1. トップ
  2. ビジネススキル
  3. アート思考とは?デザイン思考との違いとビジネスで必要な理由

アート思考とは?デザイン思考との違いとビジネスで必要な理由

近年、特にビジネスにおいて、「アート思考」が注目を集めています。

ビジネスとアート(芸術)は全く別のものと思われがちですが、アート思考にはさまざまなものに応用できる重要なヒントがあります。

この記事では、アート思考とは何か、デザイン思考との違いなどについて、事例を用いて解説します。

アート思考については、実際に講師としてUdemyで講座を展開している方のインタビュー記事もあります。「より多くの人に『アート思考』を届けたい。Udemyでの講座展開で見えてきたもの、そして未来のビジョンとは?

アート思考とは?わかりやすく解説

「アート思考」には、まだ明確な定義はありませんが、大まかにいえば「アーティスト(芸術家)の思考法を取り入れること」です。アーティストは自己を探求し、社会への見方や意見を作品で表現し、新たな価値を表現します。

これまでの常識にとらわれない考え方や表現が芸術性を高めることも多く、柔軟な発想が求められます。

ここでは、アート思考について3人の有識者による定義を見てみましょう。

  • 町田裕治氏の定義

町田裕治氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニー、リムネット、ユニゾンキャピタルなどを経て、2013年にボダイを起業しました。企業再生・組織コンサルティングや新規事業立ち上げなどを行うと同時に、画家としてニューヨークで個展を開くアーティストの顔も持ちます。

町田氏はアート思考を「創造力の鍛え方」であり、「既成概念の外し方」だとしています。ビジネスにおける革新的なアイデアの発想のために、アーティストが作品を生み出すプロセスを応用するという考え方です。

今までにないアイデアを生み出すためには、会社やクライアントに合わせるだけではなく、個人の意思が重要との考えから、自分軸を見失わずに「自分目線」で社会における課題について考えることの重要性を説いています。

  • 延岡健太郎氏の定義

延岡健太郎氏は大阪大学工学部卒業後、マツダに入社。その後マサチューセッツ工科大学で経営学の博士号を取得し、2012年以降、一橋大学イノベーションセンター長を務めています。

延岡氏は、2016年のPICMET (Portland International Conference on Management of Engineering and Technology) という会議において、「アート思考とは、クリエイターのアイデア、感情、信念、哲学の表現を目的とし、限りない試行錯誤を経て自分の哲学を成し遂げようとすること」であると定義しています。

また、顧客のためではなく自分を起点にするものだとし、その点においてアート思考とデザイン思考は異なるものであると述べています。

  • Amy Whitaker氏の定義

Amy Whitaker氏は、エール大学でMBA、スレイド美術学校で絵画のMFA (美術学修士) を取得しているニューヨーク大学の助教授で、『Art Thinking』の著者として知られています。

Amy氏は、アート思考について「Art thinking is a process not of going from point A to point B as well as possible but inventing point B. ( アート思考とは、A点からB点まで、できるだけいい方法で行く方法ではなく、B点を発明するプロセスである。) 」としています。

また、アート思考はビジネスや人生で成功するために必要であると述べています。

クリエイター

以上のように説明される「アート思考」は、ビジネス面において、他社と全く異なる新しい発想を生み出す手法として注目され始めました。

「自分たちは何を作りたいのか」を探求することで、オリジナリティある製品やサービス、経営手法を生み出すことができます。

ビジネスにおけるアート思考は、強い意思に基づいたオリジナリティあるモノを生み出すことで顧客の共感を生み出し、人々を惹きつけることを目指す考え方だといえます。

アート思考とデザイン思考の違い

「アート思考」と比較される言葉に「デザイン思考」があります。「アート」と「デザイン」は同じような意味で捉えられる場合もありますが、実際には異なります。

「アート」は、自由な表現や創造を指します。また、アートの目的は、人々に感動をもたらしたり、世の中に問題提起をしたりすることにあります。そのため、アートには万人に理解され、受け入れられる必要はありません。

一方で、「デザイン」は課題解決が目的となります。ある商品やサービスを、使いやすく、顧客に好まれやすい、最適な形に落とし込むことがデザインです。

「アート」と「デザイン」が異なるのと同様に、「アート思考」と「デザイン思考」も、異なる思考法を指します。

「アート思考」は、アーティストの自己や価値観の表現を基にした考え方で、自分起点、自分軸の考えかたを重視しています。ビジネスにおいては、当人に達成したい強い意思のある目標設定や、オリジナリティあるアイデア、コンセプトの発想に向いています。

