ロボットプログラミングに興味があるものの、
・どのようなことを学ぶかが分からない…。
・学ぶメリットが知りたい…。
という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、
・ロボットプログラミングが注目されている理由や学ぶメリット
・ロボットプログラミングの学習方法
についてご紹介します。
プログラミング未経験の方でも、この記事を読めば、ロボットプログラミングがどのようなものかを理解できます。また、プログラミングの知識がある方向けにも始め方を紹介しています。
INDEX
ロボットプログラミングとは
ロボットプログラミングとは、ロボットを思い通りに動かすためのプログラムを作ることです。
一般的なプログラミングでは、コンピューターを操作してプログラムを打ち込み、結果は画面上に表示されます。
一方、ロボットプログラミングは、電子部品やブロックを使って組み立てたロボットを、プログラミングで動かします。そのため、プログラミングの結果は、画面上ではなくロボットで表されます。
自分で作ったプログラム通りにロボットが動くため成果が分かりやすいロボットプログラミングは、授業で初めてプログラミングに触れた小学生や、プログラミング初心者の学習におすすめです。
プログラミングの基礎知識については、「プログラミング入門!これからプログラミングを始める人へ」をご覧ください。
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Udemyで講座を探す >ロボットプログラミングが注目されている理由
ロボットプログラミングの人気が高まっている背景には、学校教育のIT業界の変化があります。ロボットプログラミングが注目されるようになった主な理由をご紹介します。
プログラミング教育の必修化
ロボットプログラミングが注目されている理由の1つは、学校でのプログラミング教育についていきやすくするためです。
文部科学省が2017年に発表した新学習指導要領で、小学校でのプログラミング教育の必修化が決定しました。その後、2020年からプログラミング教育が小学校の必修科目となっています。
学校で行われる授業は、生徒によって理解度に差が生じる場合があります。そこで、子どものプログラミングへの理解を促進したいと考える保護者から、家庭でプログラミングを学習できるロボットプログラミングに注目が集まるようになりました。
自分で作ったプログラムの結果がロボットの動きとして目で見て確認できるため、ロボットプログラミングは小学生のプログラミング教材として適しています。
IT人材育成につながる
IT人材の育成につながるという点も、ロボットプログラミングが注目されている理由です。
IT業界の需要が拡大したことで人材が不足している傾向があり、IT人材の育成が急務となっています。将来のIT人材を育成する方法として、ロボットプログラミングが注目されるようになりました。
ロボットプログラミングを通じて、多くの人がプログラミングの面白さに触れたり、論理的思考力を伸ばしたりすることが期待されています。
ロボットプログラミングを学ぶメリット
子どもの頃からロボットプログラミングを学んでおくと、様々なスキルが身につく可能性があります。ロボットプログラミングを学習する主なメリットは次の通りです。
STEAM教育に適している
STEAM教育とは、IT化が進む現代社会で重視されるようになった教育方針で、次の5つの科目をバランスよく身に付けることを指します。
- Science(科学)
- Technology(技術)
- Engineering(工学)
- Art(芸術、リベラルアーツ)
- Mathematics(数学)
ロボットプログラミングは、これら全ての知識について小学生でも無理なく学べます。
手先が器用になる
ロボットプログラミングでは細かいブロックや電子部品を組み立てる作業が多いため、子どもの内から手先を使う機会が多く得られます。細かな作業を繰り返すことで、指先の使い方を覚え、手先が器用になります。
また、手先を細かく動かすことで、脳の運動野と呼ばれる部分が活発になったり、発達したりすると考えられています。ロボットプログラミングを通して、細かな作業を繰り返すことは、手先が器用になるだけでなく、脳の発達を促すことにも繋がります。
ロジカルシンキング(論理的思考力)が鍛えられる
ロジカルシンキングとは、原因や結果などについて論理的に筋道立てて考えることです。ロボットプログラミングは、自分が作ったプログラムがどのような結果をもたらしたかが分かりやすいため、ロジカルシンキングの訓練に役立ちます。
例えば、ロボットが思い通りに動かない場合には、原因について仮説を立て解決策を考える必要があります。原因と結果について具体的に考える経験を積み、論理的思考力を鍛えられることがロボットプログラミングを学ぶメリットです。
ロジカルシンキングの詳細については、「ロジカルシンキングとは?定義や手法、トレーニング方法を紹介」も併せてご覧ください。
創意工夫や臨機応変に対応する力が身につく
ロボットプログラミングでは、アイデア次第で様々なロボットを制作できます。自分のアイデアを形にする経験を通じて、創意工夫する力が身に付きやすいことがロボットプログラミングを学ぶメリットです。
また、プログラム自体の内容だけでなく、パーツの重さや床の材質、周りの環境といった要因でもロボットの挙動は変化します。予期しない挙動になったとき、諦めずに試行錯誤を繰り返すことで、臨機応変に対応する力が身に付きます。
ロボットプログラミングは大人にもおすすめ
子どもだけでなく、大人もロボットプログラミングを通じてロジカルシンキングや臨機応変な対応力を身に付けることが可能です。さらに、大人がロボットプログラミングを学ぶと、次のようなメリットも得られます。
IT製品に詳しくなる
