ECサイトの運営を始める方必見!具体的な業務内容とサイトの作り方を解説

ECサイトの運営を始める方必見!具体的な業務内容とサイトの作り方を解説

近年、個人でもスマホひとつでお店を持てるようになるなど、ECサイトへの注目が集まっています。ECサイトでは、実店舗よりも広いエリアを対象に、商品を販売できます。ただし、運営する際は、ECサイトの制作や商品発送など、実店舗とは異なる作業が発生します。

この記事では、ECサイト運営の具体的な業務内容や必要なスキル、サイトの構築方法について解説します。ECサイトの立ち上げを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ECサイトを運営するメリットとは?

政府が発表する調査データによると、国内におけるEC市場は拡大傾向です。Amazonや楽天市場などのECモールを含む、BtoCのEC市場規模は、令和元年で19.4兆円に達しました。

令和元年における市場規模は前年比で7.65%増加し、成長率は年々高まっています。特に需要の高い商材は、生活家電やAV機器、PC・周辺機器などです。

*出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

さらに、新型コロナウイルスの影響により、実店舗からEC市場への参入がより盛んになり、今後も市場規模は拡大していくと見られます。

市場規模や需要が拡大する中で、ECサイトを運営する主なメリットは以下の通りです。

  • 商圏を広げられる

ECサイトを利用すると、日本全域に商圏を広げられます。また、商材によっては、海外にも商圏を広げることが可能です。

  • 人件費や家賃がかからない

ECサイトは実店舗と異なり、販売員の人件費や、店舗の家賃などの固定費がかかりません。

  • オフラインの販促費が削減できる

ECサイトは集客から購入までWeb上で完結するため、カタログ印刷などのオフラインの販促費が削減できます。

  • 顧客データを利用した細かな接客が可能

顧客の購入履歴や、属性などのデータを利用できるECサイトでは、クーポンやメルマガ配信などの機能を用いた細かな接客が可能です。

ECサイトを運営して上記のメリットを得るためには、ECサイトを制作する前に、ECサイト運営の業務内容を正しく理解しておく必要があります。

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ECサイト運営に必要な業務とは?内容を紹介

ECサイト運営に必要な業務は、商品企画やサイトへの集客、顧客対応など、多岐にわたります。ここからは、ECサイト運営に必要な業務の概要と、業務を行う際のポイントについて解説します。

①商品企画(既存店舗がある場合は商品の選定)

ECサイトを立ち上げるには、まず、どのような商品を販売するのかを決めなければなりません。既存の店舗がある場合には、ECサイトで売る商品の選定をしましょう。

新たに販売ビジネスへ参入を考えている方は、商品企画からスタートします。商品企画を行う際は、ユーザーのニーズや市場におけるトレンドなども踏まえて、売れる商品を考えましょう。

「誰に商品を売るのか」という明確なターゲットを決めると、魅力的な商品を企画できます。ターゲットの年齢や性別だけでなく、ライフスタイルや解決したい悩みまで、細かく考えることが商品企画のポイントです。

②Webマーケティング(SNS運用・SEO対策など)

ECサイトに集客するためは、Webマーケティングを実施してアクセスを集める必要があります。ECサイトへの集客・商品注文を増やすための主なWebマーケティング施策は、SNS運用やSEO対策、広告配信などが挙げられます。

特にSEO対策は、重要性の高い施策として位置付けられています。SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語で、検索エンジンの上位に自社サイトを表示させるための施策です。

検索エンジンからECサイトへのアクセスが増えると、売上も伸びる可能性が高まります。検索エンジンからのアクセスは、Web広告と異なり、広告費がかかりません。そのため、広告費をかけず定常的にアクセスを集めるための施策として、SEO対策を行うことが重要です。

SEO対策についてより詳しく知りたい方は、 「SEOキーワード選定法&ツールが丸わかり!4つの超重要知識も紹介」の記事もご覧ください。

SEO対策を考える

また、SNSが普及した現在は、SNSアカウントによるWebマーケティングも主流です。ターゲット属性に合ったSNSで商品をプロモーションすることで、見込み度の高いユーザーをECサイトに集められます。

