自宅やオフィスなどで研修を受けることのできるeラーニングが、企業の人材育成においても注目を集めています。
この記事では、eラーニングの意味や歴史、システムやおすすめの講座について解説します。
eラーニングとは?意味や発展の歴史を解説
eラーニングとは、インターネットを通した学習のことを指します。
インターネットに接続したパソコンやモバイル端末などの電子機器を利用した学習の形態のことです。
多くの場合、インターネット上で動画を視聴して学習するものを指しています。
動画を視聴したり文章を読んだりして学習するほか、習熟度テストに解答するなどの機能が備わっているものもあります。
eラーニングの「e」は「electronic」の略で、「電子的な」「電子媒体を使った」学習という意味になります。また、eラーニングはWBT(Web Based Training)と呼ぶこともあります。
eラーニングの特徴は、受講者が一つの場所に集まって行う集合研修と比較して、場所や時間の制約が少なくなることです。インターネットに接続できる環境であれば、業務の合間や通勤時間などを活用して取り組めます。
また、講師や企業担当者、受講者のスケジュールを擦り合わせる必要がありません。いつでも好きなときに学習ができ、各自の理解度に応じて繰り返し受講したり、復習したりということも可能です。
さらに、企業の人事担当者にとっては、受講生の学習記録を保管・管理できるというメリットもあります。
後述するeラーニングの管理システムでは、アンケートやテストを行い、習熟度や理解度に合わせた対応が可能です。
一方で、eラーニングの注意点としては、ワークショップや体験形式の研修には向いていないこと、eラーニングを実施するにあたり、人材育成の担当者に基本的なIT知識が必要であることが挙げられます。
受講者側には、学習へのモチベーションや集中力を保つことが難しいというデメリットがあります。
また、社員が自宅で受講する際は、インターネットの通信費用を会社で負担するのかどうかという問題もあり得ます。
eラーニングは、これまで語学学習や、看護師・介護士等の専門的知識を学ぶ場として多く活用されてきました。後述するように、近年では、企業の研修においても積極的に活用されています。
eラーニングの歴史とは?
ここでは、eラーニングが現在の形になるまでの進化を簡単に振り返ります。
それまでのデジタル機器を用いた教育方法ではビデオテープなどに記録した動画教材をテレビ画面で流すなどの方法が主流でしたが、1990年代、パソコンの普及によって、コンピュータを用いた教育の取り組みが始まりました。
特に、CD-ROMの教材をパソコンで読み込み、学習するというCBT(Computer-Based Training)が発展しました。
さらに2000年代になると、インターネット回線のブロードバンド化が進み、大容量のデータのやりとりが可能になりました。
それに伴い、インターネット上の教材を使うWBT(Web Based Training)が普及しました。
また、これからのeラーニングは、AI(人工知能)を利用することで、学習データを分析し、今まで以上に効率的な学習をできるようになっていくでしょう。
2010年代には、スマートフォンやタブレット端末が普及し、移動中などにもeラーニングでの学習が可能になりました。
なお、このようにモバイル端末を使用した学習を、特にモバイルラーニング(mラーニング)と呼ぶ場合もあります。
eラーニングと関係の深いLMSとは何か?
eラーニングと一緒に導入されることの多いLMSとは、Learning Management Systemの略で、学習管理システムを意味します。
eラーニングの成果を社員教育に役立てるためには、LMSの活用が欠かせません。
以下では、LMSとeラーニングの関係や、LMSの基本的な機能および活用場面について説明します。
LMSの機能と仕組み
eラーニングは受講者が各自の都合にあわせて学習できる反面、モチベーションを維持しにくく、わからないことがあってもすぐに相談できないという問題点があります。
このような課題を解決するために、LMSが有効です。
LMSは、企業等においてeラーニングを導入するうえで必要な情報を可視化し、管理するプラットフォームとしての機能を持ちます。
例えば、社員の学習履歴、受講した教材コンテンツ、テスト結果などをレポートする機能です。
また、自社の内容に合った教材やテストを作成したり、チャットや掲示板を利用して講師とコミュニケーションをとったりする機能もあります。
LMSを導入することで、企業の人材育成担当者が受講者の状況を把握し、学習効果を確認することで戦略的にeラーニングを活用することができます。
LSMの具体的な活用方法は?