ロボットプログラミングでは、ロボットを作るための電子部品などのほか、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのIT製品を使用します。パソコンの操作やアプリのインストール、電子部品の組み立てなどを通じて、IT製品を活用する力が身に付くことがロボットプログラミングに取り組むメリットです。
市場価値が高まる
人材不足となっている近年のIT業界では、プログラミングスキルを身に付けた人材が求められています。また、技術が急速に進歩しているAI業界も、IT人材の需要が高まっている市場の1つです。
ロボットプログラミングを通じてITスキルを身に付けると、自身の市場価値を高められます。プログラミングのスキルは世界中でニーズがあるため、活躍の幅を広げやすくなります。
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講座を見てみるロボットプログラミングの始め方
子どもや初心者など、プログラミングの知識や経験が全くない方は、入門者向けのキットを用意することで、ロボットプログラミングを手軽に始められます。
一方、ある程度プログラミングのスキルがある場合は、ロボット本体やパソコンなどを用意すると、より本格的なロボットプログラミングが可能です。
ここでは、プログラミングの知識がある方向けに、ロボットプログラミングの始め方を解説します。
必要なスキル・準備するもの
まずはじめに、ロボットプログラミングを始めるに際し、必要なスキルと準備するものを解説します。
■必要なスキル
ロボットプログラミングを本格的に始める際は、プログラミングに加えて数学や機械工学、電子工学などの基礎知識を押さえておくことが重要です。特に、より複雑な機能を持ったロボットを自作したい場合には、電子回路の設計や電子工作などのスキルが役立ちます。
また、プログラミング言語については、ロボットプログラミングに適したものを習得しておきましょう。
ロボットプログラミングで使用される主なプログラミング言語は、C言語やC++、Java、Pythonなどです。すでに学習済みの言語があれば、その知識を使うとロボットプログラミングをスムーズに始められます。
PythonやJavaについては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
◆Python入門!導入方法や基本的な使い方を分かりやすく解説
◆Javaを習得するための学習ロードマップ!おすすめの勉強法を解説
◆Java入門!言語の特徴や環境構築・基本処理の記述方法を解説!
また、プログラミング初心者の方は、「プログラミングの独学は何から始める?学習の流れやおすすめサイトを紹介!」も一読ください。
必要な知識・技術 |
・プログラミング ・数学 ・機械工学 ・電子工学 |
---|---|
ロボットプログラミングに適した プログラミング言語 |
・C言語 ・C++ ・Java ・Python |
■準備するもの
ロボットプログラミングを始める際に必要なものは、ロボットの本体となる機器と、プログラミングを行うためのパソコンまたはタブレット端末です。
ロボットの本体となる主な機器には、「LEGO Mindstorms」や「VEX Robotics」、「Arduino」などがあります。
電子工作の経験がない場合は、ロボットプログラミングに必要なセンサーやモーター、電源ケーブルなどが一通り揃っている「LEGO Mindstorms」や「VEX Robotics」がおすすめです。
「Arduino」はパソコンでプログラムを書き換えられるマイコンという装置のため、ロボットの本体となるパーツは自作するか、初心者向けのキットを別途用意する必要があります。
簡単な電子工作の経験がある方や、より自由度の高いロボットを作りたい方には「Arduino」がおすすめです。
パソコンについては、初心者の段階では一般的なスペックのものがあればロボットプログラミングを始められます。子ども向けのキットを使う場合などは、パソコンではなくタブレット端末でも十分です。
必要なもの | 備考 |
---|---|
ロボットの本体となる機器 | 初心者はキット、慣れてきたら自由度の高い機器を用意するのがおすすめ 電子パーツなどもセットになったキット ・LEGO Mindstorms ・VEX Robotics 機器のみ ・Arduino |
電子パーツやケーブル | ・用意する機器や目的により、必要なパーツや電子部品は異なる ・初心者はキットの購入がおすすめ |
パソコン | ・初心者の段階では一般的なスペックで問題ない |
タブレット端末 | ・子供向けのキットなど |
環境構築
必要なものを用意した上で、パソコン上でロボットプログラミングを行うための環境構築を行いましょう。ここでは、「Arduino」を使用するための開発環境である「Arduino IDE」の構築方法を紹介します。
まずはArduino公式ページにアクセスし、パソコンのOSに合ったArduino IDEをダウンロードしてください。ここではWindows版を例として解説を進めます。
ダウンロードしたファイルを開くと、ライセンス契約に関する画面が表示されるため、「同意する」をクリックします。
Arduino IDEをどのユーザーが使用するかを選択し、「次へ」をクリックします。
インストール先のフォルダを選択し、「インストール」をクリックします。
インストールが完了したら、「Arduino IDEを実行」にチェックを入れて「完了」をクリックします。
「Arduino IDE」の画面が起動すれば、Arduinoでロボットプログラミングを行うための環境構築は完了です。
基本手順①:ロボットを組み立て、電子工作を用意する
ロボットプログラミングをするための手順は、使用するキットやプログラム言語の種類にかかわらず、同じような流れで行います。ここからは、ロボットプログラミングの基本的な手順を紹介します。
