入社前から企業研修を行う内定者研修ですが、内定者という性質上、どのような点に留意して研修を設計すればよいか、迷う部分も多いのではないでしょうか。
この記事では、内定者研修を成功させるために担当者としておさえておくべきポイントや、内定者研修で扱うとよい内容について解説します。
また、オンラインでできるゲーム式のチームビルディング研修も紹介します。
内定者研修とは何か?目的は?
内定者研修とは、企業がおもに新卒採用で内定を出した人材に対し、入社前に行う研修のことです。
期間としては、内定者が入社する企業を迷っている夏~秋ごろか、入社前の2~3月に行われることが多いです。ただし、対象者が学生であるため、あくまで学業優先となるようにスケジュールを組み立てる配慮が必要となります。
内定者研修の目的は、大きく2つあります。
1つは、先輩社員や同期と関わる機会を設け、内定者が会社に抱いていた不安や悩みを解消し、内定辞退を減らすことです。
内定者研修のもう1つの目的は、入社後に必要となるビジネスマナーやビジネススキルの基礎を身に付けておくことです。
入社後の新入社員研修の期間を短く済ませ、早期から活躍できる「即戦力化」につなげることを目指します。
内定者研修を設計する上で大切な3つのポイント
それでは、内定者研修の担当者はどのような点に留意して研修を設計すればよいのでしょうか。
担当者がおさえておくべき3つのポイントを解説します。
内定者研修のポイント①会社のことをよく理解してもらう
内定者研修では、まず「会社のことをよく理解してもらう」必要があります。
これは、入社後のギャップを軽くするためにも重要です。
会社の理念や目標、業績、業務の内容、職場の雰囲気などを研修の時点でできる限り共有することで、会社への信頼を獲得し、内定辞退や離職を抑制することができます。
内定者研修のポイント②内定者のモチベーション向上
内定者が仕事に取り組むモチベーションを高め、働くことへの不安を解消することも大切です。
基本的なビジネスマナーやスキルの指導のほか、会社見学、ビジネスを体験できるワークなど、研修を通じて入社後のイメージを具体的にできるよう心がけるとよいでしょう。
また、人事担当者だけでなく、2~3年目の先輩社員から話を聞く機会があると、内定者は働く姿をさらにイメージしやすくなり、モチベーションの向上につながります。
内定者研修のポイント③内定者どうしで関わる機会をつくる
内定者研修では「同期と関わる機会」を設けると効果的です。
入社前、内定者は多くの不安を抱えています。
同期と関わり、横のつながりを作ることで、入社までの安心感が生まれ、内定辞退率を減少させることができます。
さらに、相談できる仲間ができることで、入社後の離職率を下げることにもつながるでしょう。
内定者研修で教えるべき4つのビジネススキル
ここでは、内定者研修で教えたい4つのビジネススキルについて紹介します。
内定者研修の内容①ビジネスマナー
内定者研修で教えたいビジネススキルの1つめは、身だしなみや名刺交換の仕方、メール・電話応対など、社会人としての基本となるビジネスマナーです。
入社前に社会人として最低限のビジネスマナーを理解できていると、入社後に早い段階で専門的な研修に移ることができるでしょう。
また、社会人としての心構えや立ち振る舞いを理解してもらう機会として意義があります。
ビジネスマナーが学べるeラーニングのおすすめ講座は、以下の通りです。
[今更聞けない!] 損しないための社会人マナー・ビジネスマナー講座
こちらは社会人マナー、ビジネスマナーをテーマとした講座です。
NPO法人日本サービスマナー協会のゼネラルマネージャーである講師から、服装やあいさつ、電話対応、名刺交換など、基本的なマナーをくまなく学ぶことができます。
内定者研修の内容②基礎的なIT・パソコンスキル
内定者研修で学びたい2つめの内容は、IT・パソコンスキルです。
文書作成や表計算、プレゼンテーション資料の作成など、業務では当たり前のスキルも、学生である内定者にはまだまだ不慣れな部分が多くあります。
また、基本的な操作は問題なくできる内定者であっても、学生時代には使ったことのない機能や、ショートカットキーなど効率化につながる知識を改めて学ぶことができます。
