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社員のスキルアップに取り組む企業等を支援するための人材開発支援助成金について解説!

人材開発支援助成金を利用することで、人材育成にかかるコストを抑えられ、更なる社員教育の充当や設備投資など、企業の成長に寄与することができます。

この記事では、人材開発支援助成金とは何か、助成金の対象について、受給手続きなどについて詳しくまとめます。

人材開発支援助成金とは?メリットとデメリットを紹介

人材開発支援助成金とは、企業による人材育成を支援するために、事業者等に支払われる助成金のことです。

助成金の対象となるのは、社員に対して専門的なスキルを身につけるため「訓練」を実施する企業です。

「訓練」には現在7つの類型が存在しますが、詳細については後ほど説明します。

人材開発支援助成金の受給要件や申請方法は、しばしば改正されるため、受給の検討をするたびに、新しい情報を確認してください。

人材開発支援助成金の助成内容や近年の改正内容について詳しく知りたい方は「人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇付与コース、特別育成訓練コース)/ 厚生労働省」をご覧ください。

人材開発支援助成金と同様、企業の人材育成に対しての助成金としてキャリアアップ助成金があります。

キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金との違いは、簡単に言えば、人材育成の対象者です。

キャリアアップ助成金は、主に非正規雇用の労働者を正規雇用へ転換するための取り組み等をした企業に支払われます。

キャリアアップ助成金がについて詳しく知りたい方は「キャリアアップ助成金とは?「正社員化コース」をくわしく解説!おすすめの使い道も」をご覧ください。

一方、人材開発支援助成金は主に正規雇用労働者のスキルアップの支援をした企業に給付されます。

人材開発支援助成金のメリットとデメリットとは?

人材開発支援助成金を利用することで、人材育成に必要なコストの一部を助成金によって賄うことができ、それにより社員教育に、より注力できます。

人材の育成は企業の成長につながるため、長期的にも見てもメリットになり得ます。

一方、人材開発支援助成金の申請には必要な書類が多く、申請自体が負担になる場合があります。

また、研修中に社員が退職した場合は、助成金を受給できない場合がありますので、その点も注意が必要です。

助成金を表す図

 

人材開発支援助成金の対象や助成額をコースごとにご紹介

現在、人材開発支援助成金には7つのコースがあります。

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • 教育訓練休暇付与コース
  • 特別育成訓練コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障碍者職業能力開発コース

助成対象や助成額はそれぞれ異なりますが、各コースに共通する助成要件は以下の通りです。

  1. 雇用保険適用事業所の事業主であること
  2. 人材育成制度を新たに導入し、その制度を雇用する被保険者に適用した事業主であること
  3. 「事業内職業能力開発計画」を作成し、労働者に周知していること
  4. 職業能力開発推進者を選任している事業主であること
  5. 制度導入前の6か月間で、雇用する被保険者を解雇等事業主都合により、雇用する被保険者を離職させた事業主でないこと
  6. 「事業所の被保険者数のうち6%以上が、制度導入の6か月以内に、規定の離職理由により、雇用保険法第13条の受給資格の決定が行われたものである事業者」ではないこと
  7. 制度の適用を受ける期間に、所定時間労働した場合に支払われる通常の賃金を、労働者に支払う事業主であること(無給の教育訓練休暇等制度を除く)
  8. 助成金の審査に関わる書類を管理し、5年間保存している事業主であること
  9. 助成金の審査に関わる書類を、必要に応じて提出・提示する、実地調査等の審査に協力する事業主であること

また、以下の「生産性要件」のいずれかを満たしていれば、助成金の増額が見込めます。

  1. 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、 その3年度前に比べて6%以上伸びていること
  2. 金融機関から一定の「事業性評価」を得ており、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること

それでは、各コース毎に要件をご紹介します。

①特定訓練コース

特定訓練コースは労働生産性の向上に資する、OJTとOFF-JTが組み合わさった訓練コースです。

対象(特定訓練コース)

中小企業以外
中小企業
事業主団体等

対象となる訓練

労働生産性向上訓練
若年人材育成訓練(雇用後5年未満かつ35歳未満)
熟練技術育成・継承訓練
グローバル人材育成訓練
特定分野認定実習併用職業訓練(建設業、製造業、情報通信業)
認定実習併用職業訓練
中高年齢者雇用型訓練(45歳以上)

助成率
助成額

中小企業
事業主団体等

生産性要件を
満たさない場合

OFF-JT
 経費助成 45% 
 賃金助成 760 / 時・人 
OJT
 実施助成 665円 / 時・人

生産性要件を
満たす場合

OFF-JT
 経費助成 60% 
 賃金助成 960 / 時・人 
OJT
 実施助成 840円 / 時・人
中小企業以外

生産性要件を
満たさない場合

OFF-JT
 経費助成 30% 
 賃金助成 380 / 時・人 
OJT
 実施助成 380円 / 時・人

生産性要件を
満たす場合

OFF-JT
 経費助成 45% 
 賃金助成 480 / 時・人 
OJT
 実施助成 480円 / 時・人

 

②一般訓練コース

一般訓練コースは、他のコース以外の訓練に対しての助成であり、eラーニングを含む通信制等も助成対象となります。

対象(特定訓練コース)

中小企業以外
中小企業
事業主団体等

助成率
助成額

生産性要件を
満たさない場合

OFF-JT
 経費助成 30% 
 賃金助成 380 / 時・人 

生産性要件を
満たす場合

OFF-JT
 経費助成 45% 
 賃金助成 480 / 時・人

 