③商品の仕入れ

ECサイトで物販を行う場合、商品の仕入れも重要な業務です。ニーズの高い商品を探して安く仕入れることで、ECサイトの利益を高められます。

ただし、商品を仕入れすぎてしまうと、在庫を抱えるリスクが増します。そのため、販売が見込める個数を考慮して、商品の仕入れ数を決めましょう。

また、ECサイト運営が軌道に乗った際に、人気商品の生産が間に合わなくなる場合があります。品切れによる機会損失を避けるため、あらかじめ、複数の仕入れ先を確保しておくことがポイントです

④在庫管理

在庫管理とは、ECサイトで取り扱う商品の過不足を防ぐために、在庫数を適切に保つ業務のことです。在庫数を定期的にチェックし、適切なタイミングで発注することで、品切れや過剰在庫の発生が防げます。

商品の需要と在庫のバランスと取るために、発注量の調整を行うなど、業者とコミュニケーションをとることも大切です。

⑤受注

ECサイトの受注業務には、注文確認メールの送付や在庫への引き当て、出荷指示などが含まれます。顧客が商品を注文してからの対応は、満足度に大きな影響を与えるため、スムーズに作業をすることが重要です。

受注業務は単純作業ではあるものの、ミスを起こすとトラブルの原因となるため、丁寧に行う必要があります。

⑥出荷

ECサイトで注文が入った場合、ピッキングと梱包、出荷の作業を行います。ピッキングとは、注文の内容にしたがって、発送する商品を集めることです。特に、取扱商品の種類が多い場合は、ピッキング作業を正確に行う必要があります。

商品を梱包する際は、汚れや破損がないように丁寧に作業することがポイントです。輸送中のトラブルを避けるため、緩衝材など十分な梱包資材を用意しましょう。

商品を受け取る

⑦配送

梱包が完了した商品は、配送業者に依頼して顧客まで届けることが一般的です。配送業者を選ぶ際のポイントとして、コストや配送の速さ、トラブル時の保証内容などが挙げられます。配送業者によってサービス内容が異なるため、自社の商品に適した業者を選定しましょう。

⑧顧客対応

ECサイトの顧客対応業務として、次のような内容が挙げられます。

  • 配送に関するトラブル対応

配送した商品が顧客のもとへ適切に届いていない場合や、誤った商品を配送してしまった場合は、顧客対応が必要です。

配送トラブルが発生した場合、顧客への謝罪、配送業者への問い合わせや、商品の再発送といった対応が求められます。

  • 返品、交換などのクレーム対応

商品に不具合があった場合などは、適切なクレーム対応を行うことがポイントです。顧客からのクレーム内容を確認し、自社のミスが認められる場合は、返品や交換などの対応を行いましょう。

  • 質問への対応

商品の購入方法に関する問い合わせや、購入後の質問への回答も顧客対応に含まれます。顧客の要望を把握し、迅速に回答しましょう。

上記のような対応をスムーズに行うためには、Web上に問い合わせフォームが必要です。ECサイトに専用のフォームを設置することで、顧客からの問い合わせに漏れなく対応することができます。

お問い合わせをする

 

ECサイトの運営にはどんなスキルが必要?

ECサイトを制作・運営していくためには、さまざまなスキルが必要です。ECサイトの運営を考えているなら身につけておきたい、基本的なスキルをご紹介します。

サイト作成のためのコーディングスキル

ECサイトの作成には、簡単なコーディングスキルが必要です。HTMLやCSSの基本的な技術を身につけることで、ECサイトの微調整やカスタマイズができます。

商品企画や集客を行うためのWebマーケティングスキル

売れる商品を企画したり、サイトにアクセスを集めたりするためのWebマーケティングスキルも、ECサイト運営に有用です。特に、Web広告運用やアクセス解析のスキルがあると、ECサイト運営に役立ちます。

