GPT-4o miniについて、名前は知っているが、
・GPT-4o miniは従来のAIモデルと何が違うのか
・GPT-4o miniで何ができるのか
などが気になっている方は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、
・GPT-4o miniの概要
・GPT-4o miniとほかの言語モデルの比較
・GPT-4o miniのメリット
・GPT-4o miniの活用例や使い方
などについて、わかりやすく解説します。
INDEX
GPT-4o miniとは:安価で出力の早い言語モデル
GPT-4o mini(ジーピーティーフォーオーミニ)とは、ChatGPTを手掛けるOpenAI社が、2024年7月に発表した言語モデルです。GPT-4oの小型版として登場し、ChatGPTの無料プランでも標準搭載されています。
GPT-4o miniの特徴は、コスト効率の高さと処理速度です。GPT-4oと比較した場合、GPT-4o miniは約1/16の料金で利用でき、出力スピードも約2倍と処理速度も向上しています。
さらに、GPT-4oと同様マルチモーダルに対応しているため、テキスト・音声・画像を組み合わせて入出力できます。このような特徴から、ビジネスでの活用も期待されています。
ただし、出力結果(精度)に関してはGPT-4oのほうが優れているとされています。用途によって求める結果は異なるため、用途に応じて適切に選択することが重要です。
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OpenAI社の言語モデルである「GPT-4o mini」「GPT-4o」「GPT-3.5 Turbo」の3つの言語モデルを比較してみましょう。比較する内容は以下のとおりです。
なお、GPT-3.5 Turboは、ChatGPTのアプリ・Web版で利用できなくなっている(2024年11月時点)ため、出力内容の比較は「GPT-4o mini」と「GPT-4o」のみとします。
基本情報・価格
はじめに、それぞれの言語モデルの基本情報と価格を比較します(2024年11月時点)。
比較項目 | GPT-4o mini | GPT-4o | GPT-3.5 Turbo |
---|---|---|---|
料金($:USD) ・入力トークン ・出力トークン |
・$0.15/1M ・$0.60/1M |
・$2.5/1M ・$10.0/1M |
・$0.50~3.0/1M ・$1.50~6.0/1M |
最大入力 トークン数 | 128,000 | 128,000 | 16,385 |
最大出力 トークン数 | 16,384 | 16,384 | 4,096 |
無料プランの 有無 | あり | あり | - |
学習データの 最終更新日 | 2023年10月 | 2023年10月 | 2021年9月 |
出典:OpenAI「料金」/OpenAI API「Models」
上記の表からも、GPT-4o miniはGPT-4oと同等の性能を持ちながら、安価に利用できることがわかります。
GPT-3.5 Turboは、2023年11月にも更新されていますが、その後にGPT-4o/miniが登場しており、学習データの最終更新日からみても現在では古い言語モデルになっているといえるでしょう。
性能
GPT-4o mini、GPT-4o、GPT-3.5 Turboにおける生成の品質と生成スピードについて、さまざまな生成AIモデルの比較ができる「Artificial Analysis」で比較してみます。
以下の画像は、縦軸が生成の品質、横軸が生成スピードを表しています。品質はGPT-4o>GPT-4o mini>GPT-3.5 Turboの順となっており、GPT-3.5 Turboと、GPT-4o・GPT-4o miniの間には大きな差があることがわかります。
一方で、生成スピードに関しては大きな差はありませんが、GPT-3.5 Turbo>GPT-4o mini>GPT-4oの順となっています。
これらの結果から見ても分かる通り、GPT-4o miniは生成品質とスピードの両方を兼ね備えた言語モデルであるといえます。
出力内容比較①文章生成
ここからは、実際にChatGPTで出力内容を比較してみましょう。2024年11月現在ChatGPTで利用できるGPT-4oとGPT-4o miniを比較します。
まずは、文章の生成能力の違いを比較するために、次のプロンプトをそれぞれの言語モデルに与えます。