eラーニングをより効果的にするLSMについて、具体的な活用法を見ていきましょう。
- 教材の割り当てや受講リマインド
LMS内でeラーニングシステム内の教材を検索・絞り込みし、人材育成目標や受講者の特性に合ったコンテンツを探すことができます。
また、受講期限に合わせて、社員に受講をうながすメールを送信できます。
- 受講者の学習サポート
学習管理機能によって、受講者の進捗を把握。苦手な分野を知り、学習が遅れている受講者に対して、すみやかにフォローを行えます。
また、テストを行って理解度を確認する、アンケートでフィードバックを得るなどもできます。
- 計画的な人材育成
社内の人材それぞれの適正に合わせた教育を行い、適材適所に配置するためにもLMSは役立ちます。
会社や部署ごとに育成したい人材像を洗い出し、これまでの学習データとすり合わせて、適性のある人材に必要なスキルを身に付けてもらう計画を立て、最適なeラーニングコンテンツを選んでいきます。
社員の持つ能力を把握・管理し、適切な人材配置や人材育成をするための取り組みとして、「タレントマネジメント」が注目されています。
詳しく知りたい方は、「タレントマネジメントとは?注目の人材育成手法を意味から導入法まで解説 !」をご覧ください。
企業向けeラーニングシステムとオススメ講座3選
eラーニングを活用する人材育成といえば、新入社員研修を想像する方が多いのではないでしょうか。
新入社員に向けた社内ルールやマニュアルの周知や、基本的なパソコンスキルを教育するために、eラーニングは効果的です。
ここでは、基本的なビジネススキルはもちろん、実務経験豊富な講師による質の高い専門スキルの講座に定評のある「Udemy」のeラーニングについて紹介します。
「Udemy」の法人プランでは、全13万の講座から一般レビューをもとに厳選された法人向け4000講座を「定額学び放題」で受講することができます。
以下では、企業研修、特に新人研修にオススメの講座3つをご紹介します。
「【初心者から上級者まで】1日で学べるエクセルの教科書 マスターコース」は、社会人として知っておきたいエクセルのスキルから、知っておくと便利な機能までのテクニックをマスターできる講座です。
書式の設定・データ入力、集計の基本や、IFやSUM、SUMIF、VLOCKUPなど、利用シーンの多い関数、見やすい表やグラフの作り方、ショートカットなどを学び、エクセルを活用した仕事の効率化を図れます。
「3分で一発OK!社内プレゼンの資料作成術」は、社内での説明や説得、知識の共有などに役立つプレゼン資料作成のポイントがわかる講座です。
フォント、スライドの文字数などの基本的なテクニックから、効果的なグラフの見せ方、色使いといったコツを理解して、社内での承認を得られるプレゼン資料が作成できるようになります。
伝えたいことをわかりやすくまとめ、ロジカルでシンプルなプレゼン資料の作り方を学びましょう。
企業向けeラーニング講座③ウェブ開発入門完全攻略コース – プログラミング をはじめて学び創れる人へ!未経験から現場で使える開発スキルを習得!
「ウェブ開発入門完全攻略コース – プログラミング をはじめて学び創れる人へ!未経験から現場で使える開発スキルを習得!」は、プログラミング初心者がプログラミングの基本や言語を1から学び、IT系エンジニアを目指すための講座です。
HTML 、CSS の基礎やJavaScript, MySQL, GitなどWeb開発に必須なスキルを学びます。
さらに、演習としてカフェのWeb制作やフォトギャラリーの制作、タスク管理アプリの開発を行うため、実践的なスキルが身に付きます。
この記事では、企業と社員、双方にとって大きなメリットがあるeラーニングを導入するときに、知っておきたいポイントを解説しました。
人材育成の方法によって、社員の能力を引き出せるかどうかが決まります。
最新情報・キャンペーン情報発信中