一方の「デザイン思考」は、顧客の持つ課題の解決を目指す考え方であり、顧客起点で考えることが重要です。

アート思考表

このように、「アート思考」は自分を起点にしたものであり、「デザイン思考」は顧客を起点とした考え方であることが最大の違いといえるでしょう。

デザイン思考について、詳しくは、「デザインシンキングの考え方・プロセス・事例をわかりやすく解説」をご覧ください。

 

なぜ、アート思考がビジネスで必要なのか?

ビジネスとアートは遠い存在であるように思えますが、アート思考がビジネスにおいて注目されるのはなぜなのでしょうか。

前提として、アート思考は考え方の一つであり、どのようなビジネスにも直結するスキルではありません。しかしながら、個人やチームが情熱をもって取り組める目標設定や、革新的でオンリーワンな商品・サービスの創出において役立つでしょう。

また、機械化やAI化が進む中で、職人気質なものづくりや、制作者本人のニーズから生まれるものが注目を集めています。

さらに、ビジネスパーソン個人に焦点を当てると、仕事において自分の探求したい課題やキャリアを考える際に、アート思考は役立ちます。

変動の激しく、先の見えない現代だからこそ、アート思考によるクリエイティブな発想や、内的なモチベーションが求められているのです。

クリエイティブな発想

アート思考をビジネスに用いる事例

アート思考を実践している事例として、大手自動車メーカーのマツダが挙げられます。

マツダでは、車を「心が通う生き物のような存在にしたい」という「人馬一体」の哲学のもと、製品を作っています。このコンセプトのもと、さまざまな動物の動きを模写し、金属を削ってモデル化するなど、温かみのある美しさを研究しています。

また、コンピューターソフトによって設計を行う自動車メーカーが多いなか、マツダでは職人が手作業で粘土による自動車の原型を作っています。この作業により、コンピューターでは作り出せない複雑な曲面を構成し、独特の味わいある美しさを実現します。

このような独自の価値観による製品づくりにより、マツダはオリジナリティある温かいプロダクトデザインで高評価を得ているのです。

 

アート思考を学ぶ・身につける方法とは?

アート思考を学ぶにはどのようにすればいいのか、いくつかの方法をご紹介します。

アート思考については、さまざまな書籍が出版されています。なかでも『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』および『ハウ・トゥ アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法 (日本語) 』は、アート思考についてわかりやすく解説している本として人気を得ています。

また、アート思考についてより深く学びたい方は、セミナーやワークショップに参加するのもいいでしょう。

さらに、アート思考の考え方を学ぶ際は、はじめにオンライン講座で全体像をつかむことがおすすめです。

アート思考は、複雑かつ、さまざまな定義のある思考法であるため、音声や図解での解説に触れておくと理解しやすいでしょう。

 

この記事では、アート思考について解説しました。

アート思考はビジネスにおいてすぐに役立つスキルではありませんが、長期的な視点ではとても重要な考え方です。

これからの時代に備え、自分起点のアート思考を身に付けておきましょう。

あなたの生産性を向上させるおすすめ動画講座

Excelのこれだけ分かれば毎日の仕事の時短に!

エクセルで絶対覚えておきたい7つの関数 | たった1時間で習得できる
エクセルで絶対覚えておきたい7つの関数 | たった1時間で習得できる

関数の中でもよく使うSUM・AVERAGE・ROUND・COUNT・VLOOKUP・IF・LEFT(RIGHT)を1時間で集中的にマスターできる。

たった1日でエクセルを完全マスター

【初心者から上級者まで】1日で学べるエクセルの教科書マスターコース
【初心者から上級者まで】1日で学べるエクセルの教科書マスターコース

多くの有名企業で採用されているExcel研修プログラムでわかりやすく学べる。

ソフトバンクの孫正義氏が認めたプレゼン術

感情を動かす!社外プレゼンの資料作成術
3感情を動かす!社外プレゼンの資料作成術

「社外プレゼン」ならではのポイントをおさえ、取引先と次のステップに進めるプレゼン力を身につけよう。