ChatGPTに与えるプロンプトについて詳しく知りたい方は、「ChatGPTのプロンプトとは?効果的なプロンプトの作り方や例を紹介」をご覧ください。
・プロンプト
あなたはギターの歴史に詳しい専門家です。 次のテーマに沿って、文章を出力してください。 # テーマ FenderとGibsonについて # 指示 ・ですます調で出力する ・年代なども含めながらわかりやすくする ・出力文字数は全体で1,000文字程度とする |
・出力結果(GPT-4o mini)
FenderとGibsonは、ギターの世界で最も有名な2つのブランドであり、それぞれに独自の歴史と特徴があります。これらのブランドは、ギターの発展に大きな影響を与え、今日でも多くのミュージシャンに愛され続けています。 ### Fenderの歴史 Fenderは、1946年にレオ・フェンダーによって設立されました。彼は、最初に「Fender Esquire」というエレクトリックギターを製作し、その後「Telecaster」(1950年)を発表しました。Telecasterは、シンプルで堅実なデザインが特徴で、その音色と耐久性から、カントリー、ジャズ、ロックなど多くの音楽ジャンルで使用されるようになりました。 1954年には、「Stratocaster」が登場しました。これもまたFenderの代表的なギターで、特徴的なシングルコイルピックアップとカーブしたボディシェイプが特徴です。Stratocasterは、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンなどの伝説的なギタリストによって使用され、ロックミュージックの象徴的な楽器となりました。 Fenderのギターは、その手頃な価格と革新性、使いやすさから、一般的に多くのギタリストにとって入門機材としても人気があります。また、ストラトキャスターやテレキャスターなどのモデルは、プロフェッショナルなミュージシャンにも愛用されています。 ### Gibsonの歴史 一方、Gibsonは、1902年にアーサー・ヘンリー・ギブソンによって設立されました。最初はアコースティックギターやバンジョーなどの楽器を製造していましたが、1930年代にエレクトリックギターを開発し、その後のギター業界に革命を起こしました。 Gibsonの最も有名なモデルの1つは、「Les Paul」です。このギターは、1952年に発売され、ジャズやブルース、ロックンロールなど、さまざまな音楽スタイルに対応する優れたサウンドを提供しました。Les Paulは、特にその重厚で太い音色が特徴で、多くの伝説的なギタリストに愛されました。ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)やスラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼズ)などの名ギタリストが、このギターを使用して音楽史に名を刻みました。 Gibsonはまた、「SG」や「ES-335」など、他にも多くの名機を生み出しました。特にSGは、軽量でプレイアビリティに優れ、ロックやメタルなどのジャンルで重宝されています。 ### FenderとGibsonの違い FenderとGibsonのギターは、その設計や音色において大きな違いがあります。Fenderは、シンプルで軽量なデザインと、クリアでシャープな音色が特徴です。一方、Gibsonは、重厚で厚みのある音を提供し、特にドライブサウンドやディストーションのかかった音に強みがあります。 また、Fenderのギターは、そのシングルコイルピックアップが特徴で、明瞭な高音と明るい音が得られます。対照的に、Gibsonはハムバッカーピックアップを搭載しており、ノイズを抑えつつ温かみのあるサウンドを提供します。 ### まとめ FenderとGibsonは、いずれもギター業界において欠かせない存在であり、それぞれが異なる音楽的ニーズに応じたギターを提供しています。Fenderはその革新的で使いやすいデザイン、Gibsonはその重厚なサウンドと高い音楽的表現力で、ギタリストにとって欠かせないブランドと言えるでしょう。それぞれのギターには独自の魅力があり、どちらを選ぶかは、演奏スタイルや音楽的な好みによるため、ギタリスト自身の個性を表現するための重要な選択となります。 |
・出力結果(GPT-4o)
