生成AIパスポートとは?取得するメリットや試験概要・難易度を紹介

生成AIパスポートに興味があるものの、

・どのような資格が分からない…。
・試験の概要が知りたい…。

という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、

・生成AIパスポートが注目されている理由や取得するメリット
・生成AIパスポートの勉強方法

についてご紹介します。

初心者の方でも、この記事を読めば、生成AIパスポートの試験概要について理解できます。

生成AIパスポートとは?

生成AIパスポートとは、AIに関する様々な知識を体系的に身につけられる民間資格です。生成AIの活用方法から、個人情報漏洩や著作権侵害、商用利用の可否といった企業のコンプライアンスで重要な法的注意点なども学べます。

生成AIパスポート|生成AI活用普及協会(GUGA)
出典:生成AIパスポート|生成AI活用普及協会(GUGA)

生成AIパスポートはオンライン試験であり、試験時間も約60分間と比較的短いため、受験しやすい資格であるといえるでしょう。生成AIパスポートの試験に合格すると、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)から認定が受けられます。

なお、AIについては「人工知能(AI)とは?具体例付きでわかりやすく簡単に解説!」で分かりやすく解説しているので、併せてご覧ください。

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生成AIパスポートが注目されている理由

生成AIパスポートは、多くのビジネスパーソンから注目されている資格です。ここでは、生成AIパスポートが注目されている理由について解説します。

生成AI普及協会(GUGA)から資格を認定される

生成AIパスポートの認定を行っている、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)は、AIに関する専門知識や経験を持つ50名以上のAI有識者が在籍する組織です。

生成AIパスポートを取得することで、AIの専門団体であるGUGAからの認定を受け、自身のAIに関する基礎知識やリテラシーの高さを客観的に証明できます。

どの業種でも活かせる資格である

幅広い分野で活かせる資格であることも、生成AIパスポートが注目されている理由の1つです。

AIの活用が進む近年では、AIを安全に活用するための知識や心構えであるAIリテラシーが様々な業界で求められています。生成AIパスポートを取得することで、業界や業種を問わずAI活用に関するスキルを身につけられます。

また、企業によっては全社員に対して生成AIパスポートの所得を推進していることから、信頼性が高い資格といえます。

 

ITパスポートとの違い

生成AIパスポートと似ている資格にITパスポートがありますが、資格の目的や問われる知識(習得できる知識・能力)が異なります。生成AIパスポートとITパスポートとの違いは次の通りです。

ITパスポートは、ITに関する基礎知識を習得できるのに対し、生成AIパスポートはAIに関して基礎から応用能力まで習得できるという違いがあります。

ここからは、ITパスポートと生成AIパスポートの特徴を紹介します。

ITパスポート:ITに関する基礎知識を習得できる

ITパスポートとは、情報承知推進機構(IPA)が運営する国家試験です。ITパスポートを取得すると、ITに関する基礎知識を幅広く身につけていることを証明できます。

ITパスポートの試験内容は3部構成です。経営に関する全般的な知識を問われる「ストラテジ系」、IT管理に関する「マネジメント系」、IT技術に関する「テクノロジ系」という3分野の問題が出題されます。

ITパスポートを取得すると就職や転職で役立ちます。また、より上位のIT資格に挑戦するきっかけとなることもITパスポートの特徴です。

ITパスポートについては、「ITパスポートの合格に必要な勉強時間は?合格者の特徴も紹介!」でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

生成AIパスポート:AIの基礎から応用能力まで習得できる

生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)によって運営される試験です。資格の取得により、生成AIの基礎知識から応用能力まで証明できます。

生成AIパスポートの試験内容は、AIの基本原理や仕組み、自然言語処理と画像生成技術、生成AIの応用分野や事例などです。また、生成AIを活用する上での倫理や法的問題、データセキュリティ、開発や運用事例に関する内容も問われます。

PC上のAIのイメージ

 

生成AIパスポートを取得するメリット

生成AIパスポートは、ビジネスにおけるAI活用に関する資格のため、個人だけでなく組織のDX化推進にも役立ちます。生成AIパスポートを取得する主なメリットは次の通りです。

