ビジネスシーンで必ずと言っていいほど使用されるエクセル(Excel)。
仕事で使いこなせば、資料作成の作業効率がグッとアップする便利なツールです。しかし、マクロや関数などと聞くと、なんとなく難しそうで苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなエクセル初心者が最初に知っておきたい基礎知識や表作成の方法、関数、操作方法についてご紹介します。
何ができるの?初心者向けエクセルの基礎機能解説
まずは、エクセル(Excel)の基礎知識を含め、エクセルで何ができるのかを解説します。
エクセルでできること
- 文書作成
エクセルは設計書や仕様書などの文書作成に利用できます。
文書作成には、同じMicrosoft社が提供する文書作成ソフトウェア「ワード(Word)」がよく利用されます。しかし、図表や画像を多く使用する文書には、エクセルを利用する場合も多くあります。
エクセルの各ワークシートには、シート名を付与することが可能です。項目別にワークシートを分ければ、整理された読みやすい文書を作成できます。
- 表作成/表計算
エクセルの代表的な機能が表計算機能です。
エクセルには「関数」と呼ばれる機能が用意されています。四則演算はその代表例です。「+(足し算)」「-(引き算)」「*(かけ算)」「/(割り算)」などの記号を使います。そのほか、数値の合計や平均値、最大値、最小値などを自動的に計算することが可能です。
表の罫線やセルの配色なども簡単に付与・変更できるので、見栄えにもこだわることができます。
そのほか、「オートフィルタ」という機能を使えば、作成した表のデータの中から条件に合うデータのみの抽出も可能です。
- グラフ作成
エクセルで作成した表(データ)を元にグラフを生成できます。
棒グラフや折れ線グラフ、円グラフ、散布図など様々な種類のグラフの作成が可能。デザインやグラフのレイアウトも複数のパターンから選択・カスタマイズできます。
手順はとてもシンプルです。元となる表を選択し、挿入タブから「おすすめグラフ」をクリック。「グラフの挿入」ウィンドウが表示されるので、作成したい種類のグラフを選んでください。
なお、グラフの数値を変更したい場合は、元の表を編集することで自動的にグラフへと反映されます。
マクロ機能とは?
マクロはエクセルの便利な機能です。エクセル上の操作を記録し、作業の自動化を実現可能。繰り返し行う操作をマクロとして記録すれば、その後はワンクリックで同じ操作を完了できます。
例えば、「特定の範囲の数値を毎回昇順で並び替える」といった手間のかかる操作も、記録したマクロを実行すれば一瞬で完了します。なお、記録後のマクロはボタンとして登録し、ワークシート上に設置することも可能です。次回からは、ボタンを1クリックするだけでマクロを呼び出せます。
より詳しい内容は「エクセルのマクロ作成方法とは?ボタンひとつで業務を加速!」をご覧ください。
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エクセル(Excel)での表作成は一見難しそうですが、ポイントを押さえれば誰でも簡単に作れます。エクセル初心者におすすめの表作成の方法について解説します。
データ入力
エクセルでデータ入力する際に便利な機能をご紹介します。
- 日付入力
日付はショートカットキー「Ctrl」+「;」を押すことで簡単に入力可能です。また、TODAY関数を使った日付の入力も行えます。
その場合は、セルに「=TODAY()」と入力しましょう。TODAY関数を使用した場合は、ファイルを開いた時点の日付でセルが更新されます。
Windows | Mac | |
本日日付 | 「Ctrl」+「;」 | 「control」+「;」 |
現在時刻 | 「Ctrl」+「:」 | 「command」+「:」 |
- データ編集
データ編集でよく行う操作が、セルの切り取り、コピー、貼り付けです。
切り取りは「Ctrl」+「X」、コピーは「Ctrl」+「C」、貼り付けは「Ctrl」+「V」のショートカットキーでそれぞれ操作が可能です。
この3種類のショートカットキーを使いこなすだけで、かなり手間を短縮できるので覚えておきましょう。
Windows | Mac | |
切り取り | 「Ctrl」+「X」 | 「control」+「;」 |
コピー | 「Ctrl」+「C」 | 「command」+「:」 |
貼り付け | 「Ctrl」+「V」 | 「command」+「V」 |
- オートコンプリート
オートコンプリートは、同じ列(縦列)にあるデータを候補として表示してくれる機能です。例えば、あるセルに「東京」と入力してあった場合、同じ列のセル上で「と」と入力するだけで、入力候補として「東京」と表示してくれるといったイメージです。
この機能は入力候補が1つに絞られた時点で表示されるため、1文字目だけでなく先頭の何文字かを入力しないと候補が表示されない場合もあります。
- 入力規則
入力規則という機能を使えば、セルに入力可能なデータの種類や範囲を制限できます。入力規則の設定は、以下の手順で行います。
①入力規則を設けたいセルの範囲を選択
②「データ」タブ→「データの入力規則」ボタンをクリック
③入力値の種類やデータ範囲、リストの値などを設定する
入力値の種類には、整数・小数点数・リスト・日付などを設定できます。