**FenderとGibson:エレキギターを築いた2大ブランドの歴史** エレキギターといえば、真っ先に思い浮かぶブランドとして**Fender(フェンダー)**と**Gibson(ギブソン)**が挙げられます。これらのブランドは、エレキギターの歴史を形作り、現在も多くのギタリストに愛されています。それぞれの成り立ちや特徴を、年代を追いながらわかりやすく解説します。 — ### **Fenderの歴史:実用性を追求した革新者** Fenderは1946年、アメリカのカリフォルニア州でレオ・フェンダーによって設立されました。同社がエレキギター史において特に重要視されるのは、1950年に発売された**Telecaster(テレキャスター)**です。これが、初の量産型ソリッドボディギターとして登場しました。 続いて1954年には、Fenderの代表作とも言える**Stratocaster(ストラトキャスター)**が発売されました。このギターは、流線型のデザインと優れた演奏性、独特のトレモロアームを備え、多くのアーティストに支持されています。エリック・クラプトンやジミ・ヘンドリックスなど、数々のギターヒーローがストラトキャスターを使用したことで、Fenderはモダンなギターの象徴となりました。 — ### **Gibsonの歴史:クラシックとモダンの融合** 一方、Gibsonは1902年にミシガン州で設立されました。当初はマンドリンなどの弦楽器を製造していましたが、1930年代にはアコースティックギターで高い評価を得るようになりました。そして、エレキギター市場に進出したのは1952年のことです。この年に発売されたのが、ギブソンの代表作**Les Paul(レスポール)**です。 Les Paulは、ギタリストのレス・ポールとの共同開発で誕生しました。独特の丸みを帯びた形状と重厚なトーンが特徴で、ロックやブルースの分野で圧倒的な支持を受けています。また、1958年には**Flying V(フライングV)**などの革新的デザインも登場し、Gibsonはクラシックな美しさと先進的な挑戦の両方を持つブランドとして成長しました。 — ### **FenderとGibsonの違いと魅力** Fenderのギターはシングルコイルピックアップによるクリアでシャープな音が特徴です。一方、Gibsonのギターはハムバッカーピックアップによる太くて重厚な音が魅力です。また、デザインの面でも対照的で、Fenderはシンプルで実用性を重視する一方、Gibsonは高級感のある仕上げを大切にしています。 これらの違いがあるため、Fenderはポップスやカントリー、Gibsonはロックやジャズといったジャンルで多く使用されています。しかし、どちらのブランドも非常に多様な音楽ジャンルで活躍しており、それぞれのギターが持つ個性がギタリストたちの創造性を引き出しています。 — ### **結び** FenderとGibsonは、それぞれの個性と革新性でエレキギターの歴史を切り開いてきました。どちらも多くのギタリストに愛され、音楽シーンに欠かせない存在です。初心者からプロまで、多くの人にとって憧れのブランドであり続けるFenderとGibsonのギターは、これからも音楽の未来を支えるでしょう。 |
簡単なプロンプトでそれぞれ文章を生成してみましたが、GPT-4o/miniともにしっかりとした文章を生成できているのではないでしょうか。この文章をもとに校正すれば、ゼロから文章を作るよりも効率的です。
ただし、どちらのモデルも、ハルシネーション(事実と異なる情報や存在しない情報、矛盾する内容などを生成する現象)が起きており、誤っていると思われる内容が存在しています。
例えば、GPT-4o miniの出力結果では「Gibsonをアーサー・ヘンリー・ギブソンが設立」 と記載がありますが、正しくはオーヴィル・ギブソンが設立者です。
また、GPT-4oの出力結果では、「1950年に発売された**Telecaster」とありますが、1950年に発売された時の名称は「Broadcaster」であり、「Telecaster」と改名されたのは翌年の1951年です。
ハルシネーションはプロンプト次第である程度抑えられますが、完璧になくすことは難しく、人による校閲・校正は必要です。
なお、GPT-4o miniは、GPT-4oと比べて体感できるほど高速に生成できました。生成した内容については、好みもあると思いますが、GPT-4oのほうが魅力的でしっかりとした文章だと感じます。
この違いが品質はGPT-4oのほうが高いと言われる所以でしょう。
出力内容比較②長文要約
次に、先ほど生成した文章を要約してみます。要約する内容は、先程GPT-4oが生成した文章です。
・プロンプト