一つずつ見ていきましょう。

AIを扱う上での法的リスクを理解できる

生成AIを活用する際は、様々なデータを学習させることが多いため、個人情報保護や著作権侵害といった法的リスクに注意が必要です。また、使用するツール(サービス)によっては、商用利用できる範囲が定められている場合もあります。

これらの法的リスクについて理解できることが、生成AIパスポートを取得するメリットです。取得に向けた学習の中で、AIを利用する際に入力する情報の取り扱いや、生成されたコンテンツの権利関係など、法的・倫理的な注意点が学べます。また、生成結果に問題がないかの検証方法や、機密情報の管理方法なども生成AIパスポートの範囲です。

より質の高いコンテンツを生成できる

AIで質の高いコンテンツを生成するためには、AIに対して指示を出す文章である「プロンプト」が重要です。生成AIパスポートの取得に向けた学習を通じて、適切なプロンプトを作るスキルが向上すると、より質の高いコンテンツを生成できるようになります。

例えば、画像生成にAIを利用する場合、求める雰囲気や表現方法などを的確に伝えられるようになり、思い通りの成果物を得やすくなります。また、生成された内容を編集したり、改善したりする方法も学べます。

プロンプトについては以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

ChatGPTのプロンプトとは?効果的なプロンプトの作り方や例を紹介

プロンプトエンジニアとは?AI領域で話題の職種について解説!

作業時間の短縮やビジネスの活用につながる

生成AIの活用法を身につけると、メール作成やデータ分析、調査などを効率化できます。作業時間を短縮し、より付加価値の高い業務に割ける時間が増えるため、企業の競争力向上につながることが生成AIパスポートを取得するメリットです。

また、自社の業務やサービスにAIを導入できるようになると、新たなビジネスモデルの創出や、既存サービスの改善につながります。

昇給やキャリアアップにつながる

生成AIパスポートを取得すると、生成AIの適切な使用法を理解していることを証明できるため、キャリアアップを目指せます。例えば、社内で生成AIを活用している部署で活躍したり、プロンプトエンジニアとして転職したりすることが可能です。

AIの活用は今後さらに進むことが予想されるため、生成AIパスポートで学べるスキルへの評価も高まることが期待されます。

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生成AIパスポートの試験概要

生成AIパスポートの試験形式や日程、受験料などの概要は次の通りです。

それぞれ詳しく紹介します。

試験形式:60分60問のオンラインテスト

生成AIパスポートの試験時間は60分です。問題数は60問で、4択のマーク式となっています。

生成AIパスポートは、試験会場ではなくオンラインのIBT方式で受験可能です。IBT(Internet Based Testing)とはインターネット上で実施される試験やeラーニングのことで、インターネットにアクセスできるパソコンがあればどこからでも利用できます。

試験日程:年3回、4か月毎に開催

生成AIパスポートの試験は、毎年2月、6月、10月の3回実施されます。各回の申込期間と受験期間は次の通りです。

試験 申込期間 受験期間
第1回 10月1日0:00~1月31日23:59 2月1日0:00~2月29日23:59
第2回 2月1日0:00~5月31日23:59 6月1日0:00~6月30日23:59
第3回 6月1日0:00~9月30日23:59 10月1日0:00~10月31日23:59

 ※2025年時点

特定の受験日が決まっているわけではなく、受験期間中であれば好きなタイミングで受験可能です。ただし、試験日程は変更となる可能性があるため、最新の情報をGUGAの公式サイトで確認しましょう。

受験料:11,000円、学生は5,500円

2025年1月時点で、生成AIパスポートの受験料は11,000円(税込)です。学生は半額となる5,500円(税込)で受験できますが、在学を証明する書類の提出が求められます。