そして、インターネット社会でますます重要となるセキュリティ関連の知識を教えることも重要です。
eラーニングでIT・パソコンスキルやセキュリティを学べるおすすめの講座を紹介します。
【初心者から上級者まで】1日で学べるエクセルの教科書 マスターコース
データの入力や集計といったエクセルの基本操作をはじめ、計算やグラフの作成、関数の使い方など、さまざまな業務で身に付けておきたいエクセルスキルを学ぶことができます。
【情報セキュリティ基礎】ハッカーの視点から見るセキュリティ対策の必要性
認定ホワイトハッカーである講師が、メールやSNS、WiFiなど身近にあるセキュリティ上の注意点について解説しています。
職場のセキュリティ意識向上にも役立つ講座です。
内定者研修の内容③オンラインでもできるゲームでチームビルディング
内定者研修では、受講者同士のコミュニケーションを活性化し、それぞれがチームにおいて力を発揮できるようチームビルディングのためのゲームを用いる場合が多くあります。
また、内定者同士が仲良くなるアイスブレイクとしても役立ちます。
ゲームを通じて、受講者はチームワークやコミュニケーション力を学ぶほか、協力してPDCAを回す体験をします。
ここでは、 オンラインのリモート研修でもできるチームビルディングゲームを3つ紹介します。
- NASAゲーム
NASAゲームは、グループメンバーとの合意形成(コンセンサス)を行って問題の解決を目指すゲームで、社会心理学者のジェイ・ホールによって考案されました。
月面に不時着し故障した宇宙船から、200マイル離れた母船を目指すという設定です。
故障した宇宙船には15個のアイテムが残されており、グループごとに、アイテムを重要度の高い順に1位から15位まで並べていくのがこのゲームです。
グループの意見を1つにまとめる経験を通して、これから社会人として活躍していく上で必要となるコミュニケーション能力や協調性、コンセンサスを得る方法など、さまざまな気付きが得られるはずです。
このゲームにはNASAの模範解答が用意されているため、最後には各グループの点数を出します。
- 水平思考ゲーム
水平思考ゲームは、シチュエーションゲームとも呼ばれるものの一種です。
グループごとに、出題者1人と解答者に分かれ、出題者はあるシチュエーションや物ごとを想定し、出題します。
解答者は、出題者が「はい」か「いいえ」で答えられる質問を出していき、出題者が想定しているものを当てるというゲームです。
簡単なものでは、出題者が「好きな動物」を想定し、解答者は「それは哺乳類ですか?」「体に模様がありますか?」などと質問し、答えを絞っていきます。
ゲームを通じて、論理的に考える力を身に付けることができます。
- 野球のポジションあてゲーム
こちらは、断片的なヒントから9人の野球選手がそれぞれどのポジションなのかをあてるゲームです。
グループには「A選手はサードの選手の釣り仲間」「選手の中で独身は5人」などの情報が与えられ、これらをもとに相談して、ポジションを導き出していきます。
論理的な考え方やコミュニケーション能力、合意形成などのスキルを学ぶことができます。
内定者研修の内容④ロジカルシンキング
最後はロジカルシンキング(論理的思考力)です。
ロジカルシンキングは物ごとを体系立てて整理するための思考法のことで、課題解決や説得力のある話し方などに役立ちます。
ここでは、ロジカルシンキングが学べるeラーニング講座を紹介します。
【 速く、シンプルに伝える 】パワーポイントで学ぶロジカル・プレゼンテーション
この講座では、パワーポイントの資料作成を通し、ロジカルシンキングの考え方を学べます。
ロジカルシンキングの基本的な考え方やビジネスフレームワークを学びながら、論理的で説得力あるプレゼン資料の作成方法を身に付けます。
内定者研修は、内定者の不安を解消することや、基礎的なビジネスマナー、ビジネススキルを身に付けることが大きな目的となります。
内定者研修の担当者は、「会社の理解が深まること」「内定者のモチベーションが向上すること」「内定者どうしで関わること」の3点に留意した研修内容を設計することが重要です。
記事で紹介したUdemyの法人プランでは、内定者研修から入社後の社員教育まで使えるさまざまなeラーニング講座が「定額学び放題」で受講できます。
最新情報・キャンペーン情報発信中