次の文章をわかりやすく300文字程度に要約してください。 FenderとGibsonは、ギターの世界で最も有名な2つのブランドであり、それぞれに独自の歴史と特徴があります。これらのブランドは、ギターの発展に大きな影響を与え、今日でも多くのミュージシャンに愛され続けています。~(略)~ |
・GPT-4o mini
FenderとGibsonは、エレキギターの歴史を形作った2大ブランドです。Fenderは1946年に設立され、1950年に初の量産型ソリッドボディギター「Telecaster」を発売、1954年には「Stratocaster」が登場し、多くのアーティストに支持されました。一方、Gibsonは1902年に設立され、1952年に「Les Paul」を発売。重厚なトーンと独特なデザインで、ロックやブルースの分野で人気を博しました。Fenderはシンプルでシャープな音、Gibsonは太く重厚な音が特徴で、音楽ジャンルに合わせて使用されています。どちらも多くのギタリストに愛され続けています。 |
・GPT-4o
FenderとGibsonはエレキギターの発展において欠かせない2大ブランドです。Fenderは1946年創業、シンプルで革新的なデザインの「Telecaster」や「Stratocaster」で、クリアな音色と実用性を追求しました。一方、1902年設立のGibsonは、重厚なトーンが魅力の「Les Paul」などを展開し、クラシックと革新を融合しました。Fenderはポップスやカントリー、Gibsonはロックやジャズに最適とされますが、どちらも多様な音楽ジャンルで愛用されています。それぞれの個性がギタリストの創造性を支え、音楽の未来を築き続けています。 |
どちらも同じ文章を要約していますが、この場合もやはり品質はGPT-4oのほうが良いといえるのではないでしょうか。
文章量が少ない分、先程の長文を生成するときと比べると、体感できるほどの生成スピードの差はありませんでした。
出力内容比較③プログラミングコード生成
続いてプログラミングコードを生成してもらいます。GPT-4o/miniそれぞれに生成してもらいましたが、文章生成と比べると違いが顕著に出ました。
今回は出力されたコードだけでなく、実行例や解説なども含めてわかりやすく比較するために、生成結果をキャプチャしています。
・プロンプト
あなたはプログラマーです。 次の指示に従ってテーマに沿ったプログラムコードを生成してください。 # テーマ 九九を文字列で出力する # 指示 ・プログラミング言語はPythonとする ・読みやすく簡潔なコードにする ・出力結果は見やすくなるように整形する |
・GPT-4o mini
・GPT-4o
生成スピードは、文章生成と同様、GPT-4o miniのほうが早く生成できています。生成結果については「コード」「実行結果例」「説明」と内容に差はありません。
しかし、GPT-4oが提示するコードのほうがより簡潔でわかりやすいです。また、コードの説明も箇条書きを用いており、より簡潔かつわかりやすくなっているといえるでしょう。
生成スピードはGPT-4o miniのほうが優れていますが、生成品質に関してはGPT-4oに軍配が上がる、という結果となりました。
なお、ChatGPTを用いてプログラミングに活用する方法については、「ChatGPTをプログラミングに活用する方法とは?実践形式で解説!」にて、活用事例なども含めた実践形式で解説しています。こちらも併せてご覧ください。
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講座を見てみるGPT-4o miniを選ぶメリット
ChatGPTのGPT-4o miniは、生成AIを活用して業務効率を上げたい方におすすめです。ここからは、GPT-4o miniを選ぶメリットについて解説します。
ほかの生成AIと比べて料金が安価
前述の通り、GPT-4o miniは、ほかのAIモデルと比較して圧倒的に低価格です。例えば、同じChatGPTのGPT-4oと比べると約1/16の価格で利用できるため、頻繁に使用する場合は大幅なコスト削減が見込めます(2024年11月時点)。
ブラウザ版のChatGPTでは無料で無制限に使用できるため、実際の業務効率化を検証しやすいのも大きな魅力です。
回答の出力スピードが早い
GPT-4o miniの生成スピードは非常に高速です。前述の「Artificial Analysis」における結果や、実際に生成した結果から見ても、GPT-4oと比較すると体感できるほど早く生成できます。
