学びで頼られる存在になることで、
さらなる学びの意欲が生まれる

  • 40代
  • 不動産業及び構成作家
  • 会社員(副業一部許可)
  • Before

    職業 構成作家

    役職 個人事業主

  • After

    職業 不動産業及び構成作家

    役職 会社員

取材にご協力いただいた方 森口啓一さん

コロナで構成作家の仕事が減り、アルバイトに応募するも不採用となり大ショック。
それを契機に改めて「学び始めた」という森口啓一さん。
ほどなく就職は決まりますが、「学んだ」成果は思った以上で、気がつけば職場で頼られる存在に。
やりがいが生まれ、それによってまた「学ぶ」という好循環が生まれています。

「あ、俺、バイト落ちるんだ……」、がく然としたことが学ぶきっかけに

「コロナ禍で仕事が激減したので、仕事に関連するような職種のバイトでもしようかなと思ったんですよね。ところが応募して、面接するも結果は不採用に。『えっ、今のスキルだとバイトでも落ちるんだ……』。がく然としましたね」

森口啓一さんは大学卒業後、出版社で情報誌や音楽誌などの編集者として勤めました。その後、独立してフリーランスに。数社の出版社でライティングやデザインを担当しました。自分が書いた原稿やデザインがどのようにして雑誌や書籍になるのか興味が湧き、大手印刷会社に就職。その後、声をかけていただいた印刷会社に転職するも人員削減でリストラに遭い、無職に。告知された日は呆然と家にたどり着いたそうです。

「でも、放心状態のままラジオをつけたら、その放送がめちゃくちゃ面白くて声を出して笑ったんです。人生のどん底の状況で、こんなに笑えるなんて、と驚きました。恩返しというわけではありませんが、その番組が募集しているコーナーにメールで投稿を始めたんです。そうしたら『よく送ってくれるこの人、面白いな』と言っていただけるようになって」

パーソナリティは吉本興業の芸人でR-1ぐらんぷり2009で優勝した中山功太さん。森口さんは、中山功太さんから声をかけてもらい、構成作家になる決意を固めます。年齢としては30歳を過ぎた頃でした。

以後、森口さんは中山功太さんをはじめ、吉本興業の芸人だけでなく、さらば青春の光などのイベントの構成作家も務めてきました。イベント以外にもテレビやラジオに、変わったところではシンポジウムや警察署の啓発イベント用に漫才のネタを書くという仕事もされたとのこと。

それから10年あまり、構成作家の活動を続けた森口さんでしたが、2020年、日本でも深刻化した新型コロナの蔓延にぶつかりました。仕事が減り、バイトに軽い気持ちで応募するも採用されず、改めて自分の価値に疑問を持ち始めます。

これまでは運良くやってこれたが、これからは果たしてうまくいくのだろうか……?

改めて「学び直そう」。そう決心したそうです。学び始めてからほどなくしてバイトではなく正社員として就職が決まるのですが、学んだことは思った以上の効果を出し始めます。

ニーズがマッチして正社員採用、入社後に「学んだ効果」がてきめんに

2021年、森口さんが就職したのは、ハウススタジオを専門に扱う不動産会社でした。ハウススタジオとは、映画やドラマの撮影のために使用するマンションやオフィスのことです。それらを管理・運営する会社でした。

「ドラマだけでなく、動画配信やイベントの会場としてハウススタジオを貸し出せば、新しい事業ができるのではないかと面接時に提案しました。面接の後には、スタジオの見学をさせてもらって、そこでも提案を続けました、まだ合否も出ていないのに。今まで採用した人材にない視点からの提案と熱量で正社員として採用していただきました」

構成作家としてスタジオを利用する側だった森口さんの頭には、芸人たちとこんなことがしたい、こうすれば制作が使いやすいスタジオになるのではないかとアイディアがいっぱいだったのです。

就職は決まったものの、「学ぶ効果」はむしろそのあとに現れることになりました。

スタッフが多くいるわけではないため、森口さんはハウススタジオの営業だけでなく、ありとあらゆる業務に関わるようになりました。

「撮影が決まれば見積書や撮影規約書を作り、近隣へのお知らせの配布も必要になります。たとえば、ドラマでパトカーが登場するシーンを撮影する場合は、『パトカーが来ますけど、驚かないでください』というような。それらの文章は、必要になるたびに過去のものを引っ張り出して、入力し直していたんです」