入力値の種類をリストに設定した場合は、該当セルの右横に表示された「▼」マークをクリックすることで、入力するデータのリスト(ドロップダウンリスト)が選択可能になります。
入力規則で設定した入力値の種類や範囲に反するデータを入力した場合、エラーポップアップが表示されるようになります。
罫線で表作成
罫線を使って表を作成する際は、以下の手順で行います。
①罫線を付けたいセルの範囲を選択
②「ホーム」→「罫線」ボタンから罫線の種類を選択
表の作成には罫線の「格子」を選びましょう。
テーブル機能を使って表作成
表を作成するのに便利なのがテーブル機能です。手動で罫線の設定や文字色、セル色の変更などを行わなくても、簡単に見やすい表を作成できます。テーブル作成は、以下の手順で行います。
①表にしたいデータの範囲を選択
②「挿入」タブ→「テーブル」→「OK」をクリック
また、②の手順の代わりにショートカットキー(「Ctrl」+「T」)も利用できます。
テーブルのデザインを変更したい場合は、テーブルを選択した状態で「デザイン」タブ→「テーブルスタイル」からデザインを選択出来ます。
Windows | Mac | |
テーブル作成 | 「Ctrl」+「T」 | 「control」+「T」 |
初心者がまず覚えるべきエクセル関数
エクセル初心者が覚えておくべき関数についてご紹介します。以下は、初心者の方がはじめに覚えておきたい関数です。
関数名 | 意味 | 構文 |
SUM関数 | 合計 | =SUM(数値1,[数値2],…) |
AVERAGE関数 | 平均 | =AVERAGE (数値1,[数値2],…) |
MAX関数 | 最大値 | =MAX(数値1,[数値2],…) |
MIN関数 | 最小値 | =MIN(数値1,[数値2],…) |
COUNT関数 COUNTA関数 | 個数合計 | =COUNT(値1,[値2],…) =COUNTA(値1,[値2],…) |
エクセル(Excel)の関数は基本的に、=SUM(A:A)のように、「=」と「関数名(引数)」で構成されます。引数は、関数によって何を指定するのか変わります。それぞれの関数がどういう機能を持つのか理解した上で、目的別に使い分けましょう。
SUM関数
数値の合計を自動で計算するのがSUM関数です。使い方は以下の通りです。
①計算結果の値を表示させたいセルを選択
②「=SUM()」と入力
③上記②で入力した「(」と「)」の間にカーソルを合わせた状態で、合計したいセルの範囲を選択(引数の設定)
④Enterを押して確定
AVERAGE関数
数値の平均を自動で計算するのがAVERAGE関数です。使い方は以下の通りです。
①計算結果の値を表示させたいセルを選択
②「=AVERAGE()」と入力
③上記②で入力した「(」と「)」の間にカーソルを合わせた状態で、平均値を求めたいセルの範囲を選択(引数の設定)
④Enterを押して確定
MAX関数
特定の範囲の中で、数値の最大値を自動で求めるのがMAX関数です。使い方は以下の通りです。
①計算結果の値を表示させたいセルを選択
②「=MAX()」と入力
③上記②で入力した「(」と「)」の間にカーソルを合わせた状態で、最大値を求めたいセルの範囲を選択(引数の設定)
④Enterを押して確定
MIN関数
数値の最小値を自動で求めるのがMIN関数です。使い方は以下の通りです。
①計算結果の値を表示させたいセルを選択
②「=MIN()」と入力
③上記②で入力した「(」と「)」の間にカーソルを合わせた状態で、最小値を求めたいセルの範囲を選択(引数の設定)
④Enterを押して確定
今回ご紹介した4つの関数はいずれも、引数として計算に含めるセル範囲を指定します。上記の手順③で、例えばA1~A10のセルを選択した場合、「(A1:A10)」という記述になります。
COUNT/COUNTA関数
選択範囲内の数値の個数を調べたい際に便利なのがCOUNT関数です。一方、数値だけでなく、「何かしらの値が格納されている場合に1個と換算」するのがCOUNTA関数です。
それぞれの関数の基本形は同じなので、ここではCOUNTA関数の使い方をご紹介します。
①計算結果の値を表示させたいセルを選択
②「=COUNTA()」と入力
③上記②で入力した「(」と「)」の間にカーソルを合わせた状態で、合計の個数を求めたいセルを範囲指定する。
④Enterを押して確定
なお、上記の例でCOUNT関数を使った場合は、合計個数(出席者合計)は0になります。これは「○」という記号が数値ではないためです。COUNT関数は0や1などの数値のみを数えるという点が、COUNTA関数との違いです。
また、エクセルを使えばより複雑な集計なども行えます。詳しくは「エクセルを使って集計を効率よく進めよう!集計に便利な機能や関数を紹介」をご覧ください。
まずは実際にエクセルを使ってみよう!
今回は、エクセル(Excel)の基本機能や表作成、関数の使い方について説明しました。まずはエクセルを実際に起動して、手順に沿って操作してみましょう!
ショートカットキーや関数、テーブルなど、使っているうちにだんだんと慣れてくるものです。
手順を見ずに表作成の操作や関数を使いこなせるようになったら、見事にエクセル初心者脱出と言えるでしょう。
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