生成スピードが早いということは、待ち時間が少ないということです。簡単な業務や日常的なチャットにおいて、リアルタイムに応答が求められるシーンに最適な言語モデルといえるでしょう。
低価格モデルの中では回答の精度が高い
Open AIが提供する低価格モデルの中で、GPT-4o miniは比較的高い生成精度を誇ります。以前のGPT-3.5 Turboや他社の低価格モデルと比較して、長文読解能力や多言語処理の効率が向上しています。
ただし、高価格帯のGPT-4oと比べると、完全な精度には及ばない点に注意が必要です。
ChatGPT APIに対応している
ChatGPT APIに対応しているという点も、GPT-4o miniを利用するメリットの一つです。
ChatGPT APIとは、OpenAI社が開発した自然言語処理モデルを外部のシステムやサービスで利用できる仕組みです。ChatGPT APIを利用すると、ChatGPTを開かずとも、自社のアプリやシステム上でGPT-4o miniを利用できます。
ChatGPT APIにはGPT-4o mini以外にも、GPT-4o/GPT-4/GPT-4 Turbo/GPT-3.5 Turbo/DALL・E/TTS/Whisper/Embeddings/Moderationなどが対応しています。
API(Application Programming Interface)は、外部サービスの機能を共有できるようにするインタフェースのことを表します。
「そもそもAPI連携がどのようなものかわからない」という方は、「Web開発に役立つAPI連携とは?利用するメリットや実装手順を紹介」を参考にしてみてください。
実務でのGPT-4o mini活用例
GPT-4o miniは、以下のような実務で活用できます。
具体的にどのように使うのか簡単に説明します。
タスク整理・スケジュール作成
GPT-4o miniはタスク整理やスケジュール作成のサポートに活用できます。
テキストや画像認識の能力が高いため、単なるスケジュール管理だけでなく、画像内の文字をテキスト化してそれを基にタスクを洗い出す、といった高度な自動化も可能です。複雑な文章読解を必要としない日常タスクに特に有効です。
プログラミング・開発
前述のプログラミングコードの生成結果を見ても分かる通り、プログラミング分野でもGPT-4o miniは活用できます。プログラミングコードの生成や、エラー箇所の指摘や修正において高い能力を発揮します。初学者でも処理のフローを示すことで、簡易的なコード作成が可能です。
Open AI社が公開する言語モデルのスコアの評価基準の一つに、AIモデルがプログラムをどれほど記述できるかを示した「HumanEval」があります。こちらの結果はGPT-4oが90.2%に対して、GPT-4o miniは87.2%の性能を示しています。
プログラミングコードの記述に関しては、高価格帯のGPT-4oと変わらない性能であるため、実務運用に十分耐えうるレベルといえるでしょう。さらに、ChatGPT APIを活用すれば、より高度な開発も可能です。
チャットボットの作成
GPT-4o miniにおけるChatGPT APIの活用例の一つとして、高度なチャットボットやカスタマーサポートシステムの構築が挙げられます。
GPT-4o miniは低価格帯のモデルの中では回答精度が高く、応答スピードも速いため、リアルタイムでのユーザー対応に最適です。企業の自動化戦略において、重要な役割を果たすツールとなるでしょう。
チャットボットの作り方については「チャットボットの作り方とは?手段や事前準備もあわせて解説」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
GPT-4o miniの使い方
GPT-4o miniはChatGPTに標準搭載されています。無料プランでも利用可能ですが、言語モデルをGPT-4oからGPT-4o miniに設定を変更する必要があります。
設定の変更は簡単です。何でも良いのでプロンプトを入力し、生成結果の右下に表示されるアイコンから言語モデルを変更できます。
無料プランだと最初の言語モデルとしてGPT-4oが設定されていますが、GPT-4oの利用には制限があります。
具体的な利用可能回数などは明示されていませんが、5時間に10回程度利用すると回数制限に達し、自動的にGPT-4o miniに移行するようになっています。
GPT-4o miniに移行してからの回数制限はありません。
GPT-4o miniでAPIを実行する方法