以前誰かが作ったExcelデータを流用するものの、日にちも利用時間も都度変わります。つまり、流用とはいえ入力し直して利用するわけなので、手間も時間も取られていました。

そこで森口さんは、新たにExcelのシートを作りました。

「さきほど説明したお知らせ書類だと、スタジオの名前や担当者をあらかじめ登録しておいてプルダウンで選べば、そのスタジオについての書面に、そして担当の名前や連絡先も切り替わり、撮影日も3日間まで対応できるようにしました。」

スタジオによって住所はもちろん、注意事項も異なるので、それもあらかじめ文面を用意しておき、ExcelのIF関数で自動的に組み込まれます。

「作ったExcelのシートをSlackにアップして、営業のメンバーに『使ってください』と送ったら、職場がざわついたんですよ。そんなことできるんだ、と。しばらくすると同僚だけでなく上司からも『これ、どうやって作ったの?』と聞かれました」

意外な反応に森口さんが驚いたほどでした。

学んで喜ばれ、また学ぶ好循環が、新たに学ぶ意欲を生み出す

以後、森口さんは「Excelができる人」と頼られるようになり、後輩からも「教えてください」と言われるほどになりました。

「だから改めてしっかり学ぼうと思い始めました。あいまいなところを見直して、しっかり説明できるようにしたいですね」

そんなとき、まさに渡りに船だったのがUdemyとの出合いでした。

「Excelについては、使い方全般を教える講座もありますが、ピンポイント的なノウハウを教える講座も多く、必要なものを選んで集中的に受講しました。」

非常に実践的なスキルを養うことができたそうです。

「通勤時間、移動時間、待機時間、空いている時間が少しでもあれば、Udemyの講座を再生しました」

多くの場合は「ながら勉強」だったそうです。

「テレビでサッカーの試合を見ながら、手元ではスマホでUdemyを立ちあげています。ハーフタイムや点が入りそうもない展開が続いたら、Udemyに集中します。気になったところはメモしておいて、あとからお風呂や睡眠前にまた見直しました」

わずかな時間でも、何度も見たり、聞いたりしていると、映像や音声が頭に残っているそうです。特にラジオが好きだった森口さんにとって「耳学」は効果的だったそうです。

1日1分でも続けると決心し、受講すれば、カレンダーにチェックを入れるようにしました。

まだカレンダーに印のない日は、「1分だけでも」とUdemyを見たり、聴いたりしますが、やり始めればあっという間に10分20分が過ぎていったそうです。

カレンダーは奥さんと共有できるものにして、印のない日は奥さんからも指摘してもらうようにしました。

「思い立ったときが一番モチベーションは高いと思っているので、そのときに始めるのもコツです。あとから気が向いたらやろうという思考は捨てました。」

会社では作ったシートで驚かれたり、喜ばれたり、あるいは人に教えることで、周りからの評価が高くなり、それがまた森口さんにとって、学ぼうというモチベーションにつながっていったそうです。

現在、森口さんは会社のホームページの更新や修正も任され、デザインや写真撮影、SEOなどもUdemyで学んでいます。

森口さんは、副業として構成作家も続けていますが、こちらも学んだ効果がてきめんに出たそうです。

「番組の企画書を出したところ、担当から『前よりもめちゃくちゃ見やすくなった』と言われました。バラエティの企画書は赤い四角の中に黄色い文字をドンと置いて目立たせて、目がチカチカするようなものが多いんです。でも私が受講したUdemyのプレゼンテーション講座ではテンプレートが用意されていて、それがシンプルで見やすかったんです。講座の内容も言いたいことは極めて短くまとめて、色数は控えめ、読ませたい文字も黒ではなく、目に優しいように濃いグレーに、などは参考にさせてもらいました。」

学生時代はあまり学ぶことに意欲的ではなかったという森口さんですが、今は「学ぶことで任されることも目に見えて増えるので、とてもモチベーションは高い」といいます。

これからも、社会から必要とされる人間でありたい、そのために学び続けたい。「次は何をやろうかなと、常に学ぶ姿勢になりました」と森口さんは語っています。

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