライベートな情報、犯罪をほのめかす内容といった投稿から「炎上」に発展し、過去の投稿内容から個人を特定されてしまった例があります。

勤め先まで明らかになってしまうと、個人がやったこととはいえ企業のイメージダウンは免れません。

■コンシューマーチャットツールによる情報漏えい

現在では、多くのチャットツールがプライベートシーン、ビジネスシーンで普及しています。

それぞれのシーンでチャットツールに求められるセキュリティレベルは一様ではありません。

「気軽に使えるから」「機能に申し分ないから」といった理由で、ビジネス上の機密性が高いやりとりをコンシューマーチャットツールで行っていると、情報漏えいに繋がるかもしれません。

ITリテラシーが持つ3つの意味

続いて、ITリテラシーを構成する3つの側面について解説します。

情報を取捨選択する「情報基礎リテラシー」、パソコンの操作に関わる「コンピュータリテラシー」、インターネットの概念に関わる「ネットワークリテラシー」という3つ能力によって構成されているのが、ITリテラシーです。

それぞれの能力の領域には、重なっている部分も存在します。1つずつ、詳しくお話しましょう。

情報基礎リテラシー

情報基礎リテラシーとは、簡単に言えば情報を正しく使うための能力です。

具体的には、「情報を探し出す能力」「情報を精査する能力」「情報を使う能力」の3つの能力を内包しています。

本質的にはITとの関わりはありませんが、コンピュータの発展により膨大な情報がスピーディーに手に入るようになった現在だからこそ、重要性が高まってきた能力です。

十分な情報基礎リテラシーを有していない社員は、求める情報を探すことができません。正しい情報を判断・出典する方法もわからないでしょう。

偽りを表している画像

過去には、テロ・犯罪・事件などの「フェイクニュース」が、政府すらも揺るがしたケースがあります。「インターネットには嘘が多い」ということを社員に教育させることは大切です。

コンピュータリテラシー

コンピュータリテラシーとは、その名のとおりコンピュータを操作する技術、あるいは知識を意味します。

近年、オペレーションにおいてまったくパソコンを使用しない会社は希少な存在です。キーボードやマウスの操作方法に関する理解は、ほとんどどの企業でも求められるでしょう。

「最低限のコンピュータリテラシー」は、業務によって異なります。

Word・Excel・PowerPointといったOfficeツールを使用する能力は、多くの現場が水準として設定しているようです。

さらに専門的な現場では、特定のプログラミング言語を読み書きする能力を最低水準として設定している場合があります。

ネットワークリテラシー

ネットワークリテラシーは、ネットワークやセキュリティに関する技術的な知識を理解する能力です。

一方で、近年では「インターネットの正しい使い方」や、「インターネットを利用するうえでのモラル」といった意味でも用いられます。

企業に与している以上、プライバシー保護やセキュリティ対策は個人レベルで求められる取り組みです。

また、SNS上での発言がとりかえしのつかない事態に発展する可能性も、すべてのユーザーが理解しておく必要があります。

招かれるトラブルの重大さから、多くの企業で教育の取り組みが始まっているITリテラシーの要素です。

ITリテラシー向上のために

では、社員のITリテラシーを向上させるためには、どういった教育方法が有効なのでしょうか?

新入社員に基本的な知識を教育する際や、新しいシステムを導入するタイミングでは、役職や部署といった各セグメントをまとめて研修を行うことで、ITリテラシーが向上します。

概念的な知識や、仕事に関するコンピュータリテラシーに関しては、eラーニングによる学習が効果的かつ効率的だと考えられています。

また、近年ではIT企業や、すでに技術を獲得しているポストでも、ITリテラシーの向上を図る意義は大きいと考えられています。

「ビッグデータ」や「IoT」「AI(人工知能)」といったキーワードへの理解を深めることが、さらなるビジネス発展の鍵となっているようです。

「ITパスポート」「情報セキュリティマネジメント試験」といった試験で、ITリテラシーの理解度を計ることができますので、これらを目標に教育を行うのもひとつの方法です。
 

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