試験範囲:シラバスから出題

生成AIパスポートの試験範囲は、公式サイト上のシラバスに記載されています。

2025年時点の出題範囲の概要は以下の通りです。

大項目 中項目
第1章 AI(人工知能) ・AI(人工知能)の定義
・AIに知能をもたらす仕組み
・AIの種類
・AIの歴史
・シンギュラリティ(技術的特異点)
第2章 生成AI(ジェネレーティブAI) ・生成AI(ジェネレーティブAI)とは
・ChatGPT
第3章 現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向 ・生成AIが出来ることと主なサービス
・ディープフェイク(深層偽造)技術
第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則 ・インターネットリテラシー
・セキュリティとプライバシー
・個人情報保護の観点
・制作物に関わる権利
・AIを取り巻く理念と原則・ガイドライン
第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例 ・LMとLLM
・プロンプティングの基礎
・LLMプロンプティングの実践
・テキスト生成AIを用いたビジネス応用
・テキスト生成AIの不得意なこと

 

ただし、試験内容は随時改定されるため、詳しくはシラバスをご確認ください。

また、過去問は公開されていないものの、サンプル問題は公式サイト上で確認できます。

合格率:約76%で難易度は高くはない

年齢や業種を問わず様々な人が受験する生成AIパスポートの合格率は76.78%です。

高難易度というわけではないですが、全く勉強をせずに日常レベルの知識だけで合格できるような試験ではありません。AIの生成技術に関する基本的な理解や、技術を実際に応用するための知識が求められるため、きちんと対策が必要です。

なお、生成AIパスポートの合格者には、合格証書と、「オープンバッジ」と呼ばれるデジタル証明書が発行されます。オープンバッジには取得年が記載されているため、AIに関する学習歴の証明が可能です。資格の有効期限はなく、一度取得すれば無期限で利用できます。

IBT試験を受験するイメージ

 

生成AIパスポートの勉強方法

前述の通り、生成AIパスポートの取得には、生成AIに関する基礎知識の学習が必要です。試験では実践的な知識が問われるため、実際に生成AIを利用しながら学習することが推奨されます。

例えば、文章生成であれば「ChatGPT」、画像生成なら「Midjourney」、動画編集や特殊効果は「Runway」が代表的な生成AIサービスです。各サービスの具体的な使い方については、以下の記事をご覧ください。

ChatGPTを日本語表示で使用する方法!機能・使い方を解説

Midjourney(ミッドジャーニー)の使い方!AI画像生成を体験しよう

公式テキスト・問題集

生成AIパスポートの試験には、公式テキストや、資格の運営団体が監修する書籍などがあります。テキストではAIの生成技術に関する基礎知識などを学ぶことが可能です。

また、実際の試験を参考にして作られた模擬問題が掲載されているテキストもあり、実践的な形式でAIへの理解を深められます。

動画講座

Udemyなどの動画講座も、生成AIパスポートでおすすめの勉強方法です。テキストよりも、専門用語や知識をかみ砕いて丁寧に解説される動画講座の方が、より効率的に学習を進められます。

また、現役のAI技術者による最新情報の解説を通じて、深い理解が得られることも動画講座で学ぶメリットです。ChatGPTやMidjourney、Runwayといった生成AIの実際の操作画面を見ながら使い方を学べる動画講座もあります。

 

生成AIパスポートを取得してAIリテラシーを高めよう!

生成AIパスポートは、AIの活用に関する幅広い知識を証明できる資格です。生成AIパスポートの受験に向けた学習を通じて、ビジネスでAIを扱う上での法的リスクや、質の高いコンテンツを生成する方法などを理解できます。

生成AIパスポートの受験に必要な知識を効率的に学びたい方には、以下の講座がおすすめです。この講座では、AIの基礎知識から機械学習の仕組み、AIに関連する法律知識などを網羅的に学べます。生成AIパスポートの取得を目指す方はぜひ参考にしてください。

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レビューの一部をご紹介

評価:★★★★★
コメント:網羅性があり非常に的確な内容と思う。試験受験に向けて前向きな意欲が湧いた。

評価:★★★★★
コメント:数学の知識があまりない私でも講師の たとえ の表現で直観的にAIの基本的な知識が身に付きます。

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