まずは、ロボットの本体を組み立てましょう。市販されているキットを使用する場合は、説明書を見ながら組み立てを行います。
ホームセンターにある材料やレゴブロックなどを組み合わせてロボット本体を自作することも可能です。
ロボットの動きは、モーターやセンサー、スイッチなどを組み合わせた電子回路によって作られます。
キットを使用する場合、ロボット本体にこれらの電子回路が予め組み込まれていることが一般的です。電子回路を自作する場合は、回路を設計した上でロボット本体と組み合わせましょう。
最後に、USBケーブルやシリアルケーブルなどを使って、ロボットとパソコンをつなげます。
基本手順②プログラムを作成
ロボットをどのように動かすかは、パソコン上で作るプログラムによって制御できます。例えば、Arduinoを使ってモーターを動かすための簡単なプログラムコードは次の通りです。
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const int moterPin = 3; //モーターを動かすためのピン番号を表す変数を作成 void setup() { pinMode(motorPin, OUTPUT); //モーター用のピンを出力モードに設定 } void loop() { digitalWrite(motorPin, HIGH); //モーターを動かすための命令 } |
また、一般的なソフトウェアのプログラミングと同様に、同じ処理を繰り返し実行したり、条件に応じて異なる命令を実行したりすることもできます。下記のコードは、センサーから読み取った値によって命令を変えるプログラムの例です。
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const int moterPin = 3; //モーターを動かすためのピン番号を表す変数を作成 const int sensorPin = A0; //センサーのピン番号を表す変数を作成 void setup() { pinMode(motorPin, OUTPUT); //モーター用のピンを出力モードに設定 } void loop() { int sensorValue = analogRead(sensorPin); //センサーの値を読み取る命令 if (sensorValue < 300) { //センサーの値が300より小さいかどうかを判別 digitalWrite(motorPin, HIGH); //300より小さければモーターを動かす } else { digitalWrite(motorPin, LOW); //300以上ならモーターを止める } } |
このように、いくつかの命令の組み合わせによって、複雑な動きを作ることが可能です。
基本手順③動作確認・改良を重ねる
作成したプログラムコードを実行し、ロボットが思い通りに動作するかを確認します。
もし、期待した通りの動きにならない場合は、ロボット本体や電子回路、プログラムコードなどの見直しが必要です。どこに原因があるかを考え、動作確認と改良を繰り返し、より理想に近い動きに近づけましょう。
ロボットプログラミングの学習方法
ロボットプログラミングは、様々な方法で身に付けることが可能です。ここでは、ロボットプログラミングの主な学習方法を紹介します。
プログラミングスクールに通う
近年は小学校でプログラミング教育が必修化されたことをきっかけに、多くのプログラミングスクールが登場しています。
プログラミングスクールでは、対象年齢やプログラミングスキルに合わせた教材や指導方法が用意されています。分からないことについて質問しやすい環境が整っているため、子どもやプログラミング初心者の方にもおすすめです。
教材・動画講座を購入・視聴する
プログラミングスクールに通う時間がない方や、基本的なプログラミングスキルが身に付いている方には、教材や動画講座を購入しての学習がおすすめです。
ロボットプログラミングに関する教材や動画講座には、数多くの種類があります。対象年齢や、学習に必要なデバイス・パーツなどの機材に応じて、自分に合ったものを選びましょう。
ただし、書籍など文字情報だけの教材では、ロボットの組み立て方や動かし方についてイメージしにくい場合もあります。そのため、効率的に学びたい方には、動画講座を使った学習がおすすめです。
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ロボットプログラミングへの理解を深めて正しく学ぼう
ロボットプログラミングとは、ロボットを動かすためのプログラムを作成することです。プログラミング学習が必修化したことから、子どもにプログラミングを身に付けさせる方法としてロボットプログラミングが注目されています。
また、ロボットプログラミングを学ぶとIT人材としてのスキルアップにつながるため、大人の方にもおすすめです。ロボットプログラミングについて正しく理解した上で、プログラミング力やIT製品の知識を身に付けましょう!
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コメント:このボリュームの内容をこの金額で学べるのはとてもありがたい!完全な初心者ですが、一つ一つ丁寧に説明してくださるので、理解しやすくよかったです。子供と一緒にロボットプログラミングを始めたい方にもおすすめです。
評価:★★★★★
コメント:自分でロボットが作れるなんて思ってもみませんでしたが自宅にあるレゴでもできるなんて驚きでした。わかりやすい解説なので、レゴロボットに挑戦してみたいと思います!
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