最後に、GPT-4o miniでChatGPT APIを実行してみましょう。注意点として、ChatGPT APIは有料のサービスであるため、事前に料金をチャージしておく必要があります。利用料金はモデルと使用トークン数で変わるため、OpenAIの公式サイトを事前に確認しておきましょう。
APIを実行するまでの手順は主に以下の通りです。
各工程について説明します。
OpenAIアカウントを開設し、APIキーを取得
ChatGPT APIを利用するためには、Open AIアカウントを開設してAPIキーを取得する必要があります。
OpenAIのAPIプラットフォームにアクセスして「構築を始める」をクリックします。
アカウントを作る場合は「Sign up」、すでにアカウントを持っている場合は「Log in」ボタンをクリックして進めてください。
ログイン後、右上の歯車マークをクリックし、左側の「API keys」を選択します。
初回は電話番号認証が必要なため、「Start verification」から認証してください。
認証完了後にAPIキーの作成画面に遷移します。「API keys」の画面右上にある「Create new secret key」ボタンをクリックしても作成画面に遷移することが可能です。
Nameには任意の名前を入力します。ProjectやPermissionsは環境に合わせて変更してください。今回は、Default projectでPermissionsはAllで進めます。
項目の入力と選択が完了したら「Create secret key」ボタンをクリックします。
APIキーが表示されるため、Copyボタンで保存しておきましょう。
APIキーは再度表示することができないため、必ず保存してください。もしも、APIキーがわからなくなってしまった場合は、再度作成する必要があります。
PythonでAPIを呼び出す
ChatGPT APIを呼び出す方法はさまざまですが、今回はPythonで呼び出します。先程取得したAPIキーに変えつつ、以下のコードを作成してみましょう。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 |
# coding: cp932 from openai import OpenAI client = OpenAI(api_key='***自身のAPIキーを入力***') completion = client.chat.completions.create( model="gpt-4o-mini", messages=[ {"role": "system", "content": "あなたは親切で役立つアシスタントです。"}, { "role": "user", "content": "自己紹介をしてください" } ], temperature=0.71, max_tokens=16383, top_p=1, frequency_penalty=0, presence_penalty=0, ) print(completion.choices[0].message) |
実際に実行すると、Pythonを通して回答を得られます。
ChatGPTのでも同様のプロンプトを与えてみましたが、同じような回答が得られていることからも、しっかりとAPIを使って回答が得られていることがわかります。
GPT-4o miniを活用して低コストで業務を自動化しよう
GPT-4o miniは、OpenAI社が2024年7月に発表した生成AIの言語モデルであり、従来のモデルに比べて安価で出力が早い点が特徴です。
同社の低価格モデルのGPT-3.5 Turboよりも高性能であり、高価格モデルのGPT-4oと比較してもAPIを利用する際は安く、高速な生成が可能です。GPT-4oに比べると生成の品質は多少劣りますが、両者の違いを理解して適切に使い分けると良いでしょう。
GPT-4o miniは日常業務の自動化にも適しています。この記事の中ではいくつか利用方法の例やAPIの使い方などを簡単に解説しましたが、より詳しく学びたい方にはUdemyの動画講座がおすすめです。
大規模言語モデルの基礎知識から業務活用する際の課題と併せて、PythonとGPT-4o miniを組み合わせた実業務における効率化を体系的に学ぶことができます。
AIを活用した業務の効率化・自動化に興味のある方は、ぜひ一度受講してみてはいかがでしょうか。
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