商品写真の撮影、画像編集スキル

写真で商品を確認し購入に至るECサイトにおいて、商品写真は非常に重要です。魅力的な商品写真を作るためには、撮影スキルや画像編集スキルが必要です。使用する撮影機材やライティングのテクニックによって、商品写真の見栄えが変わります。

顧客対応スキル

顧客とのやり取りをするためのスキルも重要です。カスタマーサポートや接客業など、顧客対応の経験はECサイト運営に役立ちます。顧客の要望をくみ取り、誠意をもって対応することがポイントです。

 

なお、すべてを自分で行う必要はありません。必要スキルを切り分けて、外注するという選択肢もあります。まずは、どんなECサイトにするのか、どれくらいの売り上げを目標にするのかなどを決め、動き始めることが大切です。

 

ECサイトの構築方法4選!運営方針に合った方法を選ぼう

ECサイト運営の業務内容を理解し、必要なスキルを身につけたら、早速ECサイト制作に入りましょう。ECサイトを作る方法は大きく分けて4つあり、運営方針に合う方法を選ぶことが重要です。

以下では、ECサイトの構築方法と、それぞれどのような運営方針の方に向いているのかを解説します。

なお、ASPやパッケージを利用しても、自分で開発するのは難しいというマーケティング担当の方は、制作会社に依頼するという選択もありますので、心配しないでください。

①ASP

ASPとは「アプリケーションサービスプロバイダ」の略称です。ECサイト向けのASPを用いると、レンタルサーバーと契約することなく、提供されたクラウド上でECサイトを構築できます。

ASPはECサイト初心者でも始めやすく、開発コストを最低限に抑えられる点がメリットです。まずは低予算でECサイトを構築したい方に、ASPが向いています。

月額費用が無料のECサイト向けASPとして、BASEやSTORESなどが有名です。有料でより高機能なASPには、MakeShopやショップサーブ、カラーミーショップなどがあります。

②ECパッケージ

「ECパッケージ」とは、ECサイトの構築や運営に必要な機能をまとめて備えた、ショッピングカートシステムのことです。

ECパッケージには、自社に合わせた独自のカスタマイズができるというメリットがあります。そのため、ECパッケージは商品ページのユーザビリティや、管理画面の操作性を高めたい方向けの構築方法です。

有名なECパッケージとして、ebisumartやコマース21、ecbeingなどが挙げられます。

③オープンソース

オープンソースとは、すでに公開されているソースコードをもとにWebサイトを構築することです。オープンソースによるECサイト制作には、Web制作のスキルや知識が求められます。ただし、ソースコード自体は無料のため、低コストである点がオープンソースのメリットです。

Webサイトの開発経験があり、低コストでECサイトを立ち上げたい方には、オープンソースが向いています。

ECサイト向けの主なオープンソースとして、EC-CUBEやMagentoなどが有名です。また、WordPressにプラグインを導入することによっても、ECサイトが構築できます

④フルスクラッチ

フルスクラッチとは、既存のソフトウェアやソースコードを用いず、0からECサイトを作ることです。スキルが必要である一方、カスタマイズ性が最も高い点がメリットとして挙げられます。

フルスクラッチは、社内にエンジニアやデザイナーを抱えている大企業向けの構築方法です。国内では、ユニクロやZOZOTOWNなどのECサイトが、フルスクラッチによって構築されています。

これら4つの手法から、自社に合う構築方法を選んでECサイトを立ち上げましょう。

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EC市場は拡大傾向で、数多くの企業が参入しています。ECサイトは実店舗と異なり、商圏を広げやすい点や人件費・家賃などの固定費がかからない点がメリットです。

 

今回ご紹介したように、ECサイト運営の業務には商品の企画やサイト制作、顧客対応、在庫管理などさまざまな業務が含まれます。これらの業務を覚えながらサイト制作やWebマーケティングなどのスキルを磨くことが、競争の激しいECサイト業界で成功するために必要です。

EC市場に参入したい方は、この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ商品企画やサイト制作に取り組んでみてはいかがでしょうか。