③教育訓練休暇付与コース

教育訓練休暇付与コースは、「有給教育訓練休暇等制度または120日以上の長期教育訓練休暇制度を導入」し、労働者がこの休暇を取得して訓練を受けた場合に、助成対象となります。

対象(特定訓練コース)

中小企業以外
中小企業

助成率
助成額

生産性要件を
満たさない場合

定額助成 30万円

生産性要件を
満たす場合

定額助成 36万円

 

④特別育成訓練コース

特別育成訓練コースは、有期契約労働者などに対し、正規雇用への転換や処遇の改善を目的として人材育成に取り組んだ場合に助成対象となります。

対象(特定訓練コース)

中小企業以外
中小企業
事業主団体等

対象となる訓練

一般職業訓練
有期実習型訓練
中小企業等担い手育成訓練

助成率
助成額

中小企業

生産性要件を
満たさない場合

OFF-JT
 経費助成 実費
 賃金助成 760 / 時・人 
OJT
 実施助成 760円 / 時・人

生産性要件を
満たす場合

OFF-JT
 経費助成 実費 
 賃金助成 960 / 時・人 
OJT
 実施助成 960円 / 時・人
中小企業以外

生産性要件を
満たさない場合

OFF-JT
 経費助成 実費 
 賃金助成 475円 / 時・人 
OJT
 実施助成 665円 / 時・人

生産性要件を
満たす場合

OFF-JT
 経費助成 実費 
 賃金助成 600円 / 時・人 
OJT
 実施助成 840円 / 時・人

 

⑤建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コースは、建設事業種などを対象に建設労働者の雇用の改善や技能向上など図るために建設関連の認定訓練を実施した場合に助成対象となります。

対象(建設労働者認定訓練コース)

中小建設事業主
中小建設事業主団体

対象となる訓練

認定職業訓練
指導員訓練のうち建設関連の訓練

助成率
助成額

生産性要件を
満たさない場合

経費助成(訓練を実施した場合)
 補助対象経費の16.7%
賃金助成(雇用する建設労働者に訓練を受講させた場合)
 4750円 / 日・人 

生産性要件を
満たす場合

賃金助成(雇用する建設労働者に訓練を受講させた場合)
 6000円 / 日・人

 

⑥建設労働者技能実習コース

建設労働者技能実習コースは、建設事業種などを対象に建設労働者の技能向上など図るために建設関連の技能講習を実施した場合に助成対象となります。

対象(建設労働者認定訓練コース)

中小建設事業主
中小建設事業主団体
中小以外の建設事業主
中小以外の建設事業主団体

対象となる訓練

安全衛生法に基づく教習及び技能講習や特別教育
能開法に規定する技能検定試験のための事前講習
建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習

助成率
助成額


 

 

中小建設事業主

生産性要件を
満たさない場合

20人以下
 経費助成 75%
 賃金助成 7600 / 日・人
21人以上
 経費助成 35歳未満70%
      35歳以上45%
 賃金助成 6650円 / 日・人

生産性要件を
満たす場合

20人以下
 経費助成 90%
 賃金助成 9600 / 日・人
21人以上
 経費助成 35歳未満85%
      35歳以上60%
 賃金助成 8400円 / 日・人
中小以外の
建設事業主

生産性要件を
満たさない場合

経費助成 60%

生産性要件を
満たす場合

経費助成 75%

中小建設事業主団体

経費助成 80%

中小以外の建設事業主団体

経費助成 66.6%

 

⑦障害者職業能力開発コース

障害者職業能力開発コースは、障碍者に対して能力の開発や向上のため、職業能力開発訓練を実施する場合に助成対象となります。

対象(建設労働者技能実習コース)

事業主
事業主団体

対象となる訓練

障害者職業能力開発訓練施設等の設置等
障害者職業能力開発訓練運営費(人件費、教材費等)

助成率
助成額

(施設等)
3 / 4 (上限額5000万円、更新の場合は1000万円)
(運営費)
4 / 5 (上限額1人当たり17万円)

 

人材開発支援助成金の受給手続きの流れ

人材開発支援助成金の受給手続きはどのように行えばいいのでしょうか?

まず研修の実施前に、「職業能力開発推進者」の選任、「事業内職業能力開発計画」の作成、「計画届」の提出を行います。「職業能力開発推進者」は、社内で職業能力開発に関する指導等をする役割で、「事業内職業能力開発計画」の策定も行います。

次に、計画届の提出です。事業主は「訓練実施計画届」や「制度導入・適用計画届」などの必要書類を、研修実施の1か月前までに管轄の労働局に提出する必要があります。

計画届の提出が済んだら、提出した「訓練実施計画届」や「制度導入・適用計画届」に沿って訓練や制度導入を実施します。

その後、研修実施してから2か月以内に、労働局へ「支給申請」を行います。

受給に際しては審査があり、「支給申請」から実際に受給されるまで4か月から6か月程度の期間があります。

助成金を手続きしている様子

 

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人材開発支援助成金は、人材育成を行う企業を支援するための助成金です。

社員のスキルアップに注力することは、長期的に会社の利益につながります。

事業者、被雇用者の双方にとってメリットの多い制度ですので、ぜひ助成金を活用して人材開発に役立てみてはいかがでしょうか。